【ロトのかぶと】

Last-modified: 2024-03-21 (木) 04:51:36

概要

DQ2、DQ9、DQ10に登場する【ロトシリーズ】の兜。青々とした色に、ロトの紋章が描かれた可動式バイザーを備えた兜。
 
かつて勇者ロトが身に着けたとされる兜ではあるのだが、DQ3において【ロトのつるぎ】【ロトのたて】【ロトのよろい】【ロトのしるし】の出自が明らかになった時、なぜか兜だけはそれに当たる物が存在せず、もちろんエンディングでも言及されてはいない。
小説版DQ3の表紙で主人公がかぶっているかぶとは、明らかにコレである(多少、デザイン・カラーリングをいじってはいるが)。
 
エニックスゲームブックシリーズのDQ1もしくはDQ2では、他のロトの装備はDQ9に先駆けて錆び付いたり本来の力を発揮できなかったりと言う憂き目にあっているのだが、この兜だけはそういう目にあったことが無い。錆びついていないという点では優遇だが、他の装備にはちゃんと本来の性能を取り戻すためのイベントがあることを考えるならば不遇といえる。
言うまでも無く、後述のDQ9では流石にこの兜も錆びている。
 
30周年企画の【ドラゴンクエストミュージアム】では鍛冶職人による実物大の代物が制作・展示された。
その5年後には35周年記念コラボとして「吉徳大光」による実物大ロトの兜の制作が発表され、ちょうど2年後に「ロトの兜飾り」として349,800円(税込)で発売された。

設定の謎

ロトの兜には上記の様に設定上の重大な謎がある。
当時の勇者ロトが愛用していた兜がそれに当たると補完するとして、FC版だとデメリット無しの最強兜は【てっかめん】であり大体のプレイヤーはこれを最終決戦用の兜に選んでいたと思われるが【公式ガイドブック】のイラストでは似ても似つかない。共通するのは可動式バイザーと頭頂部の房飾りくらいである。
そもそも公式設定で「市販品が後のロトの兜」というのも不自然。
呪いの武具も候補に加えると【はんにゃのめん】【ふこうのかぶと】がある。
般若の面のデザインはその名の通りお面であって、ロトの兜とは似ても似つかないし、一人旅でもない限り使い物にならない。また、守備力も桁違いに高く別物と言えるだろう。
形状だけ見れば不幸の兜がやや近く、守備力も妥当な数値。
状態異常への耐性は絶望的に下がるが、一応ゾーマとその前座ボスはいずれも状態異常系特技は使わない。
また、ゾーマの城の雑魚敵たちが使う可能性がある状態異常はザラキかバシルーラのみであり、ザラキは【せいなるまもり】で完封、バシルーラはそもそもクリア前の勇者には(FC版ではクリア後も)効かないので、不幸の兜は堂々の最終装備候補である。
なお、イベントアイテムである【きんのかんむり】を除けば唯一の重要アイテム枠の兜でもある。
ただし、勇者専用ではないために特別感に欠ける部分がある。もっとも戦士の場合は装備はできてもザラキやバシルーラを完封する特典がなくリスクが大きすぎるので、実質的な最強装備として機能するのは勇者のみ。それを加味すれば勇者専用と言えなくもないが。
 
DQ3がSFC版でリメイクされた折には、【オルテガのかぶと】という勇者のみが装備できる一品物の兜が追加された。
しかし、守備力で兜を選べば「【ゾーマ】を倒した時に被っていた兜」は【グレートヘルム】になることが多い。
公式ガイドブックのイラストのデザインもあまり似ていない。
またFC版の【取扱説明書】から分かるとおり、DQ1における「鎧」とは胴体だけでなく腕・足・兜までのフルセットであるため、DQ1にロトの兜が存在しないという根拠とはならない。
そもそも、DQ1の勇者は無装備の状態でもロトの兜と同じツノ付きの兜をかぶっている。ソフトのカバーイラストで被っている兜のバイザー部分以外のデザインが非常に似ている。FC版の公式ガイドブックのロトの鎧のイラストで被っているのもこれである。これを手直しして後世に残したと考えるのが自然かもしれない。
しかし、【アイテム物語】では(エピソード名が「光の鎧」ということもあり)、「剣と兜、そして盾は既にラダトーム城から運び出したので、残る鎧を隠せ」と、ロトの鎧の中に兜は入っていないことになっている。
更に、SFC版公式ガイドブックによれば「勇者ロトと魔王の時代以降、所在が明らかにされず、架空のものとされていた」とのこと。つまりDQ1で勇者が被っていた兜とはベツモノということらしいのだが、ではその兜は何だったのか、またどこへ行ってしまったのかは不明となっている。
また、DQ9では、DQ1の勇者が被っていた兜は【ラダトームかぶと】という名で全くの別物として登場する。
エニックスゲームブックシリーズでもDQ1・2に登場しているが、DQ3で対応しそうな兜が登場していない(オリジナル兜として「ガイアの兜」があるが、選択肢次第では入手できない)ために影が薄い。
2012年の「【ドラゴンクエスト展】 in ハウステンボス」においてロトの兜がオルテガの兜と解説されているため、後付ではあるが現在はオルテガの兜が後のロトの兜として後世に伝わったという見解が公式の設定であると思われる。
しかし後の星ドラやDQウォークといったソーシャルゲームでは、ロトの兜と光の鎧を意識したかのようなデザインの「ひかりのかぶと」という装備品が登場しているが、こちらについて公式からの言及はなく、正確な関連性は不明。
いずれにせよ、長きに渡って『ロトシリーズ』の中で最も詳細不明なカテゴリが兜であった点は間違いない。

DQ1(エニックスゲームブック版)

前述のとおり、本編ゲーム作品では兜は登場しないが、ゲームブックでは【ドムドーラ】で精霊の騎士を倒すと得られる。

DQ2

守備力20。【ローレシアの王子】専用。
 
まともな守備力を持つ唯一の兜。
ロトの印を持って、【アレフガルド】大陸の南東の【聖なるほこら】に行くと、そこにいる【老人】(リメイク版では【神父】)から貰える。
その気になれば【船】入手直後に貰える(【きんのカギ】を手に入れて【ローレシア】でロトの印を手に入れる必要があるが)のでなるべく早く回収しよう。
 

装備できるのはローレシアの王子のみ。同じくロトの血を引いているはずの【サマルトリアの王子】は(もちろん【ムーンブルクの王女】も)被れない。
【サマルトリア】城の【宿屋】にいる爺さん曰く「王子は非力だから、あまり強力な武具は身に付けられない」との事。

 
あまり意識したプレイヤーはいないかと思われるが、実はローレの打たれ強さを引き出す上で鎧や盾以上に最も貢献している防具である。
ロトの鎧については【みずのはごろも】に対して守備力で5優っているとはいえ、耐性で大きく劣り実際には最強の鎧ではない上に、その羽衣はサマルやムーンに確実に取られるゲームバランスになっている。
ロトの盾に至っては、【ちからのたて】と僅か2しか守備力が上回っておらず、道具として使用した際の回復機能を考えると完全に総合的な性能で力の盾を下回っている。
なお盾を装備できない王女についても素早さで盾の分の守備力をある程度カバーしていると言える。
しかし、この兜については性能で上回る兜が存在せず、これに次ぐ兜は守備力たった6の【てつかぶと】であり、ローレは【ふしぎなぼうし】しか装備出来ない他の2人(と言ってもふしぎなぼうしはレアすぎて普通にプレイしてたらサマルとムーンは実質、兜は装備出来ないと言っても良いのだが)とは兜の面で守備力が大差で開いているのだ。
ロトの武器、防具の中で最も優秀な逸品と言えよう。
 
また次作の兜を見てみると、ブッチギリで最強の【はんにゃのめん】は常時混乱のため、とても使えたものではなく、準最強の【ふこうのかぶと】【うんのよさ】が0となってしまうため、状態異常への耐性を犠牲にしているので、実質最強は市販品の【てっかめん】に落ち着いてしまう。
つまり【ロトシリーズ】3作でも唯一の貴重品な最強兜であったりする。(FCに限る)

小説版

【ムーンブルク】の城に保管されており、炎の亡霊と化した【ムーンブルク王】からローレシア王子アレンへ託された。
小説版においてアレンはこの時点で既にロトの鎧と盾を装備しているため、この兜を入手したことでムーンブルク城到達直後に原作ゲームにおける最強防具で身を固めることになる。
 
なお小説DQ1では存在自体に言及されず(ロトの鎧を入手した際、兜に関する言及は無い)、小説DQ2でも前作の時代ではどこにあったのかは触れられていない。
前時代に当たる小説DQ3の表紙イラストでは兜を被っているが、本編の最終バトル中の挿絵では兜を被っておらず、エピローグにおいても兜の存在は語られていない。
小説DQ2において「第1作の主人公アレフがムーンブルクに残した」とだけ語られている。

ゲームブック(双葉社)

下巻で登場。同書では唯一の兜で、ローレ専用。
パーティのレベルを3にする上で必要となる。
レベルが4になれば不要となるが、売却はできない。

DQ9

守備力42、幻惑、麻痺、即死に耐性が付く。装備職業は戦士、旅芸人、バトルマスター、パラディン、スーパースター。
 
その後の本編では勇者ロトの専用装備であるというイメージからか全く登場しなかったが、実に21年ぶりに再登場。
ついでに【ロトのこて】という腕部防具も新たに登場しているが、これは防具が細分化したため。
 
他のロト装備と同じく錆付いた状態で登場している。9には他の歴代主人公装備のほぼ全てが登場している都合上、ロト装備も無視できなかったのだろうか。
しかし、【兜】を除いた天空の装備や精霊、竜神の全ての装備が登場していない所を見るとロトという男がいかに偉大な勇者であったかを感じられる。
ちいさなメダル累積62枚をキャプテン・メダルに渡すと【さびついたかぶと】が貰え、それを【オリハルコン】×1+【みがきずな】×9と錬金すると完成。
性能もなかなかのもので、高い守備力と耐性が付く。
【メタルキングヘルム】【きせきのかぶと】系とは耐性が付く状態異常がやや違うが、9の兜ではほぼ最強の部類に入る。
以前はWi-Fiショッピングで錬金前のさびついたかぶとが購入できたことがあったが、リスト更新終了後は販売されなくなったので、完全に一品物となっている。
なお、さびついたかぶとと同様に売却はできない。

DQ10オフライン

主人公が全職で装備可能な【おしゃれ装備】
超デラックス版、デラックス版の購入特典。

DQ10オンライン

ドラクエ30周年記念イベントで獲得できるおしゃれ装備。
詳しくはこちらを参照。

キャラバンハート

この兜が姿を変えたアイテム、【ちしきのオーブ】が登場している。

ウォーク

DQ1イベント中のガチャの星5防具として実装された。
りゅうおうへの耐性も付く。

スマブラSP

Miiファイター専用追加コスチューム第二弾として鎧と主に有料配信された。

ロトの紋章

【王者の剣】【光の鎧】【勇者の盾】と共に、勇者ロトの装備として登場。3の後の時代である本作ではオリジナルのものはロトの第一王子の子孫である【ジャガン】が所有している。
 
作中での兜はかなり酷く損傷しているが、これはジャガンが魔人王を襲名する儀式としてロトの装備を身に着けていた実の父【ローラン王】を死に至らしめた際にできたもの。そのためかその忌まわしい記憶と共に、ローラン城の奥へと封印され、ジャガン(【アラン(ロトの紋章)】)が装備する事はついぞ無かった。
  
また作中では勇者ロトがゾーマと戦った回想シーンも描かれたのだが、ロト自身が装備している姿も描かれなかったなどロトの紋章内での扱いはかなり不遇をかこっている。
初期のカラーリングは血のような赤色となっていたが、ジャガンが勇者アランとして蘇った後は他の装備と同様、兜の色も元に戻ったものと思われる。
 
上述のように作中のメインキャラクターが装備して戦う姿は全く描かれなかったのだが、漫画の演出的な視点で見ればダイの大冒険【鎧の魔剣】装備時の【ヒュンケル】と同じく、顔が見えにくくなることが理由だろうか。
また、他のロトの装備が頻繁に元の名称で呼ばれている関係上、登場させてしまうとどうしても元になった装備品が不明であるロトの兜は他の装備と比べると相応しい呼び名が存在せず、どう呼べばいいのか分からないことも原因であろう。
 
余談だが、ロトの紋章においてロトの兜が登場した回が収録された単行本13巻の初版の日付が1995年4月22日。ロトの兜の前身と目されるオルテガの兜が追加要素として盛り込まれたsfc版dq3の発売日が1996年12月6日………つまり、漫画にロトの兜が登場した連載当時には、原作ゲームでオルテガの兜の設定はまだ無かった時期のハズ