【ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド】

Last-modified: 2021-10-03 (日) 02:37:44

・DQモンスターズシリーズ
DQM - DQM2 - PS版1・2 - DQMCH - DQMJ - DQMJ2 - テリワン3D/SP - イルルカ - DQMJ3

DQM関連一覧
キャラクター - モンスター - 地名 - 呪文 - 特技 - アイテム - 音楽 - 台詞

概要

ドラゴンクエストモンスターズシリーズ第1作。
1998年(平成10年)9月25日(金)発売。略称は「テリワン」。対応機種はゲームボーイで、初のゲームボーイカラー対応ソフトでもある。
初期に出た灰色と後期に出た黒色の二種類のカートリッジが存在するが、違いは色とパッケージデザインだけで中身は同じ。
パッケージの左側に「GAME BOY COLOR」のロゴがない方が初期。
 
【ドラゴンクエストVI 幻の大地】の外伝的な要素が強い。
主人公は子供時代の【テリー】。物語は突如タンスの中から現れた【マルタの国】の精霊【ワルぼう】に姉【ミレーユ】が連れ去られてしまうところから始まる。その直後、【タイジュの国】の精霊【わたぼう】が続けて現れ、テリーはわたぼうによってタイジュの国へと導かれる。
この国では【星降りの大会】で優勝すると願いが叶うと言い伝えられており、テリーはミレーユにもう一度会うため、マスターになり星降りの大会で優勝することを決意する。
 
2000年に欧州・北米でも "DRAGON WARRIOR MONSTERS" のタイトルで発売された(対応言語は英語とドイツ語のみ)。DQシリーズとしては1992年のNES版DW4以来、8年振りの海外展開再開となった。

システム

本編ではDQ5で【仲間モンスター】のシステムが確立されたが、本シリーズはこの仲間モンスターの育成および戦闘を主体とした構成になっている。
そのため本編とは異なりプレイヤー(テリー)自身は直接戦わず(アイテムを使ったり杖で攻撃したりすることはあるが)、戦闘ではあくまで仲間にしたモンスターが戦う。
基本的なシステムは「肉」を与えることでモンスターを仲間に加え、♂♀同士を【配合】し、その間に生まれた子供の成長限界やステータスを上げて強化していくというもの。
モンスターは【スライム】【ドラゴン】【獣】【鳥】【虫】【植物】【悪魔】【ゾンビ】【物質】【???】の10系統に大別される。
本編シリーズでおなじみのモンスターはもちろん、本作オリジナルの新規参入モンスターも多数登場しており、【にじくじゃく】【ローズバトラー】といった人気モンスターがDQ7に逆輸入されたりした。
また、【しにがみきぞく】などは本作に抜擢されたことをきっかけに人気モンスターに上り詰めている。
配合して誕生したモンスターは両親のステータスが高いほど初期値も高く、配合回数が多いほど成長限界も底上げされる。
また、生まれた子は両親の持っていた【特技】を引き継ぐことができ、これを繰り返すことで最大8個まで特技を習得可能。
配合を介して特技を受け継いでいき、自分の気に入った特技を吟味して習得させていく。
そうして育てたモンスターで格闘場をGからSランクまで勝ち抜き、星降りの大会に出場して優勝することがストーリー上での最終目標となる。
 
モンスターは【旅の扉】から行ける各異世界で、戦闘で倒したり、肉系アイテムを与えたりすることで加入させられる。
異世界はいずれも自動生成型ダンジョンとなっており、最深層フロアへ進むと「扉のぬし」と呼ばれるボスモンスターが現れる。
ボスのいるフロアはDQ1~DQ6までの歴代ナンバリング作品における名場面を再現したものが多く、ファンをニヤリとさせてくれる。
例えば【ドラゴン】【沼地の洞窟】の牢に捕えた【ローラ姫】を見張り、【デュラン】はクラウド城で前座に据えたテリー共々戦いを挑んでくる。
またクリア後に出現する扉には、【りゅうおう】をはじめとする歴代の【ラスボス】がぬしとして鎮座する。
これらラスボス陣も配合で生み出し、配下として従えることができるのも本作の大きな魅力の一つ。
 
育成ゲームである以上、当然対戦も可能。
ほとんどの場合、全ステータスMAXかつ高い【耐性】を持つモンスターによる、高威力の特技を用いたHPの削り合いとなる。
勝負の報酬として互いのモンスターを賭けることもでき、敗北したプレイヤーはモンスターを奪われる。

評価

ナンバリングタイトルのように大掛かりなものではないものの、作品自体の世界観・ストーリーがしっかり作りこまれており、ポケモンのファン層を取り込みつつ約200万本の大ヒットを記録し、以降シリーズ化。
ドラクエというブランドの支持世代と間口を大きく広げるきっかけになった。
 
一方、モンスターズのシリーズ化以降、ナンバリング側ではリメイク版DQ5を除いて従来の仲間モンスターシステムは削除、あるいは別のシステムにアレンジされるなど、ナンバリングとモンスターズとで実質的な棲み分け・差別化が行われるようになった。

移植・リメイク

●ドラゴンクエストモンスターズ1・2 星降りの勇者と牧場の仲間たち
2002年5月30日に、次作DQM2のルカ編・イル編とセットでPlayStationに移植したソフト。
DQM2で新登場したモンスターが追加されているが、【水系】モンスターは【他国マスター】からしか手に入らない上会うのも大変であるため、【モンスター図鑑】の完成が極めて困難という仕様になってしまった。
詳しくはこちらを参照。
 
●ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D
2012年5月31日にニンテンドー3DSで発売されたリメイク版。システムはジョーカーシリーズを踏襲しており、ストーリー以外はほぼ別のゲームと化している。
2018年11月7日には追加要素を加えてスマホ(iOS/Android)にも『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドSP』として移植された。
詳しくはこちらを参照。
 

●ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドRETRO
2019年9月17日よりNintendo Switch(ダウンロード専用)にて、2019年11月7日よりスマホ(iOS/Android)にて配信されている復刻版。
オリジナル版の画面をほぼそのまま再現しており、カラー・モノクロの切り替えが可能。Switch版では周辺の余白部分にはパーティの各種情報などが表示される。スマホ版はGB本体を意識した画面デザインとなっている。
配合パターンもGB版そのままで、不自然だった【キングレオ】【メタルドラゴン】の配合パターンもそのまま残っている。
バグであると思われる【マネマネ】と何度も再戦できる仕様もそのままである。
通信には対応していない。その他、移動速度を若干速くできるようになっていたり、教会や棺桶、死亡時のアイコンに描かれている【十字架】のデザインが変更されていたりする。
ババーガール」や「ラスボスの噂」といった、テキストも一部変更されている。
スマホ版は方向キーが使いにくいと言う欠点がある。
Switch版では12連射パッドの使用により状況再現ができる。

余談

本作の取扱説明書にはモンスターのシルエットがいくつか描かれているが、その中には本作には登場しない【げんじゅつし】系統、【ガーゴイル】系統、【バンパイア】系統、そしてDQ6までに登場すらしていない【あくま神官】(【きとうし】の系統だが、角が生えている)、そして【マーマン】のシルエットがある。マーマンに関しては次作のDQM2で登場した。

同名書籍など

ゲームの発売に先がけて【ドラゴンクエスト モンスターズ】という同名の本が1996年に出版されている。(ISBN4-08-782017-3)
上下巻の2冊セットとなっており、上巻にDQ6までのモンスターのフルカラーイラスト、下巻にSFC版DQ3までのモンスターデータなどが掲載されている。
 
一方で、本作の攻略本としてVジャンプブックス[ゲームシリーズ]から別途『ドラゴンクエストモンスターズ』と言える書籍が存在するので注意が必要である。(ISBN4-08-779002-3)
この攻略本はデータベースでは一応『ドラゴンクエストモンスターズ:テリーのワンダーランド』という書名になってはいるのだが、巻末折り返し部分にある発行日や発行所等の表記を見ても、ルビ程度の大きさで「ゲームボーイ」と添えたうえで『ドラゴンクエストモンスターズ』というタイトルしか記載されていない。
背表紙にも「テリーのワンダーランド」の記載は無く、単に『ドラゴンクエストモンスターズ』とだけ読めてしまう。
唯一、表紙と扉ページにあるロゴ部分にだけ「テリーのワンダーランド」という表記が申し訳程度に添えられてはいるが、かなり小さく、注意して見ないとほとんど分からない。
事実上『ドラゴンクエストモンスターズ』という同名書籍と言えるような状況になっている。
 
今作の発売後には、今作の未来の世界を描いた【ドラゴンクエストモンスターズ+】という漫画作品が【月刊少年ガンガン】から連載された。

企画段階

【ドラゴンクエストモンスターズ 20thアニバーサリー モンスターマスターメモリーズ】には本作の前身といえる企画が掲載されており、1997年5月19日の段階では「スライム育成RPG SLIME MASTER」として企画進行されていた。
それによるとスライム系しか育成できず、スライムはベビー→キッズ→アダルトの順に成長していき、アダルトスライムを産卵場に連れると親よりも強いスライムが産まれるというシステムだったという。
ただ、この頃からストーリーがあってボスが存在したり、AIによるバトルや通信要素、エンディング後の要素がある等のシリーズの基本構造は考案されていたようだ。
やがてスライム以外のモンスターも出す方針に固まり、タイトルは「MONSTER MASTER」に改題され開発は一気に加速。
主人公はまだ決まっていなかったものの、画面写真も製品版により近くなった。
 
当時は『ポケットモンスター』の流行に伴い、二匹目のドジョウを狙ったGBのモンスター育成ゲームが氾濫していた。
本作もその中の1本と思われがちだが、実際にはキャラクターを配合・育成・対戦させるというアイディアは『ダービースタリオン』経由。配合のアイデアは馬主でもある【千田幸信】のものであるとのこと。
なおエニックス社長は当時、既に大人になった旧来のDQファン以外にも、GBでポケモンを遊んでいる当時の小学生層もDQユーザーに取り込みたいと発言(『ファミ通』1997年11月28日号)し、その一貫として発売されたのが本作であり、次いで翌年にはGB版DQ1・2を出している。
 
発表当初(1997年11月)は1998年3月発売予定であった。
その時はオープニングも製品版とは違い、ミレーユがさらわれるのではなく、彼女が寝ている隙に、テリーが部屋に現れたわたぼうの後を付いていきタイジュの国に入るというものだった(エンディング後のプレイではその形でタイジュの国に行っている)。
その後1998年2月に延期が発表され、7月に発売日が9月25日と正式決定した。