【ドラゴンクエスト エデンの戦士たち】

Last-modified: 2022-03-20 (日) 03:26:30

概要

【月刊少年ガンガン】誌上で2001年2月号から2006年1月号まで連載された、【ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち】のコミカライズ版。
【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】の作画担当である【藤原カムイ】により連載された。
漫画版DQ6同様、ゲーム本編のストーリーに沿って物語が進行する。
 
物語開始時は一介の村の少年に過ぎない主人公たちの成長を丁寧に描く藤原らしい作風であったものの、元々長大であったDQ7の物語を漫画オリジナルのエピソードを交えつつ進めていたため物語の進行に時間がかかった。
そのため、5年の連載期間、単行本にして14巻でやっと原作三分の一のキーファ離脱までたどり着いた時点で第一部完となった。
なお、作者コメントによると漫画としてはこの辺が半分だと書かれている。
 
物語の大筋はゲームに忠実であるものの、よりドラマを掘り下げるために細かな設定の変更が数多く行われていたため評価は賛否両論。
著者のWebサイトに設置されていた掲示板は常に喧々囂々の状態であった。
 
特に「キーファとマリベルが恋愛関係にある」という描写と、それによって原作ではキーファの末裔である【アイラ】が彼と無関係(同名キャラはいるが別人)という大胆すぎる設定改変によって、漫画版の物語は主人公そっちのけで二人を軸にしたものになっていることについての否定的意見があり、現在において本作があまり顧みられない一因となっている。
キャラクターのカップリングがはっきり描かれないDQシリーズにおいても、作中の展開や台詞などから、おぼろげな公式カップリングめいた組み合わせは伺えるため、本作に限った話ではなく、小説版DQ6など、それにそぐわない作品は評価が低くなりやすい。
実際DQ7でも公式のキーファのお相手として【ライラ】がいるのだが、この設定変更のせいで彼女が割を喰っており、本作ではキーファとくっつくこともなく非常に影が薄い。
そもそも原作のマリベルが意識しているのは(はっきり明言されてはいないものの)キーファではなく明らかに主人公の方である。
 
また途中で挿入された【蜃気楼の塔】での修行編がコミックス3冊分、連載期間の内の約1年という漫画史上有数の長さでしかも本筋には関係ないというのもよく挙げられる批判点の一つ。
しかも修行編の中だけで舞台やキャラ(キーファが見ている過去の記憶という設定)がコロコロ移り変わって煩雑になっており、終わる頃には本筋であるはずの石版世界のことなど読者の頭から完全に忘れ去られている。
修行編は「ロト紋」とのクロスオーバーという側面もあったのだが、作者がDQ7世界に無理矢理自作品の要素を捩じ込んだようにも見えてしまうため、「ここをもっと簡潔にするか、あるいはばっさりカットして本筋に力を入れて欲しかった」という意見は非常に多い。
 
そのあたりの読者の反応もあり、著者の藤原カムイは「エデンは正直、打ち切られたというより、打ち切った。すでに完成されたものに対してオリジナル要素を加えることに異常な拒否反応を示す向きの方もおられるのも確かで、そうした煩わしさから逃れたい気持ちがあったから」と自身のWebサイトでコメントを残しており、人気のある原作の扱いの難しさの一端がうかがえる。
もっとも、不評の最大の要因は「オリジナル要素を加えること」ではなく「それが面白さに繋がっていないこと」なのでどうにも責任転嫁に聞こえてしまうのも否定できないところではある。
 
本人のコメントからもうかがえるように、実質的には連載終了だが作品内では第一部完のままという曖昧な状態になっている。
なお、ダーマ編は転職の描写の難しさからやる予定がなく、ラストではダーマ地方をすっ飛ばして砂漠地方でメディルの使い率いる魔物の大軍勢と戦うシーンで幕を閉じている。…これはつまり7でも屈指の人気キャラである【フォズ】を出さずに進めるという事を意味しており、本当にこの予定で行っていたらまた大批判を喰らったのは想像に難くない。
後にロトの紋章完全版の刊行後に同作の続編を執筆することになるが、ベゼルや炎の精霊に関わる一族が登場している。

精霊の紋章

本作では主人公のアルスの右腕にある紋章のアザが掘り下げられており、アルスと同じように各精霊に関連するアザを持つ人間が登場する。
火の精霊はオリジナルキャラのグレン、土の精霊はライラとジャン、風の精霊は登場はしていないが紋章だけは設定ラフ集で描かれている。
精霊のアザを持つ人間は神に選ばれし能力を持ち、精霊の力を自由に操ることができる。
また、アルスはグレンと共振することで、アルスの額に火の紋章のアザが浮かび上がり、火の精霊の力を操ることができる。
メディルの使いはアルスやグレンなどの精霊の紋章のアザを持つ人間を警戒している。

主要な登場キャラクター

【アルス】
【キーファ】
【マリベル】
【ガボ】
【ゲレゲレ】

オリジナルキャラクター

【アイラ】
【カダル】
【グスタフ】
【グレゴリー】
【グレン】
【ゴドム王】
【バースト】
【パセム】
【ブルク王】
【フレア】
【ブレミン】
【ベゼル】
【マロニエ】
【ミランダ】
【メアリー】
【モリコーネ】
【モンジュラ】
【ランドルフ】

主要モンスター

【オルゴ・デミーラ】
【メディルの使い】
【あめふらし】
【炎の巨人】
【マチルダ】
【デス・アミーゴ】
【マシンマスター】【ロイド】
【ナプト】
【プッチ戦隊】(【コウガ】、【オツマ】、【ヘイトス】、【テイラー】)
【海の番人】
【フレアシャドウ】
【大死霊】

アイテム

【おなべのヘルメット】
【バーサク茸】
【不思議な木の実】
【マーマンヘルム】

オリジナル呪文・技

【アヴェルコヴェルリヴァース】
【ストップ・ザ・ワールド】
【超まわしげり】
【地走り】
【ネコダマシーン】
【ファイヤーウォール】
【ヘルスパーク】
【変化の術】
【真一文字】
【メドゥサシャワー】

オリジナル地名

【ゴドム】
【蜃気楼の塔】
【魔界】

乗り物

【ホバーバイク】