【ニセたいこう】

Last-modified: 2024-02-26 (月) 00:29:54

概要

「ニセ太后(たいこう)」。
名前通り【ラインハット太后】の偽物であり、彼女に成り代わることで【ラインハット】王国の実権を掌握した魔物。
見た目は【エンプーサ】【デビルダンサー】の色違いで、PS2版では王族らしい風格のある服装になっている。また青年時代前半で始めにボス曲の使われる【ボス級モンスター】

英語版での名前はfaux dowagerだが、Fauxは「フォウ」と読み、意味は「模造」や「偽造」。Dowagerは王侯貴族のような「(身分の高い)未亡人」という意味になるが、太后は「Empress dowager」、「皇太后」だと「Queen mother」。
ニセ者なのに「Fake」ではなく「Faux」なのはニュアンスの問題だろうか。

DQ5

王子【ヘンリー】が行方不明となり混乱するラインハット王国に潜入。
実子【デール】が王位についた【ラインハット太后】に化け、本物の太后を地下牢に幽閉していた。
どうせ化けるなら太后よりは国王(デールか先代)にした方が国を乗っ取るには手っ取り早い気もするが、国の警備の厳しい二人に対して王妃は人目を忍んでコソコソとゴロツキと密会していたので、こいつの方が狙いやすかったのだろう。
メタ的なことも言うなら、前々作の【サマンオサ】【ジパング】、前作の【キングレオ】と「王様が黒幕」というパターンが続いてきたところで今作ではひとひねりしてきたというところか。
 
国民には重税を課しつつ、未納者は理非を問わず次々と処刑。
一方で極端な富国強兵策を取り、軍備を増強した挙句「【パパス】のせいでヘンリーが行方不明になった」等という無茶苦茶な名目で国軍を動員して【サンタローズ】の村を焼き討ちにする等、悪政の限りを尽くした。
これには城の兵士も薄々おかしいとは思っていたが、既に魔物を城内に徘徊させられて異を唱えることはできなかった様子。
【ゲマ】【主人公】の家族のかたきなら、こいつは故郷を滅ぼした仇ということになる。
だがゲマ程ストーリーに絡んでくるわけではない(比較的早い段階で討伐され退場する)からか、やつの影に隠れてしまいがち。所業自体はかなりの大悪党だが。
 
そうして国を蹂躙していた彼(彼女?)だったが、ついに報いを受けるときが来た。
行方不明の王子ヘンリーとその仲間が【光の教団】を脱出、密かにラインハットへと帰還していたのだ。
国を蹂躙する邪悪の存在を知った彼らは、魔物の変身を解くという秘宝【ラーのかがみ】【神の塔】から入手。ラーのかがみに真実を映しだされ、ニセたいこうは遂に醜い魔物の正体を表した。
 
【ボストロール】【やまたのおろち】以来のお約束で、当然この後はボス戦となる。
それにしても、DQ3のボストロールと同じく為り変わった本人をなぜか殺さずに生かしているのだが、彼の場合は変化の杖を使っていないところを見ると【モシャス】で化けている可能性が高いので、化けるための本人が必要だったのかもしれない。
 
SFC版ではフィールドグラフィックでは魔法使いのグラフィックで、リメイク後も一人称が「オレさま」なので性別はオスと思われるが定かではない。
倒されたのち、彼はこう言い残した。

「おろかな人間どもよ……。
 オレさまを殺さなければ この国の王は 世界の王になれたものを……。
 ぐふっ!」

最後の最後まで人を愚弄し続けたその姿にはこいつの邪悪さがにじみ出ている。
そもそもこいつが支配している時期のラインハットでは王は実質お飾りに過ぎず、全ての権力はこいつ自身が握っていた。仮にラインハットが全世界を征服したとしても「世界の王」の座に着くのはこいつなのである。
 
こうしてニセたいこうの目論見は潰えたが、後にまたも国を乗っ取ろうとしたヤツが現れた。
そちらは未遂で終わったものの、そいつが乗っ取ろうとしたのは正真正銘主人公の祖国。愛する国を救うために【デモンズタワー】で対峙することとなる主人公だが、そいつの最期の執念で石に変えられてしまう…というところで青年期前半は幕を閉じる。
 
青年期前半は魔物による国盗りに始まり、国盗り未遂に終わるのだ。

SFC版

HP:350 攻撃力:70 守備力:90 経験値:750 ゴールド:320
ドロップアイテム:【ふしぎなきのみ】(1/8)

大きく息を吸い込む(いわゆる【きあいため】)の次には攻撃ではなく【かえんのいき】が来るので、パッと見だと「火を吐くために息を吸う演出の無駄行動」に思えるが、本作のきあいための仕様上、実際はかえんのいきを吐いた後も効力が残っており、直後に使用する通常攻撃にキッチリと2倍の効果が乗っている。
攻撃力自体は70とあまり高くないので2倍ダメージになってもそこまで火力は出ないものの、かえんのいきがこの時点ではかなり強力。
火に弱い仲間はかえんのいきのターンには防御させておこう。
【スカラ】等で守備力を上げれば通常攻撃は一気に怖くなくなるので、守備力が低めな味方に優先して使っておきたい。
下記の通り【マヌーサ】が有効なので、たまに直撃することはあるがこちらで対処しても良い。
その他に【わらいぶくろ】【がいこつへい】を呼ぶ等、多彩な特技を使い鬱陶しい。
がいこつへいは放置しても良いが、わらいぶくろは厄介な補助呪文を多数使うので速攻で倒すべし。
 
油断して回復が遅れた挙句に死者が出たり、わらいぶくろの補助呪文で崩されたりしなければ負けない筈だ。
弱いがいこつへいを左右に1体ずつ呼んでもらえば、スペースの都合上わらいぶくろを呼ばれることは無くなる。
ただ、通常攻撃の回避率が高く頻繁に身をかわしてくるため、最後まで油断しない方が良い。
 
なお、人間キャラ2人(主人公+ヘンリー)が強制的にパーティに加わるため、モンスター枠は一つしかない。
炎系に耐性のある【スライムナイト】【ドラゴンキッズ】を仲間に入れておきたい。
この辺のボスにしてはHPこそ低い(参考までに【ゆきのじょおう】はHP600)が、守備力は高い。青年時代前半のボス級モンスターは、【ムチおとこ】といいこいつといい、少ないHPを削りにくくしてある。
幼年時代のボスが高いHPに任せて物量作戦を仕掛けてくる戦法が多かった時とは、良い意味で対照的。戦い方を工夫しよう。
【ルカニ】とマヌーサが確実に効く他、実は休み系が弱耐性しかない。戦闘開始直後にヘンリーの【ルカナン】を使っておけば、かなり楽に戦える様になる。
【イエティ】【おたけび】など休み系の特技がある仲間モンスターにそれらを使わせても良いだろう。
前述通りパーティーメンバーに制限が掛かるので仲間モンスター限定プレイでは実質一人で挑むのと同じになり、かなりの強敵となる。
 
余談だがSFC版DQ5のアイテムドロップの仕様上、手下を呼ばれた場合は先に手下を【ニフラム】などで消滅させない限り、絶対にふしぎなきのみを落とさなくなる。
本作では単一種の敵だけを倒した場合にドロップするのだが、その際に「最後に残っていた敵グループ」が対象なので、もしもニセたいこうを先に倒してしまうと「最後に手下が残った」ことになり、手下がアイテムを落としてしまう判定になる。
特に前述したがいこつへいを残す作戦をとる場合は注意しよう。
 
ちなみに、正体を暴くイベントにおいて、ニセたいこう戦で馬車メンバーを参加させられるバグ技が知られている(詳細はこちら)。

リメイク版

HP:650 攻撃力:130 守備力:100 経験値:750 ゴールド:320
ドロップアイテム:ふしぎなきのみ(1/8)

  • 行動パターン
    3段階ローテーション
    (打撃orわらいぶくろを呼ぶ)→(きあいためorかえんのいき)→(打撃orがいこつへいを呼ぶ)

4人パーティが組めるようになった代償か、猛烈に強化され一気に強敵となった。
弱い火の息を使わなくなったうえに、30~40ダメージだったかえんのいきの威力が40~60に上がったため強烈なダメージを食らう。
さらに攻撃力も倍近くなり、【判断力】が最高に引き上げられたため、きあいための次のターンに攻撃してくるようになった。
軽くビンタするだけで下手すると3桁ダメージを与えてくるその姿は恐ろしいものがある。
幸い主人公がスカラを覚えるため、手早く味方に強化を施そう。
 
HPもあからさまに増えており、SFC版の感覚で攻撃していると削りきれないこともある。
耐性はSFC版とほぼ一緒だが、打撃の頻度が上がったのでマヌーサの有効価値が上がった。
守備力が100と高く、この時期としては【メタルスライム】【ガメゴン】につぐ硬さなので【ルカニ】【ルカナン】で積極的に守備力を下げていこう。少なくともルカナンは強制参加のヘンリーが習得する。
休み系の耐性も変わっていないため、イエティおたけび作戦も健在である。
また、【まもののエサ】の属性が変わった影響でこれにも高確率で食らいつく。いいのかそれで。
火に強いスライムナイトは当然スタメン確定だろうが、新戦力の【エビルアップル】【おばけきのこ】の攻撃力も中々頼れるだろう。ただし後者2名は炎耐性が無く、3ターンごとにおいしく焼かれてしまうので危険。
スライムナイト以外ではドラゴンキッズも高い耐性を持っているので、そちらの起用もオススメだ。
場違いな攻撃力とブレスの威力は初見プレイヤーをビビらせるが、対策を打てば倒せない相手ではない。というより、仲間ばっかり呼んで攻撃してこないこともあるので、運が良ければ簡単に倒せることも。
この時期は仲間のレベルも低いので、レベルを少し上げるだけでも楽になる。
どことなくこの強化ぶりは【キングレオ】を彷彿とさせる。
 
なお、こいつに呼ばれるわらいぶくろの行動パターンが変わった影響で、呼ばれた次のターンに必ずマホトーンを唱えてくるので注意。
回復係がマホトーンを喰らうと致命的な事態に発展する。やくそうもできるだけ多く持っておきたい。
 
SFC版同様わらいぶくろが【ホイミスライム】を呼ぶことがあるが、リメイク版ではイベント戦でもモンスターが仲間になる仕様に変わっており、特定の【縛りプレイ】条件下で敢えてここでの勧誘を狙われることもある。
 
ちなみに服装が豪華になっており、単なるエンプーサの色違いではなくなっている。
リメイク版では【ゆきのじょおう】【オークLv20】など、ちょっと服装が豪華になったボスが多い。
特に武器を新調したボスは明らかに強くなっており危険度が高いのだが、こいつは武器を持っていないのに大幅強化された珍しいボスである。

ライバルズ

第7弾カードパック「光と闇の異聞録」にて実装。戦士専用のノーマル。
原作ではボスであり、主人公の故郷を滅ぼした元凶なのだが。

2/2/3
召喚時:次に場に出る魔王系の味方ユニット1体ににおうだちを付与する

戦士はリーダー攻撃を多用するせいでリーダーのHPが減りやすいので、におうだち付与はありがたい。
死亡時効果を持つ【邪神官ハーゴン】などに使えるとより効果的だろう。
こいつが場に出ているときに邪教の使徒ゲマを出すとノーマルカードとしては非常に珍しく掛け合いが発生する(こいつにはボイスがないのでゲマを後から出した場合のみ)。