【マーサ】

Last-modified: 2024-02-09 (金) 02:32:11

DQ5

【パパス】の妻であり【主人公】の母親、勇者その双子の妹の祖母でもある。【エルヘブン】出身。CDシアターでの声優は佐久間レイ。
ロングヘアで、SFC版のグラフィックでは緑色の髪であったが、リメイク版以降は黒髪になっている。
英語版での名前はMada。
登場シーンはさほど多くないが、上品な口調と雰囲気に穏やかだが芯の強い性格のようで、夫を敬い、慕い、愛する古き良き妻といった印象である。
 
マーサという名前自体は普通に女性名として存在するが、パパスに「パパ」がまんま入っているのと同様、マーサもママ、マザー、さらには「母さん」も踏まえた名づけなのだろう。
また、主人公の名前を付けたのは彼女である。
パパスがそのネーミングセンスを発揮した名前に対しても、ちゃんと褒めた上で代替案を提案するという気配り上手なマーサであるが、その彼女のネーミングセンスはプレイヤーに委ねられている。

人物

【魔界】と人間界と天空界を分けた門の門番を務めるエルヘブンの民である。
エルヘブンの民は4人の長老以外は門番としての能力をほとんど失っているが、マーサは長老たち以上にエルヘブンの血を色濃く受け継いでおり、魔物と心を通わせる能力を持っている。
その能力は魔界の門を開閉するほどのレベルであり、それが後述の魔界の王【ミルドラース】に狙われる原因となった。
物語中にも、【グランバニア】【スライム】【ジャハンナ】の住人など、マーサによって魔王の邪気から開放されたモンスター達が登場する。
後述のリメイク版で追加された隠しイベント中にはスライムを可愛がっている描写があり、「マーサさま大好き」と慕われている。
これが青年時代のグランバニアにいるスライムと関係あるかどうかは不明。あるいはグランバニアのスライムとは別個体で、後述の小説版のピエールの設定を踏襲している可能性もある。
 
なおDQ5の主人公がモンスターを仲間にできるのはこのマーサの才能を受け継いだものであり、主人公がエルヘブンの民(エルヘブンの民の情報は青年時代前半の【アルカパ】で聞ける)であることの伏線でもあるのだが、それが明らかになるのはかなり後になってからである。
リメイク版では孫にあたる主人公の娘に、その素質が確かに受け継がれている様子が伺える。
リメイク版では【伝説の勇者】を誕生させるにはエルヘブンの血が必要という設定が追加され、主人公の【勇者の父親】としての運命が補強されている。
 
後述の通り、パパスと運命的な出会いを果たし、お互いにまだ知り合って間もない相手と結婚を決めた上、反対意見を押し切った上でパパスについて行ってしまう。
限られた環境の事しか知らない世間知らずなマーサだが、一気に故郷を飛び出してしまう大胆さと強さも持ち合わせている。
 
リメイク版の会話システムでは過去を見た【フローラ】が、同様に知り合ったばかりの相手と結婚し、親の反対を押し切って旅に同行した境遇からかマーサにシンパシーを感じている台詞が聞ける。(更に境遇だけでなく性格面でも、マーサとフローラは似たタイプであるため、主人公にとってのフローラも、ただの一目ぼれではなく、母親と似たタイプの女性という事になる。)
 
オープニング(の主人公の夢)では突然咳きこんでパパスに心配されるシーンでフェードアウトするため、病弱であるかのような印象をうけるが、物語中でそのようなことを言及されることはない。
これは「主人公の母は病死した」とプレイヤーに誤認させるための仕掛けと考えるのが妥当だろう。

その生涯

エルヘブンの民としての能力を強く受け継いでいたため、ほとんどエルヘブンの外へ出ることなく、魔界などへ繋がる門の開閉を制御する門番(巫女のような役目と思われる)としての役目を果たしていた。
優れた能力を有していたため、周囲からはお姫様やお嬢様といった感じで大切に扱われていたようだ。
 
そんな中、エルヘブンに迷い込んだ【グランバニア】の王子パパスと出会う。リメイク版では、パパスとの馴れ初めや駆け落ちの詳細が語られる隠しイベントが追加された。
マーサに一目惚れしたパパスは気持ちを伝え、マーサもそんなパパスに惚れ二人は周囲の反対を押し切り、駆け落ち同然に結婚。グランバニアで暮らすこととなる。
やがて主人公を身ごもったが、魔界の王【ミルドラース】がマーサの門番としての資質に目をつけた。
マーサは主人公を産んですぐに、魔界と人間界に隔たる門を開かせるため(おそらくは【光の教団】によって)魔界へ連れ去られてしまう。
 
主人公は、パパスの遺言を果たすために母の捜索を旅の目的とすることになる。
長い旅を経て、光の教団の教祖【イブール】を撃破した主人公は、【いのちのリング】を介してはじめて母親との会話が実現する。
そして、自らの子である伝説の勇者と家族と共に魔界に向かい、そこで僅かな記憶しかなかった母とようやく会うことができたが、再会もつかの間、雷に打たれて瀕死の状態になり、そのまま死亡してしまう。
明確な描写こそないが、この雷は封印を決意したマーサに抵抗する為にミルドラースが放ったものであろう。
 
瀕死の状態になりながらもなお子供(と孫)を守ろうとしていたマーサであったが、その際に天から降りてきたパパスの魂に諭され、自らも昇天し、主人公達を見守る存在となっていった。
なお、この割とすぐ後に【せいなるみずさし】を使用する場面でさっそく彼女のアドバイスを聞くことができる。
その後、主人公達がミルドラースを打ち破り世界に平和が訪れたことを見届けた後は、パパスと共に正真正銘天に昇っていった模様。
 
リメイク版では雷の前に主人公の仇敵である【ゲマ】にも焼かれており、子供達の悲痛な心情も追加されている。
SFC版に比べてリメイク版のそれはかなり違和感の強いシーンとなっており、一部では棒立ちだの見殺しだのと囁かれている。詳細はこちらを参照。
一応、CDシアター版では主人公が一度封印をやめさせたり瀕死のマーサに駆け寄ってベホマを使ったりするシーン、ゲームブック版には抱き起こすシーンが挿入されている。

小説版

エルヘブンの大巫女と呼ばれている。
幼少期、スライムナイトを夢見るスライムの【ピエール】と仲良しだった。また、イーブという少年に惚れられていた。
原作同様最終的には死亡するものの、「ミルドラース戦に参加し、戦いの最中に封印を試みるもミルドラースに食い止められてしまい、戦死する」という展開に変更されたため、イベントで主人公が何も出来ぬまま死亡・消滅する原作に比べると違和感はずっと少ないものとなっている。
ちなみに小説版の挿絵のマーサの姿は、孫がいるとは思えないほど若々しく描かれており、CDシアター版ブックレットのイラストも同様に、娘といってよいほど若々しい姿である。
より高齢であろうエルヘブンの長老達もマダム程度の外見で留まっているのでエルヘブンの民はある程度若さを維持できるのだろうか。
なおこのCDシアターのブックレットのカラーイラストは、リメイク以前だが、SFC版のゲームグラフィックとは異なる黒髪となっている。

ユアストーリー

CV:賀来千香子
エルヘブンの民ではなく、【天空人】という設定。容姿はリメイク版に基づいており、冒頭のSFC版ゲーム画面を模したプロローグのドット絵もその色に合わせられている。
 
魔界の門を開きミルドラースを召喚することを企むゲマによって、その呪文を聞き出すため【大神殿】に囚われた。
しかしリュカ(主人公)の頭の中には、母が自分に話しかけてきた記憶がかすかに残っていることから、攫われたのはリュカの出生後すぐではなく、しばらく経過した後のようである。
大神殿では結界を張りゲマに抵抗していた。青年時代前半編の最後では、同じく攫われた【ビアンカ】に助言をする場面がある。
青年時代後半編でリュカたちが助けに来たとき、彼女は結界の中から助言をするも、その後結界を破ったゲマの手により殺害される。さらにゲマの死に際には、魔界の門を開くため死体そのものが吸収される。
天空人の死体を利用するだけで魔界の門を開くことができるのであれば、石化する前にリュカやビアンカを殺して利用すればよかった気がするが、長い年月をかけてゲマ自身が徐々に力を蓄える描写があったため、石化当時は力不足だったのかもしれない。
 
なお先述の助言は「今回のミルドラースは世界を消し去るチカラを持つ」というもので、この映画の核心部分の伏線となっている。【スラりん】以外でミルドラースの異常に気づいていた「キャラクター」は彼女だけである。

ドラけし!

DQ5イベント「天空の花嫁と魔界の王」の後半クエストに登場。固有グラフィック&アイコン有り。
出番は原作のエビルマウンテンのそれと同じ。