【鳥嶋和彦】

Last-modified: 2022-01-19 (水) 21:25:40

概要

【週刊少年ジャンプ】などの編集者、【集英社】専務取締役などを経て、現在は白泉社代表取締役。
慶應義塾大学卒業後、1976年に集英社に入社し、その翌年には【鳥山明】を発掘、育成を始めるという編集者の王者みたいな人である。
鳥山の新人時代のボツ地獄エピソードなどはことに有名。
 
編集者としてかなりのハードワークをこなしていたが、『Dr.スランプ』についての取材がきっかけで【さくまあきら】と仲良くなり、さくまを通して【堀井雄二】ともゲーム仲間になる。
仕事終わりに堀井とゲームセンターに遊びに行くことが多かったらしい。
 
そういう経緯もあり、堀井は週刊少年ジャンプでの仕事を増やすようになり、【ファミコン神拳】を経て、ドラゴンクエストの誕生に至るわけである。
ただ、近年はゲームから離れているらしく、ドラクエ30周年記念に寄せたコメントでは「最近のは知らんのですが」と前置きしている。
 
鳥嶋のDQとの関わりは
「ファミコン神拳のキラーコンテンツとして堀井雄二にファミコンゲーム開発を促した」
「RPGを全然知らなかった鳥山を騙してドラゴンクエストに参加させた」
という大きな2点がある。
後者に関してはっきりした理由は長らく不明だったが、2016年のインタビューの発言において、「当時担当していたジャンプのゲーム特集記事で開発中の『ドラクエ』を扱うに当たって、見栄えがするイラストが必要だったため」ということが判明した。
つまりドラクエというゲームがどうこうというより、自身が担当している誌面の質を良くすることを先ずは念頭に置いた判断であったわけで、正しく編集者の鑑である。
しかしこの荒業によりドラクエはキャラクターの可愛さ・かっこよさを獲得、後に老若男女に支持されるRPGシリーズとなった。とっつきやすさって大事だよね。
そして集英社も鳥山が専属契約している以上【エニックス】に送り込むわけにいかないというわけで、DQ関係の出版を数多くはじめ、一大コミュニティを築き上げた。まさにWin-Win。
ちなみに鳥嶋は会社の上の方を信用しておらず、エニックスとはむしろ集英社を抜く形での契約を結んだと語っているが、攻略本などの形で会社的な旨みもきっちり出るように計算して動いていたらしい。流石である。
 
DQ3以降エニックスも出版事業を始め、DQ4の時代になるとエニックスの編集者【保坂嘉弘】が台頭して反転攻勢に出たものの、 エニックスは鳥山明を使えないという「キツイ呪縛」があり、情報系はジャンプの独壇場になった。
そこまで考えていたとしたら鳥嶋は稀代の策士である。
 
1989年には、DQ4を盛り上げる宣伝の一環としてDQの読み切り漫画を企画し、【三条陸】【稲田浩司】コンビを起用。これが読者アンケートにおいて企画漫画としては異例の高順位を記録したことから連載化を決め、【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】として世に送り出されることとなる。なお立ち上げまでには関与しているが、連載開始後は後輩編集者に任せている。
 
そして鳥嶋の次の一手は【月刊Vジャンプ】の創刊である。
ファミコン神拳は堀井のゲームクリエイター専念により、1989年に「ファミコン怪盗芸魔団」とタイトルを変え、不定期連載になっていた。
そのゲームコーナーを元に、メディアミックス誌を立ち上げたのである。
鳥山明の漫画や、DQのスピンオフ漫画、ドラクエのQ&Aコーナーで人気を博し、コロコロコミックのような独自のポジションを獲得(創刊以降、20年近く売り上げ30万前後をキープしている不思議なポジション)。
【月刊少年ガンガン】のヒット時に、コロコロコミック以来の月刊誌の成功と称賛されたことを考えると物凄い皮肉である。
 
Vジャンプを軌道に乗せた後は低迷期に陥った週刊少年ジャンプの編集長に就任、独自のメディアミックス術を使い、遊戯王を世界的なヒット作にするなどまたしても活躍、【ジャンプフェスタ】を始めたのもこの時期。
流れに乗せた後、部下達に編集を任せ管理する側に回ったが、後任の高橋氏は編集長在職中にクモ膜下出血で病没。
後任が決まるまで代理編集長を務めた。
その後も昇進を続けて今の地位である。
 
ちなみに彼をモチーフにした漫画のキャラクターは『Dr.スランプ』のDr.マシリトを筆頭に多数存在するが、DQのゲームでのキャラクターやモンスターに明らかにそれとわかる者は現在のところ確認されていない。
一応DQ関連作品では【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】【マトリフ】のモデルとなっている。
 
また、鳥山明のファンクラブ会報「BIRDLAND PRESS」1987年9月号の表紙は、「3勇者に扮した鳥山明と対峙する【ゾーマ】に扮した鳥嶋」になっている。
DQ3の発売は1988年2月10日であり、勿論その時点では「当初の討伐目標をも支配下に置く真のラスボス」であるゾーマの存在はトップシークレットのはず…。
今にして思えば凄まじいまでのネタバレイラストだった。