【ブロキーナ】

Last-modified: 2023-10-31 (火) 11:19:11

勇者アバンのパーティ
【アバン】【ロカ】【レイラ】【マトリフ】―【ブロキーナ】

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。アニメ版でのCVは水島裕(後述の「ゴーストくん」は「???」と表記。EDにおいてこのような形でCVが伏せられるのは新旧アニメ通じて初である)。
 
外見は、禿げ上がった白髪にふさふさの白髭をたくわえ、丸レンズの黒眼鏡をかけた小柄でちょっと怪しげな老人。
しかしてその実態は【閃華裂光拳】【猛虎破砕拳】などの奥義を持つ武神流拳法の開祖であり、「武術の神様」「拳聖」とまで呼ばれる老練の【武闘家】である。
かつて勇者【アバン】のパーティーに加わっていたことがあり、当時からすでにけっこうな年齢だったが、魔王【ハドラー】【凍れる時間の秘法】で封印するため、格闘戦での足止めを担っていたという。
 
世界を救った勇者パーティーの一人ではあるが、ダイ大本編では【マトリフ】同様にほとんど隠居の暮らし。悪い【おおねずみ】として暴れていた【チウ】を捕まえて鍛錬し、魔王の邪悪な意思を跳ね除ける精神力と人間の言葉を教えていたが、それ以外は特に目立った活動をしていなかった。
チウにとっては恩人であり育ての親のような関係でもあり、頭の上がらない相手。怒られる事をとても怖がっていたが、成長を褒められた時は泣いて抱き着いた。まるで格闘技っぽくない【窮鼠文文拳】も、体格が小さく手足の短いチウの為に一番簡単な技をということで考案してあげたものである。
 
そこへ武闘家への転職を目指す【マァム】が訪ねてきたことで彼女も第二の弟子とし、二人からは「老師」と呼ばれている。
本来は弟子を取ることも少ないらしく、人里離れて隠棲した気難しい老人のような境遇だが、本人はひょうきんで冗談好きのお爺ちゃんである。その裏では冷静に物事を観る眼も持ち合わせているあたり、普段は陽気だがここぞで実力を発揮するアバンとも似ている。
現在は病気で動くことができないと語り、いかにも病人らしく咳き込みながら「おしりぴりぴり病」だの「ひざがしらむずむず病」だのコロコロ変わる妙な持病を持ち出しては行動を起こそうとしない所もある。体力が落ちているのは本当なのだが、持病うんぬんは余計なしがらみを絶つための方便のようで、そんな彼がマァムの弟子入りを認めたのは、かつての戦友の娘が平和のための力を求めてやってきたことや、慈愛の心や武闘家としての素養を見抜いてのことだったのだろう。
実際に奥義の一つ【閃華裂光拳】を伝授するのはマァムが初めてで、強力で危険な技だからこそ、それを恐ろしい技と認識する優しい心や覚悟がある人間にしか教えないのだと考えていたようだ。
 
歳をとったとは言え戦闘能力もいまだに高く、スタミナがもたないと言いつつ、そのスタミナが持つ1分間程度ならば凄まじい実力を発揮することができる。また、あくまでも「本気を出すと1分間でスタミナ切れしてしまう」のであって、ミナカトール防衛戦では魔界のモンスター相手に長時間の大立ち回りを演じていた。
冒険者仲間であり同じく高齢の【マトリフ】も体力こそ衰えてはいるが「サシで1分間の呪文勝負ならまだ誰にも負けねえ」と豪語し、実際魔王時代よりさらに強くなったハドラーとも互角以上の呪文勝負を見せている。
マトリフは自分達を世界有数の高名老人と自称していたが、直前の反応からブロキーナは自分が有名人だとはあまり自覚していなかった模様。
 
劇中の実戦で使用した技は【土竜昇破拳】だけであり、その土竜昇破拳は不発に終わっている。
だが、ブロキーナの強さの本質は、相手の打撃を的確に捉え、見切り、リーチの内側に入り込み反撃する戦い方そのものにある。その人間離れした身のこなしは、決して掴む事のできない「流れる水」「一本の羽毛」のようと【クロコダイン】に評され【ヒム】【ラーハルト】が手も足も出なかった【ミストバーン】にさえ真っ向から接近戦を挑めるほど。
この体術と観察眼があれば、敵の間合いの内側にいたほうが軌道を読みやすい分むしろ安全であり、ヒムも「格闘の教科書の様な戦い方だ」と驚いている。
それでも避けきれない攻撃への対処法として受け流しの極意をも会得しており、【オリハルコン】を力技で易々と捻り切るミストバーンの腕力から繰り出される拳ですら、「枯れ木のようなボディ」で衝撃を吸収、ほぼダメージを受けずに済ませてしまった。
攻撃力の面でも、マァムをして「相手がミストバーンでさえなければ最初の一撃で決まっていた」と言わしめるなど、拳ひとつでありながら勇者や大魔道士に引けを取らない達人中の達人である。
また、かつての勇者パーティーで凍れる時間の秘法を目撃していたこと、特殊な効果を持つ閃華裂光拳の知識、触れた身体が異様に冷たい事を考え合わせてミストバーンが同じ秘法を使っているのを見破るなど、歴戦の経験が役立つ場面もあった。
閃華裂光拳や回復魔法を使えるので、ホイミ系呪文の契約適性や、ある程度の魔法力も備えているようだ。
最終決戦ではヒュンケルやヒム、ポップの治療にも活躍している。
この描写から「ブロキーナもマァムのように僧侶系から武闘家に転職したのでは」という推測もある。
もっともダイ世界の呪文は個人の適性によって契約と習得が決まり、何の職業に就いたかとは直接関係しないため、
ホイミ系の契約適性を持つ者が最初から武闘家になる事もあり得る。武闘家転職後のマァムはMPが伸びなくなっているが、これも「その数値がマァムの限界値」なのか「転職後は魔力を伸ばす修行をしなくなったから」なのかは不明なので、ブロキーナのMPが生まれつきなのかなんらかの修行で得られたのかも謎である。
 
上記の通り、マァムの見立てでは「本気を出せばミストバーン以外の相手なら最初の一撃で決まっていた」ほどの実力の持ち主であるとされているため、たまに「なんでハドラー戦では足止め役のみで、普通に討伐しなかったのか」「なぜ大魔王が現れた時やロモスに【クロコダイン】が攻めてきた時に隠居したままだったのか」としばしば疑問を持たれたりしていた。
実際に回想シーンではハドラーを見事にぶん殴っており、特に攻撃力が不足しているように見えないのもこのツッコミの一因だった。
前者は「アバン一行はハドラーを殺害ではなく封印するのが第一目的だった」「アバンら若者に次世代を託そうとした」「ミストバーンは身体こそ無敵だが格闘技術はハドラーの方が手強かった」「最初の一撃は会心の一撃だった」など、後者はマトリフのように「鍛え直したことで今の実力になった」「あまり人間と関わりたがらないブロキーナ自身の性格から」などで一応の説明はつくが、詳細は不明であった。
後に「勇者アバンと獄炎の魔王」で、彼とハドラーとの戦いに関しては詳細が判明した(後述)。
 
マァムの転職と修行まで含めると先代勇者パーティーの中では意外とかなり長期間現在の勇者パーティーを陰から支えている。
最終決戦では最前線での戦いにも直接参戦し【魔界】のモンスターの大群相手に活躍しているが、閃華裂光拳対策を基に開発された【超魔ゾンビ】には相性の悪さから有効打を出せず、ミストバーン戦では正体への足がかりを掴み【ラーハルト】【ヒム】の二人がかりですらまるで相手にならなかった素顔の彼に単独で食らいついてあと一歩のところまで追い詰めたものの息切れして失敗、正体を見抜いたのはアバンとなった。
世界の命運がかかる局面で【ジャミラス】を瞬殺したマトリフや、厄介な【キルバーン】の暗躍を終始抑止し単独で撃破したアバンと異なり、先代勇者パーティーの中では唯一決定的な戦果は上げずに終わっている。
ミストバーン戦後は他のメンバーと共に【バーン】と戦う【ダイ】の下に駆けつけているが、あえなく【瞳】に封じられており活躍することはできなかった。それどころか、瞳になってから戻るまでは一切喋ることがなく、僅か4コマのみの登場に終わっている。
【ポップ】はブロキーナが瞳になった理由を「ミストバーン戦でのダメージが残っているから」と分析していたが、前述の通り物理的なダメージを受けた様子はないため、体力切れによる消耗という事だろう。
 
ちなみに、これらの戦いや【ロモス武術大会】には、白い布をかぶった雑な変装で「ゴーストくん」や「ビーストくん」と名乗って参戦している。ゴーストくんの頭には三本の毛がついており、単なる布ではなく一応は手作りの扮装のようだが…ビーストくんに至ってはゴーストくんに黒髪のカツラと海苔マユゲを足しただけ。
武術大会では受け流しなどを使ってラッキー勝利を装い勝ち進んだらしく、「強いのか弱いのかよくわからない謎の実力者」と紹介されていた。
ビーストくんとして再登場した際は雑すぎる変装のせいで正体は誰の目にもバレバレだったのだが、本人曰く「弟子を陰から助けるのが格好いい」のでわざわざ変装の上で助太刀に現れたらしく、自らモンスター枠で志願して【獣王遊撃隊】11号にも列せられている。

勇者アバンと獄炎の魔王

ハドラーを倒すため、アバンはまず力の込めかたについて極めようと優れた武闘家の彼に教えを乞う旅をしている事が2話で語られた。
初登場は4話。山小屋で名も無き木こりとしてのんびり余生を過ごしており、魔物が人を襲わないよう餌を与えている。この頃から珍妙な病名を出して隠遁の理由作りをしていた。
年齢は不明だがこの時点ではまだ頭は禿げ上がっておらず、背中もあまり丸まっていない。ほとんど容姿に変化がないマトリフと比べて本編までの15年で大分老け込んでおり、同じ老人枠でもマトリフよりはかなり年下と思われる。
力を込めずに人差し指で薪を割ることができ、アバンが直前に交戦し辛くも撃退した【キギロ】との戦いの話から力捌きのヒントを与え、それがアバンが【大地斬】を編み出すきっかけとなった。
 
5話では、アバンがキギロもろとも両断した巨大【マンイーター】を見ながらアバンの成長を確認しアバン達を見送った後、根を伸ばして復活を目論んでいたマンイーターに閃華裂光拳を使ってトドメをさし、「拳聖」としての実力を見せつけるシーンとなった。
同時に、やはり当時の時点で破格の強さを持っていたことや閃華裂光拳を既に編み出していたことが明らかになったため、前述のように「なぜハドラー戦では使った描写がなかったのか」という新たな疑問として読者の話のタネにもなっていたが、第23話でハドラーとの戦いの詳細が描かれている。
彼は初手で閃華裂光拳による攻撃を行っていたものの、ハドラーは危険を察知して腕でガードし、生体組織を破壊するこの技の性質を即座に見切ってダメージ箇所を抉り取り、それ以上の被害を防いでいる。
さらに、技の使用に若干の溜めが必要なことを見抜き、純粋な素手での勝負であれば自分の方に分があると踏んで怒涛の猛攻を仕掛け、再使用の隙を与えなかった。
結果、ブロキーナは全力で戦ってもハドラーを倒すには至らなかったものの、自分との勝負だけに釘づけにしておくことでアバンが凍れる時の秘法を使うだけの時間を稼ぐことには成功した。
 

星ドラ

ダイ大特別引換券3枚でビーストくんの衣装を入手できる。

クロブレ

真5弾で追加された武闘家の熟練度60以上で解禁される職業「拳聖」のアイコンが彼。