【鎧の魔槍】

Last-modified: 2019-05-18 (土) 22:51:15

ダイの大冒険 Edit

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する武器と鎧の機能を一体化させた武具で、魔界の名工【ロン・ベルク】の代表作である、「鎧化(アムド)」系の武具の一つ。
【バラン】直属の竜騎衆が一人・陸戦騎【ラーハルト】が使用していたが、後に【ヒュンケル】に引き継がれ、ロン・ベルクの手で改良されつつ長らくヒュンケルに活用されるが、物語終盤で蘇ったラーハルトの手に再び戻った。
また、【アバン】もラーハルトから【ミスト】戦で槍本体を、【バーン】戦では鎧に仕込まれた剣を借り受け利用している。

他作品では星ドラに登場しており、原作通り鎧化が可能でその時だけハーケンディストールが使用できる。

所有者の変遷 Edit

元々はヒュンケルの鎧の魔剣のフルアーマー姿だと、彼のイケメンさと表情が見えないことによる衣替えのための武具。不気味なゾンビモンスター軍団のボスという敵サイドであった時は表情の見えない鎧姿の演出は有効であったが、味方となり頼れるイケメン戦士兄貴となった後は、特に表情の出しにくい鉄仮面のような兜は邪魔であった。ハドラー戦では戦いの後に脱げ落ち(破損してないが何故か拾ってない。アニメ版では、兜から外さずに剣に変形させた負荷によるものか、それで壊れたことでフォローしている)、ラーハルト戦においては早々に兜が破損して表情が見えるようになるが、兜の破損とつじつまを合わせるためには鎧自体を毎回派手に破損させねばならず、さらにそのつじつま合わせのためには他の登場人物の鎧も壊さなければならない。「鎧が出てきたら必ず壊れる」という図式が出来上がりきる前に、ヒュンケルの装備を表情の見えやすいライトアーマーに変更する必要があった。
 
鎧の魔槍は、単にヒュンケルの表情の見える鎧への変更のみならず、バランからは聞きだすことはできないダイとバランの過去の説明、ヒュンケルとラーハルトの男の友情、さらにはダイとの武器被り解消という一石四鳥をなしとげ、強烈な存在感を持つ武器となった。
 
そのため、鎧の魔槍の持ち主の経緯については若干の矛盾がある。普通に考えればロン・ベルクが作成したのち、鎧の魔剣や光魔の杖と共にバーンに献上された物だが、それがどういう経緯を経て魔王軍と直接の関わりが無い竜騎衆ラーハルトの手に渡ったかは謎である。
バーンからバラン、バランからラーハルトへと下賜されたと考えるのが自然だが、オリハルコン製の真魔剛竜剣という最強の武器を持ち、竜闘気の為にそれ以外の武器が実質扱えないバランに、わざわざ鎧の魔槍をバーンが与えるというのもいまいち釈然としない。
バランがラーハルトに向くと考えて譲り受けた、と考えるのが素直な解釈だろうか。
 
ヒュンケルに敗れたラーハルトはバラン、ひいてはダイの為に魔槍を彼に託す。以後ヒュンケルが魔槍の所有者となり同じタイミングで魔剣を失ったこともあって槍使いへと転向するのだが、元々剣士だったヒュンケルはしばらく槍の扱いに熟達するため苦労することとなる。その後自在に槍を扱えるようになったヒュンケルだったが物語中盤にてバーンに敗れ、魔槍もかなりの損傷を受けたため【ダイの剣】と共にロン・ベルクの下で修理、改良される事となる。その後ヒュンケルも度重なる戦闘によって戦線離脱、復活したラーハルトに魔槍は返却された。
ちなみにラーハルトに所有権が戻されるまでの間ヒュンケルは魔槍に向かって「友」と呼びかけることが多く、事実上ラーハルトと同一視していた。
 
最終決戦に入り本来の所有者の元に戻った魔槍だったが、異常な防御力を持つミストバーンとの戦いによる度重なる衝撃の蓄積で穂先が目に見えて傷みだし、バーンとの最終決戦ではラーハルトが玉砕した際についに槍本体がバラバラに大破した為、最終的に修復不能になった可能性がある。
(ただ魔剣の場合刀身が失われると自己修復できなくなるらしく、ヒュンケル曰く「死んだ」と断言したのだが、魔槍の場合どこをどれぐらい損傷すると自己修復不能になるのかは明言されていない。)
 
新旧共にバーン戦で使用されたり、ヒュンケルの因縁であるミストバーン戦で使われたり、グランドクルスの触媒にされたり、戦友同士で受け渡しがあったりと、物語的に中々美味しい活躍をしており、道具としては人間のキャラクターに迫るほどの名脇役と言えるかもしれない。

性能 Edit

【鎧の魔剣】と同じく「鎧化」の声に反応し穂先が展開して鎧に変わり、『【デイン系】以外の呪文を無効化する【オリハルコン】の次に堅い金属』でできていて、攻守共に優れる。
重装備となる【鎧の魔剣】に比べてかなりすっきりしたデザインで、機動性を重視する槍使いに合わせた感じのものだが、全身の各部に別の武器を仕込まれており、あらゆる体勢から武器を繰り出せるようになっている等より攻撃的な面がある。また上記のように表情を見せるために、頭部はヘッドギア或いは鉢金状となっている。ただし、軽装な分防御性は魔剣にやや劣る。ヒュンケル曰く、ラーハルトほど器用では無いため周りに付いた武器はあまり使わないようで、単体で利用することは何度かあったが槍との同時使用はほとんど見られなかった。
槍以外の武装として左手にブーメラン兼小盾を持つ他、右手甲は鋭い先端を活かした投擲武器として使える。
更に胸部には2本の手裏剣を格納、両膝の突起も武器になる。
また、槍自体にも柄を短く伸縮させて盾に格納したり、側面から針状の刃を展開して十字槍に変形する機能が存在している。
単行本21巻末に載っている「キャラクターQ&Aコーナー」によると、「ロン・ベルクとの特訓で聞いた物だけで10か所はあった」とのこと。
 
装着時に外装とは材質を異にした黒い硬質ラバースーツも同時に現れるが、【アルビナス】が吹き出した毒針が簡単に貫通している辺り、硬質ラバースーツの部分はさほど防御力は無いと思われる。
またロン・ベルク作の全武具に共通で、武器の方が原型を留めてさえいれば破損しても時間を置けば自己修復する。
 
言葉を発する事は無いが、意思を持ち合わせているらしく、状況次第では持ち主や生みの親であるロン・ベルクの下へ跳ぶことも可能のようだ。
一度【エイミ】によって隠された事もあったが、その際もたとえ素手でも戦いに向かおうとするヒュンケルの前へといつのまにか出現した。また、ラーハルトの「鎧もお前のことが気に入ったみたいだな」という発言から推察するに魔槍に気に入られていなかった場合は鎧化できないようだ。
 
物語中盤でバーンに敗れ、かなりの損傷を受けたため【ダイの剣】と共に次なる戦いに備えるべくロン・ベルクの下に舞い戻り修理、改良される。基本性能の強化の他、右手甲に展開式の片手剣、両足に蹴りを強化する刃など、副武装がより充実した。もっとも、いくつかの武装は改良前にもあった可能性もあり、ロンに使い方を習ったおかげで使いこなせるようになっただけかもしれない。(しかしその後ラーハルトは改良後に仕込まれた筈の剣をヒュンケルから何の説明も受けずアバンに渡すシーンがある。この辺りが器用さの差だろうか)
穂先もシンプルな形から左右にパルチザンのような刃が付き、【グランドクルス】使用時には直角に展開し十字状になる。
右腕は刃のみを伸ばして使うこともでき、ヒムとの戦闘では左手に握るナイフと合わせてグランドクルスの発動を狙っていた。
 
ちなみに鎧化しない状態でもラーハルトはオリハルコンの身体を持つ【マキシマム】の頭部を直接刺突し、すぐさま全身を切り刻んだ。さらに直後、手下の兵士の駒5体を【ハーケンディストール】で纏めて両断、一掃して見せた。この様に、鎧の魔剣は非使用時は鞘として構築されるが、こちらは鎧そのものを巨大な槍としても使用できるようだ。
 
単行本の随所にあるキャラクターデータからの逆算で、
元は攻撃力85、守備力80(16巻)。強化修復後は攻撃力90、守備力85(30巻)。
作中では「攻撃力、防御力が飛躍的に上がっている」と言われているが、それぞれ5ずつしか増えていない。ある意味兄弟武器の【ブラックロッド】も似たようなものだが。とはいえ劇的な強化が可能≒以前作った物に粗があった、手抜きだったということになってしまうので足掻きに近い強化なのだろう。強くなるには使い手のレベルアップしかないとロン・ベルクは語っている。
 
【戦士】の武器としては3の【稲妻の剣】(85)や【魔神の斧】(90)と同等、槍としては最強格の【デーモンスピア】(99)に次ぐ程度と、当時のゲームバランスであれば十分実用に堪える数値。
むしろ防具としての性能が高く、単純に守備力で言えばDQ3の【光の鎧】(75)、DQ4の【天空の鎧】(70)という伝説の勇者の装備以上な上にデイン系以外の呪文に完全耐性があるため、たとえ他の選択肢があってもこれを選ばない方がどうかしているレベルで強い。
ただし、兜や盾も兼ねていると考えるとトータルではやや物足りない。(3の【勇者の盾】で50、4の【天空の兜】で30、【天空の盾】で55)
おそらく物理守備力で考えるならば鎧の魔剣の方がより強力だっただろう。

備考 Edit

なお、DQ9に登場した魔槍(まそう)と名の付く武器は同個体と似たような形質をしているが、鎧化するような要素は無い。
 
アニメでも当初は登場が予定されていたが打ち切りの関係で鎧化ラーハルト及び鎧化ヒュンケルの作画はされていたものの未登場となった。