【パパスは ただ ジっと たえている!】

Last-modified: 2020-10-28 (水) 20:49:30

DQ5

【古代の遺跡】に突入した【主人公】【パパス】(と【ベビーパンサー】)は囚われていた【ヘンリー】を助け出した。
が、その直後に魔物が襲ってきたため、自分が相手をしているうちに主人公とヘンリーに先に逃げるように、と言うパパス。
 
遺跡の入り口まで逃げてきた主人公たちの前に、新たなる敵【ゲマ】が立ち塞がり、圧倒的な強さで主人公たちを気絶させてしまう。 
そこに魔物を退けたパパスが駆けつけてくるが、ゲマは部下である【ジャミ】【ゴンズ】をけしかけてくる。
しかしパパスは2匹をものともせず返り討ちにする。
 
ゲマはパパスの実力を認めるのだが……直後に「ではこうするとどうでしょう?」という言葉と共に悪魔の所業が行われる。
ゲマは倒れている主人公の首筋に死神のカマを這わせ人質としたのだ。
ゲマは「この子供の命が惜しくないなら存分に戦いなさい」と言い放ち、「無抵抗に倒される」か「息子を見殺しにする」かの残忍な二択を迫る。
 
自分が抵抗を止めたところでゲマが息子を解放する保証はどこにもないし、そもそも見逃すような約束すらしていない。むしろこの場で自分が倒れてしまえばもう誰も息子を守ることが出来なくなる完全なる悪手でしかない。
だからといって戦いを続けたりすれば、息子は自分の選択によって確実に今すぐ目の前で無惨に殺されてしまう。
結局パパスは前者を選ばざるをえず、起き上がったジャミとゴンズに一方的に痛め付けられ、何もできず嬲り殺しにされてしまうのだった。
 
この戦闘シーンにおいて無慈悲に流れる被ダメージのシステムメッセージと、何よりもパパスの行動ターンに流れる「パパスは ただ ジっと たえている!」が、プレイヤーの想像をこの上なくかきたてる。
また少年時代はこれまでHPが0になったとしても「〇〇はきぜつした!」と出てキャラが死ぬ事は無かったが、ここで初めて「パパスは しんでしまった!」と表示され、【高貴なるレクイエム】が流れる。
死というものをこれでもかとばかりに感じさせ、メッセージ自体はシリーズ共通の「しんでしまった」と同じでありながら、はるかに重く残酷な演出となっている。
一方的なリンチを受け瀕死の重傷を負ったパパスは、もはやこれまでと息も絶え絶えに主人公に生き別れた母の事を告げた直後にゲマの手によって焼き殺されてしまうのであった…
 
SFCとDS版は戦闘画面に入ったうえでパパスのHPが減っていく様子をゲーム的に見せているが、PS2版はイベントシーンに切り替わって延々と殴られ続ける様が描写される。
プレイヤーによって、このシーンにおける演出に関してはどちらがよいかは分かれる模様。
ちなみに戦闘画面の方では「ジっとたえている!」の他に、パパスの行動にときたま【ぼうぎょ】【きあいため】といったものが混ざっている。
卑劣な攻撃を受けながらも隙あらば一撃を喰らわせようという姿勢には、彼が死の間際まで息子を救い出す事を諦めていなかった事がうかがえる。それだけに救い出すことができずそのままやられてしまう姿が涙を誘う。

関連項目

【高貴なるレクイエム】
【子を想う親の気持ちは いつ見てもいいものですね。】
【ぬわーーっっ!!】