【ムーンブルクの兵士】

Last-modified: 2024-03-13 (水) 07:47:24

DQ2

【ムーンブルク】に仕える【兵士】たち。
ここではDQ2劇中に登場する、特に印象的な三名の兵士たちについて主に解説する。

ゲーム本編

ローレシアへの伝令兵

【オープニング】に登場。FC版ではゲーム開始時に最初の台詞を発するキャラクター。
満身創痍で【ローレシア】まで辿り着き、故国ムーンブルクが【ハーゴン】率いる邪教の軍勢により攻め滅ぼされてしまったこと、そしてハーゴンの目的について【ローレシア王】【ローレシアの王子】へ伝え、そのまま息を引き取った
 
たった一人でハーゴンの軍勢を振り切り、休む間もなく遠きローレシアまで命懸けの使命を果たした勇気ある男。
彼の献身がきっかけとなり、世界を救う勇者が旅立つことになる。
 
FC版では死亡と同時に消えてしまうが、リメイク版ではその遺体は残り、話しかけることが出来る。
部屋から出ると埋葬されたのか消えてしまうので、話しかけるならばお早めに。
ただのしかばね扱いはされず、専用のメッセージが表示される。
 
北米版およびリメイク版では、オープニングに邪教集団によるムーンブルク襲撃デモが追加され、彼の去就が描かれた(それぞれ描写は多少異なるが、大筋は同じ)。
【ムーンブルク王】【ムーンブルクの王女】が過ごす平和な城内が描写された後、魔物が襲撃。
燃え盛る城を背景に敵味方入り乱れた大乱戦となる。
この時兵士たちだけでなく王様も奮戦しており、自ら魔物を撃退している。
王様もまた【ロト】の末裔であることを思い出させる立派な戦いぶりたったが、次々に押し寄せる新手に対抗しきれず無念の戦死。
城内の兵士たちも一人また一人と犠牲となる中、「伝令」は並み居る魔物を相手に一人奮闘。
ついに包囲を突破し脱出に成功する。
この時「伝令」と戦った魔物のグラフィックは【ガーゴイル】系・【グレムリン】系の姿をしており、この描写を素直に信じるなら、こいつら相手に無双した「伝令」は相当な実力者であったようだ。
 
ムーンブルクを脱出した後の「伝令」の足跡ははっきりとはわかっておらず、先に近場である【サマルトリア】に急を知らせてからローレシアに来たのか、サマルトリアはスルーしてきたのかは明確ではない。
一応、ローレシアの王子が旅立ったのとほぼ同時期に【サマルトリアの王子】も出発していることから、サマルトリア側にもムーンブルクの危機が伝わっていたことは間違いないようだ。
「伝令」本人が伝えたのか、それとも【ローラの門】の兵士などに協力してもらったのか、このあたりは語られないため想像の域を出ない。
 
メタな話をすれば、開発当初は【湖の洞窟】のある場所がサマルトリアとなる予定であり、ローレシアとはローラの門を挟んで真逆の方向にある。
この場合はより近い位置にあるローレシアに向かうのは自然なこととなる。
 
サマルトリアをスルーするにしても、ムーンブルク~ローレシアの道中にある【ムーンペタ】【リリザ】で休憩や回復アイテムの補給をしなかったのか、と疑問に思う人もいるかもしれない。
しかし、急を知らせる伝令と言うのは自分の命よりも任務が最優先とされ、どんなに瀕死だろうと一刻も早く目的地を目指すのが当然であり、それが原因で死亡することも珍しい話ではない。
ましてやこの時は世界存亡の危機が迫っており、「伝令」はなおのこと休んでいる暇など考えられなかったはずである。
他者を頼るにしても、彼が伝えようとしていたのはムーンブルクの滅亡やハーゴンの野望など、よほど信頼する相手でなければ託せないような情報ばかり。
確実に伝令を信用し動いてくれる者を捜し、死が迫る中たった一人で遠くローレシアまで一心不乱に駆け抜けたのも無理からぬことだったのだ。
 
なお、リメイク版で彼がローレシアに辿り着いた時の、ローレシア兵士とのやり取りのセリフは、FC版発売当時のファミコン神拳に掲載されたDQ2の漫画とほぼ一致している。
ファミコン神拳の著作者に、シナリオライターの【堀井雄二】がいるため、この時点でほぼほぼセリフが決まっていたのだろう。
 
彼と同じように満身創痍で急を知らせる兵士はシリーズでも何人か登場しており、前作DQ1のラダトーム兵、DQ4の第二章終盤に登場する【サントハイム】兵などがいる。

ムーンペタにいる兵士

【ムーンペタ】の町外れに一人佇む兵士。
ハーゴンの軍勢に襲われた時の恐怖で城から逃げ出してきたらしく、城の者たちを見捨ててしまったことを悔やんでいる。
FC版ではこれ以上台詞に変化は無い。
 
リメイク版では王女が仲間になった後に話しかけると上記のことを謝罪するが、王女は彼の臆病さを責めることはなく許した。
さらにエンディングにて一児の父親であったことが判明。
この時は家族のもとに帰っており、王女にムーンブルク復興の手伝いを願い出る。
彼にはどうか死んだ同僚たちの分も立派に生きてほしいものである。
 
余談だが、この兵士は町外れの分かりにくい所にいるため気付かなかった人もいるかもしれない。
しかし(少なくともFC版では)作中で最も早くムーンブルク王女の名前を知ることができる相手である。
ある意味、彼の存在に気付いたプレーヤーへのご褒美なのかもしれない。

ムーンブルク城地下室にいる兵士

【ムーンブルク】城の地下室に一人だけ残っていた兵士。何故か【毒の沼地】の中にいる。
王女がハーゴンに呪いをかけられたことと、それを打ち破る【ラーのかがみ】の情報について教えてくれる。
 
この地下室へは崩れた城壁から外に出て、壁沿いに大きく回って行かなければ入れず、ルートがわかりにくい。
途中には毒沼もあり、彼には会わなくてもクリアできてしまうため、情報を知っているプレイヤーにはスルーされがち。
 
何故こんな危険な場所にたった一人でいたのかFC版では明かされなかったが、リメイク版では彼もまた既に死んでいたことが判明。
先述の情報を伝えるために、生前の姿を保ったまま王女を救える誰かをずっと待ち続けていたのだ。
情報を託すと、姿を保つ力を失ったのか【たましい】となる。
 
王女が仲間になってから会いにくると、ようやく未練を果たせたことで成仏する。

その他

ムーンブルク城内には王様を始め何人もの【たましい】が徘徊しており、その中には生前兵士であった者もいる。
既に自我のほとんどを失った彼らは、城が滅ぼされた時の悪夢を繰り返し見続けているようだ……。
エンディングでは彼らもようやく成仏し、安らかな眠りについた。
 
【知られざる伝説 ロト2】では、【大灯台】の最上階にいる兵士もムーンブルク兵という設定。
【ロンダルキア】を監視するためにここで寝泊まりしているようだが……。

小説版

瀕死の兵士が早馬でムーンペタに急を知らせ、そこからローレシア・サマルトリア両国に伝書鳩を送るという形にアレンジされていた。
その兵士のその後の生死は語られない。

オールナイトニッポン ラジオドラマ

冒頭に登場し、原作ゲームと同内容のセリフをローレシア王に伝え、死亡する。
……のだが、妙に威勢の良い口調で喋るため、直前まで元気だったのに唐突に死んだかのように聞こえてしまう。

CDシアター

こちらでも同じ形で登場するが、ラジオドラマと違い口調が息絶え絶えになっている、一度は力尽きかけるが最後の力を振り絞るなど、BGMである【レクイエム】のアレンジもあって非常に重々しいシーンに仕上がっている。
こちらでは今際の際にムーンブルクの王女ナナの顛末を言いかける台詞が追加され、これにより彼女を想いを寄せるローレシアの王子アレンは彼女の生存に一縷の望みをかけ、旅立つ決意を固めた。

ゲームブック(双葉社)

【プロローグ】でローレシア王に急を知らせ死亡する人物が登場するが、ただ「1人の男」としか呼ばれておらず、兵士なのかそうでないのかも語られていない。
またムーンブルクのみならず、サマルトリアや【デルコンダル】の危機も知らせているため、どこからやって来たのかも不明である。

ゲームブック(エニックス)

国のシンボルカラーである赤い鎧を着用している。
ムーンブルク城内ではソーリルという兵士の生き残りがおり、ラーの鏡のある場所まで同行。鏡を見つけた直後、【リザードフライ】【ギラ】の犠牲となる。
また、出会った時にこの兵士と「戦う」選択もできる。倒した場合、サマルトリアの王子カインが生きていれば彼がソーリルに取り憑かれてしまい、その状態でラーの鏡の場所まで案内することになる(カインいわく、一方的に取り憑かれていたわけではなく、ラーの鏡に対して魔力を感じる発言をしている)。

ビルダーズ2

【リック】【ジローム】を始め、物語の中心となるため大量の兵士が仲間になる。
兵士はビルドレベルにより特技や呪文を使用するようになり、【回転ぎり】を使う青服の兵士、【ベホマラー】を使う緑服の回復兵、【スクルト】を使う赤服の近衛兵がいる。
 
そんな頼もしい彼らだが物語の進行により最終的に半数近くが戦死する。
戦死者の装備はそのまま消滅するため、貴重な装備品を装備させる際には注意が必要。離脱者を把握して離脱タイミング直前に再び【どうのつるぎ】と交換するのも手。
もう一つの注意点として、裏切り者4名はNPCとしても消滅するが、戦死者はNPCとしては死後もそのまま残り、【住人めいぼ】にも表示されたまま。クリア後に部屋を与えることもできるが彼らが生き返ることはないので、当然ながら個室を作っても誰も利用しないし【ビルダーハート】が生まれることもない。
 
離脱する兵士は以下の通り
兵士ACDEFGHJK
町人A
農民A
リック