概要
DQ5とDQ7に登場する地名。
その名の通り、どちらの作品でも大規模な神殿として登場している。
前者はダンジョン、後者は施設として登場する。
作中での名前が同じだけで、両施設に関係があるわけではない。
DQ7の大神殿で流れる音楽は【大神殿(曲名)】を参照。
DQ5
【セントベレス山】の山頂に建てられた神殿であり、【光の教団】の総本山。
青年時代前半で最初に主人公が居た【工事中の神殿】が、その後少なくとも10年以上の歳月を掛けて完成したもの。
神殿の上層部分は、よく見れば建設当時の面影を残す作りになっている。
建設は各地から攫われてきた奴隷達の手によって行われ、彼らは神殿完成後は光の教団の信者にさせられている。
ちなみに、光の教団が目を付ける前、この地には何かの神を祀った神殿があったらしい。
かつて自らも奴隷として強制労働させられていたこの場所に、主人公は【マスタードラゴン】の力を借りて再び侵入することになる。
兵士の格好をした魔物が徘徊しており、強制戦闘で戦うことになる。その正体は【りゅうせんし】であり、入口付近の小部屋に魔物たちが隠した【てんくうのよろい】を守るのは【へびておとこ】。
ここまで来られるなら楽勝だろう。しかし、これらの連中を見て、このダンジョンの敵の強さを見誤ってはいけない。彼らはここの敵よりも格下なのである。
【イブール】撃破後はこの見張りはいなくなっているが、わざわざイブール撃破後に手に入れる利点は無く、むしろここで取っておかないとイブール戦で苦戦することになる。
1階の大広間の祭壇には妻の石像が安置されているが、この時点ではどんな手段を使っても石化を解除できない。
また【マーサ】に化けている【ラマダ】がおり、こいつを倒すと隠し階段から地下に進むことができる。
いかにも神殿な雰囲気の大広間に対し、地下は迷宮のようになっている。
表世界最後のダンジョンであるためか【ボブルの塔】の地下階に出現した強敵【メタルドラゴン】などに加えて、【ダークシャーマン】、【エビルスピリッツ】、【あくましんかん】など、地上では他に出ないような敵がこのダンジョンから出現する。
中でもメタルドラゴンとエビルスピリッツのコンボが最悪で、エビルスピリッツにたたかいのドラムを打ち鳴らされると、ただでさえ攻撃力の高いメタルドラゴンの火力がさらに上がってしまう。
しかも、蘇生コンボを繰り出してくる敵が多いので次々と復活する上に、本作では蘇生した分の魔物の経験値も入らないので鬱陶しい。
構造も複雑な上に、下記のイベントが入る都合上リレミトも使えない。
中に馬車は入れないため、万全に準備をして挑むべき難関だが、馬車内のメンバーも戦闘以外では操作可能なので、回復要員としてなら道中活用することはできるようになっている。ただし、移動中であっても入れ替えは不可能。
なお、ダンジョンでありながら人間優先で主人公は強制、馬車内に他に人間キャラがいれば先頭から順番に馬車外の枠いっぱいまで強制的に出撃させられてしまう。
装備・習得呪文共に優秀な子供たちをスタメン起用して育てているならちょうど3人になるので大きな問題にはならないが、子供たちのレベルが低かったり、戦力外の人間キャラがいる場合は突入する前にルイーダの酒場でパーティーから外しておくとよい。
また、毒・猛毒・呪い状態でここを歩いても、HPやMPは減らない。
ラマダ戦の直前の選択によっては馬車外メンバー全員のHPが呪われるが、後で治療すればいいとして、ここの攻略では取り急ぎ気にする必要はない。
最深部で教祖たるイブールを撃破すると、【いのちのリング】が手に入る。
イブール戦では馬車が使えるので、これに関しては入れ替えを考えた戦術を使える。
なお、馬車が使えるのはあくまでもイブール戦の最中のみであり、イブール撃破後は再び馬車がない状態に戻る。
このとき、おそらくは後述のイベントのために主人公だけがHP・MPともに全快し、死亡していた場合でも蘇生される。先述の呪いも主人公だけは解呪される。
そして戦闘中にどういう隊列になっていようと主人公が強制的に先頭になり、他に人間キャラがいれば前から順に並べられ、あぶれたモンスターは馬車内に強制送還される。
その後は徒歩で脱出することになり、命のリングからマーサの声が聞こえるという感動のイベントを経て、妻の石化が解けてようやく再会となる。
この帰り道はエンカウントが一切ないので、最初は宝箱を全て無視し、帰り道で一斉回収するといい。ただしチャンスは1度だけ。妻と再会してからは2度とエンカウントを消すことはできないので、焦らず隅々まで見て回ろう。
なお、妻の石化が解けるイベントを見たあとは強制的に【グランバニア】に移動し、主人公以外の人間キャラは城内でのNPCとしてのイベントがあるためか、一度全員パーティから離脱する。
【ルイーダの酒場】で再加入させられるが、彼らが装備している武器・盾・鎧・兜以外のアイテムは装飾品も含めて強制的に【預かり所】に送られているのでそちらの回収を忘れないように。
なお、呪い・毒・猛毒の状態でも移動中にダメージを受けない理由として考えられるのは、このダンジョンが「人間優先=町扱い」という説。馬車は入れないが、移動中は馬車内の仲間の呪文使用や道具使用と受け渡しが可能で、馬車内のメンバーにも経験値が入る。この特徴が共通するダンジョンとしては、【ラインハット地下洞窟】がある。
しかし、SFC版での【サンタローズの洞窟】の浅いフロアも馬車とのやりとりができる町扱いとみなされるが、毒などのダメージを受けるので、町扱い=毒の効果がない、とは断言できない。第一、過去の【サンタローズ】では町中でも教会内部は同様にダメージを受ける。
SFC版の説明書には、毒ダメージで死亡することが書かれている(実際は毒沼同様に死なない)ため、最終的に前作から変更された毒ダメージの仕様を開発側も正しく把握しきれていなかったとも考えられる。イベント上、主人公を必ず連れてこなければならない仕様であり、もし仮に、イブール戦を終えた後に帰ってくる途中でラマダの呪いで死亡などしたら話にならないだろう。実際には先述の通り主人公は解呪されるので関係ないが、それも含めて設定に紆余曲折があったのかもしれない。
主人公だけでなくプレイヤーにとっても非常にインパクトが強く、とても忘れることができない因縁の場所。
既視感のある大広間や通路、詰所などを通り過ぎていくときなど、懐かしさと哀しさが相まって複雑な気分になる。
BGMの【死の塔】もプレイヤーの感情をどこか掻き立てる。
また初めて母親の声を聞くシーンや、待ち焦がれた妻との再会など、重要なイベントも多い。
他にも【ヨシュア】の白骨遺体が放置されていたりと、DQ5の大きな伏線の1つでありプレイヤーも熱くなるシーンである。
ただし、兄の死を報告できるのはEDまでお預けになる。
なお、【ゴーレム】(メタルドラゴンに呼び出される)や【シュプリンガー】も出現するが、
ここではモンスターが一切仲間にならないので注意。イブール直属の部下のためなのだろうか?
他に考えられる原因は【てんくうのベル】絡みだろう。てんくうのベルを予め馬車の仲間モンスターに渡して、その状態で新たに仲間モンスターを加えて馬車がいっぱいだった際、ベル持ちをモンスターじいさん送りにすると、ベルは装備してないのだから当然預かり所送りになり、帰るすべを失ってしまうからである。ゲームシステム上は帰りについてはベルがなくても自動でベルが鳴りマスタードラゴンが送迎に来てくれはするが、そこは整合性を持たせたのだろう。
公式ガイドブックでも大神殿の登場モンスター一覧で♥マークがないので推察できる。
なお、神殿内部はリレミトのみならず、ルーラ等も不可であり、昼夜どのタイミングに侵入しても強制的に夜明けにされる。
つまり、夜の神殿に侵入することはできない。「光の教団」の力だろうか。
余談
マーサの声が聞こえるシーンでは
*「○○○○……。
○○○○……。
*「わたしの名は マーサ。
○○○○……。 わたしの声が
聞こえますか?
と聞かれ、【はい/いいえ】の選択肢が出るのだが、ここで「いいえ」と答えても
マーサ「ああ! わたしの……
この母の声が 聞こえるの
ですねっ!
と普通のリアクションをされる。
まあ、聞こえていなければ返事はできないわけで、大事な場面でふざける息子への腹立たしさよりも、話ができる喜びが勝っている心理状態が伺える。
なお、いのちのリングを回収せずに脱出すると、このイベントは起きない。
このイベントを起こさなくとも妻の石化は解け、グランバニアに帰ることになるが、このあと【オジロン】との会話などは、イベントが起きた体で話が進む。
ただし、いずれにせよいのちのリングがなければ魔界には行けないので、改めて回収しにいく必要があり、リレミト不可のために、結局は帰り道にこのイベントを見ることになる。なお、再訪した時には再びモンスターが出る様になっているので注意。
ユアストーリー
【ゲマ】の本拠地。
ミルドラースの封じられた魔界への門の真下に、空中に浮かんだ祭壇が位置する。そこにマーサ(本物)も囚われており、結界でゲマの攻撃を耐えている。
ユアストーリーの世界での最終決戦の場所でもある。
DQ7
PS版の公式ガイドブック上での地名表記は「マーディラス大神殿」。
【マーディラス】の南にある大きな神殿。過去と現代の両方に存在する。
特別何らかの神を崇めているというわけではないようで、施設的には大きな【教会】のようなもの。
建物自体は非常に大きいのだが、そのほとんどが廊下と中庭のため、部屋らしい部屋は2つしかない。
2階のベッドは【タダ宿】として利用できる。
また、マーディラス城と同じギミックで地下への階段への道が開く。
過去ではお墓があるだけだが、現代では【マジャスティス】を習得するためのイベントで訪れることになる。
過去
過去のマーディラスを訪れた際には、究極魔法【マナスティス】の復活を目論む【ゼッペル】王の野望を止めるべく、
魔力無効化魔法マジャスティスの研究をしているここの【大神官】に会いに行くこととなる。
ただし、初めて過去に来た時点では城と神殿の間に【関所】が設けられてしまっているため、
【皇太后の書状】や【大神官の書状】を持っていないと行き来することができない。
そのため、過去のためルーラも使えず行ったり来たりする関係上、足を踏み入れる機会はかなり多い。
「ゆっくりしていってね」と入ってすぐの女性に言われるが、正直ゆっくりする暇が全く無い。
現代
現代では地下に残された石碑から、完成した上記の「マジャスティス」を習得することができる。
また【聖風の谷地方】用の【ふしぎな石版緑】も手に入る。
そして、マジャスティス習得後に過去の大神殿に戻り大神官の前で使ってみせると、
大神官はさらなる研究を進めるようになり、再び現代の地下へ行くと同じ石碑から
【ギガジャティス】を習得することができる。
またDISC2(3DS版では第3章)の冒頭ではここの広場で【トゥーラ】弾き世界大会が行われる。
ちなみにギガジャティス習得も含めると過去現代合わせて最低7回は大神殿を訪れることになる。
PS版では、地下は移民の出現スポットにもなっている。
この場所はマーディラス国の関連施設なので、ここで登場した移民の出身地は「マーディラス出身」となる。
DQ10
【聖都エジャルナ】および【ナドラガ教団】を参照。
奇しくも敵となった教団組織の本拠地であることと、隠された地下の奥に敵の親玉がいる点はDQ5と類似している。