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【ハドラー】

Last-modified: 2019-07-01 (月) 21:26:23

 魔王軍:ダイの大冒険

【バーン】

【ハドラー】―【キルバーン】

【クロコダイン】【ザボエラ】【ヒュンケル】【フレイザード】【ミストバーン】【バラン】





ダイの大冒険 Edit

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。アニメでの声優は青野武。
かつて、自身の軍勢を率いて地上世界を恐怖のどん底に突き落とした魔王にして【ダイ】達一行の宿敵。
魔王だからかは不明だが、心臓を二つ持っている。年齢は357歳。

ゲームでは星ドラとスーパーライトで再登場した。
 
もしかして【バトラー】

物語の流れ Edit

21年前、魔王軍を率いて地上への侵略を行った魔王。
当時は【りゅうおう】(第一形態)のような姿であり、あの特徴的な頭の形はツノのように尖ったフードとして描写されている。(コミック初登場時もこの姿である。)
【アバン】に「オレの部下になれ。そうすれば世界の半分を与えてやるぞ」と持ちかけ、お約束もきっちりこなしている。
 
15年前、勇者アバンの【無刀陣】を併用した【アバンストラッシュ】の一撃を受け倒されたが、地上破壊計画を企てていた大魔王【バーン】の目に留まり、【新生魔王軍】の魔軍司令として加えるためにその強大な魔力で死の淵より復活。ダメージを癒すため13年間眠りにつく。
(のちのハドラーをみるとなんだか随分と時間がかかっているように思えてしまうが、単純に連載を経るごとに(えらい差ではあるが)回復力がレベルアップしただけか。
もっとも、六大軍団の編成など、バーン側の都合も多分にあっただろうことは想像に難くない。)
この際、バーンにより【黒の核晶】と呼ばれる超爆弾を体内に埋め込まれていたがハドラーは気づくことはなかった。
そして15年後、傷が癒えた事でついに本格的に活動を開始。以前より強力な力をバーンより与えられ、彼の勅命を受けアバン抹殺のため、初めてダイ達の前にその姿を現した。
アバンとの再戦では彼を圧倒し、アバン捨て身の【メガンテ】をくらうも生き残りダイ達をも抹殺せんとするが、【竜の騎士】の力を発揮したダイに重傷を負わされ撤退。以来、彼らとの因縁が始まる事となる。
 
魔王らしく極悪非道な性格で、魔王時代は人間の虐殺や、余興として捕らえた人間達とモンスターを自らの居城に構えた闘技場で死ぬまで戦わせたり、【ヒュンケル】の育ての親【バルトス】を失敗作と評して処刑(ハドラーからすればれっきとした裏切り者なので当然ではあるが)したりと数々の非道を行い、魔軍司令時代は部下を咄嗟に盾にして【グランドクルス】から身を守ったりなど冷酷な一面を持っていた。この性格は術者の精神が性格に如実に現れる非物質に生命を与える【禁呪法】で生み出された【フレイザード】を見ても分かる。
他、魔王時代のハドラーの軍勢の侵略によってヒュンケルが実の両親から離れ離れにされたり、15年前に敗れた後も地上侵略を行っていた経歴が災いして、ダイや【バラン】、それに【ラーハルト】及び彼の母親が人間に迫害される間接的要因にもなっている。
 
とはいえ【ザボエラ】や映画に登場した自身の影武者である【ガルヴァス】と違って戦場では必ず前線に赴き、戦闘では真っ向勝負を好んで行っており、自分は安全圏で高みの見物をする等の手下を利用したり無闇に危険な目に合わせたりなどといった卑劣な行為は基本的に好まない。
【デルムリン島】でアバンが自らを捨て石にする前に弟子たちに別れの言葉をかける時間を与える等、武人として真っ当な一面も少なからず持ち合わせている。
そのあたりは【ポップ】【クロコダイン】が「残酷だが卑怯じゃない」「ほめられた人格ではないが酷い策謀家でもない」と評してたり、策を弄して人をいたぶる【キルバーン】に対しアバンが「魔王時代のハドラーはたしかに残酷だったが、戦士としての誇りがあり、最低限の戦いのルールは遵守していた」と言うシーンからも見て取れる。
ダイ達にしても、デルムリン島でのアバンとの戦いの最中、「お前達など問題にならんわ!死にたくなければ引っ込んでおれ」と発言していて、もしダイが彼の手を傷つけるほどの力が無ければ、殺そうとせず見逃していた可能性さえある。
 
一方で自らの地位に固執するなど小物っぽい面もあり、バーンからは「精神的な甘さがある」と評されていた。自分より優れる部下と絶対的な権力を持つ上司に脅える様は魔王ながらまさに中間管理職である。戦闘時においても狼狽することが多く、「実力はあったのにそれが原因で負け続けた」と【ミストバーン】から指摘されている。
ダイ達が現れてからはクロコダイン・ヒュンケルが人間側に寝返り、更に【バルジ島】で敗北し、そしてバランに離反されるなど失態を重ね、特にバランの件では、保身の為バーンにすらダイの正体を明かさなかったことで彼の逆鱗に触れ、遂には最後通告を受けてしまう。
 
汚名返上の為、不本意なやり方でザボエラを伴い闇討ちを決行するがまたもや返り討ちにされ、ダイたちに重傷を負わされてしまう。
この時の戦いで「己の地位に執着しているような者が勝ちを掴めるはずがない」と悟り、全てを捨て去る覚悟を決め、【アバンの使徒】打倒のためザボエラが秘かに研究を行っていた【超魔生物】に自身を改造させる。
改造中、ミストバーンと対峙した際に吐いた「死んでも死にきれんッ…!!!」のセリフは、これまでハドラー自身の心の根底に潜んでいた強い闘争心や渇望心に執念、それに後述する彼の生き方の大きな転機を象徴するものでもあろう。
このセリフが示す心情は、彼の心の権化とも言える【ヒム】やフレイザードにも大きな影響を及ぼしている。
 
超魔生物になって以降の彼は心機一転、ダイ打倒のみを志して戦いに臨む戦士にして武人、漢へと成長。その覚悟の強さは、超魔生物でありながら呪文を使えるようになるために、バーンの魔力で何度でも復活できる不死身の魔族の体を捨て、完全な超魔生物として生きることを選んだことからもうかがえる。
単なる悪役としてだけではなく、強大な敵としてダイ達の前に幾度となく立ち塞がり、両者ともに全力を尽くし、死闘を繰り広げる良きライバルにして次第に戦友のような間柄へとなっていく。
ポップからも「ハドラーたちは信用できても、魔王軍の正々堂々ほど信用できないものはない」と語られており、敵対していながらも信頼されていた様子が伺える。
ハドラーがここまでダイに拘ったのはアバンへの対抗心も大きく、「俺はアバンを倒したが勝ったわけではなかった」「このままヤツに負けっぱなしなのは我慢ならん」と苦笑しながら部下たちに語る一幕もあった。
以前は、アバンの命を投げ出した行為について「優しさとかいう猿にも劣る感情のせいで死んだ」と高笑いしながら語っていたが、この頃にはそのような高慢さも見られなくなる。むしろ、アバンの命を奪ったことを悔いるようになっており、バーンからの離反後、親衛騎団に「もはやバーンのために戦う気にはなれないが、かといってダイ達の味方もできない」と言っていて、その理由には、自分がダイ達の大切なもの(アバン)を奪ってしまったことを挙げている。 
その影響からか、憎い仇敵と認識されていたマァムやヒュンケルからも、身を案じられたりダイとの一騎討ちの意思を尊重されるなどの配慮を受けている。
  
術者の性格が露わになる禁呪法生命体にもその様子が顕著となり、バーンが授けた5つの【オリハルコン】製のチェスの駒から生み出されたハドラー直属の金属戦士軍団【ハドラー親衛騎団】の面々は、性格の違いこそあれど概ね騎士道精神溢れる人格者揃いであった。
僧正(ビショップ)・【フェンブレン】は、ハドラーに僅かに残っていた残忍さを最も強く受け継いだためにかつての魔王時代寄りの残忍な性格になってしまうが、残忍であるが卑怯な策謀は好まず、他の親衛騎団メンバーとの歩調も基本は合わせるなど、そこまで大きく離反した性格でもない。
 
しかし直接超魔生物へと改造された影響で自身の寿命を著しく消耗、加えてバーンにより密かに埋め込まれていた黒の核晶が、パワーアップしたハドラーの魔力を許容量を越えるばかりか何時爆発してもおかしくない程に吸収してしまい、ハドラーの体の異変を加速。
そしてダイとバランとの戦いの最中、バーンから差し向けられたミストバーンにより、黒の核晶が遂に爆発してしまう。
 
この爆発はバランがダイを守るために命がけで抑えたため、ハドラー自身も辛うじて助かるが、既にハドラーの血肉と一体になっていた黒の核晶が失われてしまったため、余命いくばくもない体と化し、超魔生物としての回復能力も失われてしまう。
バーンが自らを捨て石にするつもりだった事を知って激昂と共に落胆。ダイ達が追い詰められていた所を救助し、バーンに反旗を翻す形で袂を分かつ事となる。
その時には自らの底力で蘇ると同時に更なる強さを発揮し、ダイとの戦いで消耗していたとはいえバーンを後一歩の所まで追い詰める程の活躍を見せるものの、ザボエラの横槍で拘束され処刑されかけるが、【ブロック】【キャスリング】能力により彼の命と引き換えに仲間共々助かる事となった。
 
そして最期に戦う相手を勇者と決め、最終決戦時に意を決して自らの誇りを示すべくダイとの完全決着のため、バーンパレスにて残る親衛騎団共々最後の戦いを挑み、親衛隊に仲間を拐わせダイに一騎討ちを挑む。
激闘の末、渾身の必殺技の打ち合いにて完全敗北し、両者とも力尽き動けなくなった所、その瞬間を待っていたキルバーンが罠を発動、ダイ、ポップと共に罠にかかってしまう。
なんとか最後の力を振り絞ってダイだけは脱出させる事には成功したものの、ハドラーを見捨てる事を躊躇ってポップが脱出に失敗し、共に絶体絶命の窮地に陥ってしまった。
この時、自らを見捨てられず残ったポップに「誇りをかけ、仲間達と正々堂々と戦うその姿は自分達と同じだ」との思いもがけない言葉を贈られ、思わず涙してしまう。そして自らの命を捨てる覚悟でポップを庇い、人間の神にポップの存命を祈った。
最早これまでと思われた時、奇跡が起こり死んだと思われていたアバンによって救われる。
その後最後の力でキルバーンからアバンを守り、かつての宿敵アバンに全てを託し、彼の腕の中で今までの人生に満足しながら灰と化して散って死亡した。
アバンの体に残っていた彼の遺灰はその後ジャッジのメガンテやキルバーンのバーニングクリメイションのダメージからアバンの体を守り続けていた。バーニングクリメイションを破ったあとその灰が漏れ出てハドラーの形になり、アバンと最期に対面した後空へと消えていった。
 
最後のセリフやダイやアバン達を身を呈して守った行動、死後もキルバーンの猛攻からアバンを守ったりと、超魔生物と化してからの彼はまさにダイ達の戦友、ひいては紛れもない仲間であり、その男気溢れる生き様やセリフに感動や共感した読者は決して少なくは無いだろう。
ポップも、助かった後、心の中で「最後の瞬間のあんたはおれたちの仲間だった」と語っていた。

名前の由来はギリシャ神話に登場する9本首の蛇の化け物『ハイドラ』から。
蛇のような残酷な目の男という意で当てられたのだそうだ。
ちなみに同名の野球選手が実在するが、これは全く意識しておらず、原作者はハドラーを漫画に登場させた後に野球選手の方を知って驚いたそうだ。

能力 Edit

魔王だけあって自他共に認める高い戦闘力を有しており、肉弾戦・魔法戦の両方に長ける。
魔軍司令時代には使用していないが、魔王時代のハドラーには闘気を込めた拳でアバンを攻撃したりカール騎士団相手に闘気波らしきものを放ったりしている描写があるので、闘気技も扱えると思われる。
しかもバーンや暗黒闘気の力、果てには超魔生物改造によって復活する度に各種能力が上がっていき、度々ダイ達の脅威となっていった。
 
呪文はメラ・ギラ・イオ系といった炎属性の攻撃呪文を得意とし、何れも物語序盤からして最上位呪文を極めるまでに至る。
格闘面は物語中盤辺りからその凄まじさが浮き彫りになり、両の拳から魔力で超硬質化させた拳の骨を爪状に瞬時に突出させる【地獄の爪】を主体に格闘を行う。
一方、攻撃呪文以外の呪文を使っている描写はなく、回復呪文や補助呪文は得意ではない模様。
初登場シーンでは、稲妻と共にデルムリン島付近に出現し、海面すれすれを浮遊して移動するという芸当をやってのけたため、トベルーラは使用できる可能性がある。また、作中で使用する場面はないが、魔宮の門を出入りしていることを考えると、ルーラは使えると思われる。
ただし、それ以降は後述の超魔生物化されるまでは、空中戦を行うなどの描写はない。得意ではないのかもしれないが、単純に「相手が空中戦を挑んでこなかったから」というのもあるだろう。また、超魔生物化後の彼は、両肩のスラスターのようなもので飛行していて、トベルーラ等が使えたとしても必要ない状態になっていた。
 
魔軍司令時代はデルムリン島ではダイに追い詰められるまで地獄の爪を使わなかったり、ポップやマトリフに対し呪文で闘うなど、基本的に追い詰められるまでは相手の得意分野にあわせて闘う傾向があり(それが敗北を繰り返した要因の一つになっている)、格闘戦では剣時代のヒュンケルに、呪文ではマトリフにそれぞれやや不利という程度の立ち回りを演じており、真っ向勝負を好むが故にか要領の悪さが見える。
性格面での隙の多さから総合力の高さを活かしきれていないだけで、スペックとしてはこの時点でも竜の騎士やバーンといった規格外の面子を除けば終盤戦にも通用するものを持っていた可能性が高い。
魔王時代の回想場面では、当時の実力でも既にあの【ブロキーナ】とまともに殴り合えており(実質、呪文も使っていたし、それ含めてブロキーナに攻撃は1発も当たっていなかったが)、パワーも毒牙の粉で錯乱したドラゴンを肘打ち一発で殴り倒すほどだった。
 
超魔生物へと改造されてからは、左腕から繰り出す骨を刃付の鎖状に魔力で超硬質化させた新兵器【地獄の鎖】【ロモス王国】から奪った【覇者の剣】を新たな主要武器として用いる。
そして、何より自らの生命力を振り絞って繰り出す【魔炎気】を使い、それを剣に纏わせ標的に突進し叩き斬る【超魔爆炎覇】
これは、自らの保身を捨てて生き様を変え、超魔生物へと改造された、ハドラーの尋常ならぬ決死の覚悟に裏打ちされたコンセプトをも匂わせる必殺技であり、その威力は竜の騎士の秘剣【ギガブレイク】にも引けを取らない。
また、超魔生物化によって、両肩にスラスターのような部位が追加され、自由に空中戦が行えるようになった。
 
魔軍司令時代は格闘と呪文だけで戦っていたことから、剣の扱いに関してはまるっきり素人のはずだが、ダイと互角に渡り合えるだけの剣術をいつの間にか身につけており、さらには必殺技まで編み出している。ミストバーンが評していた通り、並々ならぬ才能の持ち主だったと伺える。
ただし、覇者の剣を自らの手で握るのではなく、右腕から刃が突き出す仕込み武器となるように格納していた辺り、極力自分の得意分野である格闘に合う形にアレンジしていたと思われる。
 
また、かつては勇者アバンを倒すために【キラーマシン】を開発したり、フレイザードや親衛騎団を禁呪法で生み出すなど、単に戦闘能力が高いだけではなくさまざまな高度な技術や知識をもっていることがうかがえる。

ハドラーの邪神像 Edit

テレビアニメ放映前に上映された劇場版第一作目に登場するオリジナルモンスター。
6本腕の赤い邪神像であり、15年前に勇者に敗れた魔王の邪悪な意志と力を封じ込めた巨大な魔神像で、六本の剛腕が武器。額の眼が弱点。
ちなみにこの時点でハドラーの声優は青野武である。

余談 Edit

当初は黒の核晶の設定がなかったから問題なかったが、
後々から考えてみるとデルムリン島でのアバンのメガンテやバルジ島でのヒュンケルとの死闘、ザボエラとの闇討ち時での【マトリフ】との呪文の撃ち合いで黒の核晶が爆発していたらミストバーン以外は跡形もなく吹き飛んでいたと思われる。
実はかなり綱渡りな中、運良くダイ達は生き残っていたと感じられる要素のひとつ。特に闇討ち時の戦闘では胸から下がなくなっており、実にギリギリのラインである。
一応、黒の核晶が臨界状態にまでなってしまったのは超魔生物に改造した影響なので、それ以前はそこまで危険は無かったのかもしれない。
作中ではバーンもしくはミストバーンの魔力が送られないかぎりは爆発しようとはしていない。
 
連載初期の頃は彼の作画に苦労があった上、ザボエラみたいに鼻水を垂らしながら間抜け面をさらすなどの描写があってか、
作画担当の稲田浩司は、今でも描き直したいと思っていたという。
その苦悩は、13巻や33巻での昔のアバンの勇者時代の回想で登場する彼の描写に強く表れているようだ。
(特に後者は、一皮剥けた頃のハドラーと見比べても殆ど遜色ない感じに描かれている)
 
さらに余談だが、15年前のハドラーの姿が【りゅうおう】のオマージュであったことが逆輸入されたのか
バトルロードIIでのりゅうおうの顔つきがハドラーにそっくりである。
更に、バトルスキャナーの竜王のベギラゴンのモーションはハドラーのものと類似している。