【ホンダラ】

Last-modified: 2021-03-19 (金) 13:43:49

DQ7

【主人公】の父【ボルカノ】の実弟で、主人公にとっては叔父にあたる人物。
英語版での名前はPS版ではHondara、3DS版ではPike。
 
兄のボルカノが屈強な体格で逞しくも人のよさそうな顔立ちなのとは対照的に、やせ型で小狡そうな顔をした男。
主人公が被っているのと似たようなフードを身につけており、主人公のものはホンダラのお下がりなのではないか?と言われることも。
なお彼のグラフィックはPS版・リメイク版とも専用のものが用意されている。
 
【グランエスタード】の町はずれの家(もちろん借家)に一人で住んでいるが、働き者で人望のある兄とは正反対で、こっちは大酒呑みな上にろくに仕事もせず(香具師の真似事をして小銭を稼ぐ事はあるが)、普段は昼間から酒場に入り浸って酒を飲んでいるか、家で爆睡しているかのどちらか。
自宅はその性格を象徴するかのように物が散乱したゴミ屋敷状態で、至る所に酒瓶やら食べかすやらが散乱しているのを始めとして、家具すらまともにまっすぐ配置されておらず、部屋の中に洗濯物らしきパンツが干されているアリサマ。
ちなみにこの酒瓶はPS版では持ち上げて投げる事ができる。寝ているホンダラにぶつけた人は少なくないはず。
3DS版では物を持ち上げるシステム自体が無くなったのでできなくなっているが、ちびっこプレイヤーが真似したら危ないからとか、いくらホンダラがロクデナシでもこれは酷い…とかそんな辺りの理由もあるのかもしれない。
ただし全部割ってから一度家を出て、再び入ってみるとまた酒瓶屋敷になっている。
 
その上酒代のツケや家賃滞納の常習犯だったり、人の奥さんの風呂場を覗こうとしたり、子供から飴を奪ったり、更には機嫌が悪いと甥を相手に手を上げたり……とまあ、見かけ通りろくでもない事ばかりしている。
そんなわけで貸主はホンダラに貸したことを後悔しているが、ボルカノの弟であるということ、彼がたまにやってきて家賃を代わりに払っている事から追い出すに追い出せない模様。
 
ということで【エスタード島】の住民からの評判はかなり悪いが、お調子者で小金がある時は気前が良かったりもするので皆心底憎み切れずにいるフシもある。
また、グランエスタード城にはホンダラを信奉する兵士がおり、詐欺紛いのことをされても全く気付いておらず事あるごとに持ち上げていたりする……。
 
家賃や酒場のツケが溜まりすぎて、主人公がとばっちりを受けたり、変な物を売り付けられることもしばしば。
また、次に現れる島の方角を賭けの対象にしようとしたり(この時は主人公に指定した方角の島を復活させるように持ち掛けて八百長しようとした)、氷に覆われた船を引き上げる資金を募って一山当てようとしていたりもした。
【魔空間の神殿】クリア後にはグランエスタードの町の入り口近くに出没、夢の中で怪物を倒したら翌日、世界が明るくなっていたことから「夢の戦士」を自称。自分を見習うよう主人公に嘯いてくる。
 
言うまでもないが世界が明るくなった本当の手柄は主人公たちであり、終盤ではグランエスタード王を始めとして主人公たちが世界を救う勇者になり得る人物である事は半ば周知になってきている。
本当に怪物を倒してきたこちらからしたらただの間抜けでしかないのだが、【ガボ】だけは「夢の戦士」という響きにまんまと魅了されてしまう。
 
このようになかなかにやっかいな人物ではあるが、彼が主人公に押し付けた【すごい聖水】なるアイテムは実はかなりの重要アイテムだったり、大事に持ち歩いていた【ホットストーン】には驚きの事実が隠されていたりと、当人の全く気づかない所で冒険に貢献しており、ある意味では世界復活の大立役者とも言える人物で、物語の陰のキーマンとも言える。
すごい聖水に至っては神に選ばれた者にしか取りに行けない場所にあるはずなのに、何故持っているのか謎。
リメイク版では採取場所が以前よりアクセスしにくい場所に変わったので謎度は更に深まった。
ちなみに本人には自覚は全く無いようだが。
 
ホットストーンはかなりの高値で【ブルジオ】に売りつけたらしく、一時的に羽振りが良くなったがあっという間に金を使い果たしてしまった模様。まさに悪銭身に付かずを地で行く男。
しかしその間はいつもツケにしていた酒場の飲み代をその場で払い、家賃も(足りないとは言え)過去数ヶ月分を自分で貸主に払っている。
その行いはバーテンから「奇跡だ」とまで言われ、家主も金額の不足より「家賃を払う意思がホンダラにあった」ことの喜びが勝って感涙する一幕もあった。
 
なおブルジオに売れるまではホットストーンはずっと懐に入れていたようで、メルビンは初対面でも「彼の肌のぬくもりを知っている感じがする」と不思議な親近感を抱いている。
……言い回しが若干気持ち悪いのは気にしないでおこう。
 
DISC2では一獲千金目当てで単身【クリスタルパレス】に乗り込み、警備責任者であったメルビンに「知り合いのよしみで入れろ」と要求するも「よく知ってるからこそ入れられない」と断られてひと悶着起こしたりするが、その後クリスタルパレスがラストダンジョンへと変貌し、現場にいた彼は消息不明に。
その後の展開といいあまりにもタイミングが良すぎるため、「実はホンダラがラスボス」という説も出たほどである。
 
彼が消息不明になった際の、ボルカノが海に落ちた時とのエスタード島住民の反応の違いが面白い。
厄介者として悪い意味で有名な彼もいざいなくなると皆揃って心配しており、なんだかんだで愛される存在だったようだ。こんなヤツのどこにそんな人望(?)があるのかも不思議だが、まあ先述のような親しみやすい部分があるお陰だろう。
 
その後は何とか生還したらしく、EDでは改心して酒場で真面目にバイトをしている姿が描かれている。
酒呑みが酒を仕事にするというのは想像以上にキツイものなのだが…意外と天職なのかもしれない。

小説版

基本的にはゲーム版と変わらない人物像で、アルスからは呆れられ、【マリベル】からは事あるごとに邪険にされる一方で、並はずれた行動力がクローズアップされている。

ブルジオが登場しない関係で、【メルビン】復活の際にはホンダラが【世界一高い塔】に同行する展開となる。
道中では散々アルス達の足手まといになったものの、英雄の復活を目の当たりにして改心するそぶりを見せ、一件の後はエスタードには戻らずに何処かへ旅立っていった…。
 
が、神の復活後にクリスタルパレスにてアルス達と思わぬ再会を果たす。
以降はゲーム版同様に消息不明になるが、なんと魔王に商談をもちかけるべく単身【ダークパレス】に潜入していた事が判明。
その後は金持ちになるという望みを叶えるべく、再び何処かへ旅立っていった。
 
最終的にはアルスをもってして「結局、自分は叔父に似たのかな」と言わしめるほどであった。
他にもマリベルが「ホンダラと船旅をしたくない」という理由で【ルーラ】を習得したりと、
間接的にアルス達の成長を促したり(?)もしている。
 
楽をして金を儲ける、とは言うものの「楽をする方法を探す事」においては努力を惜しまない。
努力をする場所を間違えているというか、本末転倒というか。
しかし現実の起業家などはこのような思いから起業することも珍しくないため、世の中の仕組みが、あるいは生まれる時代がもし違っていたら、努力家として評価すらされていただろうに…。
 
人間性は褒められたものではないが、何の行動も起こさない人間よりはずっと成功を収める可能性を持っているのは確か。
案外こういうヤツが大穴を当てるものなのである。

余談

【カジノ】【スロット】では【リーチ】演出としてホンダラが登場することもある。
リールが止まった後にホンダラがずっこけ、その衝撃でリール図柄が1つ下にズレるという演出。
既に図柄が揃っている時にもコケるのでヒヤヒヤするが、その際には図柄がズレることはないので安心していい。
 
また、上述のように主人公とそっくりな格好をしていることから「DQ7のあるきかた」では
「実はホンダラこそが主人公の実の親で、涙の感動の再会…というオチなのかも?」
などと書かれていたがもちろんそんなことはない。
というか、こんなのが実の親だったら別の意味で泣ける。
 
ちなみにDQ8では、彼にそっくりな格好をした【NPC】が登場する。
飲んだくれや泥棒やカジノ廃人などろくでもないキャラクターに宛てられる事が多いため、まさにぴったりである。
 
名前の由来は恐らく、ハナ肇とクレイジーキャッツの曲の「ホンダラ行進曲」から。
その「ホンダラ」自体の意味については不明ながら、「アホんだら」の略という説もある。
実際、DQ7のホンダラも「アホダラ」などと名前を間違われる事があるし……。
3DS版の攻略本(公式ガイドブック 秘伝 最終編)では「ホンとにダラしない」と言われている。
どの道いい意味の名前ではなさそうだ。