概要
ドラクエを含むRPGにおいて、主に【ラスボス】がとる特有の行動。「変身」ともいう。
多くのラスボスは、主人公たちとの戦いで一定ダメージを受けると形態変化し、自らの姿や能力、攻撃パターンを変える。基本的にはより強くなる。
かりそめの姿を捨て、本気で戦うために真の姿をあらわすというパターンが王道。
他には、さらなる力を得て進化するという展開だったり、戦闘ダメージによって体が崩壊していくという演出の形態変化もある。
変身前の姿は「第一形態」、変身後の姿は「第二形態」「第三形態」などと呼ばれる。また、第二形態よりさらに変身する場合、最後の姿は「最終形態」と呼ばれることが多い。
ドラクエでは、「人型の魔族→巨大な怪物」という変身パターンがだいたいお約束である。
作品によって、第一形態に勝利するといったん【戦闘】が終了し、会話をはさんだあとに変身して再び戦闘に入るパターンと、戦闘画面のまま変身しそのまま戦闘続行になるパターンに分かれる。
以下では、各作品に登場する形態変化を行うラスボスや【裏ボス】を取り上げる。
また、厳密に同一のボスキャラクターが別の姿をとらない場合でも、シナリオ上ないしはプログラム処理的に形態変化に近しい例であれば同様に解説する。
DQ1
記念すべき第1作から、ラスボスの【りゅうおう】が変身する。
杖を携えた独特の髪型(?)をした魔術師の姿から巨大なドラゴンの姿へと変身するのだが、演出がオリジナル版とリメイク版で異なる。
・オリジナル版:倒した直後に画面が暗転し、黒バック一色の戦闘画面に巨大なドラゴンの姿が浮かび上がる。
・リメイク版:倒すといったんフィールド画面に戻ってメッセージが表示され、その後ドラゴン形態戦が開始。この際は、通常の雑魚モンスターと同様、背景付きのグラフィックウィンドウが表示され、背後のマップはそのまま。
DQ2
本編シリーズでは珍しく、ラスボスが変身しない作品。
だが、【シドー】との最終決戦と前座である【ハーゴン】戦はインターバルを挟む連戦であり、またシドーはハーゴンの意思で召喚されているので、シナリオ上はラスボスの形態変化に近しい。人型の魔物との戦いから巨大な怪物との戦いへと移り変わるのもドラクエらしい。
外伝作品ではこの流れを変身として扱っているものもある。
HD-2D版では【竜王のひ孫】が竜王と同じく、人型→ドラゴンの変身を行うほか、真のラスボス、【マガシドー】には形態変化がある。
DQ3
ラスボスの【ゾーマ】に対して、味方側が【ひかりのたま】を道具使用すると【闇の衣】を剥ぎ取ることができ、体の色合いと能力、行動パターンが変化する。
ただ、姿そのものは変わらないし、ゾーマ自身の意思によるものではないし、何より戦闘能力がはっきり弱体化するので、これを形態変化と呼ぶ人は少ないと思われる。実際、ひかりのたま使用前のゾーマを「第一形態」と呼ぶことはまず無い。
なお、FC版とリメイク版で変化の前後の色合いが逆になっている。
なお、ゾーマには没になった第二形態と思われる【鳥山明】のイラストが存在するが、見た目は顔のついた魂のようなものが多数集まった姿でびっくりするほど似ても似つかない。強引に例えるなら【フェイスボール】が爆発して周囲に飛び散っているような格好。
どんな経緯でこうなるのか気になるところである。
ただ『アベル伝説』でのゾーマと多少通じるものがあるので、この没設定がアニメに影響したのかもしれない。
DQ4
ラスボスの【デスピサロ】が歴代最多に迫る7つもの形態を持っている(後述するようにイレギュラーな姿を含む)。
リメイク版では、裏ボスの【エビルプリースト(6章)】も形態変化する。
デスピサロ
戦闘開始時は【エスターク】の色違いの姿だが、主人公たちの攻撃を受けて両腕と頭部を次々に欠損し、その後腹から新しい顔が現れ、欠損した部位と両足がごつくなって再生する。
エスタークの色違い → 右腕が欠損 → 左腕が欠損 → 頭部が欠損直後、腹部に別の顔が現れ体色変化 → 新たに両腕が生える → アンバランスだった両足が肥大化 → 新たな頭部が現れる
デスピサロのこれらの姿は【進化の秘法】を不完全な形で用いた結果なので、自らの意思による「変身」ではなく、歪んではいるがある種の「進化」と解するのがふさわしいかもしれない。
エビルプリースト
腹部に別の顔が現れた状態のデスピサロの色違いが初期形態(最初から腕や旧頭部がなくなっている理由は不明)。
そこから「両腕が現れ、両足が肥大化 → 頭部が現れる → 体の色が変化する」という過程をたどる。
DQ5
ラスボスの【ミルドラース】が、ローブをまとった魔族の老人の姿から、4本の腕と大きな翼を持った巨体の魔物(ドラゴン?)の姿へと変身する。
真の力を解き放つという意味での、王道的なラスボスの形態変化は何気にDQ1以来である。
DQ6
ラスボスの【デスタムーア】が3つの形態を持つ。
左右に宝玉を浮かべた魔族の老人の姿から、見事な逆三角体型と翼を生やした屈強な姿へ。
そしてそこから巨大な頭と両手だけになった最終形態へと変身する。
王道的なラスボスの形態変化という意味では、シリーズ初の第三形態の登場である。
ただし、第一形態の老人は実は「本体」ではなく正確には「左右に浮かべた宝玉」が本体(ないしは『核』)で、その部分が第二形態となる。
最終形態の頭部と両の手の3つの部位はそれぞれ独立したモンスターとして扱われ、各部位が独自の行動パターンをとる。
本体であろう頭部だけを倒しても勝利にはならず、そればかりか両手が蘇生呪文を用いて頭部の復活を図るため、両手から仕留めるか、3つの部位を同時に倒す必要がある。
SFC版とリメイク版で、各形態への変身の過程の描写や演出が異なっている。詳しくは【デスタムーア】を参照。
DQ7
ラスボスを務める【オルゴ・デミーラ】と2度にわたって戦うことになるが、そのどちらでも変身する。
一戦目は2つの形態、二戦目(最終決戦)は4つの形態を披露する。
2度の戦闘の間には長いストーリーがある。
一戦目
第一形態は悪魔のような翼を生やし、赤い服を着た三つ目の怪人の姿。変身後は非常に不気味な人型の上半身とムカデと蛇が合体したような下半身を併せ持った異形の怪物。
脳がむき出しになり、あばら骨(?)も浮き出るどころか体表に出ている。
二戦目でもこれらの姿がベースだが、こちらの体色は茶褐色。
二戦目
一戦目とは逆に魔物形態から怪人形態へと変身した後、人型と魔物型の中間のような形態を経て、第一形態が腐りきったような最終形態へと変身する。
都合第四形態まであるわけだが、第三形態以降は純粋な変身と取れるかどうかは微妙なところ。
第二形態での傷がたたったために変身に失敗したのか、第三形態は明らかに中途半端な外見な上に、この時点ですでに腐敗が始まっている。
第四形態に至っては第一形態の骨格に腐肉がへばりついているような状態で、攻撃モーションを見ると完全に生物としての体すら成していない。
魔力か何かで辛うじて身体を維持しているのかもしれない。
なお、この戦いで怪人形態に変身した際のセリフは、妙にそれっぽい姿も相まって、それまでの魔王のイメージを覆す強烈な印象をプレイヤーに残した。
DQ8
ラスボスの【暗黒神ラプソーン】、および裏ボスの【竜神王】が変身する。
ラプソーンは2つの姿を持つが、各形態と連戦するのではなく、ストーリーが間に挟まる。
また、竜神王とは人間形態と竜形態との連戦になるが、繰り返し挑戦することができ、その度に別の竜の姿を披露する。最後の挑戦では、7つの竜形態へ変身を遂げる。
暗黒神ラプソーン
黄色いサツマイモのような胴体と小悪魔のような憎たらしい顔、小さな両腕のついた姿から、超巨大な肥満体の魔人の姿へと変身する。どちらの形態でも足はなく空中に浮いている。
DQ8で戦闘が3Dになったことや、ハードの違いによる表現の差はあるものの、第二形態は歴代最大ともとれる巨体を誇っている。
また、変身の前後でまるで姿が違うのは従来通りだが、ヒゲ以外の顔のパーツには変化がないため「巨大化」ともとれる変身となっている。
それぞれの形態との戦闘の間には、ダンジョンからの脱出とオーブ集めというストーリーが挟まっている。前者はボス級モンスターとの連戦を含む。
竜神王
初戦は竜形態のみ。
2戦目以降の【竜の試練】では、人間形態で始まり、途中で「○○の巨竜」と名がつく竜形態に変身する。
彼には繰り返し挑戦することができるが、主人公たちが勝利するごとに、次戦から異なる(色違いの)竜に変身するようになる。
最初の姿から順番に、【深紅の巨竜】、【深緑の巨竜】、【白銀の巨竜】、【黄金の巨竜】、【黒鉄の巨竜】、【聖なる巨竜】という名称。
最後の試練では、それまで披露したすべての姿と新たな姿である【永遠の巨竜】との連戦になる。
永遠の巨竜のみ少し姿が違っており、バトルロードシリーズにおける竜王(変身後)に酷似している。
DQ9
ラスボスの【堕天使エルギオス】が変身する。
天使と悪魔が混じったような姿から、緑色の肌と大きな目玉模様のある翼の生えた魔人に変身する。
第一形態と第二形態の間に【闇竜バルボロス】戦が挿入され、しかもこれらの3戦は独立した戦闘となる。
DQ10
シリーズごとに、序章と最終章のラスボスが変身する。
具体的には以下が該当。
- 【冥王ネルゲル】→【冥獣王ネルゲル】
- 【魔勇者アンルシア】
- 【大魔王マデサゴーラ】→【創造神マデサゴーラ】
- 【竜将アンテロ】→【禍乱の竜アンテロ】
- 【虚空の神ナドラガ】→【邪竜神ナドラガ】
- 【時獄のドミネウス】→-【魔人王ドミネウス】
- 【時獄獣キュロノス】→-【時元神キュロノス】
- 【異界滅神ジャゴヌバ】→-【絶対滅神ジャゴヌバ】
- 【ラダ・ガート】→-【悪神ラダ・ガート】
- 【ジア・レド・ゲノス】→-【ジア・メルド・ゲノス】
DQ11
表ストーリーのラスボスである【魔王ウルノーガ】が変身する。
【魔王の剣】を持った人型形態から、上半身が骸骨、下半身が蛇骨のような姿の魔物形態に変身する。
それと同時に、魔王ウルノーガが持っていた魔王の剣が、上半身が竜の骨、下半身が蛇の骨のような姿の【邪竜ウルナーガ】に変身する。
また、魔王化する前の姿(【魔道士ウルノーガ】)も登場し、裏ストーリーではこれと戦うことになる。
真のラスボスである【邪神ニズゼルファ】は変身こそしないが、DQ3のゾーマと同じく闇の衣を纏っており、これを剥がすと色が変わる。
また、一定ダメージを与えると頭部のマスクが剥がれ、本当の顔が露出する。
モンスターズシリーズ
モンスターズシリーズでは、本編ナンバリング作品でラスボスや裏ボスを務めたモンスターも出演し、【配合】等によって仲間にすることができるが、
オリジナルでは形態変化するモンスターの場合、各形態が別の【種族】のモンスターとして登場している。
例えば、DQ1のラスボスであれば、変身前は「りゅうおう」、変身後は(作品によって異なるが)「りゅうおう(DRAGON)」「りゅうおう(変身)」あるいは「竜王」などとそれぞれ表記され、別モンスター扱いで能力値の上がり方や特性、習得特技等が異なる。
DQ4のデスピサロやDQ7のオルゴ・デミーラのように、一部の形態しか登場していない例もある。
また、DQM2ではDQ1~4までのラスボスのパワーアップ形態らしきモンスターがお披露目された。
りゅうおうは怒りの形態とされる【しん・りゅうおう】、シドーは【ジェノシドー】、ゾーマは本気の姿【アスラゾーマ】、デスピサロは「何もかも思い出したデスピサロの本当の姿」【サイコピサロ】。
これらのモンスターは、イルルカおよびスーパーライトにも再登場している。サイコピサロについては、リメイク版DQ4との矛盾を解消するためか、イルルカでは「完全なる力を得た」姿という設定になっている。
キャラバンハート
【マガルギ】
仮面をつけた人型の姿から半蛇の赤い怪物に変身する。
ジョーカー1
【ガルマッゾ】
【カルマッソ】が【マ素】を大量に浴びてしまい、おぞましい魔人のような上半身とイモムシのような下半身を併せ持ったグロテスクな姿へと変貌する。
ジョーカー2プロ
【邪獣ヒヒュルデ】
巨人のような体格で四つ目を持つ獣人だが、【ブランパレス】の力を吸収し【ヒヒュドラード】となる。
こちらは2つ目だが青く濁った瞳、背中には無数の触手が生えた四つ足の魔獣。
テリワン3D
【凶魔獣メイザー】
とどめを刺そうとした【魔戦士ルギウス】を飲み込み、【魔戦神ゼメルギアス】へと変身する。
強引に例えるならケンタウロスのような漆黒のドラゴン(魔獣)が阿修羅のような魔人になる(顔は一つ)。
イルルカ
表ボスの【ドーク】が【しんせいの宝珠】を飲み込み、【ネオ・ドーク】になるが、巨大化ともとれる。
裏ボスの【狭間の闇の王】は元の形態にあった円環から真の姿【名もなき闇の王】が現れる。
ジョーカー3
表ボスの【ガルビルス】がマザーを吸収し、【ガルマザード】に。
裏ボスの【ダースガルマ】は戦闘中2度変身し、敗れても【ダグジャガルマ】と化す。
ジョーカー3プロ
【大魔王マデュラージャ】
初戦時は変身しないが、完全クリア後のイベントで5日間勝利することにより、6日目に【進化の秘法】を使い【魔界神マデュラーシャ】へと進化する。以後の挑戦ではずっとこの形態のまま。
物語上は「主人公との戦いによってチカラの探求を極めた」という設定で、主人公の好意的な協力によって変身すると言う非常に珍しいパターン。
DQMSL
【オムド・ロレス】が物語終盤で強大な力を手に入れ、人型の上半身を持った【魔王オムド・レクス】に変身する。
また、狭間の闇の王、名もなき闇の王に続く第三形態として、【終焉の闇の王】が登場した。変身前の異形の姿とは似ても似つかない女性型モンスターになっている。さらに終焉の闇の王を倒すと【すべてをのみこむ闇】と化す。
ストーリー以外では、【超魔王系】や【超伝説系】などのモンスターが戦闘中に条件を満たすと変身する。
トルネコ3
【ヘルジャスティス】
トルネコとの戦闘によって鎧が壊れた姿に変身。
少年ヤンガス
【インヘーラー】
最初は一つ目の壷の姿だが、上半身が【マッスルオーガ】のような筋骨隆々の魔人、下半身が顔のある壷となる。
スラもり1
【ドン・モジャール】が【へんげの杖】で巨大化する。
スラもり2
【ドン・モジャール】が杖の力で芋虫チックな体型のドラゴンのような姿になる。
ソード
【魔王ジェイム】
灰色の肌を持つ魔人から四本の腕と翼、尻尾を持つ魔物形態へと変化する。
ヒーローズ2
【魔王ザラーム】
【光の聖杯】を胸に埋め込み、【真・魔王ザラーム】へと変貌。
ビルダーズ2
「破壊を司る邪神 シドー」(通常出現する大型モンスター水準のサイズ)と戦闘後、シナリオ進行を挟み「最悪の厄災 破壊神 シドー」にパワーアップ・超巨大化した姿でラスボスを務める。
基本的なデザインは大きく変わらないものの、攻撃ははるかにド派手になる。