【ハドラー】

Last-modified: 2021-06-21 (月) 16:17:26

 魔王軍:ダイの大冒険

【バーン】

【ハドラー】―【キルバーン】【ピロロ】【マキシマム】

【クロコダイン】【ザボエラ】【ヒュンケル】【フレイザード】【ミストバーン】【バラン】

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。
旧アニメでの声優は青野武、新アニメでは関智一。
かつて自身の軍勢を率いて地上世界を恐怖のどん底に突き落とした魔王にして【ダイ】達一行の宿敵。
緑色の肌に長く尖った耳が立ち、銀の長髪をなびかせる魔族で、年齢は357歳。
 
劇中では何度か容姿が変わっている。
最初は黒ローブ姿で、頭より高い耳の上からフードを被っていたため、二本角のシルエットで【りゅうおう】第一形態をリアル頭身にしたような姿。ローブを脱ぐと筋肉を見せつけるかのような上半身裸に大きなトゲの肩アーマー、腰にはバーンのマークをバックルにしたベルトをつけて動きやすそうなズボンをはいた格闘家風の出で立ち。このときは額から頭頂部にかけての髪が逆立っている。
【ベギラゴン】を契約しパワーアップした辺りで髪はオールバックになり、顔の左側を縦断する入れ墨のような紋様が入った。服装もローブから、厳めしい肩アーマーと六つ星の胸当てがついたマントに変わっている。
【超魔生物】の力を得た後は全身が鎧のようなもので覆われ、額には冠のような三又の角がついているが、ダメージを受けると剥がれ落ちたりしているため、防具なのか改造で追加された生物組織なのかは不明。
 
名前の由来はギリシャ神話に登場する9本首の蛇の化け物『ハイドラ』から。
蛇のような残酷な目の男という意で当てられたとか。
 
ゲームでは星ドラ、スーパーライト、ウォークなどで再登場した。
スーパーライトでは転生前は魔軍司令ハドラー、転生後は超魔生物ハドラー。
それとは別に超魔王として「武人ハドラー」及びその転生先の「超魔の覇者ハドラー」が登場している。
 
ちなみにレックス・ハドラーという野球選手が実在するが、ネーミングとは無関係。日本のプロ野球では1993年にヤクルトスワローズで活躍、同年の優勝・日本一に貢献しているが、原作者はハドラーを漫画に登場させた後に野球選手の方を知って驚いたそうな。
 
もしかして【バトラー】

物語の流れ

21年前、魔王軍を率いて地上への侵略を行った魔王。
【アバン】に「オレの部下になれ。そうすれば世界の半分を与えてやるぞ」と持ちかけ、お約束もきっちりこなしている。
一度アバンと戦って不完全な封印の術を受けたが復活し、15年前、勇者アバンの【無刀陣】を併用した【アバンストラッシュ】の一撃を受け倒された。
 
しかし、地上破壊計画を企てていた魔界の大魔王【バーン】の目に留まり、【新生魔王軍】の魔軍司令として加えるためにその強大な魔力で死の淵より復活。この際、暗黒闘気で死ぬ度に蘇り強くなる身体を与えられている。また(おそらく)同時に、バーンにより保険として【黒の核晶】と呼ばれる超爆弾を体内に埋め込まれていたがハドラーは気づくことはなかった。
命は甦ったものの、ダメージを癒すため13年間眠りについていた。後の復活と比較すると随分と時間をかけているが、本人の台詞によれば最初の復活期間は魔力を回復するための時間だったようだ。
13年間の眠りについた後、本編の2年前に目覚めて【クロコダイン】【ザボエラ】を新生魔王軍にスカウトし、本編の1年前に【フレイザード】を生み出している。
 
そして15年後、傷が癒えたことでついに本格的に活動を再開。バーンから与えられた新たな力と肉体で、アバン抹殺のためダイ達の前にその姿を現した。
アバンとの再戦では彼を圧倒し、アバン捨て身の【メガンテ】をくらうも生き残りダイ達をも抹殺せんとするが、【竜の騎士】の力を発揮したダイに重傷を負わされ撤退。以来、彼らとの因縁が始まることとなる。
 
次世代の勇者ダイ達との戦いの中で部下【クロコダイン】【ヒュンケル】が立て続けに人間側に寝返り、さらに決戦を仕掛けた【バルジ島】では元軍団長2人の加勢により形勢逆転され、自身はヒュンケルとの一騎打ちに敗れ、フレイザードも戦死して六軍団は半壊。そして【バラン】が離脱するなど魔王軍の戦力が削がれて行く中、司令官であるハドラーも追い詰められていく。
特に軍団長最強と目されるバランの離反に関しては、原因となるダイの正体に早期に気づいていたにも拘わらず保身のためにその重要な情報を上に伝えず、自ら立てた作戦に矛盾する采配で隠蔽を図ってなおそれらが露呈、バーンの逆鱗に触れて最後通告を受けてしまう。
最後通告に焦り、汚名返上のためと不本意ながらザボエラを伴い闇討ちと騙し討ちにまで手を染めたもののそれすらも返り討ちにされしまう。その際にポップから「見損なった」「とうとう落ちるところまで落ちた」と痛いところを突かれて、流石に思うところがあったのか「己の地位に執着しているような者が勝ちを掴めるはずがない」と悟り、勝利のために全てを捨て去る決意を固め、長命な魔族の肉体を捨てて【超魔生物】への改造を望んだ。
 
超魔生物化によって力を得たものの生体改造の影響で寿命は著しく消耗し、加えてバーンが密かに埋め込んでいた【黒の核晶】が、パワーアップしたハドラーの魔力を過剰に吸収していつ爆発してもおかしくない状態になってしまう。激痛や吐血等の症状として表れた黒の核晶の異変を改造の反動だと考えたハドラーはもはや長くない身と覚悟を決め、己の信念に従ってダイとバラン、二人の竜の騎士に挑んだ。
しかし、激闘の最中に負った傷口から体内の黒の核晶の存在が発覚、自分は最初から捨て駒だったこと、黒の核晶の暴発を恐れたダイとバランが全力を出せていなかったことを知り、命懸けの決闘を汚したバーンと、道化でしかなかった自分の立場に落胆し絶望する。
バランは黒の核晶を抉り出してバーンの起爆指令を防ぐも、バーンが差し向けたミストバーン直々の起爆指令により黒の核晶は起動されてしまう。ダイを守ろうとしたバランが命がけで爆発を抑えこんだためハドラーも辛うじて助かるも、血肉と一体化していた黒の核晶が失われてしまったためさらに余命は縮み、超魔生物としての回復能力も失われてしまった。
 
その後、バーンとの戦いで追い詰められるダイ達の救援に現れてバーンと袂を分かつこととなる。
このときもはやバーンの力をもってしても蘇生できない状態の肉体となっていたが、自らの底力で蘇ると同時にさらなる強さを発揮し、ダイとの戦いで消耗していたとはいえバーンを後一歩の所まで追い詰める程の奮闘を見せている。
最終的にはザボエラの横槍で拘束され処刑されかけたが、【ブロック】【キャスリング】能力により、彼の命と引き換えに仲間共々助かることとなった。
 
バーンの裏切りで居場所をなくし余命もごくわずかになったハドラーは最期の時間を「誇りをかけた勇者との決着」に燃やし切ると定め、【バーンパレス】での最終決戦時に現れ、生き残りの親衛騎団に他のメンバーを引き受けさせて、自身もダイとの最期の一騎討ちに臨む。
それぞれの激闘の末に親衛騎団は全員戦死、ハドラーも渾身の必殺技の打ち合いにて完全敗北し、ダイともども力尽きてダウンを喫すると、その瞬間を待っていたキルバーンが必殺の罠である◇の9を発動、とっさに助けに入ったポップと共に罠にかかってしまう。
罠は賢者として覚醒したポップの手にすら余るほどに強力で、なんとか最後の力を振り絞ってダイだけは脱出させることには成功したものの、ハドラーを見捨てることを躊躇ってポップが脱出に失敗、魔力も策も完全に尽きて共に絶体絶命の窮地に陥ってしまった。
このとき、アバンの仇である自分を見捨てず残ったポップから「誇りをかけ、仲間達と正々堂々と戦うその姿は自分達と同じだ」と思いがけない言葉を贈られたハドラーは涙し、人間の神に縋る雄叫びを上げてまでポップの生存を祈った。
誰もが最早これまでと思ったとき、死んだと思われていたアバンが現れ、破邪の秘法で罠を破るという奇跡で二人は救われる。その後、不意打ちを狙うキルバーンから本当に最後の力でアバンを守り、かつての宿敵に全てを託し、その腕の中で今までの人生に満足しながら灰と化して崩れ去り死亡した。
 
ハドラーの遺灰はその後もアバンの体に残っており、【ジャッジ】のメガンテやキルバーンのバーニングクリメイションからアバンを守り続けた。バーニングクリメイションを破ったあと、灰が漏れ出てハドラーの幻影を映し、アバンと対面した後に空へと消えていった。
 
ハドラー自身の英雄譚ならぬ魔王譚はここで幕を閉じたが、その精神や存在感は禁呪法を通して生み出した【ヒム】に受け継がれ、生き写しのような銀の髪とともにダイたちの傍に立ち続けた。

性格

魔王~魔軍司令時代は極悪非道な性格で、「人間が何万何億死のうが自分の命一つとも釣り合わない」と臆面もなく言ってのけるなど人間を強く見下していた。侵略においても容赦は無く、侵攻先での虐殺や、捕らえた人間達をモンスターと闘技場で死ぬまで戦わせるなど残虐な行いを繰り返している。
アバンを素通りさせてしまった裏切り行為があったとは言え、幹部の【バルトス】を失敗作と評してあっさり処刑するなど、その冷酷さは味方が相手であっても変わらない。
侵略戦争によって多くの人の命や生活を奪い因縁を残しているが、中でも【ヒュンケル】は魔王時代のハドラー侵略で戦災孤児となり、育ての親だったバルトスまで失っているため、ハドラーの冷酷さに二度も人生を狂わされてしまったことになる。
魔族やモンスターと人間の関係が元からそこまで良好だった訳ではないだろうが、彼の存在と所業によって煽られた人間の恐怖心や不安が【ラーハルト】親子や【バラン】【ソアラ】の悲劇の要因となったため、魔族や人間社会との関係をより悪化させた一因としても後々に大きな禍根を残している。
 
その一方で戦士としてのプライドが高く、部下の【ザボエラ】や自身の影武者である【ガルヴァス】がやったような策を弄して一方的になぶるような戦法や、手下をけしかけて自分は安全圏で高みの見物をするといった卑劣な行為は基本的に好んでいない。
実力を見せつけることを好む面もあるため、頻繁に前線に赴き、目をつけた相手には進んで真っ向勝負を仕掛けるなど、自分で動き手を汚すことも厭わない。
人間という種族を甘く見ていたのもあるが、【デルムリン島】での戦闘では、まだ未熟だったダイ達に「お前達など問題にならんわ!死にたくなければ引っ込んでおれ」と見逃す意思を見せたり、アバンが自らを捨て石にする決意を固めたのを察し、圧勝の余裕があったとは言え弟子たちに別れの言葉をかける時間を与えるなど、ひどく追い詰められない限りは武人として真っ当な一面も見せている。
また、マァムを殺そうとしたときにポップが自身の命を引き換えに助命を願い出ると恋心からの行動かと高笑いして逆にマァムを残酷に殺すことをもってしてポップへの制裁としようとしたり、アバンの自己犠牲を「猿にも劣るくだらない物」と嘲りながらも優しさという感情に基づいた行動だと認めているなど、良くも悪くも人間の機微には理解がある。魔王時代からの残虐行為も、裏を返せば、見下している人間という種族に恐れや絶望を与える方法を解っていたということだろう。
バーンが力の強弱だけを絶対の基準とし、相手の機微や価値観に興味を見せなかったのとは対照的である。
 
【ポップ】【クロコダイン】からも「残酷だが卑怯じゃない」「ほめられた人格ではないが酷い策謀家でもない」と評され、宿敵アバンも、策を弄して人をいたぶる【キルバーン】に対し「魔王時代のハドラーはたしかに残酷だったが、戦士としての誇りがあり、最低限の戦いのルールは遵守していた」と対比に持ち出している辺り、対峙する敵からも認められる程度には堂々とした振る舞いを見せていたのがわかる。
ただ、このプライドの高さと自信はここぞというときに慢心してしまう悪癖にも繋がっていて、敢えて相手の得意分野で勝負を仕掛けて後れを取ったりと、ハドラー自身を追い込む結果を招いてもいる。
 
自らが頂点の立場にあった魔王時代から一転、魔軍司令として他者の配下となってからは、地位に固執するなど精神的な弱みも露呈している。
再会した宿敵アバンにバーンの恐ろしさや魔軍司令の地位をアピールしてみれば「大魔王の使い魔に成り下がった」と一蹴されて逆上したり、未知の奥の手【グランドクルス】を撃たれた際には手下を盾に身を守ってしまうなど咄嗟の危機にはプライドや態度を貫き通せない小物っぽさも見せており、バーンからも「精神的な甘さがある」と評されてしまった。自分より優れる部下と絶対的な権力を持つ上司に脅える様は元魔王ながらまさに中間管理職。
かつてアバンに「部下になれば世界の半分をやる」と言い放った自分が、同じ甘言に乗ってバーン配下になっているのもドラクエファンならニヤリとなる所。

予想外の事態に直面すると狼狽することも多く、【ミストバーン】からは「実力はあったのにそれが原因で負け続けた」と指摘されている。
成長を続けるダイ達に魔王軍の侵略がことごとく邪魔され、軍団長の離反や戦死によって六軍団が崩壊していく中で立場の弱さや精神的な脆さはさらに表面化するが、闇討ちに手を染めた挙げ句に惨敗し、敵であるポップからさえ「見損なった」と言われるほどに追い詰められたことで、地位への執着を振り切る覚悟を決めるに至っている。
強敵として成長した【アバンの使徒】打倒を心に誓うと、限界を超える力を得るために【超魔生物】への改造を志願し、蘇生能力や長命な魔族の身体を捨てる完全改造を施した。改造中に訪れたミストバーンには「このままでは死んでも死にきれんッ…!!!」と、自身の心の奥底に潜んでいた強い闘争心やプライドを果たそうとする執念、生き方の大きな転機を象徴する台詞を吐いている。
 
超魔生物になって以降のハドラーは心機一転、ダイ打倒のみを志して戦いに臨む武人へと精神的に変化を遂げていった。
単なる悪役としてだけではなく、強大な敵としてダイ達の前に幾度となく立ち塞がり、両者ともに相手を認めて全力を尽くし、死闘を繰り広げる良きライバルにして次第に戦友のような間柄へとなっていく。
ポップからも「ハドラーたちは信用できても、魔王軍の正々堂々ほど信用できないものはない」と語られており、敵対していながらも信頼されていた様子が伺える。
 
ハドラーがここまでダイに拘ったのはアバンへの対抗心も大きく、「オレはアバンを倒したが勝ったわけではなかった」「このままヤツに負けっぱなしなのは我慢ならん」と苦笑しながら部下たちに語る一幕もあった。
以前は、アバンの命を投げ出した行為について「優しさとかいう猿にも劣る感情のせいで死んだ」と高笑いしながら語っていたが、この頃にはそのような高慢さも見られず、むしろアバンの命を奪ったことを悔いるようになっていた。
バーンからの離反後、親衛騎団に「もはやバーンのために戦う気にはなれないが、かといってダイ達の味方もできない」と言っていて、その理由として自分がダイ達の大切なもの(アバン)を奪ってしまったことを挙げている。
その影響からか、憎い仇敵と認識されていたマァムやヒュンケルからも身を案じられたり、ダイとの一騎討ちの意思を尊重されるなどの配慮を受けている。
 
この変化は術者の心の写し身とも言える禁呪法生命体にもはっきりと現れている。
バーンが授けた5つの【オリハルコン】製のチェスの駒から生み出されたハドラー直属の金属戦士軍団【ハドラー親衛騎団】の面々は、魔軍司令時代に生み出した勝利と栄光にしか興味を持たなかったフレイザードとは全く違う性格をしており、個性による個人差や考えの相違こそあれど概ね騎士道精神溢れる人格者揃いであった。
僧正(ビショップ)の【フェンブレン】は、ハドラーに僅かに残っていた残忍さを色濃く受け継いだためにかつての魔王時代寄りの残忍な性格になってしまったが、武人としての誇りは持ち合わせており、卑怯な策謀は好まず他の親衛騎団メンバーとの歩調も基本は合わせるなど、極度に離反した性格でもない。
 
最後のセリフやダイやアバン達を身を呈して守った行動、死後もキルバーンの猛攻からアバンを守ったりと、超魔生物と化してからの彼はまさにダイ達の良きライバル、ひいては紛れもない仲間の一人であり、ポップも心の中で「最後の瞬間のあんたはおれたちの仲間だった」と呟いている。
その男気溢れる生き様やセリフに感動した読者は決して少なくないだろう。

能力

魔王となり世界を征服しようと思い立つだけあって、自他共に認める高い戦闘力を有しており、肉弾戦と魔法どちらにも長ける。
魔軍司令時代には使用していないが、魔王時代のハドラーには闘気を込めた拳でアバンを攻撃したりカール騎士団相手に闘気波らしきものを放ったりしている描写があるので、この時点でも闘気技を扱えると思われる。
しかもバーンや暗黒闘気の力、果てには超魔生物改造によって復活する度に各種能力が上がっていき、度々ダイ達の脅威となっていった。
また上位魔族には特殊な身体構造を持つ者がいるが、ハドラーは「心臓が二つある」のも特徴。ゲーム作品の魔王のような複数回倒さないと死なないタフさがあると同時に、「心臓が三つある」大魔王バーンの真のボスキャラ感を強めてもいる。
 
呪文はメラ・ギラ・イオ系といった炎属性の攻撃呪文を得意とし、何れも物語序盤から最上位呪文を見せ付けてくる。
格闘面は物語中盤辺りからその凄まじさが浮き彫りになり、両の拳から魔力で超硬質化させた骨を爪状に瞬時に突出させる【地獄の爪】を主体に格闘を行う。
一方、攻撃呪文以外の呪文を使っている描写はなく、回復呪文や補助呪文は得意ではない模様。
初登場シーンでは、稲妻と共にデルムリン島付近に出現し、海面すれすれを浮遊して移動するという芸当をやってのけており、トベルーラは使用できる可能性がある。また、作中で使用する場面はないが、魔宮の門を出入りしていることを考えると、ルーラは使えると思われる。
ただし、それ以降は後述の超魔生物化されるまでは、空中戦を行う描写はない。得意ではないのかもしれないが、単純に「相手が空中戦を挑んでこなかったから」というのもあるだろう。また、超魔生物化後の彼は、両肩のスラスターのようなもので飛行していて、トベルーラ等が使えたとしても必要ない状態になっていた。
デルムリン島襲撃シーンは新アニメだと「落雷のようなエネルギーを纏いながら海面を踏みしめて歩いてくる」という演出に変わっており、浮遊ではなくなっている。
その一方でダイとの初戦では「宙に高く飛び上がって停止する」「スーパーマンのようなポーズで空から突進」という動きを見せ、トベルーラとしか言いようのない飛行能力を使っていた。
 
初戦のダイに追い詰められるまで地獄の爪を使わなかったり、ポップやマトリフに対し呪文のみで闘うなど、基本的に最初から全力を出そうとせず相手の得意分野にあわせて闘う傾向があり、格闘戦では剣時代のヒュンケルに、呪文ではマトリフにやや不利という程度の立ち合いをしていた。
魔王時代の回想場面でも既に【ブロキーナ】と格闘で殴り合えており、竜の騎士やバーンのような規格外の存在を除けば、素の状態でも終盤の実力者と並ぶ程度の力はあったのではないかという見方もある。
この辺りは性格の項でも書かれている通り、自己顕示と真っ向勝負を好むがゆえの要領の悪さで、最大限の実力を発揮する前に消耗したり、狼狽しやすい所が隙を生むなど、精神面が足を引っ張っていたとも言える。
 
超魔生物へと改造されてからは、地獄の爪を鎖状に伸ばして振るう【地獄の鎖】【ロモス王国】から奪った【覇者の剣】を新たな主要武器にする。両肩にはスラスターのような器官が追加され、空中戦も自在に行えるようになった。
さらに、自らの生命力を振り絞って繰り出す【魔炎気】を剣に纏わせ突進し叩き斬る【超魔爆炎覇】も開発していて、敵役ながらバトル漫画の王道ともいえる「命を燃やす必殺の突撃技」を会得した。その威力は竜の騎士の秘剣【ギガブレイク】にも引けを取らない。
 
剣を振るうシーンが無く、魔軍司令時代は格闘と呪文だけで戦っていたことから、剣術の心得が無い可能性もある。覇者の剣も手に握って構えるのではなく、右腕から刃が突き出す爪型武器に改造しており、得意分野である格闘に合わせたアレンジになっていた。
 
また、かつては勇者アバンを倒すためにキラーマシーンを開発したり、フレイザードや親衛騎団を禁呪法で生み出すなど、戦闘能力以外の面でも様々な技術や知識をもっていることがうかがえる。

ハドラーの邪神像

テレビアニメ放映前に上映された劇場版第一作目に登場するオリジナルモンスター。
6本腕の赤い邪神像であり、15年前に勇者に敗れた魔王の邪悪な意志と力を封じ込めた巨大な魔神像で、六本の剛腕が武器。額の眼が弱点。
ちなみにこの時点でハドラーの声優は青野武である。

余談

管理職としては何度も離反者を出し、上司からは責められる冴えない姿が目立っているが、自分に傷をつけたダイを脅威と見てすぐに近隣地域を担当していた軍団長のクロコダインを差し向け、そのクロコダインが倒された際には全軍を挙げてダイを叩き潰そうとするなど、軍事的には割とまともかつ迅速な対処を図っている。
この行動の裏には「ダイの正体がバレる前に始末したい」という保身もあったが、悪の組織にありがちな未熟な勇者を侮ってみすみす成長させてしまう失敗を避けようとしている点では正しい采配を振るっていた。
しかし、アバンとの因縁を持つヒュンケルがハドラーを通さず単独でのダイ抹殺をバーンに願い出てしまい、それが通った結果、敗北したヒュンケルは魔王軍を離れ、ダイはポップとの連携や魔法剣の習得などを通じてレベルアップしてしまった。
 
部下の裏切りにしても、クロコダインはザボエラが卑怯な策を使わせたことがきっかけ、ヒュンケルはそのクロコダインに説得されたせいと、これらの失態は指揮系統を無視した組織トップの独断や、勝手に同僚をそそのかしに行ったザボエラのしわ寄せとも言える。
その辺のマネジメントこそが管理職の仕事ではあるが、バーンの絶対性が強い魔王軍では配下に充てられた軍団長も半分はバーン配下の色合いが濃く、魔軍「司令」という地位の割にハドラーの発言力や影響力は高くなかったと言える。
完全にハドラーの過失と言えるのは、保身のためダイが竜の騎士であることを隠蔽し続けたことぐらいだったりする。それが余りにも大きな過失なのだが…。
 
なお、黒の核晶が埋め込まれたのはおそらく15年前だが、それ以降もデルムリン島でのアバンのメガンテ、バルジ島でのヒュンケルとの死闘、ザボエラとの闇討ちときでの【マトリフ】との呪文の撃ち合いなど、かなりのダメージをその身に受けている。この時点で誘爆していたら、ミストバーン以外は跡形もなく吹き飛んでいただろう。
ただ、黒の核晶が臨界状態にまでなってしまったのは超魔生物に改造した影響なので、それ以前はそこまで危険は無かったと思われる。
 
連載初期の頃は彼の作画に苦労があった上、ザボエラみたいに鼻水を垂らしながら間抜け面をさらすなどの描写があってか、作画担当の稲田浩司は、今でも描き直したいと思っていたという。しかし新アニメのプロデューサーは稲田の描く象徴的な表現として絶対に外せないとも語っている。
その苦悩は、13巻や33巻での昔のアバンの勇者時代の回想で登場する彼の描写に強く表れているようだ。特に後者は、一皮剥けた頃のハドラーと見比べてもほとんど遜色ない感じに描かれている。
 
15年前のハドラーの姿が【りゅうおう】似であったことが逆輸入されたのか、バトルロードIIやヒーローズIIでのりゅうおうの顔つきはハドラーそっくりになっている。
さらに、バトルスキャナーの竜王のベギラゴンのモーションはハドラーのものと類似している。

勇者アバンと獄炎の魔王

本作では15年前の勇者アバンとの因縁が描かれる。
【フローラ】に「魔界の神への生贄とするため、今宵姫を攫う」との血文字を送り、【カール】へと侵攻。
本当の目的は旗頭の姫を拐うことで国民に無力を痛感させ世界制服を早めるためであり、多数のモンスターを従えて現れるも、駆けつけたアバンが撒いた【どくがのこな】でモンスターが仲間割れを起こし、アバンとの一騎打ちにもつれ込む。
イオナズンを唱えようとするも【ロカ】に左手を切断されて阻止され、片腕となったためイオラに切り替えるが、アバンの剣から放たれた閃光によって撃退される。
その後は【ザボエラ】の元と尋ねる。
また、彼が率いる魔王軍では本編で「最強の部下」とされていた【バルトス】、特別な魔法の筒を渡すなど関係が示唆されていた【ブラス】らを、【キギロ】【ガンガディア】といった幹部たちと連ねて四天王としていたことが明かされた。

クロスブレイド

第1弾から登場。カードは【ギガレア】とシークレットの2種で、前者はデルムリン島襲撃時の髪が逆立った姿。
後者はバルジ島決戦以降の長髪オールバックの姿である。第1弾時点のカード範囲はクロコダイン戦の決着が描かれたロモス編までなので、ある意味先行登場と言えるだろう。
属性は両方とも「暗黒」。第1弾時点ではオマージュ元とも言える【りゅうおう】第一形態と合わせて3枚だけの「暗黒」属性カードであった。
 
前者はHP:1920、攻撃:1070、魔力:1040、素早さ:900、防御:1020。
攻撃範囲は左右の逆三角形。必殺技は魔王拳で、必要闘気は4。
スキルは2ラウンド目に攻撃範囲が広がる「解き放つ暗黒」と、3ラウンド目に相手の「光」属性へのダメージを大アップする「忘れぬ屈辱」。
能力値が総じて高く、攻撃範囲を広げたり人間キャラへのダメージアップとスキルも強力。
原作でアバンを返り討ちにしたためか、こと光属性に痛烈なダメージを与えられるようになっている。敵討ちと意気込んでダイやポップらアバンの使徒で挑みかかると痛い目を見ることになるだろう。

後者はHP:2030、攻撃:1100、魔力:1130、素早さ:920、防御:1080。
攻撃範囲は中央のやや大きめの円形と左右の小さな円形の3か所。
ポップたちにブチかました際の印象的な指とポーズが再現されているイラスト通りベギラゴンが必殺技。必要闘気は5。
スキルは瀕死になるダメージを受けてもHP1で耐える「魔王の誇り」と、2ラウンド目に相手の「光」属性からのダメージを中軽減する「強靭な身体」。
ただでも高かったギガレアよりも能力値がさらに上がり、攻撃寄りなギガレアに対してこちらは人間キャラからのダメージ軽減や致死ダメージ時生存などの耐久にシフトしている。ヒュンケル戦で見せた驚異的なしぶとさと暗黒闘気で蘇る体質の再現だろうか?
 
ストーリーモードではデルムリン島の最後にあたる1章第5話で戦うこととなる。もちろん姿は前者の方。おともには先遣隊として送った繋がりからか、2体の【ガーゴイル】を引き連れている。
……のだが、このマップ第1弾初期には珍しかった2戦連続仕様の上に、ハドラー自身のHPがボスということもあって従来よりも高めに設定されており、スコア稼ぎの場所としては絶好の場所としてプレイヤーに目をつけられてしまったのだ。
結果としてハドラー小特効持ちの【パプニカのナイフ】だの、「暗黒」属性中特効持ちで皮肉にも持ち主が宿敵である【アバンの剣】だの物騒な武器を携えた【マイ勇者】と、(まだこのときは信頼する部下のはずの)クロコダインらを中心とする火力を極限まで高めた百獣パーティを筆頭に、様々なパーティでボコボコにされる例が頻発。
最終的に公式スコアランキングでは3連戦できる部下のマップが第1弾末期に実装されるまで、彼の登場する1章第5話がビッシリと埋まるという事態が毎日のように晒されることとなってしまった。どうしてこうなった。

この他、2020年10月24日から第2弾の稼働まで強敵ボスモードで、さらに強いボス仕様のハドラーと戦うことができた。
こちらに関してはおともの2体がいない上に1戦のみとなっている都合か、プレイヤーのおもちゃとなる事態は回避できたようだ。

漫画版

第2話で【ダムド】が差し向ける。
魔王時代のローブを身にまとっているが、本編とは打って変わって不気味な印象を持ち、魔の気迫で周囲の生物を溶かす程。
既に強いダイより、将来強くなる勇者の芽の方が驚異としてダイを部下2体に任せて【勇気】を倒そうとするも、危惧した通り未来の力を得た勇気に敗北した。

DQウォーク

2020年12月のダイ大コラボイベントにて第2章で登場。
イベントストーリー2章4話でフィールドに登場するものを3回倒す必要があり、同時にメガモンスターとしても登場。
推奨レベルは上級職Lv50。HPは11万程度で、弱点はデイン系だがヒャド、バギ、ジバリア系も有効。
 
呪文による攻撃が主体で、当初はイオラやメラミなどだが、HPが減るとより上位のメラゾーマやイオナズンに切り替えてくる。
さらに、4ターン目の終わりに「いま楽にしてやる・・・!」とセリフを言い、次のターンでベギラゴンを唱えてくる。
このベギラゴンは耐性等が無いと400近くのダメージが全体を襲う壊滅的な威力があり、対策なしだと高レベルでこころ等が整っていないと全滅しかねない。
幸いベギラゴンを使うターンはこの1回しか攻撃してこないので、ミラーシールドを使える盾を装備して使うか、できなければ防御でやり過ごそう。
他の呪文もイオナズンで200、メラゾーマで300程度とかなりの威力があるので、これらを防ぐ意味でもミラーシールドは有効。
物理攻撃も通常攻撃のほか、2連続攻撃で呪文耐性を下げる「ヘルズクロー」や、350程度の痛恨の一撃を放つなどこちらも侮れない。
 
なお、ベギラゴンには「極大閃熱呪文」、イオナズンには「極大爆裂呪文」と、原作通りの漢字表記が当てられている。
 
こころは紫色でコストは92。
MPが高めで、高グレードのものはギラ系とイオ系の呪文ダメージを上げ、イオ系に耐性がつく。