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【ミストバーン】

Last-modified: 2019-06-21 (金) 19:57:24

 魔王軍:ダイの大冒険

【バーン】

【ハドラー】【キルバーン】

【クロコダイン】【ザボエラ】【ヒュンケル】【フレイザード】―【ミストバーン】―【バラン】

概要 Edit

漫画【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する敵キャラクター。大魔王バーン率いる魔王軍六団長の一人で、【ガスト】【さまようよろい】といった肉体や実体を持たないモンスターで構成される「魔影軍団」を率いる"魔影参謀"。
「参謀」とは作戦や用兵を計画する軍隊の頭脳であり、指揮官の右腕となる重要な立場。
肩書き通りに作戦を立てたりする場面はほとんど見られなかったが、「妖魔司教」なのに宗教的な活動はしていなかったザボエラ、竜にほとんど騎乗しない「竜騎将」バランなどと同じで、バーン軍の肩書きは役職と言うより二つ名、通称の趣が強い。
  
普段はフードつきの白い長套を着込み、さらに自らの武器でもある暗黒闘気を【闇の衣】として身に纏っている。
フードの隙間も常に闇に沈んでおり、素顔どころか体格さえも伺えず、その上滅多に喋らないため声を聞いたことがある者も少ない。
この執拗な隠れ蓑の下には若々しく端正な男性魔族の身体を包み隠しているのだが、その姿を見せるには大魔王バーン直々のテレパシーによる許可が必要で、強大な力と沈黙による迫力、傷一つ負わない無敵の体など、圧倒的大物感を醸し出す人物。
この謎めいた行動と制約については、本記事の「正体」の項目を参照してほしい。
 
バーンの側近中の側近であり、魔王軍結成前どころか数千年前から仕えていた最古参の腹心でもある。
並み居る個性的な幹部達の中でもバーンに対する忠誠心がひときわ強く、もう一人の大魔王直属【キルバーン】が外様で腹に一物隠しているのに対して、ミストバーンは最古参かつ二心の無い「忠臣」ポジションと対照的。
【ヒュンケル】の師でもあり、【アバン】への復讐に失敗して川に落ちた少年時代の彼を拾い、暗黒闘気の使い方を教えた。
 
総大将たるバーンに遥か昔から使えているが故か、大魔王六軍団が健在だった当時でもその実権は魔軍司令ハドラーを上回っており、軍団長の一人でありつつ「裏の魔軍司令」とでも言うべき存在だった。
後に超魔生物となり親衛騎団王になった【ハドラー】に委任される形で、魔影参謀から正式に魔軍司令の座に就く。
 
初登場時は足が描かれていなかったが、バルジ中央塔での戦いの際は何の説明もなく足があり、フレイザードの残骸を踏み潰している。
後述の正体を考えると、暗黒闘気の包み込み具合を多少は任意で調整できるとも取れるか。
 
CVは難波圭一(【ポップ】と一人二役)で、最終決戦ではアバンと同じく「同じ声優のキャラ同士の戦い」を行っている。
しかしアニメ版は【テラン】での【バラン】一戦目で終わっているため、一人二役の演技は見られない。残念。
 
他の外伝キャラ同様、本編へのゲスト出演はないものの、QMJ3Pでは【キルバーン】や大魔王(鬼岩王)バーンと共にまさかの出張。
ちなみに一足先にソシャゲの星ドラとDQMSLでも限定討伐モンスターとして登場していた。
星ドラでは長套の下の姿を現した真・ミストバーン、DQMSLでは転生前として「ミスト」の状態も登場している。

性格 Edit

ほとんど喋らないという設定の上、常にその姿を隠している事も合わせて、終盤にいたるまで謎の多いキャラクターだった。
 
魔王軍内でも極端に寡黙な男だと知れ渡っており、その無口ぶりは、キルバーンが冗談めかしつつも「全くキミときたら必要がないと百年でも二百年でもだんまりなんだから」などと評し、クロコダインの敗北後に召集された会議では軽く喋っただけでハドラーや他の軍団長を驚かせた。旧知の【ロン・ベルク】や弟子のヒュンケルさえも、彼が口数多く喋る事を意外だと受け止めていたほど。
組織内での意思疎通について作中で特に触れられていないが、単に身ぶり手振りだけで伝えていたのか、配下のモンスターあたりに伝令させていたのか、まさかいちいち筆談だったのだろうか…?
付き合いの長いバーンやキルバーンは、一切喋らずとも考えを見抜いて対話している。
 
ちなみにヒュンケルに暗黒闘気の使い方を教え込んだ際も本人曰く「ほとんど喋らなかった」という。
やはり文字に書いていたのか、あるいは昔気質の職人みたいな目で見て盗め的な指導法だったのか…天性の戦闘センスを持つヒュンケルなら、それでも十分モノに出来たのかもしれないが。
 
その点ではまともなコミュニケーションさえ成立するかも怪しい人物だが、誰とも馴れ合わない孤高の存在というわけでもなく、意外なことに価値観は真逆を行くキルバーンとは非常に仲が良く、これまた全く逆の目的ではあるが「味方さえ欺いて正体を隠している」という共通項がある。

過剰なほどに無言を通しているのは後述する大魔王バーンへの忠誠に絡んでのことであり、コミュニケーション能力や発声そのものに何か問題を抱えているという訳ではない。
むしろ作中では初登場シーンからして「喋った」事がクローズアップされており、無口と思われていたはずのキャラクターがやけに喋るという演出の方が印象に残る。
 
ハドラーは「終始無言のはずの影の男がずいぶんおしゃべりになってきおったな…」と思っていたり、ロン・ベルクが「お前にも口があったんだな」と皮肉を言っていたりしたが、バーンとの事情が無ければ本来は割と饒舌なのかもしれない。
もしくは魔王軍の障害として目立ち始めた勇者ダイ達により、キルバーンが言うところの「必要」に迫られて口を開かざるを得なくなったという事か。
鬼岩城を用いてパプニカへ侵攻した際に至っては、大人数を前に宣戦布告として長々と口上を述べているが、同時に「命令する…死ね」と宣言しているため、声を聞いた者を一人残らず始末する前提で喋ったとも取れる。
 
強い忠誠心に冷酷さと不気味な雰囲気を併せ持つ一方、中盤以降には「自身を鍛えて強くなった者」「強靭な精神を持つ者」には敵味方を問わず敬意を払うという価値観も持つことが明らかになる。
例えば【デッド・アーマー】を身に着けて最強の肉体を手に入れた【フレイザード】を、ダイは完成版【アバンストラッシュ】の一撃で葬り去った。
その際には敵でありながら思わず「素晴らしい…」と漏らし、自らの不死身の肉体を捨ててまで強さを追い求め【超魔生物】となったハドラーに対しては、強い尊敬の念すらも抱くに至っている。
一皮剥けたハドラーの精神に応えるように依頼を快く引き受け、闇討ちを仕掛けた挙げ句に返り討ちにされた無様な失態もバーンには報告していない様子。
彼の肉体に【黒の核晶】が仕込まれていた事を知った際には、戦士として覚醒したが故に身を滅ぼす結果になったことに対して、強い悲しみの入り交じった複雑な感情を見せた。
他にも、強力な魔界の魔物達を相手に奮闘した地上の戦士達を称えてみせるなど、単なる力量だけでなく、勇敢さを見せる者にも敬意を払う。
 
逆に味方であっても、他者を踏み台に保身ばかり考える【ザボエラ】や、労せずに美味しい所だけを持っていこうとする【マキシマム】等は嫌悪しており、言動に軽蔑を隠すこともなかった。
老体で肉体の鍛練ができるかはともかく、ザボエラは魔術や研究については改良と向上に余念が無い。しかしそれも「自分が安全に周囲からの評価を得るため」なので、ミストバーンからすれば評価の外のようだ。
 
かといって自身が騎士道や正々堂々にこだわり手を緩めるということもなく、自分を差し置いて先に進もうとしたダイを引き止める為にポップと【マァム】を痛めつけ悲鳴を上げさせたり、【メドローア】を構えるポップに対して【ブロキーナ】を盾にする、マァムに取り憑くことで人質にしながら戦うなど、好き好むかは別として必要とあらば悪辣な作戦も平然と行う。
仲が良いはずのキルバーンも「その気になれば真っ向勝負でも無敵になれるくらいの力量はある」などとうそぶいていながら一切の鍛練をせず、罠で相手をいたぶった末に楽々と始末するという非常に卑劣で残忍な戦法を好み、
それどころか「一途に努力を重ねてきたヤツであるほど堕ちた時の表情が楽しめる…!」などと相手の努力を踏みにじる事にこの上ない愉悦を感じるというミストバーンとは真逆の感性の持ち主。
しかし、もともとキルバーンは魔王軍内部での手柄や名声に興味が無く、周囲の目線や評価などにも見向きもせず振る舞う自信家であり、与えられた任務は自力で確実にこなす実力者でもある。
また、初顔合わせの際にはバーンを前にして一歩も退かない肝の据わった態度と交渉力を見せてバーンに気に入られ、ミストバーンはそんな姿に内心感心していた。
バーン配下となった後も、ミストバーンがキルバーンのスタンスや戦い方に苦言を呈したシーンはない。
そういう意味では、実力の有無や鍛練、勇敢さを好ましく思う以上に「目先の利益しか見えていない」「他人の力や評価に依存してばかりいる」といった、所謂「小物」な在り方を嫌っているのだろう。
 
その一方で、上昇志向から手段を選ばぬ暴虐と命を削る事も厭わない性格を併せ持つフレイザードや、戦士として高い戦闘能力とプライドを見せる【ヒム】に対しては非常に冷酷、辛辣な態度も見せている。
フレイザードに「踏み潰す」という屈辱的な方法でトドメを刺した事については

  • デッド・アーマーという即席の力に飛びついて粋がった挙句惨めに負けた
  • ある理由から生かしておきたかったヒュンケルを殺しかけた事に内心腹を立てていた
  • 見事な成長と力を見せたダイに対して、フレイザードを抹消しレオナの氷結封印を解除するという「褒美という形での賞賛」だった

など、手酷く扱った上に消し去る理由になる要素もある。
作劇の面から見れば、当時はミストバーンの価値観について設定が固まっていなかったための演出のブレであるとか、そもそもほかの面々と違いフレイザードとは接点が少なく、とりあえずデッド・アーマーの実験台兼ダイの力を試すかませ犬として利用できれば良い程度の関心しかなかったなど、解釈の余地もある。
 
ヒムについては、その実力こそラーハルトと並ぶ「地上最強レベルだろう」と認めているが、ポーンの能力「昇格」によってハドラーの生まれ変わりであるかのような態度をとった際、戦友ハドラーを気安く語る身の程知らずと激高している。名前を呼ぶこともなく、「兵士(ポーン)」呼ばわりを一貫していた。
死線を潜り抜けて昇格まで辿り着いたヒムが勇敢で強力な戦士なのは間違いないが、禁呪法生命体として超強力なオリハルコンボディやメラの魔力を生まれつき備えているという、鍛錬とは間逆の出自を持つのも事実であり、この辺りが態度の差として現れているのかもしれない。
 
また、ミストバーンは特殊な出自に由来する自分自身の性質を忌み嫌っているので、フレイザードや【ハドラー親衛騎団】のような「生まれつき能力や存在理由が決まっている」禁呪法生命体のような存在全般を嫌っているとも考えられる。
自分で生まれなど選べない以上、「コンプレックスを刺激する出自なので同族嫌悪で嫌っている」というのならそれはただの八つ当たりと言えなくもないが…。
 
そんなミストバーンの性格を語る上では「大魔王様のお言葉はすべてに優先する」という台詞に代表される、主君バーンへの絶対の忠誠も外せない。
戦士として強い敬意を抱き続けた相手であるハドラーであっても、バーンとの忠誠に関わる素顔を見られたとあらば「この姿を見た以上生かして返すわけにはいかなくなった」と宣言してみせ、物語終盤にハドラー体内の黒の核晶へ起爆指令を送りに行った際、ハドラーから向けられた疑問を一蹴したのも上記のセリフであった。
 
黒の核晶の爆発から生き残った者達をバーン自らもてなすと出向いた事でミストバーンは動きが取れずじまいになったり、「生かして返すわけには行かなくなった」と言ったのに作戦を優先してハドラーの叛乱を見逃す形になっているほか、この時ハドラーを貶める発言をしたザボエラに激しい怒りを覚えながらもバーン救出の功労者という理由で警告するに留めるなど、忠誠を優先して自身の行動をかなり抑制している場面も見られる。
このあたりでミストバーンが抱いている感情については、「できることなら勝って生き残ってもらいたいが…敗れしときはせめて華々しく散れっ!この偉大なるバーン様のために死ねることを光栄と思いながら…!!」というセリフが象徴しているか。
 
【ミナカトール】攻防戦の際、魔軍司令補佐として配下に置いたザボエラが魔物部隊を制圧されて劣勢に追い込まれ、これを切り捨てる際にも「大魔王様のお言葉はすべてに優先する」のセリフを持ち出している。
援助要請と撤退を図るザボエラに対し、普段の不誠実な動向を嫌ってミストバーンはすげなく拒否。バーンの命令だからと【バーンパレス】へ戻ろうとする。

ザボエラは「あんまりじゃあっ!!ワシらは 元は同じ六団長!!共に戦ってきた仲間ではないかっ!!!それをっ…それを見捨てるのか!!?ええっ!!?」と、どの口が言うのか問い詰めてやりたくなるような泣き言を垂れるが、
ミストバーンは「…フン…仲間か とうとうそんな正義の使徒どもの金看板のような言葉を出してきたな…」と呆れながらも
「…だが ザボエラよ それほど つきあいの長い"仲間"ならば… こういう時に 私が 何と答えるのかも 充分承知しているはずだが…」と薄っぺらい発言を拾い上げて切り返す。
そして、ハッとさせられたザボエラが「……ううっ… だっ… "大魔王様のお言葉は"っ…」と発するのに対し、
「…そう!"すべてに優先する"のだ…!」と繋ぎ、ぐうの音も出ないほどに打ちのめされ膝を付く彼をそのまま捨て、逆に地上の戦士達には永遠の尊敬と敬意を示して去っていった。
無言で放り捨てていく事もできた状況なのに、奮起を促すでも怒りを焚き付け足掻くよう仕向けるでもなく、ただ絶望するのをわかった上でのこの言動。言ってしまえば嫌いな相手への嫌がらせである。
他にも【鬼岩城】が撃破された際には取り乱して独断で力を解放しようとしキルバーンに止められたりするなど、意外に直情的な部分もあるようだ。
ハドラーも「沈黙の仮面の下に熱い魂を感じずにはいられない」と語り、キルバーンも「意外と人情家」と評している。

能力 Edit

暗黒闘気を放出して相手を拘束する【闘魔傀儡掌】【闘魔滅砕陣】に加え、間合いを自在に変化させる物理攻撃【ビュートデストリンガー】で戦う。
応用技の【デストリンガー・ブレード】を使った接近戦では魔界トップクラスの剣士であるロンと互角に打ち合う技量があり、切り札の【闘魔最終掌】は、不完全な当たり方ですらオリハルコンを粉々に砕くほどの威力を見せている。
また、闇の衣で魔法を吸収し増幅させて撃ち返す能力も持ち、呪文での遠距離戦にも対応できる。実戦ではポップのベギラマをベギラゴン級に増幅した上で返してみせた。
劇中で戦闘に呪文を使うことはなかったが、【ルーラ】系が使えるほか、黒の核晶へ魔力の起爆指令を送ったことから、自分自身で呪文や魔法力を扱うこともできるようだ。
 
闇の衣を解いた本来の姿では暗黒闘気の技を使用せず、肉弾戦でしか戦っていない。
隙を突かれて【メドローア】を撃たれた時に、とっさの【フェニックスウィング】で弾き飛ばしているが、バーンに許可なく大技を使ってしまった事を後悔する描写がある。実力や大技を見せること自体が許可制であるのも含め、普段の戦闘能力はかなり抑えたもののようだ。
 

正体 Edit

長套と闇の衣の下から現れた若き男性魔族…ではなく、その身を覆っていた闇の衣そのものが彼の本当の正体、「ミスト」。
さらに、包み隠していた魔族の体は、大魔王バーンが封印保存していた「全盛期の力を持つ肉体」であるという重大な秘密も明かされた。
 
ミストは魔界で飽くことなく繰り返される戦いの中、死してもなお戦おうとする壮絶な思念から生まれた暗黒闘気のモンスターであり、言うなれば【あやしいかげ】【シャドー】といったモンスター達の王とも呼ぶべき存在。
自身の分身としてシャドーを生み出す能力を持ち、これは彼の正体の伏線にもなっていた。
「大幹部の正体が既存モンスターの強化型では拍子抜け」という意見もあるようだが、むしろ魔影軍団を率いる立場には相応しいものと言えるだろう。
魔物としての「ミスト」と大魔王「バーン」の名前が合わさった「ミストバーン」という呼び名は「大魔王バーンの正体を覆い隠す霧(ミスト)」という意味も持つが、その素性を周りに隠す目的で「直属の粛清人であるキルバーンと並び、主人バーンの名前を賜った腹心」という表向きの理由が作られている。
ちなみにキルバーンの名前も「殺す(kill)+バーン」として御賜したものではなく、彼の送り主【ヴェルザー】からの司令「バーンを殺せ」という暗号名であった。
 
暗黒闘気の塊で実体を持たないミストは、他の生物に憑依して傀儡として操る能力を持つが一方で自分自身を強くする手段を持たない、それ故にさらなる力を求めるには新たな肉体を奪うしかないという他人頼みな方法でしか強くなる事ができず、そんな自分の力を忌み嫌っていた。
性格の項にもあるように、自らの力や鍛練で強くなる事に憧れ、自身を鍛えて強くなった相手には敵味方問わず敬意を払うのもこのためである。
他人を踏み台にする生き方に傾倒していったザボエラに対して「(他人を利用ばかりしていないで)たまには自分の手足を動かせ…!」と言っているのも、肉体を持ちながらそれを使わない方法ばかり重視するザボエラへの、そして動かしたい実体すら持たない自身への怒りという意味合いも感じられる。
自身の存在と能力を忌み嫌っていたミストに、若い肉体を保持し守護する任務を与えたのが大魔王バーンだった。
その特殊な能力に着目し、自分にしかできない任務と生きる理由を与えてくれたことが、自身の敬意や価値観以上に「バーンの意思を全てに優先する」絶対的な忠誠心の根源となっている。
 
前述のようにミストは実体を持たず、他者の肉体に憑依することで活動する。相手の力量によっては無理やり憑依し、魂を封印して操ってしまう事も可能。
身体の外側に纏わりついて人形のように操ることもできるが、真の力は「肉体に入り込み、その身体能力を限界まで発揮させること」にある。
ミスト自身は憑依した身体の痛みを感じず、自在に相手の動きを操れる為、本来なら生物の防衛本能で無意識のうちにかけているリミッターすらお構いなしで極限まで肉体の力を引き出す事が可能。
しかし憑依された側の肉体はリミッターを超えた無理な運動によって損傷し、暗黒闘気に蝕まれて黒く変色してしまうのでやがて再起不能に至る。
これらの反動に耐えられるのは、「時を止められた」バーンの肉体のみなのである。
 
ミストが隠していたバーンの肉体は【凍れる時間の秘法】で若さと力が保持された状態になっている。
時間が停止しているため「消滅」という規格外の事態を引き起こす呪文であるメドローア以外、物理的な力であれ魔力であれ外からの影響で変化や破壊を一切加えられる事がない。
普段はその肉体を外側から操って、同時に自身が闇の衣となり守っている。存在を隠蔽し保護するはずのバーンの肉体を外部に晒すことになるため、内側に憑依するのは緊急時のみ。
この状態の若きバーンの肉体には、老バーンが受け持つ魔力の元である角が無く、第三の眼も無い。代わりに額にはミストの姿を縮めたような黒い飾りがあり、肉体の機能は止まっているため両目も開かないといった違いもある。
普段はバーンの肉体を通して声を出しているらしく、上記の正体が看破され初めてミスト本体が声を発した際には、声の違いでヒュンケルたちを驚かせた。
この際、額部分に取りついていた黒い飾りの部分が目を開けており、内部から覗かせたミストの一部であることが窺える。
素顔を見せることや会話することを極端に避けているのは、顔や声からバーンの肉体であることを看破されないためで、バーンの許可なく戦闘しない、大技や実力を出しきらないのも同じ理由。並外れて強靭な肉体でこそ繰り出せるバーンの技の1つ、フェニックスウィングを使ってしまった際、後悔していたのもこの為である。
素顔を見せたり不特定多数の者に自らの声を聞かせたりするのは、相手を絶対に生還させないと誓った時であり、闇の衣の解除は言わば死刑宣告と同等の意味を持つ。
それならば普段からミスト自身の声で喋った方がバレづらいとも思えるが、そうしない理由は不明。
作中では一度だけ独断でこの状態になった。
ヒムにトドメを刺される直前にやむを得ず、といった状況だったが、バーンの許可を得ぬまま禁忌を犯した事に深い恐怖と慙愧の念を抱いており、幾度となく赦しを請い、「恐ろしいことをしてしまった」「処刑もやむない」と彼に似合わぬ後悔を長々と語っていた程。
正体を看破されたりする危険は伴うものの、最強クラスの魔族であるバーンの、しかもバーン自身が全盛期と目する時期のものを能力の限界まで操る上、物理的な損傷を封じる【凍れる時間の秘法】と合わされば規格外の力を発揮する。
放つ殺気はヒムすら威圧する程で、掌からの衝撃波「掌圧」で多数の敵を吹き飛ばすことが出来る。
莫大な光の闘気を覚醒させた超一流の戦士ヒュンケルが「闘気を用い、なおかつ最高のタイミングでの奥義レベルのカウンターを決め、ようやくそこそこ深い傷を与える」ほど強固なオリハルコンボディを持つヒムに対してすら、彼の「超強力な必殺技を片手で受け止め、無造作な力任せで軽々と腕を捻じ切る」というパワーを見せている。
「時間停止しているならミストが操って動かせるのもおかしい」という疑問に関しての明確な設定上の回答は無いが、作劇上は致し方ないという所か。
いずれにしろ秘法の効果により、判明している限りではメドローア以外の攻撃を全て無効にできるという作中有数の防御力を持ち、その唯一の弱点であるメドローアさえも自力のフェニックスウィングだけで弾き返すことができる。
ヒムによる「光の闘気」を用いた攻撃が通用する場面はあったが、凍れる時間の秘法を考えればバーンの肉体にダメージが入るはずがないため、ミスト本人にダメージが行ったものと思われる。
周囲の分析でも「光の闘気による攻撃に弱い」と言われており、光の闘気で襲ってくる相手は暗黒闘気の魔物たるミスト本人にとっては天敵となり得るが、「魔王軍最強」と称する全盛期の大魔王の肉体と自身の暗黒闘気を武器に、魔法・物理ともに絶対的な防御力を併せ持つのだから敵対者はたまったものではない。
 
これらの能力から、劇中では「本来の力を駆使すれば1人でも地上侵攻を遂行できる」とまで言われているが、バーンは元々地上に興味などなく「最強軍団を作るための余興」として侵攻そのものを活動目的に含めていたため、ミストバーンが単独・全力で地上制圧に乗り出す事は無かった。
投入戦力はモンスターのみで【カール】王国を滅ぼせなかったり、【バルジ島】【闘魔傀儡掌】【ダイ】に使った以外は【さまようよろい】に任せきりだったのもこのため。
立場上は六団長の一人だが、実権はハドラーより上と早くから気づかれている通り、司令官であるハドラーと配下六軍団の経過観察も兼ねていたようだ。
 
正体については魔王軍内部に対しても秘匿され続けていたが、最終決戦にて、ヒュンケルに老バーンと同じ口調や発音、バーンを象徴する“フェニックス”ウィングによって大魔王とのつながりを察知されてしまった。
この時のヒュンケル(と読者)は、「老バーンは影武者の偽物で、ミストバーンこそが本物のバーンではないか」と考えたが、ヒュンケルの指摘に対して、ミストバーンは「ほぼ正解だ」と否定しなかった。しかも「私はバーン様より強い!」と宣言までしており、最強の大魔王とその部下、という単純な関係ではない事も匂わせている。
ミストバーン=バーンではないが、ミストが操るのはバーンが十全の力を発揮する為の本来の肉体なのだから、単純な戦闘能力では確かに老バーンを上回る。
「“ほぼ”正解」という意味深な返答は、真相を明かす回答ではないにせよ、これから始末しようとする敵対者に対する、敬意によるサービスと死刑宣告としては十分なものだったと言える。
 
暗黒闘気生命体としてのミストの正体はこの直後に現れたアバンによってあっさりと見破られたが、別に正体やバーンとの関係を見破られたところで、全盛期バーンの肉体と凍れる時間の秘法による絶対的な防御力は揺らがない。そこまで執拗に隠さずとも、単純な戦闘において特に不利益は無いだろう。
それでもなお正体や関係を隠そうとしたのは、万が一にも空の技などでミスト本体が倒されたり、他の方法でバーンの肉体が奪われ操られたり封印されるリスクを考えてのことか。
実際にバーンと同格のヴェルザーは不滅の肉体を持っていたが、バランに敗れたところを封印され身動きがとれない状態になっている。
バーンは「自身の知らない戦い方に対して警戒する」慎重さも持つので、不利益はなくとも理由もなく正体や関係を明かすようなマネは嫌うだろう。
  
バーンの肉体を操る時のミストは「強大な力を持つ身体の内に入り込んで利用する」という点で、皮肉なことにザボエラの理想と似た状態でもある。ミストバーンがザボエラを忌み嫌う原因はこの点にもあるのかもしれない。
もっとも、ザボエラは自身の安全と自己満足のために行ったのに対し、ミストバーンがこの状態になるのは「バーンの為」に限られる。光の闘気に襲われれば本人も傷つくし、窮地に陥ろうとも許可があるまでは絶対に肉体を解放しない。さらに、バーンの命令一つで肉体を返還する準備はいつでも出来ており、実際目前に敵がいる状態で即座に返還したので、その心構えはまるで違う。
正体を現す寸前、ヒムに「一人じゃなにも出来ない寄生虫ヤロー」と罵られたが、先述の通りこれはミストにとって最大のコンプレックスであるため、「そのテの侮辱が一番嫌いだ」と怪訝にしている。
 
作品終盤、ダイに追い詰められた老バーンに肉体を返還するよう求められ、自身が不利になるにも関わらず即座に返還に応じた。
無敵の肉体を失い戦闘能力は大幅にダウンするものの、バーンへの絶対の忠誠を誓うミストはそのまま戦闘を継続、飛びかかって来たマァムを捕らえ、能力を駆使してマァムに憑依。その体の潜在能力を極限まで引き出してラーハルト、ヒム、アバンの3人を襲い圧倒する。
しかし凍れる時間の秘法がかかったバーンの肉体と違い、マァムの体は生身。暗黒闘気の影響で肌は黒く変色し、限界以上の能力発揮による反動で両拳から出血を始める。ラーハルトとヒムはマァムを犠牲にしてでもミストを倒そうと考えるが、ヒュンケルの発案でアバン1人が相対。
マァムへのダメージを最小にしつつ取り付いたミストだけを攻撃出来うる虚空閃を命中させるが、一瞬ミストの方が速くマァムから抜け出していた。
幸いマァムは一時的に魂を封じられていただけで、アバンが虚空閃を防具の上からあてたこともあり、気絶しただけで大事には至らなかった。
だが、ミストは本命としてヒュンケルに憑依を試みる。強大な暗黒闘気をその身に宿す彼に憑依した際は、天敵である光の闘気の技、虚空閃も通用しなかった。
ミストバーンがヒュンケルを拾い上げ、師を買って出たのは、万が一預かった肉体をバーンに返還する時が来た際に憑依するスペアボディを用意するためだったのだ。
そして「お前は私の武器だ、道具だ」と嘲笑しヒュンケルの魂を砕こうとするも、事前にミストの目論見を勘で察知していたヒュンケルが魂に収束し溜め込んでいた大量の光の闘気に逆に呑み込まれて完全に消滅した。
自らが鍛え上げた肉体の中で最期を迎えるというのはある意味では彼の望んだ死に方であり、皮肉にも「理想の肉体が墓場になった」といえる結末はヒュンケルの忌まわしい因縁の終わりも意味していた。
ちなみにヒュンケルに憑依した状態のミストの暗黒闘気は、真バーンに憑依していた時以上と評されている。
具体的に何をしたのかは不明だが、ヒュンケルを依代とするために調整していたのかもしれない。
 
他にミストの憑依への対処方法があるとすれば、
 

  • ニフラム、トヘロス、シャナクなどの呪文を破邪の秘法で強化して叩き付ける
  • ミストの依り代ごと傷つける前提で、闘気拳やアバンストラッシュ、高出力のグランドクルスなどの強力な光の闘気による攻撃を撃ち込む

 
といったことになるのだろう。実際、ヒムは攻撃を受けた後、「今なら闘気拳でミストごと倒せる」と発言しているが、マァムの身を案じたクロコダインに「おまえの拳ではマァムの体もコナゴナになってしまう」と制止されている。
仲間が憑依された時、その人物に与える被害を最小限に抑えつつミストを倒すとなると、実戦で使われた虚空閃のように「ミストの脅威になるだけの光の闘気技でありつつ、仲間への致命傷を避けられる」という小回りの効く技が求められるだろう。
闇の衣ということで、【ひかりのたま】があれば効くのではないかという推測もある。
 
ちなみに2度目に正体を現したエピソードに当たる「私は最強だ」は、ジャンプ掲載時は2話構成だったが、単行本収録時は1話にまとめられている。

DQMJ3P Edit

???系のSSランクのモンスターとして登場。
イベントバトルに勝利すると【アロマ2号】から報酬としてもらえる【コラボバトルチケット】を使用すると2回目の対戦相手として登場し、勝利すると【大魔王マデュラージャ】よろしく「自らの分身」が仲間に加わるが、この時の彼は普通にしゃべっている。
闘技場での戦闘ではあるが命令は出せるので積極的に活用していきたい。
特性でアタカンタがついているが、この手のボスにしては珍しく原作同様光耐性が弱点。マホカンタは無いので、MPバブルマダンテで吹き飛ばそう。
また、マヒなどの一部の状態異常が有効なので動きを止めてから攻撃するのも手。
2戦目以降では「お前に会いたいと思っていたところだ」とか言う。
 
固定特性は【ときどきスカラ】。他は【メガボディ】【つねにアタカンタ】【AI1~3回行動】
+25で【ぼうえいほんのう】、+50で【休みブレイク】、+100で【会心完全ガード】、ギガボディ化で【メタルキラー】、超ギガ化で【まれにまもりの霧】が解放される。
原作では闇の衣をまとっていたにも関わらず【闇の衣(特性)】は持っていないが、相性は良い。
合体特技は【闇獄凍滅斬】、合体特性は【超やみのはどう】
所持スキルは固有の【ミストバーン(スキル)】
 
全体的な耐性や守備力は高めだが、その他はまずまずの性能。
 
大魔王バーン、キルバーン、【魔界神マデュラーシャ】と配合すると主の最終形態である【鬼眼王バーン】を生み出せる。

DQMSL Edit

「魔影参謀ミストバーン」名義。
ダイ大コラボで登場。敵としての出番は勿論、期間限定ガチャで入手も可能。
【???系】のSSランク。下位種は正体の「ミスト」と、双方共にネタバレ気味な実装方法。
ちなみにミストの方は【物質系】
習得特技は【闘魔滅砕陣】【闘魔最終掌】
ミストの方でも【闘魔傀儡掌】【マ素】特効の「暗黒闘気」も覚える。
特性は【AI1~3回行動】【やみのころも】【いきなりみかわしきゃく】
 
実装当初こそパッとしない性能ではあったものの、
新生で【ビュートデストリンガー】や、【凍れる時間の秘法】特性を得た事で、
マ素パの具材として非常に有能な働きを出来るようになった。上記の特性で高耐久を持っている点も地味に役立つ。
欠点としては期間限定ガチャ品という性質上、入手が困難という点か。