Top > 【ヒム】


【ヒム】

Last-modified: 2019-09-08 (日) 18:59:24

ダイの大冒険 Edit

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。
ダイの大冒険の単行本やjump comics perfect bookでの英字表記は【Hym】。
 
【超魔生物】と化した【ハドラー】率いる金属戦士軍団【ハドラー親衛騎団】の一人。【禁呪法】によって【オリハルコン】製のポーン(兵隊)のチェス駒から生み出された。
金属質の肉体を持つ屈強な青年といった外見で、眉辺りから上は頭部と一体化した装甲に隠れているものの、目鼻立ちはハドラーと似ている。
ポーンのチェス盤上での価値の低さと機動力の低さから幾度か一番弱い敵呼ばわりされた事はあるが、その実力は他メンバーと比べても全く見劣りせず、特に距離を詰めての格闘に関しては天下無敵。ポーンの「被害を恐れず果敢に突き進み、1つ前の敵を確実に殺る」能力を反映している。
【ザボエラ】を捕らえたまま、空中にいる【バルログ】【サタンパピー】の群れに軽々と跳躍して片手で全員を叩き伏せ、至近距離で放った【ダイ】【空裂斬】を難なくかわしてナイフの刃の上に跳び乗って見せるなど、その身体能力は緩急自在。
 
初登場は物語中盤。先走ってダイ達を襲撃したザボエラを連れ戻すべく、戦闘のまっ只中に現れている。
前述の手際でザボエラの手駒を瞬く間に壊滅させ、ダイの救出にやって来た【ポップ】達を救うと同時に圧倒的な戦闘能力を見せつける。その実力と不敵な態度は居合わせた【クロコダイン】をも戦慄させ、新たな強敵の出現を強く印象づけた。
 
対魔王軍前線基地の港町【サババ】では、顔見せも兼ねて親衛騎団全員が出陣。ヒムはポーンらしく先陣を切り、同じく先陣切って立ちはだかった【ノヴァ】と戦う。
この時も、ノヴァの必殺技【ノーザン・グランブレード】を受け止め、負った手傷は最初の一振りのかすり傷だけという強敵ぶりを発揮している。
ノヴァが自ら放った【マヒャド】【シグマ】【シャハルの鏡】で跳ね返されて凍りついた所を拾って容赦なく粉砕してトドメを刺そうとした矢先、遅ればせながらやって来た【ヒュンケル】に額をぶち抜かれ、次の標的をヒュンケルに定めた。
しかし、【アルビナス】の指示で渋々ダイと交戦、こちらでも激闘を繰り広げる。最初は剣を使えなかったダイを圧倒していたが、ダイとヒュンケルの連携で急所の核(コア)目掛けて【虚空閃】を撃ち込まれるも、アルビナスの援護で左肩を撃ち抜かれるに留まって命拾いしている。
自分の額を悠々と貫いたヒュンケルに対しては強い執着心を抱き、役割を果たして撤退指令が出た際には、彼に「自らの宿敵に定めた」と宣言し帰還した。
 
ハドラーが自らの誇りを示すべくアバンの使徒達に最終決戦を挑んだ時には、自ら宿敵と睨んだヒュンケルとタイマンでバトル。
しかし、新たなる光の力に目覚めたばかりの彼にまるで歯が立たず、【ブラッディースクライド】で核を貫かれると同時に【バーンパレス】から転落、一度はそのまま沈んだものと思われた。

新たなる生命の証 昇格(プロモーション) Edit

死の淵にあったヒムは、最後の戦いに臨むアルビナスとシグマ、そしてハドラーの最期の雄叫びを聞く。
「自分一人になっても仲間やハドラーの意地をアバンの使徒達に見せつけ、一矢報いる」と強い思いと底意地が迸った瞬間、ヒムは主なくては生きられない禁呪法生物の枠を脱する新たな存在として蘇る。
彼は新たな一個の生命体となり、それは単なるチェスの駒としての昇格能力が働いただけでなく、戦いの中で散っていった他の親衛騎団やハドラーの命が宿った瞬間でもあった。
さらに、その経緯を伺っていたバーンパレスのモンスター達が自分やハドラーを侮辱した事で怒りが頂点に達した瞬間、彼の頭部にはハドラーの生き写しを思わせる銀髪が伸び、新たに溢れ出す凄まじい闘気と高速の格闘をもって周辺にいたモンスター達を瞬く間に殲滅。
そして改めてヒュンケルに戦いを挑み、ハドラーや自分を含む親衛騎団達の想いを乗せて奮戦するも、ヒュンケルの命を懸けた挑戦を受け、生死を分ける紙一重の差で再び敗北した。
敗れた自分にトドメを刺すよう覚悟を決めるが、逆にヒュンケルに手を差し伸べられた事で、彼との間に新たなる絆が生まれている。
 
昇格後の姿は原作タイトルにて「銀髪鬼」と形容され、スーパーライトでも「銀髪鬼ヒム」、星ドラでは「昇格ヒム」と呼ばれている。
  
【マキシマム】との戦いの後はヒュンケルの意思を汲み、ダイ達の心強い仲間となる。その先で立ちはだかった【ミストバーン】との戦いでは、光の闘気が苦手なミストバーンを圧倒した。
真・大魔王バーンのもとにも辿り着き、レベルや戦闘能力の低い敵を封印する【瞳】の術の選別を受けることなく、決戦メンバーの一人として立ち向かった。
結局バーンには一太刀浴びせることすら敵わなかったものの、最前列で果敢に戦い続け、【カラミティウォール】を力ずくで突破したり、後の天地魔闘破りにつながる攻撃を二度に渡って繰り出すなど戦略上重要な戦士となり、仲間として彼らとの絆を深めた。
戦友シグマの遺品であり、ポップの天地魔闘破りの要となって砕け散った【シャハルの鏡】を見た時には、ダイ達という好敵手に巡り会えた素晴らしさを改めて想い起こしている。
 
バーンパレスの心臓部に落とされた際には、【グランドクルス】で魔力炉の壁を撃ち抜く危険な役目に進み出て、親衛騎団同様の絆を感じた仲間としての想いを露わにしている。
莫大な生命力消費と反動を伴うグランドクルス発射で両腕が崩れ落ちる重傷を負うも、ポップの機転によって脱出に成功。
大魔王バーンとの戦いの後は【デルムリン島】に移り住んでいるらしく、「隊長さん」のチウやクロコダイン達と仲良くやっているようだ。

人物 Edit

血気盛んな熱血漢で闘いの先陣を切る事が多く、戦いを心から楽しむ武闘派。
親衛騎団の中でも、武人となったハドラーの性格を最も色濃く受け継いでおり、常に正々堂々の真っ向勝負を望む。
また【ブロック】が自分達を庇って戦死した際は号泣したり、散っていった仲間達のためにも勇者と魔王両方に一泡吹かせてやろうと意気込むなど、仲間想いな所もある。
 
初登場時には「不意打ちのような真似で倒しても面白くもなんともない」とダイ一行との戦闘を打ち切っており、本格的に激突したサババでの戦闘後、ハドラーに感想を聞かれて「気に入った」「燃える奴ら」と答えている。
ヒュンケルとの一騎討ちでも、満身創痍のヒュンケルを嬲り続ければ押し切れる状況だったが、「そんな勝ち方をするくらいなら死んだほうがマシ」と、命懸けのカウンター技を宣言したヒュンケルの賭けに乗っており、勝ち負けの結果よりも遥かに「過程」を重んじる一面を覗かせた。
そうした戦いに対する姿勢や意気込みを見たハドラーからは、「今のオレに一番似ている」と評されていた。
 
一方で敵となれば容赦は無く、凍りついたノヴァへトドメを刺そうとした際には粉雪のように四散させてやると言い放つなど、ハドラー譲りとも言える残酷な一面もある。
しかしただ惨いだけでもなく、「俺にはこいつ(ノヴァ)の気持ちがよくわかるのさ」「ぶざまに生き残るくらいなら美しく死んだ方が良いと思う人種がこの世には居るんだよ」と語り、情けをかけたり半端な傷を負わせるよりも上等な手段として選んだことを明かしている。プライドや潔さを重視する一種の美学と、そこから生じる彼なりのノヴァに対する共感・敬意も伺わせた。
ヒュンケルとの決闘時にも、自分の必殺技に対して【無刀陣】でのカウンター戦法に賭けた彼に対し、自分の技を食らったら欠片も残らないと言いつつ「おまえさんにそんな惨めな死に方をして欲しくない」「最後まであんたらしくカッコ良く散って欲しい」と諌めている。
対するヒュンケルは「真の戦士ならば例え泥をすすってでも戦い抜いて、己に課せられた使命を果たす」という信念を返し、その覚悟と闘志に、ヒムは彼のことを改めて大した男だと認めている。
 
血の気が多く感情的ゆえに独断で動こうとすることもしばしばだが、忠誠心を忘れることはなく、指揮官役のアルビナスもハドラーの意思や安全確保を持ち出してヒムを抑えることが多い。
ストレートにハドラーの意を汲もうという気持ちも強く、ヒュンケルと【バラン】の決闘に割って入って奇襲を狙うアルビナスを逆に「卑怯な行いはハドラーに咎められる」と諌めたこともある。しかしこの時も、アルビナスが「意に反する事になってもハドラーを守る」という理屈を持ち出した事で、結局は目を瞑っている。
ダイ達の仲間になってからもなおハドラーへの忠誠は変わることはなく、ミストバーンとの戦いに際しても魔王軍で唯一ハドラーを高く評価していたミストバーンを一方的に叩きのめすのは後ろめたいとこぼしていた。
 
血の通わない金属の体でありながら激情のあまり涙を流し、創造者のハドラーさえ驚かせる場面もあった。この描写は、後に彼が一個の生命体と化す奇跡の伏線とも見える。
血の涙を流しながら死の淵から甦る瞬間といい、プロモーション後にハドラーの幻影を背負い立つシーンといい、様々な部分で創造物以上の関係性が描写され、ハドラー自身の存在感を強く受け継いでいる。
 
他方で、仲間内に馴染むに従ってポップのような三枚目っぽい描写も見られるようになる。
特に、最初は「ただのチビ」と見下ろしていた【チウ】とは相性が良いのか悪いのか、出会い頭には獣王遊撃隊に半ば無理やり入隊させられ、「バッジの手持ちが無いから」と身体に直接隊員ナンバー12番を書き込まれたりしている。
ナンバーを書き込んだのは「オリハルコンにも書けてしかも絶対消えない【魔法の筆】」だったので大いに焦り、遊撃隊のしきたりで愛称をつけるよう迫られ渋々「ヒムちゃん」を選ぶ羽目になるなど、その妙に高いカリスマ性とキャラの強さに圧倒され調子を狂わされっぱなしだった。
ちなみに愛称の候補は「ヒムちゃん」、「ヒーたん」、「ヒムすけ」と、ポーンだから「ポンちゃん」の四つで、仲間モンスターシステムを初導入したDQ5と同数だったりする。
ミストバーンをぶん殴って「ヒムちゃん」と喝采を浴びた時には、金属生命体ながら鼻水を出す快挙を成し遂げている。動揺した際のギャグ顔までハドラーから受け継いだようだ。
体格でも戦闘能力でも大きな開きがある二人の凸凹コンビめいたやり取りは漫才のようですらあったが、ヒムが自身の蘇生と昇格を複雑な感情で語った際「悪に奇蹟は起こらないっ!!キミは正義の獣王遊撃隊第12号だから…それでいいのだっ!!」と迷いなく後押しされた事には救いと恩義を感じており、以後は彼を「隊長さん」と呼ぶようになる。
 
ちなみに、ヒムは初登場時、チウをダイ達ともどもザボエラの呪文から救っており、立ち去るときにも、たまたまダイの剣を持っていたチウに声をかけている。
この時は不釣り合いな武器の方を注目していただけで、本人も後の二人の関係など想像も出来なかっただろう。

能力 Edit

格闘主体で接近戦を挑むスタイルを好む。
生まれつき【メラ系】呪文の力を宿されているが、プロフィールにも「飛び道具として使用することはほとんどない」と書かれている通り飛び道具として使用したことはなく、メラゾーマのエネルギーを拳に上乗せして繰り出す超熱拳【ヒートナックル】が得意技。
昇格を経て生命力=闘気を纏えるようになった後は、超熱拳にさらに闘気を上乗せした【オーラナックル】も編み出している。
それに加えて段違いのスピードをも身に付け、その度合いは戦闘の天才たるヒュンケルや作中トップクラスのスピードを誇る【ラーハルト】をして認める程。
ヒュンケルは両者が戦えばスピードと技に優れるラーハルトに分があると分析しているが、ラーハルトではダメージを与えられなかったミストバーンをヒムは光の闘気技で圧倒しており、相性の問題が大きいようだ。
 
物語終盤には、崩壊するバーンパレスの心臓部から脱出するため、見よう見まねのぶっつけ本番で大出力のグランドクルスを繰り出しており、技の観察眼にも優れているようだ。
この時、技の反動で腕が粉々に崩壊しさらに脱出したチウの傍にヒムの姿が無かったため一時は死んだと思われ、涙ながらに「獣王遊撃隊の永久欠番」とされたが、実際はちゃんとポップが助けており、崖下でぼやいていた。
「ダイヤの9」から逃がそうとしてくれたハドラーの手を掴めず助けられなかったポップだが、今度はその生まれ変わりであるヒムを助けたのだ。
グランドクルスの反動で両腕は吹き飛んでいたが、最終回では元気に巨岩を持ち上げていたため、誰かの回復呪文で治してもらった様子。
 
親衛騎団時代にも額や腕を大きく破損しているがほとんど痛覚はなかったようで、これはハドラーの魔力で修復されていた。
昇格後は一個の生命体と化したことで回復呪文を受け付けるようになり、破損したボディも瞬時に修復が可能となっている。食べて効果を発揮する【薬草】は効き目が無かったが。
同時に「創造者が絶命すると魔力が断たれ道連れで死ぬ」という呪法生命体の欠点も克服しているが、"ホイミ系攻撃呪文"である【マホイミ】【閃華裂光拳】も有効な身体になっているだろう。
【はぐれメタル】【メタルキング】と同じような体質」と説明され、「オレ、あいつらと同じか…」となんとも微妙な表情をしていた。
ヒュンケルから胸に正拳突きを食らった際は口から血(らしきモノ)を吐くなど、もともと生物的な描写は無いでもなかったが…。
クロコダインと並んで「やられ役」になる描写も多く、右腕を破損したり両腕が吹き飛んだりと見た目にも派手な重傷を負っている。
金属生命体は簡単に再生できるため、生身の人間に比べると負傷役を演じさせやすかったのだろうか?
どんな動かし方をしてもまず間違いなくどれかは犠牲が出る兵士の駒らしいとも言える。
 
最初に解説したとおり、親衛騎団の各メンバーは元となったチェス駒にちなんだ能力を持っていて、ヒムは「突き進み接近戦を仕掛ける」兵士駒、ポーンである。
チェスのルールだとポーンは基本的に一つずつしか前に進めず、敵の駒を取る時だけはどちらか斜め1マス先に進んで取らなければならない。このためポーン同士が正面からぶつかったまま膠着することがよくある。
また、近接戦では両取りを仕掛ける攻撃性も持つなど、数が多く消耗される前提の駒ながら、最前線のぶつかり合いでは強力な戦力になり得る。
プロモーションによる昇格もチェスに由来し、これは「盤の一番奥まで進んだポーンは、キング以外の好きな駒に成れる」というもの。ヒムはハドラー=キングを受け継いだので例外的だが。
この他にも「初回移動時のみ前方に2マス進める」「敵のポーンが2マス移動してきた時のみ、斜め1マス進んで駒を捕獲する『通過捕獲(アンパッサン)』」という能力を持っている。
先陣を切って敵に突撃し生還より勝負を潔しとする性格、捨て身の決戦を選びがちなヒュンケルとの激突、昇格のエピソードなど、様々な要素にこれらが反映されているようだ。