【ヴェルザー】

Last-modified: 2020-10-11 (日) 21:22:26

概要

漫画【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。
【大魔王バーン】【魔界】の覇権を争った「冥竜王」と呼ばれる強力なドラゴン。一人称は「オレ」。
最後の知恵あるドラゴンと言われ、他の竜と違い言葉を発する事もできる。
友好の証と称してバーンの監視役兼暗殺者として【キルバーン】を送り込む。
その後、【竜の騎士】である【バラン】に討たれた後、精霊に封印され石にされてしまう。
実力については主に回想で語られているため詳しくは分からないが、【ラーハルト】曰く、「ヴェルザーと比べると魔王【ハドラー】など黙殺しても仕方ない小物」と言わしめるほどの力を持っており、実際にかつてはバーンとは魔界を二分して争っていた事が物語の終盤にて明かされ、相当の実力であることが伺える。
なお【闘気】や強力な炎のブレスで攻撃していたらしい。
 
星のドラゴンクエストではコラボイベントで登場。
色は紫の体色に赤色の腹、翼。見た目としては非常に正統派なドラゴンだが、色といいどことなく【竜王】を思わせる姿をしている。
2019年には色違いの破邪の淵竜が登場した。

スーパーライトでも登場、Sランクは作中で登場する岩にされた姿で「ヴェルザー」名義で、転生先のSS「冥竜王ヴェルザー」名義で星ドラとほぼ同じ姿で登場した。ちなみに魔王扱い。

真竜の戦い

かつてバーンと対立する以前、魔界のドラゴン勢力は統一されていない状態で、「雷竜ボリクス」というドラゴンが、まだ「冥竜」と冠されていたヴェルザーと対立していた。
 
戦況は膠着し、決着をつけるために二体の竜は決闘を行う。
最終的にはヴェルザーが勝利し、魔界におけるドラゴン勢力の覇権はヴェルザーが掌握。この時より「冥竜王ヴェルザー」を名乗るようになった。
 
なお、この戦いは魔界の語り草となるほどの名勝負であった。
その戦いの中で起きた凄まじい現象が非常に珍しいものであったためである。
 
互いの魔力・闘気が、最高位かつ互角のレベルで炸裂した場合に強烈なエネルギーフィールドが発生し、そのエネルギーは周囲に留まったまま互いの身体には届かないものの、誰も立ち入れないほどの超高熱が支配する空間を形成する。
そして戦況の拮抗が崩れた瞬間、力が弱まった方、すなわち敗者となる側へと蓄積していた全エネルギーが一気に注がれる。
この時は敗れたボリクスがこのエネルギーを受ける羽目となりそのまま凄絶に絶命した模様。
 
後の【ダイ】とハドラーの戦いでこの真竜の戦いが再現され、バーンがキルバーンに解説している。
ヴェルザー直属の部下であるキルバーンなら知っていたのではないかとも思うが、原理こそ判明しているがこれほどの凄まじい事態になるには最上クラスの戦士が限界レベルで互角に近い戦いをしなければならず、そのような機会はまず起きないので実際に見たのは初めてだったのだろう。

バーンとの協定締結

真竜の戦いより後、ヴェルザーは魔界の覇権を争いバーンと衝突。
自分が魔界の神となりいずれは地上に進行して太陽を我物にしようと野心を抱いていたが、奇しくも対立していた大魔王バーンも同じ志を抱いていたため、
『各々が神になるための戦略を進め、成功(太陽を手に入れること)した方に従う=部下になる』
という彼の賭けの提案を受け入れ協定を結ぶ。
 
とはいえ、ヴェルザーは「地上を手に入れ支配したい」のに対し、バーンは「地上を消し飛ばして太陽の光を魔界に降り注がせたい」と思想の違いがみられる。
地上を標的にしているという点こそ共通しているが、最終目的の共存は明らかに不可能であり最終的な利害は真っ向から対立することになる。
協定締結後バーンの元へ監視役兼暗殺目的で友好の証と称してキルバーンを派遣、バーンもその目的を平然と指摘する等、互いに妨害こそしないものの全く信用はしておらず、実質的には仮初めの不可侵条約でしかないようだ。

バランとの戦い

大魔王バーンの地上消滅計画を察知し、準備不足ながら先手を打って地上へ侵攻しようとしていた所、ダイの父親であり【竜の騎士】である若かりし頃のバランに察知され、激戦の末に倒されてしまった
ちょうどこの時、地上ではハドラーが魔王を名乗り世界征服に乗り出していたが、ヴェルザーと比べれば黙殺もやむ無しと判断された。本来成敗に出てくるはずの竜の騎士に代わって、人間の勇者である【アバン】らとの激戦を繰り広げている。
バーンの計画が誰にも察知されずに進められたのも、ヴェルザーが先走ってバランの注意を惹き付けた事が少なからず影響していると考えられる。
 
このバランとの戦いの中で、一度だけヴェルザーは魔界の超爆弾「【黒の核晶】」を使用している。
バランをある大陸に誘い出し、大陸ごと爆破して消滅させる算段だったが、結果はバランに大ダメージを負わせはしたものの倒しきれず大陸は消滅、領地だけを失う結果となった。
そのため、地上及び魔界の「支配」を望み領地にこだわるヴェルザーは、支配する土地を消失させては本末転倒と表立って黒の核晶を使うことはなくなった(その後に使ったのは同格のバーンを殺す目的でキルバーンに搭載されたものだけである)。
 
バランに一度倒されはしたが、所持している不死身の魂により復活することができる上、以前よりも強靭な肉体をもって復活出来る特殊能力が備わっているためいずれ時が来れば蘇る筈だったが、転生の輪に入ろうとしていたところで天界の精霊たちに魂を封印され、石像となって魔界の奥地に幽閉される。
これにより、ヴェルザーは自身の地上への進出を断念せざるをえなくなり、彼の地上支配計画は頓挫してしまう。
ちなみに身動きは取れなくなったが、この状態でも会話や自身の像を地上へ投影する事は出来る。

その後

未だに地上の支配を諦めていなかった彼ではあるが、大魔王バーンの地上破壊計画がほぼ完了した際に、祝辞を述べるために投影で唐突に顔を表す。
 
身動きがとれない彼に対して、この後は天界に攻め込んで封印を解いてやろうか?とバーンは言葉をかけるが、プライドを傷つけられたらしく、救助を依頼しなかった。
 
姿を消す際にダイを見て「父には遠く及ばぬ」と評価したが、これは地上破壊を止められず戦意喪失していたダイと、殺気と覇気に溢れていたバランとを比較した結果であり、竜魔人になり、それを得たダイを見れば認識を改めただろう(実際はダイの力はバラン以上だと認識している)。
バーンも「バランよりもあらゆる点でダイの方が上」と負け惜しみであるとした上でバランのような殺気を放っていない点だけがバランに負けていると挙げている(この時のバーンの台詞を額面通りに解釈すると、『真大魔王バーン > 双竜紋ダイ > 竜魔人バラン > 冥竜王ヴェルザー』という図式になって、魔界の覇権を争ったバーンとヴェルザーの間に随分と実力差があるように見えてしまう。しかし、本編ではバランがヴェルザーを単独で倒したという明確な話はなく、バラン自身の加齢による衰えの可能性があるため、実力差については真相不明。また多少実力差があったところで、ヴェルザーが死ねば死ぬほど強くなる性質があり、バーンもうかつに手は出せないだろう)。
或いは、戦いにおける感情の本質を見ての評価かもしれない。なぜなら、彼の願望である「支配」とは、人間がよく持つタイプのそれとそっくりであり、キルバーンからも「人間みたいだ」と指摘されている通り、彼の精神構造が人間に近いため、感情から生まれる人間の強さの本質を正確に見ることができると思われる。逆にバーンはそういった人間特有の精神から生まれる強さをまったく理解出来なかったため足元をすくわれている。
後にバーンが鬼眼の力を解放したことを察知するとそこまで追い詰めていることを認識している。

余談

荒廃した大地が広がる「魔界」に竜族・魔族を閉じ込めた神々に対して強い怒りと憎しみを抱き、封印されてからも後悔するどころか、益々神々に対する憎しみを更に強くする逆恨みのような執念を見せたり、バーンにわざわざ負け惜しみじみた祝辞を言いにきたりするなど竜族の頂点に立つ大物の割に妙に人間臭い所があり、
「あの方は欲深いんだ。竜らしくないんだ。まるで人間みたいだよね?フッフッフ…」
と、キルバーンに陰口を言われたこともある。
 
結局は彼のその後の末路がどうなったのかは不明だが、後年の三条インタビューによると(当時のジャンプは連載が更に延長することがありがちだったため)大魔王バーン打倒後の後日談「魔界編」とよばれる構想があったようだ。
 
ヴェルザーが石化したのも魔界編への伏線の一つであり、当初は魔界の有力な3つ(バーン・ヴェルザー・もう一人)の勢力が交わした協定により、「敗者は石になる」という呪いを掛け合っていたという設定だった。なおダイに敗れ去ったバーンも死した後に石化している。
しかし、バーン編で完結が決まったことで、3つの勢力ではなくなりバーンとヴェルザーが魔界を二分していたことになり、バランに敗れたヴェルザーは天界の精霊たちに魂を封じられたために石化したという設定になった。
 
ただし、上記のとおり、バランを基準とするとバーンと魔界の覇権を二分していた割にはバーンよりずいぶん弱い印象を受ける。
このあたりを物語の都合から生まれる矛盾ととるか、色々と理由を考察して補完するかは読み手次第だろう。