【弦楽四重奏によるドラゴンクエスト】

Last-modified: 2021-11-29 (月) 11:55:24

概要

2005年12月に発売された2枚組のアレンジアルバム。CD発売直後はコンサートも開催された。
 
弦楽四重奏とは2本のヴァイオリン、ビオラ、チェロの4つの弦楽器で演奏する室内楽の形態であり、クラシックの世界で長い歴史と伝統を持つ重要なジャンルである。
そんな弦楽四重奏でDQシリーズの楽曲をすぎやま自らの手で編曲し、演奏されたのが本アルバムである。
元々ファミコン時代は限られた和音数での楽曲作りあったが、「三音もあれば音楽は作れる!」と数々の名曲を作り出してきただけに4つの楽器だけで構成された弦楽四重奏での編曲もお手の物である。
 
余談ではあるが、すぎやまはドラゴンクエストだけではなく「弦楽四重奏曲 ザ・ビートルズ」というビートルズの楽曲をすぎやま自身で弦楽四重奏に編曲したアルバムも過去に発売していた。
なるほど、バンドサウンドも同じようにボーカル、ギター、ベース、ドラムの4音が基本であるのだから弦楽四重奏にだって出来るということだろうか。
 
本アルバムでは曲目もすぎやま自選のものでDQ1~7の楽曲で構成されている。
DISC1はDQ1~3の楽曲を、DISC2では4~7の楽曲をそれぞれナンバリング順に並べた曲順となっている。
各タイトル3~5曲ほどずつ選出されており、いずれも各タイトルの人気曲などが並んでいる。ただし、1、5、6からは1曲ずつの選出に留まるなど若干の偏りがある。
 
ブックレットにはすぎやま自身による解説も収録されている。
 
演奏する 「マティアム・ムジクム・カルテット」は【NHK交響楽団】の首席奏者達で構成された超豪華メンバーである。
交響組曲ドラゴンクエストの録音から離れて久しいN響の奏者によるDQの演奏を聴けるのは古くからのドラクエ音楽ファンには感慨深いものがあるだろう。特に6、7の楽曲をN響奏者の演奏で聴けるのはこのアルバムだけである。
 
このCDが発売されてからしばらくして、「金管五重奏によるドラゴンクエスト」というものも発売されておりこちらは【東京都交響楽団】の首席奏者達で構成されたメンバーである。
都響は現在進行系でDQシリーズの録音を担当している楽団ということもあってか金管五重奏はシリーズ化されて定期的に発売されているが、弦楽四重奏はこれ一枚のレア物である。
 

注目ポイント

編曲がすぎやまこういち本人とあって、ところどころ大胆な編曲をされているのも聴きどころの一つ。
 
具体的には【序曲】では独自の間奏が追加されており、この間奏部分は後にそのまま【集え、者たち】として本編の楽曲に生まれ変わっている。
 
【アレフガルドにて】では、カデンツァと呼ばれる奏者による即興のパートが追加されており、アレフガルドのメロディーを主題にして4人の奏者が順々に即興演奏を披露する。
 
【武器商人トルネコ】は交響組曲時のメドレーから独立して「武器商人トルネコ変奏曲」の名でトルネコのテーマを主題に形を変えて次々と変奏されていくという楽曲になっているが、その実態は完全に【トルネコの大冒険 不思議のダンジョン】の楽曲メドレーと化しており、もはやDQ4からの選出というよりトルネコの大冒険からの選出と言っていいだろう。
メドレー内容としては「武器商人トルネコ」→「【お城(トルネコ2)】」→「【おとずれた平和な世界】」→「【バー】 」→【くさった板のダンジョン】 →「【名前入力(曲名)】
という構成になっている。
 
最も大胆な編曲がされているのが【のどかな家並】である。冒頭から2分40秒にも渡って完全新規のパートになっており、最後に満を持して原曲が流れるという構成。もはや編曲というより本アルバムの為に書き下ろされたすぎやまこういちの新曲と言っても差し支えないほどである。


収録曲

DISC1
1. 序曲(1)
2. Love Song 探して(2)
3. 王城(2)
4. 遥かなる旅路/広野を行く/果てしなき世界(2)
5. 王宮のロンド(3)
6. 世界をまわる〈街/ジパング/ピラミッド/村〉(3)
7. 鎮魂歌/ほこら(3)
8. 戦闘のテーマ/アレフガルドにて/勇者の挑戦(3)
9. そして伝説へ(3)

DISC2
1. 王宮のメヌエット (4)
2. 間奏曲/戦士はひとり征く/おてんば姫のこうしん/間奏曲(4)
3. 武器商人トルネコ変奏曲(4)
4. ジプシーダンス/ジプシーの旅(4)
5. のどかな熱気球のたび(4)
6. 哀愁物語(5)
7. 木洩れ日の中で/ハッピーハミング/ぬくもりの里に/木洩れ日の中で(6)
8. のどかな家並(7)
9. 失われた世界/足取りも軽やかに(7)
10. 血路を開け(7)