【山肌の道】

Last-modified: 2024-03-27 (水) 14:52:37

DQ6

山頂にある【ライフコッド】の村と、山の麓を結ぶ【山道】【フィールドダンジョン】
ライフコッドが上下の世界に存在するのと同様に、こちらも上下の世界に存在する。
上の世界でも下の世界でも外観部分はBGMがそれぞれのフィールド準拠なので、下の世界の山肌の道を歩くと雰囲気の違いを感じる人もいるかもしれない。

上の世界

スタート地点のライフコッドのすぐ南にあり、【シエーナ】(リメイク版では【マルシェ】)に行くために最初に攻略するダンジョン。
作りは単純で、道をひたすら進むだけ。
入った直後に3方向への分岐があるが、1つは【たびびとのふく】が入った宝箱がある行き止まりで簡単に戻ってこれる。
残りの2つはどちらへ行ってもクリアできる。
飛び降りられる崖や落とし穴(ショートカット+一方通行)や、洞窟内と外での出現モンスターの違い、アイテムの探索等、攻略の基礎がしっかりと詰まっており、まさにチュートリアルといえる。
 
では簡単かというと、歴代の「最初のダンジョン」の中ではかなり難しい部類に入る。
理由としてはまず、上記の分岐のいずれに行ってもクリアできるというのが曲者で、片方には序盤としては強力な【こんぼう】と道中で必要になるであろう【やくそう】が落ちているのに対し、もう一方には20Gのはした金が落ちているのみ。
しかも前者は短いのに対し、後者は旨味がないくせに長い、完全にハズレのルート。ロクな稼ぎもないままハズレを引いて棍棒を取らずに進んでしまうと、かなり苦しくなる。
逆に、有利な道順で進めば棍棒や旅人の服を入手でき、かなり楽になる。
そして、棍棒ルートよりも旅人の服ルートの方が容易に戻って来られるので、探索の手順としては、旅人の服→棍棒が最適解である。
ちなみに旅人の服も棍棒もそれぞれ上記の飛び降りられる崖の先にある。
飛び降りられる崖は初心者にはわかりづらく、経験者だと逆に「一方通行であることを知っている」ため、やはりまずハズレルートの方を選びやすい罠になっている。
 
探索ルートの罠に加えて、前作と同様に最初に散策するのがフィールドではなくダンジョンである点も問題である。
一応、厳密には前作と違ってスタート地点の村からダンジョンに至る道程にフィールドを挟むが、「村から数歩先」にありすぐ入れてしまう。
ダンジョンである以上、フィールドとは違って(【キメラのつばさ】を買っていない限り)危なくなってもすぐ拠点へ帰ることはできない上、ライフコッド周辺に比べて敵の出現数がかなり多いため、1回の戦闘でかなり消耗させられる。
ライフコッド周辺は敵の同時出現数が少ないので、【主人公】【初期装備】に自宅の【かわのぼうし】を加えた程度の貧弱な装備でもなんとか太刀打ちできるが、冒険の最初の目的が「山肌の道を通過した先にある町へ行く」であるため、ライフコッド周辺で一度も【エンカウント】せず、数歩先にある山肌の道に足を踏み入れる人がほとんどだろう。
そしてひとたび山肌の道に入ってしまうと、敵の同時出現数が3~4匹と多いのだ。
Lv1で初期装備の【ひのきのぼう】では【ぶちスライム】ですら1ターンに1匹倒せないし、【ぬののふく】と皮の帽子程度ではぶちスライムや【ファーラット】からの被ダメージも2~3にのぼり、ゴリゴリとHPを削られる。
そして敵を1匹倒すのに2回ずつ殴る場合、3匹の敵を倒すまでに最低9回は殴られる。4匹なら15回も殴られる。
前作のように行動順が安定しているわけでもなく、最弱のぶちスライムにすら先手を取られることがしばしばあるため、実際はもっと殴られる。
そのため、毎戦闘【やくそう】の消費を強いられることもザラ。酷い時は1戦で複数の薬草を使うハメになる。
それで1戦勝利して手に入るのが5ゴールド前後なので、薬草で回復していると完全に赤字でありやってられない。
さらに、洞窟部分に入ると一回り強い【ねずこうもり】【おばけなめくじ】が出てきてこちらに対して通常攻撃1発で5ダメージ前後を食らわせてくる。こんなの冒険開始直後の通常攻撃で食らうダメージではない。
そして、前作の【サンタローズの洞窟】のときと違って普通に【不意打ち】をしてくる場合もある。
【ランド】が気軽に昼寝や散歩しているから通行も簡単だと思い油断すると、簡単に【全滅】してしまうだろう。
正解ルートを通ることを前提としても、最低限、旅立つ前に初期資金で【たけのやり】を買ってひのきの棒から換装するか、あるいは村中のタンスや壷を調べておけば【かわのたて】を買えるようになるため、まず装備を整えてから突入することが推奨される。
変にケチれば全滅してかえって資金を失うハメになる。
要らなくなった武具は定価の75%で売却できるので、差し引きでは13~18Gである。全滅による資金半減に比べれば安い買い物だろう。
なお、資金をケチって貧弱な装備のまま主人公一人で村の周囲のフィールドで【レベル上げ】を行うのはかなり非効率でお勧めはできない。
村の周囲は山地になっているが出現率が非常に低く、しかも1回の戦闘で経験値2~3しか稼げないし、レベルもなかなか上げられない。
いくら自宅が【タダ宿】として使えるとは言え、何度も頻繁に村に駆け込みながら1~2回ずつの戦闘を繰り返すのは、Lv2に上げるのさえかなりの苦行になる。
ちなみにLv2に上がった程度では洞窟探索の難度はさほど改善しない。
 
宝箱の位置があらかじめ分かっている場合、死んだらリセットする覚悟で敵から逃げ続けてまずは旅人の服の回収を目指し、回収したらすぐに自宅へ逃げ帰るという人もいるだろう。
旅人の服と皮の帽子を装備すれば被ダメージを多少は抑えられるので、逃げながらの進軍も多少はやりやすくなる。回復&セーブを済ませたら、次いで棍棒を回収し、それから戦い始めるというパターンもあり。
 
なお、本作には前作のようなレベルごとのパラメータ上限値と成長制限がないので、村で拾える【すばやさのたね】【まもりのたね】などのドーピングアイテムをさっさと主人公に使ってしまってもほぼデメリットはない。
これらを(できれば吟味して最大値であがるように)使っておけば、かなり楽になる。ドーピングアイテムは序盤ほど1個あたりの上昇値を実感しやすい。
前作に比べると(特に序盤の)行動順が安定しない仕様になったので、素早さの種の効果は実感しづらいが、守りの種の方は劇的に生存率が変わってくる。
無事にシエーナにさえ着いてしまえば、一気に大金が手に入るので装備を整えられる。
 
やはり難度の高さを意識してか、道を降りた先では【宿屋】が営業している。
最初のダンジョンなのに回復スポットがあるというのもロトシリーズ以来である。
ただ、この宿屋の宿泊費は1人10Gと、この時期にしては高い。
一応、DQ6の世界では標準的な値段なのだが、こんな寝心地の悪そうなところでこれはぼったくりである。
事実、リメイク版でこの宿屋に泊まってから仲間と会話すると、大抵の場合不満そうな返事が返ってくる。
 
なお、リメイク版では全モンスターのHPが減った影響で、ひのきの棒でもだいたいの敵を1ターンに1体ずつ撲殺できるようになったため、比較的難易度は下がった。
また、敵の出現率についても下方修正されており、上記の正解ルートを通って装備を整えれば、よほど運が悪くなければ、普通にマルシェまでたどり着けるだろう。
最初のダンジョンらしい難易度になったとも言えるが、SFC版時代の脅威を知っているプレイヤーは少し拍子抜けするかもしれない。
だが、これでもはずれのルートを選べば苦戦する。
 
ムドー撃破後に訪れるとライフコッドの住民が何人が降りてきている。
この時墓の前にいる老人の話から、墓に埋葬されているのはライフコッドの住民であることが分かる。

下の世界

【マーメイドハープ】入手以降なら、いつでも訪れることができる。
下の世界の山肌の道は、上の世界とは逆にライフコッドに向かうために下から登っていくことになる。
訪れるのが中盤以降ということもあり、当然ながら出現する敵は変わっている。しかし、時期相応の敵かと言うとそうでもなく、その傾向はやや特殊。

  • ケダモン
  • じごくのたまねぎ
  • スカルライダー
  • スライム
  • ダークホビット
  • どくろあらい
  • はねせんにん
  • ポイズンキャロット
  • メガザルロック
  • メダパニとかげ

強いモンスターと微妙なモンスターと弱いモンスターが混在している。
スライムに関しては【ぶちスライム】の考察の裏付けとも言え、他も共通点はある。
それは、上の世界での登場モンスターの色違いが中心になっていること。

ちなみにこの中でステータス的に一番強いのは【メガザルロック】だが、こいつは勝手に自滅してしまうので問題ない。
地底魔城~運命の壁あたりの敵が混じっている理由は謎。
また、時期としては【エリアレベル】はかなり低く設定されており、外観はLv22、内部はLv24となっている。
周辺のフィールドに至ってはLv15と、完全に場違いなほどに低い。
つまり、主人公のレベルが29以上なら【トヘロス】で完封できる(時期的に到達していてもおかしくないレベル)。
 
経験値が少なく倒しやすいスライムを筆頭に、どくろあらいやケダモンのような雑魚も出てくるので、レベル上げを極力抑えつつ熟練度を稼ぐには便利。
しかし、上述の通りエリアレベルも低いので、熟練度に上限レベルがある点には注意が必要。
というか、ここまでくるともはや「レベル上げを極力抑えつつ熟練度を稼ぐ」行為は個人的な趣味を除けばほぼ意味はない。
ちなみに魔術師の塔以降のダンジョンで熟練度が得られるレベルに制限があるのはここだけである。
 
麓近くの宿屋は営業していないが、この付近で【ジュディ】がウロウロしている。弱いのもいるとはいえ、それなりに強力なモンスター達も出るのだが...
 
ここを登って頂上付近で、主人公の実体との初対面となる。と言っても、本人はランドとの会話に夢中で、こちらには気づかずに去ってしまうが。
また、ライフコッドで対面した後、主人公の実体はなぜかここに逃げ込んでくる。
また、逃げ込む場所が上の世界で棍棒が落ちていたフロアなので、ルートを間違えると見つけるのに苦労することになる。
村人は誰もヒントをくれず、麓付近にいたジュディも宿屋のベッドで寝ているため、情報をくれたりはしない。
これはひどいということになったのか、リメイク版では山の頂上付近ですぐに見つけられるように改善された。

上の世界にワープするバグ(SFC版)

上の世界と同じ形のマップを共用(コピー)している関係か、フラグ管理に1ヶ所バグがある。
まず、上下の世界ともに、外観の西側の墓が3つあるところの真ん中に隠し階段あるが、ここは一度下から梯子を上ってこなければ発見できなくなっている。
SFC版ではここのフラグの切り替えに設定ミスがあり、下の世界でこの隠し階段を発見できる状態にしたうえで、地面を調べて隠し階段を出し、エリア移動で一度画面を切り替えてからこの隠し階段を降りると、上の世界の同じ場所に出るという現象が起きる。
上の世界で同じことをやっても何も起きないので、おそらくは下の世界のこのダンジョンを作る際に上の世界のダンジョンマップをコピーして階段の移動先だけ変更したところで、一カ所修正ミスがあったのだろう。
下から登ってきただけではまだ顕出せず、調べて発見する隠し階段(しかも一度エリア移動したあと)というところがデバッグ作業での見落としの原因かもしれない。
下の世界から上の世界への移動に使うにしても、モンスターに遭遇したりして手間がかかる上、ダーマ神殿地下1階の井戸を使う方がルーラの行き先選択も早いので、ここを積極的に使うメリットはない。
「下の世界」→「上の世界」という方向しか起こらないのが、せめてもの救いだろう。逆が起こったら、シナリオが大きく破綻して目も当てられないことになる。