【ファミコン神拳 奥義大全書】

Last-modified: 2021-07-05 (月) 22:33:25

概要

【集英社】の子会社であるホーム社が発行していたゲーム攻略本レーベルで、DQシリーズも扱われていた。通称「ファミ神」。
正確にはジャンプコミックスセレクション(他に過去の漫画作品の復刻やアニメコミックスが刊行された)のサブレーベルである。
【週刊少年ジャンプ】本誌に合わせてこの攻略本も縦書きの体裁となっていた。
 
週刊少年ジャンプで連載されていたファミコンゲーム記事【ファミコン神拳】を書籍として再構成したものであるが、シリーズ化された「巻の二」以降は書き下ろし記事がメインとなった。
漫画や挿絵は本誌のファミコン神拳同様【土居孝幸】が担当、誌面レイアウトは【榎本一夫】の経営するバナナグローブスタジオが手がけた。
ゆう帝ミヤ王はDQシリーズのスタッフでもあるため、【エニックス】【スクウェア・エニックス】)が出版する公式ガイドブックとともに、このファミコン神拳奥義大全書も「公式書籍」扱いとされる。

ラインアップ

「ファミコン神拳奥義大全書」として発行された物の内DQ関連は以下のものがある。

 
特別編は基本的にはDQ2だが、一部DQ1などについても載っていたり、TRPG・(Macintosh版)Wizardryの紹介やページの一部を使ったゲームブック形式のダンジョン探索RPGも載っていた。
また巻の四では、登場モンスターも【じごくのつかい】までしか載っていない等、大体前半部にしか触れられていないので、その補填的役割にもなっている。
 
レーベル自体はジャンプ本誌の「ファミコン神拳」が終了した後も、【月刊Vジャンプ】が独立創刊するまで、「神拳」が取れた「ファミコン奥義大全書」「スーパーファミコン奥義大全書」としてDQ4・DQ5やジャンプ関連のゲーム攻略本が刊行された。
巻頭マンガや挿絵は土居孝幸から、「ファミコン怪盗芸魔団」の虹シル本間(スタジオパレット)や「V-NET」と同じイラストレーターによるものに変わっている。
1993年のVジャンプ創刊以降(DQシリーズではSFC版『DQ1・2』以降)は後継レーベルの【Vジャンプブックス】に移行し、現在まで続いている。
 
なお、DQ25周年記念の際には、DQ1・DQ2・DQ3の発売直後にそれぞれ発行された3冊を選り抜きでまとめた『ファミコン神拳 奥義大全書・復刻の巻』が、Wiiソフト【ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III】に同梱された。
この復刻版にはISBNコードはついておらず、書籍単体では非売品となっている。
 
2016年5月にはDQ30周年記念の一環として『週刊少年ジャンプ秘録!! ファミコン神拳!!!』が発売。雑誌連載された分の復刻や、当時を回顧する座談会・インタビューが収録されている。

特徴

新作の発売日とほぼ同時期という早い時期に出版されることが多く、プレイヤーの大きな助けになるが、ネタバレ回避のため、中盤のヤマ場となるダンジョンのマップまでしか掲載されていないことが多い。
また、DQ1の【はがねのつるぎ】の読みが「こうてつのつるぎ」、DQ3の【もろはのつるぎ】の読みが「もろばのつるぎ」、DQ2の【てつかぶと】が「鉄のかぶと」ED曲「【この道わが旅】」が「わが道わが旅」など誤字もチラホラ見られる。
アイテムデータも掲載されてはいるが、もちろんストーリーに大きく関わる重要アイテムやレアな装備品などは非掲載だった。
 
しかし其の五(DQ3)の最終頁では

そして
 アレフガルドの謎が
  明らかにされるっ!!

とある。
公式ガイドブックですらアレフガルドの「ア」の字すら出ていないのでDQ1との繋がりがあるなど、全く読み取れないのだが、本書はこうしてそれとなく匂わせている。
他、特別編(DQ2)で【グール】のしつこい【ギラ】【マホトーン】で封じると逆効果ということも、唯一明確に指摘しているなど、なかなか侮れない所も見られる。
 
少年漫画のキャッチコピーのように勢いのよい文体で、文末には「!」がやたら多いのも特徴。
例えば、DQ2の【いなずまのけん】の解説文を【公式ガイドブック】と比較してみると…。

  • 公式ガイドブック
    一太刀ごとに稲妻に似た閃光を発する魔剣。絶大な攻撃力の他、道具でバギの効果。
  • ファミコン神拳 奥義大全書
    刀身から稲妻を発するという、伝説的な魔剣! 攻撃力も絶大だぜっ!
    だがこの剣がどこにあるのかはさだかではないのだ!