【モーニングスター】

Last-modified: 2024-05-27 (月) 08:12:27

概要

FC版DQ4、DQ5~DQ7、DQ10、リメイク版DQ3に登場する武器。
トゲつきの鉄球を短めの鎖で杖に取り付けたもので、グループ攻撃の特性を持つ。
柔軟に振り回せる形のためかDQ10では鞭系武器に分類されていた。
詳しくは由来の項で説明するが、モーニングスター(朝の星)とは名前の通り明け方に輝く星で、現実の天体では金星のこと。日本では「明けの明星」という表現が有名。
 
重い鉄球を鉄の鎖で振り回すため、本来ならそこそこの腕力を必要とするであろう装備品。
そんなイメージに反して、ドラクエでは女性や魔法使い、僧侶系のキャラクターが装備可能で、逆に戦士系キャラクターが装備できないことも多い。
見た目に反して軽く作られているのだろうか…?
こんな刺々しい鉄球が直撃すれば、下手な刃物の切り傷より大惨事になるのは想像に難くない訳だが、関連書籍では「戒律により刃物を持てない僧侶でも使える」という、史実に沿わせた設定が語られている事もある。
「僧侶は戒律により刃物を持てないが、メイス・フレイル類は使える」という設定は、DQ3の職業のモデルになった『ウィザードリィ』等でも見られるものなので、DQもこれらに倣ったと思われる。

DQ3(リメイク版)

DQ5以降の仕様にならい、グループ攻撃が可能な武器として登場。
攻撃力30、価格は1700G。
装備可能職は【僧侶】【賢者】。何気に僧侶にとっては唯一の複数攻撃武器である。
【バハラタ】【テドン】【エルフの隠れ里】で店売りされている。
SFC・GBC版では【アッサラーム】近郊にある第2の【すごろく場】のクリア景品にもなっている。
 
アッサラームに到着してすぐすごろく場を攻略して入手できれば、その時点ではかなり強力。
アッサラームからほど近い【イシス】では、同じく僧侶用で攻撃力35の【ホーリーランス】が2300Gで売られているが、攻撃力たった5の差であれば複数攻撃できるこちらの方が遥かに便利だろう。
僧侶が回復の合間に使う武器としては十分すぎる性能を持つ。

ガラケー版以降

すごろく場が無くなったが、ピラミッド4Fのトラップつき宝箱の一つに小銭と入れ替わりで配置された。
戦闘が難しい人はバハラタまで待つことになるが、買っても十分活躍する。
 
というよりSFC版でもそうなのだが、【ゾンビキラー】の登場まで僧侶にはろくな武器がない。
同じバハラタの武器屋では倍以上の攻撃力を誇る【りりょくのつえ】が売られているが、貴重な僧侶のMPを単体打撃のために使ってしまうのはあまりにもったいない。
他は【アリアハン】の宝物庫にある一品物の【ルーンスタッフ】くらいで、こちらは余計な効果は付いていないものの、攻撃力40とホーリーランスに毛が生えた程度。
グループ攻撃能力とどっちが良いかと言われて迷う程度の差しかない。
もう少し進めて【ムオル】まで足を伸ばせば道具使用で【バギ】の効果がある【さばきのつえ】も売られているが、武器としての攻撃力はルーンスタッフ以下だし道具効果としてもいくら無消費とはいえこの時点でバギでは、よほどの高守備力相手でもない限りモーニングスターを叩きつけた方がマシだろう。
 
そんな訳で、僧侶は中盤の長い期間をこの武器で戦い抜くことになるだろう。

DQ4(FC版)

攻撃力33で、価格は1250G。
装備可能者は【ライアン】【クリフト】【ミネア】
第二章の【砂漠のバザー】や第四章の【ハバリア】など各所で購入できる他、【女神像の洞窟】の宝箱にも入っている。
クリフトとミネアにとってはそれぞれの章における最強装備。
 
初登場となるこの作品では普通の単体攻撃武器だった(当時はすべての武器が単体攻撃)。
重戦士系のライアンと非力なクリフト・ミネアのみが装備でき、他の面子は装備不可という珍しい武器。
特にライアンに負けじと【バトルアックス】【まじんのかなづち】といった重量級武器を装備できる【勇者】が装備できないというのは謎である。斧やハンマーに比べて扱いが難しいからか。
きっとライアンは色々な武器を扱うスペシャリストだからこそ装備できるのだろう。
 
上述の通り他作品などでは重そうでズッシリしたイメージではあるが、本作の場合【公式ガイドブック】のイラストを見るにテニスボール程度の小振りな鉄球になっており、さほど腕力が必要という印象はない。
非力な僧侶系の装備であり【はがねのつるぎ】より攻撃力が劣るのも納得。
もっとも【てっきゅうまじん】【オーガー】が持っているようなバカでかい鉄球だったならそれこそライアンぐらいしか扱えないだろうし、攻撃力も+100クラスだろう。
 
クリフトは難所の【さえずりの塔】攻略の前に、できればこれを買っておきたい。
【てつのやり】との攻撃力差はわずか5だが、この差でトドメを刺せるかどうかが分かれることが多々ある。
ミネアには750Gで攻撃力24に加え麻痺効果を持つ【どくがのナイフ】があるが、第四章ボスの【バルザック】には麻痺効果は通用しないので、単純な与ダメージの大きいこちらとで選択に迷うところ。
いずれにせよ、上記の2人にこれ以上の武器はしばらく登場しないので、買う価値は十分にある。
クリフトは同じ攻撃力がある【ほほえみのつえ】(【カジノ】の景品:コイン1000枚)が2章のうちに入手可能だが売値はたった67Gなので5章での換金額を考えれば、もはや天秤にもかからない。
ライアンの場合は一章の段階では販売しておらず、落とす敵もいないので利用する機会はない。
よしんば売られていたとしても【湖の塔】でより強力な【はじゃのつるぎ】が手に入るのだから、わざわざ高額なこれを買う人はあまりいなかっただろうが。
 
PS以降のリメイク版では攻撃力や装備可能者などはそのままに、名前だけ【ホーリーランス】に置き換えられてモーニングスター自体は削除された。既にグループ攻撃武器としてのイメージが定着しているためだろう。
ちなみにライアンはこれを含めて槍系武器を全て装備でき、一方で勇者は【てつのやり】以外の槍は装備不可能なので、上記の装備の可不可に関する疑問点はある程度緩和されている。

DQ5

攻撃力45で、価格は3000G。
装備可能者は【ビアンカ】【フローラ】【男の子】【女の子】【ピピン】
やはり非力な面子の中でピピンが浮いている。
仲間モンスターでは【ネーレウス】などの魔法使い系の面々や、【ビックアイ】らも装備可能。
この作品から攻撃対象がグループに変更されたため、価格も相応に跳ね上がった。
 
【ポートセルミ】以降の各地で店売りされている。
主人公の最強武器が【はがねのつるぎ】(攻撃力+33)の時期に攻撃力+45&グループ攻撃という破格の性能を誇る強力な武器。
 
入手時期的に、特に【イエティ】やビックアイの武器として非常に有用。リメイク版は【エンプーサ】などにも装備可能。
値はなかなか張るが、彼らがメンバーにいるならぜひ買おう。
ビアンカを妻にした場合、お金に余裕があるならプレゼントしてあげてもいい。
ちなみにフローラは最初から装備している。
非力そうなフローラの通常攻撃がドンカドンカと激しいエフェクトなことに驚いた人もいるだろう。
なお、DS版以降にて【はかいのてっきゅう】を振り回す姉の【デボラ】はなぜかこっちを装備できない。それを言い出すと重戦士系のキャラは全員そうだが…。
 
優秀な性能を持つため装備可能者がいれば長期に渡って活躍できる……と言いたいところだが、一つ問題がある。
これを装備して次に手にすることになるのは大抵【はがねのムチ】なのだが、それが売られているのは【エルヘブン】。その間に入手できる装備可能な武器はほとんどがモーニングスターよりも弱い(キャラによっては装備すらできない)。
つまり長期に渡って活躍するというよりも、青年時代後半になるまで長期に渡って使い続けざるを得ない…というのが実情。
流石に【デモンズタワー】あたりまで来ると息切れが隠せなくなってくる。
 
ちなみに息子は加入時の初期装備として一応モーニングスターを装備しているが、時期的にはすでに弱すぎる。
しかも、リメイク版では一緒に【てんくうのつるぎ】を持っているため一瞬で換装されてしまう羽目に。
(SFC版でも大抵のプレイヤーは天空の剣を入手済みだろう。)
SFC版では女の子も攻撃力60の【ストロスのつえ】を初期装備しているため即売りに出される運命にあるが、リメイク版では攻撃力40の【まふうじのつえ】に差し替えられているので、お兄ちゃんの武器を回してあげてもよいかもしれない。(弱すぎてあまり意味がないが)

DQ6

攻撃力38、かっこよさ14、価格は3000G。
装備可能者は【バーバラ】【チャモロ】【ドランゴ】
SFC版ではドランゴと同じ【装備グループ】のモンスターと、他に魔術師系のグループも装備可能。
前作で重戦士系のグループが装備できない点が謎だったが、今作でも真逆のタイプが装備できるのでどうもチグハグな点は変わらない。
なお、膂力のありそうな【ハッサン】はなぜか使いこなせない…。
【鳥山明】イラストでチャモロがSFC版、リメイク版とも持っている(SFC版【公式ガイドブック】のイラストにも反映)。棍の亜種として取り扱っているような中国拳法的ポージングも多い。しかし彼が持っている物は柄が長く石突の先端が尖っているのが特徴で武器ページのイラストのモーニングスターとは少々異なる。そちらのイラストでは普通の棒状の柄に鎖と小さな鉄球のついたお馴染みのデザインである。
 
【ゲントの村】以降の各地で店売りされている。
入手時期的にムドーへ挑む直前なのでその準備として買ってもいいが、バーバラはムドー戦に参加しないし、この時点のチャモロに装備させても攻撃役としての火力はたかが知れている。
ことムドー戦直前ではその他の強力な装備を揃えるために金欠になりがちなので優先順位は低い。
チャモロの初期装備である【ゲントのつえ】は道具使用で【ベホイミ】の効果があるため、素でベホイミを使える彼ではなく他のキャラの持ち物に回されることが多いが、【ムドーの島】【チェーンクロス】が落ちているので、チャモロにはこれをあてがって凌ぐことも可能。
しかし、チャモロは【フォーン城】【まふうじのつえ】を購入するか、【ちいさなメダル】の景品で一品物の【きせきのつるぎ】を入手するまでは、実質これが最強武器になる。
魔封じの杖はモーニングスターの倍の価格の割に攻撃力差が2しかなく、しかも単体攻撃なのでわざわざ買うのは微妙。逆に奇跡の剣は人間キャラが全員装備可能なため競争率が異常に高い。
結果的に、彼をスタメンで使う場合は長期間これを装備させることになるだろう。
一応、ムドー討伐直後に訪れる【北の山】に1個落ちているので、そこまではチェーンクロスで我慢してもいい。
あるいはチャモロだけには早めに購入して、拾える方を(ムドー戦に参加しないため装備を新調していないであろう)バーバラ用に回すのもあり。
もしハッサンが装備できたなら、高い攻撃力のグループ攻撃でムドーの島などでかなり活躍できただろう。残念…。
ちなみに、前作の攻撃アニメーションはハンマーや鉄球と同様の鈍器をたたきつけるようなエフェクトだったが、本作以降はムチ系と共通のエフェクトに変わっている。

DQ7

攻撃力43、かっこよさ14。
装備可能者は【マリベル】【メルビン】【アイラ】
過去【ハーメリア】編以降の各地で5500Gで店売りされている。
ハーメリア編の時点で装備できるのはマリベルのみ。
あまり通常攻撃が得意ではないマリベルの武器としては少々値が張る上、少し我慢して現代ハーメリアまで進めれば【つきのおうぎ】が買えるので、優先度は高くはない。
とはいえ、その後わりとすぐに【さざなみの剣】が拾える主人公の武器もこの時点では購入優先度は低い。
【ほのおのツメ】【マジカルスカート】を購入してなお財布に余裕があるなら買うのも悪くはないだろう。
初期装備が【はがねのつるぎ】のメルビンに、とりあえず繋ぎとして持たせる武器としても手頃なので、使い回しもきく。

リメイク版

たった1500Gで買える【アサシンダガー】の即死能力が尋常ではなく高いため、【つきのおうぎ】を購入するまでマリベルの武器はアサシンダガー1本で賄えてしまう。
加入後のメルビンに最初に持たせる武器として手頃である事は変わりないものの、メルビンの為だけにわざわざ購入するのは微妙なところ。

DQ10オフライン

主人公(【魔法使い】【盗賊】【スーパースター】)、【ダストン】が装備可能なムチ。

-+1+2+3
攻撃力20232629
みりょく3456
物質系にダメージ+10%+12%+15%+20%

【旅人バザー】で売られることがある。
【ふしぎな鍛冶】でも作成可能。レシピは【モーニングスターの本】に記載。
必要な素材は、【ぎんのこうせき】x4、【とげウニ】x3。

DQ10オンライン

レベル21より装備可能なムチで、物質系へのダメージアップ。
詳しくはこちらを参照。

ヒーローズ1

【ゼシカ】専用装備で攻撃力は23、防御力は6。価格は2600G。
【シーラ】解放後から購入可能。

ヒーローズ2

攻撃力は37。価格は2600G。

トレジャーズ

【お宝】の一つとして登場。

お宝No.152
レアリティトレジャー
カテゴリーヒストリー
コレクション武器
標準価格440,000G

余談

見た目について

「星」という名前からはトゲ付き鉄球を連想しにくいことや、僧侶系職業用の武器であることから、DQ4初期にはこれが厳つい打撃武器だとは思わなかった人もいたようだ。
DQ4発売前のファミリーコンピュータMagazineでは、サーベルのような刀身の細い剣のイラストが載っていたこともあった。
間もなくして出版された攻略書籍などで、この武器が「鎖鉄球をつけた棒」なのは明らかになったが、一度剣らしきイラスト載せた以上は引っ込みがつかなかったのか、同誌は最後までモーニングスターのイラストとして上記のような剣を載せ続けていた。
【ドラゴンクエスト4コママンガ劇場】でも、が買ってきたモーニングスターをが名前だけ聞いて魔法少女のステッキのような武器と思い込むネタがある。
その時点で行動を共にしていた双子の兄の初期装備武器はコレだったので、娘はすでに見たことがあるはずなのだが…殺意満点のトゲ鈍器がそんな名前だとは想像できなかったのかもしれない。
偶然だがDQ4と同時期に発売されたFF3でも、この武器が初登場している。こちらはバイキングという斧系を主力武器とするモロにパワータイプの戦士が装備するのでイメージにピッタリと言えるだろう。以降は大体魔道士系の武器になってしまったが。
 
DQ4以前でこの名前で呼ばれたことはあまりないが、同等の武器は後述の通りDQ2から登場している。

由来

ドラクエでもよく見られる「現実に存在する武器」の一つで、ヨーロッパはドイツの辺りで発明された「モルゲンシュテルン」という【棍棒】の一種である。その英語読みが「モーニングスター」。
名前の由来は、トゲ鉄球が「光を四方に放つ明けの明星」を連想させたことから。
トゲで殺傷力を高めつつ、刃物が通りにくい鎧を身に付けた相手を打ち倒すための打撃武器である。
 
刃物が持てない僧侶職のための武器という設定も、ヨーロッパの戦争で実際にそうした逸話があったため。
もともと
「僧侶はむやみに血を流させてはいけない(政争や戦争に関わるべきではない)」
という話だったのを
「刃物より血が出にくい鈍器ならOK」
という解釈で抜け道にしたという悪い冗談のような話である。
 
史実のモーニングスターはメイス(棍棒)の一種であり、先端のトゲ鉄球と握り棒の部分は直接つながっている。
ドラクエならば【じごくのつかい】系統が手に持っている得物と言えばイメージしやすいだろうか。アレが本来のモーニングスターである。
鎖や紐などの接ぎ手で鈍器を繋げたものはフレイルと呼ばれる別種の武器になる。
もっとも、名前の由来がトゲ付き鉄球の見た目からなので、「トゲ鉄球を繋げたフレイル」をモーニングスターと呼ぶのも大間違いという事は無く、メイスの一種として特に区別しない例など、創作物では混同されていることも多い。
グループ攻撃能力を付与したドラクエのように、メイス、フレイル、モーニングスターを攻撃モーションや追加効果で細かく分けている例もあり、製作陣のこだわり所と言えよう。
 
モーニングスターは欠席したDQ8でも、スケアフレイル系モンスターが装備しているのは「トゲ鉄球つきフレイル」である。
このフレイル型モーニングスターには繋ぐ鉄球の数を二個、三個と増やしたものがあり、鉄球三つのものは【スコーピオンテイル】としてドラクエに登場した。