【ロトシリーズ】

Last-modified: 2024-02-17 (土) 17:27:43

作品としてのロトシリーズ

基本的には、上記3作品の総称。『ロト三部作』とも呼ばれる。
DQ4が出るまではこのような呼び方は存在せず単に「ドラクエシリーズ」などと呼ばれていたが、DQ4が従来の3作とは違う世界観の話となったのに伴って、DQ3までの3作をDQ4以降と区別する意味でこう呼ぶようになった。
近年の公式書籍などでは、『ロトの伝説三部作』という表記も増えてきている。
 
【勇者ロト】やその子孫が主体となる物語であり、それぞれが新たな【ロト】伝説を切り開いていくため、そう呼ばれる。
たとえば、勇者ロトの事績を記した『ロト伝説』という歴史書があるとするならば、後世になって【ロトの勇者】の新たな伝説について記した『ロト伝説2』『ロト伝説3』という歴史書がその隣に置かれるようなイメージである。
 
ちなみに発売時期から言うと「ロト三部作=昭和のドラクエ」でもある。DQ4~DQ11をまとめて「平成のドラクエ」として対比すると、なかなか感慨深いものがあるだろう。
同様に、ロトシリーズを1980年代のドラクエ、【天空シリーズ】を1990年代のドラクエとして見ることもできる。

特徴

ロトシリーズに共通する特徴として、それぞれ【りゅうおう】【ハーゴン】【バラモス】という敵のボスの存在が最初から明かされており、主人公は【勇者】としてそれを討伐することが旅の目的とされている点がある。
天空シリーズ以降の作品とは異なり、キャラクター自体にはあまりスポットが当てられず、会話が自動的に進んでいくようなイベントも少ない。
自分で情報を集めて、アイテムを手に入れたりボスを倒したりしていきながら、自分で道を切り開いて宿敵に近づいていくというのが主な流れとなっている。
物語性よりも、物語の結末に至るまでの道のりを試行錯誤しながら進めていく過程を楽しむという、ゲーム性重視の面が比較的強い作風といえる。
 
【アレフガルド】が3作共通して登場しており、BGMも多少のアレンジはあるものの同じ曲が使用されている。
リメイク版ではラダトーム城やアレフガルドの町・ダンジョンのBGMも共通となった。

作品間の関連

DQ1は、【ラダトーム】の城を中心としたアレフガルドが舞台。
主人公は、かつて魔王を倒したという伝説の勇者「ロト」の血を引く者とされ、作中でも「ロト」という単語を至る場所で見ることができる。
また「ロト」の名を冠する武具や道具が登場している。
 
DQ2は、DQ1から約100年後であることが事前に明かされた。
同作の主人公たちは前作の主人公の子孫であり、それはすなわち【ロトの子孫たち】ということでもある。
広くなった世界地図の中にはアレフガルドおよびラダトームの城が再登場。
また、ロトの武具・道具も引き続き登場している。
 
DQ3は、発売から半年ほど前の各雑誌での作品発表時に「アレフガルドの謎が解かれる」と謳われ(『ファミコン通信』1987年18号など)、パッケージ裏にも「今、アレフガルドの謎を秘め、~」と記載された。
だがDQ2以前との関連については当初は伏せられ、「ロト」という単語はストーリー上では出ず(ただし主人公や仲間に「ろと」と名付けようとすると断られる)、現実の地球を元にしたような地形の世界は一見前作までとは無関係のようにも見えた。
しかし、終盤になるとアレフガルドおよびラダトームの城が別世界という形で登場し、またDQ1のキーワードの一つであった【ひかりのたま】、DQ2に声のみ登場した【ルビス】も再登場。
そしてエンディングでは、実は主人公こそが勇者ロトであり、主人公の使っていた装備品が後世に「ロトの○○」として伝わること、そしてDQ3はDQ1より前の話であることが明確になる
これにより3作品の繋がりが完全に明らかとなり、時系列はDQ3→DQ1→DQ2であることが判明した。

発売

ロトシリーズは天空シリーズとは異なり、多くのハードで3作全てがプレイできるようになっているのが特徴である。
1986年から1988年までにオリジナル版としてファミリーコンピュータで3作品が発売された後、以下の環境で三部作が遊べるようになっている(いずれも日本国内)。

  • スーパーファミコン
    1993年に『DQ1・2』、1996年にDQ3が最初のリメイク版として発売。
  • ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス
    1999年にGB版『DQ1・2』、2000年にGBC版DQ3が発売され、GBCまたは互換性のあるGBA(ミクロ除く)で3作を同一機でプレイ可能に。
  • ガラケー(配信終了)
    2004年から2009年にかけて配信が開始され、docomoかauなら3作を遊べた。
  • Wii・WiiU
    2011年、3作品を同一パッケージにまとめたWiiソフト【ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III】が発売。互換性のあるWiiUでもプレイ可能。
  • スマートフォン
    2013年・2014年にガラケー版を移植した3作リリースされ、【ドラゴンクエスト ポータルアプリ】で追加料金を支払って購入することでプレイできる。
  • PlayStation4・ニンテンドー3DS(配信終了)・Nintendo Switch
    2017年8月にはDQ11と同じPS4と3DSに、2019年9月にはDQ11Sと同時にSwitchに、いずれもスマホ版ベースで移植(ダウンロード専用)。

その後の作品との関連

ロトシリーズの世界観をベースにして作られているゲーム作品ではあるものの、これらの作品はいずれもロトシリーズという範疇には含まれていない(発売順)。

 
この他、DQ8では神鳥【レティス】がDQ3の【ラーミア】と同一の鳥であると思わせるセリフがある。
またDQ9の武具や宝の地図の魔王、DS版以降のDQ4の移民の町の住人にもロトシリーズと同名のものが登場するが、ストーリーには関与せず、この2件はあくまでファンサービスの一環であろう。
 
DQの約30年の歴史を振り返る集大成的位置付けとして制作された【ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて】は、ロト三部作との明確なつながりは掲示されていないものの、真【エンディング】の内容から、DQ3より気の遠くなるようなはるか過去の物語であるという見方もできる。
実際、真エンディングの最初のシーンでは【勇者のつるぎ・真】の宝玉がズームアップされ、後の世で【ロトのつるぎ】としてDQ1の主人公の手に渡るようなシーンが流れる。
また、同エンディングの最後の部分ではDQ3のオープニングの一部と思しきシーンが再生され、DQ1とDQ3の、それぞれに繋がっているような形となっている。
これらを、実際に話が繋がっているのか、ファンサービスなのかは、はっきりとは言われておらず、様々な考察ができる。
よく言われているのが、ロトがいた世界(最後にタイムスリップした世界)、天空の竜が治めた世界(2周目のエンディングの世界)、勇者のいない世界(タイムスリップする前の世界)の3つに分かれたと言われている。
もし本当に繋がっているのなら、呪文の衰退、地形の変化、その他もろもろに矛盾が生じるが。
とはいえ、呪文の衰退は3→1、地形の変化は天空シリーズという前例があり、考えない方がいいのかもしれない。

ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドでは天空シリーズであるDQ6出身の【テリー】が主人公であるが、過去作品のシーンを再現した異世界に行くため、「天空シリーズのキャラでありながらロトシリーズの世界に行くことができる」ということになる。

武器・防具としてのロトシリーズ

主にDQ1とDQ2に登場する【ロトのつるぎ】【ロトのよろい】、およびDQ2に登場する【ロトのたて】【ロトのかぶと】のこと。『ロト装備』とも呼ばれる。
 
勇者ロトことDQ3の勇者が残した武具。
勇者ロトと直接の関係のあるナンバリングシリーズであるDQ1、2のプレイヤーキャラクターは全員がロトの子孫であるため、必然的にロトの血を引く者によって装備されることになるが、天空シリーズのような「特定の人物でないと装備できない」というような設定は特に無い。
そのためかは不明だが、シリーズにゲスト出演する機会も天空シリーズの武具に比べると多く、様々なキャラクターに装備されている。
逆にロトの子孫であっても【ムーンブルクの王女】については、非力な女の子であるためか、いずれも装備できない。
また、【サマルトリアの王子】もFC版などでは一切装備不可、リメイク版でもほとんどが装備できず、【ローレシアの王子】のみ全て装備できる。
システム上はその作品における主人公格のキャラクターであればほぼ装備することができ、ロトの子孫専用というより「主人公専用武具」と思った方が色々と正確かも知れない。
 
かつて勇者ロトが残したとされる武具は、【おうじゃのけん】【ひかりのよろい】【ゆうしゃのたて】であるとする説が有力。
リメイク版DQ3の公式ガイドブックでは、これらの3武具がロトの武具に似てはいるが異なるデザインで掲載された。
あくまで「勇者ロトが使っていた武具」=「ロトの武具」なので、「上記の装備品以外は後のロトの武具ではありえない」というわけではない。
 
『ファミリーコンピュータmagazine』'87年21号で、DQ3の新登場アイテムがいくらか紹介されていたが、その隣に前作からの続投で登場するアイテム(【はかいのつるぎ】等)が紹介されており、その中には上述のロトの剣、鎧、盾、兜と【ロトのしるし】が名前とともにイラストまで描かれており、更に大きく「もちろんロトのアイテムもあるよ!」という記述がある。もちろん本作ではそれらは登場していない。
これが単なるデマなのか、或いはロトアイテムのルーツとなるアイテムがあるということの謎かけなのかは定かではない。
 
DQ2ではロトの剣が相対的に弱体化されている。
また、DQ1にロトの盾は登場していないことは、FC版公式ガイドブックでも言及されていた。
ロトの兜についてはデザインの違いなどで引っかかる所もあるが、当該項目を見ればわかるようにリメイク版で追加された【オルテガのかぶと】が原型だとされている。
FC版では公式設定上の「後のロトの兜」は存在しない。【ふこうのかぶと】が形状が似ている上、呪われているが一応最強の兜(お面は除く)であり重要アイテム扱いということから「裏設定で後のロトの兜」という説(詳しくは不幸の兜の項目を参照)もあったが公式で認められていない。勿論大多数の者が最終装備にするであろう【てっかめん】も、公式な「後のロトの兜」ではない。
DQ1とDQ2には【ロトのしるし】も登場する。これはDQ3では【せいなるまもり】だったと明言されている。
ロトの子孫がそれぞれ建国した国には、ローレシアにはロトのしるしが、サマルトリアにはロトの盾がそれぞれ保管されているが、ムーンブルクにのみ何もない。
オープニングでの襲撃前と滅亡後で宝箱の数が減っていること、ロトの鎧だけが何の縁もないロンダルキアへの洞くつにあることから、保管されていた鎧が魔物たちに奪われて洞窟に置かれたのではないかとの考察がある。
 
DQ7では【王者のつるぎ】【王家のよろい】という、色々な意味でどことなくロトの武具を思い出させる品が登場しているが、関連性については不明。
 
DQ9ではファンサービスとしてロトの武具が再登場したが、防具カテゴリの細分化に伴い【ロトのこて】が新たに登場した。
多分それまではロトのよろいの一部として扱われていたものだろう。
レプリカ製では無いためか、クリアー前では最強クラスの性能になっている。
これ以外では、ひかりのたて以外の王様セットやレプリカ性能のてんくうのかぶとが登場している。
なお新たに小手が誕生したものの、「ロトのズボン」や「ロトのくつ」のようなものは登場していないため全身ロト装備で固めることは出来ない。
 
DQ8(3DS版)では【いにしえのロトの剣】とロトの剣が登場。
【主人公】の他、短剣スキルを上げた【ゼシカ】【ゲルダ】も装備できる。
 
トルネコ2以降の不思議のダンジョンシリーズにもロトの剣とロトの盾は登場している。
もちろんトルネコや【ヤンガス】、ゲルダが装備することが可能である。
ただし、さすがにのみで戦う【ポポロ】がこれらを装備することは不可能。
現状、ロトの武具が登場する作品において、主人公キャラクターがそれを一切装備できなかったのはこの一例のみ。
 
また、ドラゴンクエストヒーローズシリーズにもロトの剣とロトの盾、ロトの鎧の力を宿した【ロトのオーブ】が登場しており、主人公たちが装備できる(ロトのオーブは全員装備できる)。
 
ビルダーズ1ではストーリーではDQ3での名称で登場。
ロトが使っていた装備ではなく、同じものを新たに作ったということでこちらの名称が使われたのだろう。
ロトシリーズの名称の装備ではロトのつるぎのみフリービルドモードで作成可能。おうじゃのけんよりも性能が上回っている。
主人公の手製ではない本物であろうロトの剣となぜか1には無いはずの盾はあいつが持っている。ただ、中の宝石は抜かれている。
 
ビルダーズ2では引き続きDQ3での名称のものが登場すると同時に、主人公専用のロトのつるぎが登場。
おうじゃのけん、ひかりのよろい、ゆうしゃのたては強敵からのドロップ品で、一度入手すれば以降レシピを閃き作成も可能になる。
おうじゃのけんに関してはキャラクターを選ばず装備可能。
ロトのつるぎはレシピを閃いたのち、作成することでのみ入手可能。
 
剣神ではDQ1の主人公の着ている服が「ロトのふく」と呼ばれている。
またDQ3では【みかわしのふく】が最終戦に使えなくもない回避性能を持つことから、これをロトの鎧として後の世に伝えた場合を想定して、非公式に「ロトの服」の俗称で呼ばれるケースもあるようだ。