テストページ/【ドラゴンクエスト ユア・ストーリー】

Last-modified: 2021-03-20 (土) 12:45:10

このページは草案です。
誤記の修正などは構いませんが、個人的見解や評価の記載はご遠慮ください。
なお本採用後、【ドラゴンクエスト ユア・ストーリー】の項目は凍結となる予定です。

概要

DQシリーズ初の、ゲーム作品に基づいた3DCGアニメーション映画。2019年(平成31年)2月14日から情報が解禁され、2019年(令和元年)8月2日に国内各地の映画館で公開された。
【ドラゴンクエストV 天空の花嫁】を原案とする。キャッチコピーは「君を、生きろ。」
 
総監督・脚本は山崎貴。監督は八木竜一、花房真。
【堀井雄二】は原作監修、【すぎやまこういち】は音楽監修、他には【市村龍太郎】が全体監修としてクレジットされている。キャラクターデザインは原作のものをアレンジしたものが利用され、【鳥山明】本人は原作のキャラクターデザインとしてのみ記されている。
配給会社は東宝。製作委員会には協賛会社として日本テレビとその系列局の一部、KDDI、LINE、GYAOなどが名を連ねている。
 
制作手法は、最初に台詞を録音しておき、それに合わせてCGムービーを作成するというプレスコ方式で、ムービー完成後に一部のみアフレコによる追加・修正が行われている。
制作年数は4年で、主人公リュカのCG作成にそのうちの1年を要している。制作費は公表されていない。
興行収入は14億2000万円。
 
2020年3月4日にはブルーレイ・DVDが発売された。
Netflixでは2020年2月13日より海外版が公開され、日本国内版は2021年2月2日より公開されている。

内容

上映時間は約100分。
原作DQ5の「親子三代の物語」「結婚相手の選択」という基本部分は継承しているが、ストーリーは上映時間内に合わせるため大幅に簡略化のうえ、アレンジが施されたものとなっている。
 
理由は結末近くの核心部分で明らかになるが、主人公の誕生から幼年時代の途中まではスーパーファミコン版DQ5のゲーム画面を模したグラフィック・メッセージと世界地図の組み合わせを用い、ダイジェスト的に紹介される形が取られている。
そして本編中でも、所々にシリーズ初期のゲームフォントを用いた演出が見られる。
 
戦闘シーンではダメージを負ったキャラはその傷が顔などに細かく描写される。モンスターは倒すと石の粒のようになって消滅する演出となっている。
また、作中の日記や掲示物の描写では、一般の英語が用いられている。ただし固有名詞は英語版DQのものではなく、日本語版の名前を英語のスペルにしたもの。

世界観

地図は原作と同じだが、【天空城】は登場しない。異世界は【妖精の世界】が登場するが、【魔界】は台詞で触れられるのみ。またDQ5の過去の話であるDQ4やDQ6を基にした話は一切出てこない。
作中で舞台となる地上の町・村は【サンタローズ】(リュカの実家は孤立しており、集落から離れている)と【サラボナ】、それと原作には登場しない【セントベレス山】の麓の町。
【ラインハット】の城と町並みは遠景のみの描写であり、舞台となるのは関所と郊外のみ。
その他は【アルカパ】が冒頭のダイジェストと台詞にのみ登場しており、サラボナにある手配書では「Cabochi Village」という文字が確認できる。【グランバニア】はプロローグ以外登場せず、主人公のフルネームや関係者の衣装にのみ設定が生きている。
【チゾット】には村は無く、妖精の世界へ入るための試練の場となっている。
上記に記した以外の国や町・村は一切登場しない。原作でダンジョンとして登場した場所も【古代の遺跡】【大神殿】などを除いて本作ではほとんど登場しない。
 
【てんくうのつるぎ】は魔界の門を閉じる能力を持つキーアイテムの扱いである。それ以外の天空装備や3つのリングは登場しない。

キャラクター

【主人公(DQ5)】の名前は「リュカ」。
リュカの子供は、天空の勇者である【男の子】(アルス)のみの一人っ子である。【女の子】は登場せず、原作で彼女が使える【ルーラ】の呪文はアルスが使う。
この他【ピピン】やDS版の追加キャラである【デボラ】も本作には登場しない。
 
各キャラクターのデザインは、SFC版やPS2版のDQ5で【鳥山明】が描きおろしたイラスト、あるいは【公式ガイドブック】に掲載されたイラスト(どちらも無ければゲーム内のグラフィック)を基にアレンジを加えたもの。顔つきは本映画独特のもの変更されており鳥山絵の面影は無い。
例外として【プサン】は中年くらいの外見の原作とは大きく姿が異なり、本作では老人である。
本作での【天空人】は金色の瞳を持つという設定で翼は無い。リュカの母【マーサ】は天空人の末裔、そしてリュカ自身も天空人となっている。
 
【仲間モンスター】【スラりん】【ゲレゲレ】のみが登場する一方、原作には無い展開として中ボスであった【ブオーン】が巨大な姿のまま味方に付く。
 
敵側では【ゲマ】がリュカの宿敵であり、【ミルドラース】の召喚を企てている存在でもある。手下に【ジャミ】【ゴンズ】も登場。原作の【光の教団】という概念は無く、その教祖であった【イブール】は登場しない(【ラマダ】らしきモンスターは確認できる)。
雑魚モンスターは【オーク】【ギガンテス】【ホークマン】【ゴーレム】【ホースデビル】などの系列が登場する。

キャスト

本作の声役には、CDシアターともヒーローズやライバルズといったゲーム作品ともまったく別の俳優陣が採用されている。
ここに記した以外の名前付きキャラクターは登場しない。

キャラ担当
【リュカ】(幼少時代)※大西利空
【パパス】山田孝之
【サンチョ】ケンドーコバヤシ
リュカ(青年時代)※佐藤健
【トム】田中美央
【ヘンリー】(幼少時代)高月雪乃介
【ジャミ】佐々木一平
【ゴンズ】関口晴雄
【ゲマ】吉田鋼太郎
ヘンリー(青年時代)坂口健太郎
【スラりん】山寺宏一
【プサン】
【マスタードラゴン】
安田顕
【ゲレゲレ】(なし)
【ルドマン】松尾スズキ
【フローラ】
【占いババ】
波瑠
【ビアンカ】有村架純
【ブオーン】古田新太
【マーサ】賀来千香子
【アルス】内川蓮生
【妖精】永宝千晶
【ミルドラース】
(ウイルス)
井浦新
係員栩原楽人
(プレイヤーの)母親内田敦子

※:プレイヤーとしての主人公も含む。

ストーリー

ここでは原作(ゲーム)と違う点を中心に、簡潔に解説していく。

  • オープニング(ゲーム画面再現区間)
    リュカの誕生後、マーサが魔物に攫われたことが明記される。
    【ビスタ港】ではリメイク版の追加イベントである【ルドマン】と娘フローラとの出合いがSFC風のグラフィックで表現され、フローラはひと目でリュカに惚れる。
    ビアンカと再会後、彼女と共に【レヌール城】【おやぶんゴースト】を倒しオーブを手に入れ、ゲレゲレを仲間にする。オーブは本作では【ゴールドオーブ】ではなく【ドラゴンオーブ】に置き換えられている。
    なおマーサやルドマンのドット絵はSFC版準拠ではなく、本作でのデザインに合わせて作り直されている。
  • 幼年時代
    サンタローズのリュカの家周辺は雪深い状態になっている。この時点では妖精の世界へはまだ行かない。
    オーブのすり替えが描写され、その後ラインハット郊外(城内や城下町ではない)で【ヘンリー】がジャミに拉致され、古代の遺跡でパパスがゲマ一味に殺害される。ドラゴンオーブを砕く描写はないが、パパスの死後に砕かれている(ノベライズ版では記述あり)。
  • 【工事中の神殿】からの脱走
    奴隷として働かされ青年時代に。【マリア】などはおらず、リュカとヘンリーが自力で樽での脱走を試みる。
    樽は海上ではなく麓の町に落ち、脱走は速攻でバレる。樽は逃走中に壊れるも、2人はプサンに匿われる。その後は船でビスタ港へ向かう。
  • ラインハット
    ヘンリーとはラインハットの関所で別れ、リュカはラインハットを訪れない。【馬車】も登場しない。
  • サンタローズ
    サンタローズは滅びていない。家の地下室(洞窟ではない)にあったパパスの日記を読む。パパス、サンチョとも天空人であるリュカが天空の勇者であることを信じて疑っていない様子。
    天空の剣はサラボナのルドマンが持っていることが判明する。【パパスのつるぎ】は入手ルートは不明であるがサンチョが保管していた。
    この時のリュカは意気地なしであり、投げ遣りの台詞とともに仕方なく旅立つという感じ。
  • サラボナまでの道中
    各地の地上やダンジョン(場所は不明)を冒険。スラりんを仲間に加え、ゲレゲレと再会。【ビアンカのリボン】は無い。
  • サラボナ(ブオーン戦)
    【結婚】は原作どおりこの町で行われ、原作では青年時代後半での登場となるブオーンが結婚の前に登場。リングが登場しない代わりに、ブオーンを倒すことがフローラの婿に迎える条件となる。またビアンカともこの町で再会する。
    ブオーンとの戦いで天空の剣が手に入り、リュカが天空の勇者ではないこともここでようやく判る。戦いの末ブオーンは降伏し命を救われる。
  • 結婚
    主人公は一度フローラにプロポーズをするが、謎の自己暗示が掛けられていたこと、本心ではビアンカが好きであったことに【占いババ】(=フローラの変装)の聖水によって気づいて婚約解消。ルドマンからのリュカの印象は最悪なものとなる。
    最終的にビアンカと結婚するが、式は行われずプロポーズした酒場で祝われる。
  • 息子の出産~石化
    結婚後はビアンカとともにサンタローズに戻って暮らし、アルスを出産。グランバニアへは行かず、リュカが王になる設定も無い。
    そこでゲマ一味が家を襲撃。ビアンカが大神殿に拉致され、リメイク版DQ5と同じくゲマがリュカを石化する。オークションには出されずそのまま放置される。
    ビアンカは大神殿で自分の真実を知らされ、その後ゲマに抵抗した末に石化される。
  • 8年経過
    ゲマによって世界が暗黒に覆われ荒廃していく様子が描かれる(DQ11の【異変後】に似た雰囲気)。
    成長したアルスが洞窟(映画オリジナル)で【ストロスのつえ】を入手するという、原作に無いシーンが描写。ルーラでサンタローズに戻りリュカの石化を解く。
    追っ手との戦闘で天空の剣がアルスの手に渡り、勇者であることがここで判明。
  • ドラゴンオーブの入手
    セントベレスの麓の町でプサンの正体が判明。
    チゾットの山奥でメタルハンターたちを倒し、妖精の世界へ。【妖精の女王】の力により過去のサンタローズへタイムスリップして幼年期の自分と会い、【ひかるオーブ】と本物のドラゴンオーブをすり替える。
  • 大神殿での決戦
    オーブの入手後、マスタードラゴンで飛行し大神殿に乗り込む。
    ビアンカの石化はすぐさま解け、マーサともここで対面。彼女が力尽きた後、ゲマとの戦いに。援軍としてヘンリー率いるラインハット軍とサンチョ、ブオーンが加勢する。
    リュカとアルスが協力してゲマに致命傷を負わせるも、ゲマは死に際にマーサの力を奪い、魔界への門(祭壇の上空)を開きミルドラースを召喚しようとする。ブオーンの助けによりアルスは門に剣を投げ込み、門を封印したかのように見えたが…。

結末

アルスが魔界への門を封印し笑顔を見せるところで、突然上空から異質なツララ状の物体が出現し、リュカ以外の世界やキャラクターのすべての動きが停止する。
そして現れるのは原作のミルドラースとは似ても似つかない宇宙人のようなキャラクター。彼は謎の言葉でリュカ以外のすべてを消し去っていき、真実を明かす。
 
実はこの映画でそれまで映し出されてきたものの正体は、一人の社会人がプレイしている『ドラゴンクエスト エクスペリエンス』という、DQ5をリメイクしたVRゲーム。
そして謎のキャラクターの正体はゲーム嫌いのプログラマーが送り込んだというウイルスで、この世界でミルドラースのコードに擬態していた。
彼はリュカを演じるプレイヤーに「大人になれ」と嘲笑のメッセージを突きつけ、強制的に現実世界に引き戻そうとする。それに対しプレイヤーはゲームの思い出を語り抵抗。
そこへ、実はゲームを監視するアンチウイルスプログラムであったスラりんが割って入り、プレイヤーは彼から託された【ロトのつるぎ】を模したワクチンでウイルスを消滅させる。
 
ウイルスの消滅で『DQエクスペリエンス』の世界やキャラクターはすべて無事に取り戻される。
そしてゲームの中でもミルドラースは討伐されたことになり世界に平和が訪れ、リュカ一家がヘンリーたちと別れた後、サンタローズに帰還する所で物語は終了。
リュカ、すなわちプレイヤーによる「僕は、【勇者】だったんだ」の締めの言葉と共に、映画のタイトルロゴがここで表示され、そのままスタッフロール。ラストは "Continue Your Adventure." のメッセージで締めくくられる。

『ドラゴンクエスト エクスペリエンス』

1人乗りのマシンに入り、ゴーグルを装着してプレイする形のVRゲーム。本映画の舞台はこのゲーム内の世界である。
ノベライズ版では、発表と同時に予約しても平日なら半年、土日なら2年も待たされるほどの人気アトラクションであることが語られている。
プレイする前には係員(【兵士】のコスプレをしている)がプレイヤーの希望に応じて、主人公の名前や追加キャラ、シナリオスキップなどの各種設定を行う。
プレイ中には現実の記憶を思い出せなくなるという仕様であるため、「フローラを選べ」といった自己暗示はプログラムとしてセットされる。
 
作中冒頭の幼年時代のダイジェスト形式や、不自然に配置されていたメタルハンターは、主人公がここで予め注文した設定によるものである。
そのほか、リュカの結婚前夜の夢に出るDQフォントや、プサンやマーサの「今回は」という台詞、サラボナでの【クエスト】という表現(ノベライズ版では無い)など、核心が明かされる前にもわずかにゲーム世界であることの伏線が見られる部分はある。
(ただし、作中にはプレイヤーキャラであるリュカがその場にいない場面もいくつか描かれており、一人称視点のVRゲームなのに何故、あるいはどのようにこれらが描写されているかは不明)

使用楽曲

BGMは後述する例外を除いてすべて【すぎやまこういち】作曲のDQシリーズの楽曲となっており、冒頭部を除いて【東京都交響楽団】によるオーケストラ版が使用されている。
当然ながら原作であるDQ5の曲が中心であるが、他のナンバリングタイトル(DQ11まで)の曲も多用されている。DQ6の曲が比較的多めで、他はDQ4・DQ7から各3曲、DQ9から2曲、DQ10・DQ11から各1曲。結末部分ではDQ2・DQ3の曲が使用される。DQ1とDQ8からの採用は無い。
ゲームで用いられたのと同じ短めのMEが鳴る場面もあり、これらも都響のアルバムに収録された楽器演奏版が使用されている。
 
例外として、ウイルスが世界を破壊していくシーンでは、この映画で唯一DQ関連曲ではない『Virus』(作曲:佐藤直紀)が用いられた。
 
使用楽曲は以下。(登場順)

ノベライズ版

映画公開同日、宮本深礼が書いたノベライズ版『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー 映画ノベライズ』(ダッシュエックス文庫、集英社みらい文庫)が【集英社】から発売された。
 
内容は映画に準拠しているが、以下のように若干内容に違いがある。

  • サンタローズからサラボナに向かう途中では、リュカの成長描写がありヘタレ感はあまり無い。
  • フローラはリュカからプロポーズされた時、映画では既にビアンカのことを知っていたが、ノベライズ版では初対面である。
  • サラボナ編で「クエスト」という単語が登場しない。
  • 終盤の核心部分ではVRゲームの盛況ぶりや、主人公がプレイするまでの経緯、過去のDQで冒険の書が消えた思い出にも触れている。

この他、映画には無い台詞がノベライズ版にはあったり、台詞の細部が異なっていたりする。
 
文章は第三者視点だが、幼年時代と終盤の現実回想シーン以降最後までは、ゲームブックのようにリュカ(およびプレイヤー)自身の語りになっている。

訴訟問題

本作主人公の名前「リュカ」を巡っては、最初にこの名前をいわゆる【小説ネーム】として使用した『小説ドラゴンクエストⅤ』の作者である【久美沙織】による訴訟が起きている。
 
久美が最初に名前に関する事実を知ったのは、映画の情報が解禁された2019年2月。当初久美は小説ネームの使用を歓迎していたが、【スクウェア・エニックス】や東宝などからはそれに関して何の連絡も無かった。
2019年7月、自身が出演するイベントに関連して久美は本作の商材利用についてスクエニに連絡。このことで名前の件について気付き、映画のクレジットに自身の名前を記載してもらえたらという期待を込めての行動であった。
しかしその願いは届かず、クレジットに追加されることはなかった。スクエニ側の対応にも納得が行かず、映画公開日の2019年8月2日に本人訴訟として本作品の製作委員会を提訴するに至った。
 
提訴内容は、小説版主人公の名前「リュケイロム・エル・ケル・グランバニア」が、作者に無断で改変されて使用されたことが著作人格権の侵害に当たるとして、謝罪と映画へのクレジット追加を求めるというもの。
しかしスクエニ側は、小説中の登場人物の名前は著作物に当たらないとしてこの要求を退ける。
その後、2019年12月13日に久美は「過失ではなく、小説と映画を意図的に混同させて集客しようとした」として、「詐欺または背任または業務上横領」「不正競争防止法違反」「著作権法違反」の3点で刑事告訴した。
 
当初は本人訴訟であったが、代理人を付けたことにより裁判の規模が変わったことから一旦取り下げ、2020年8月から翌月にかけてクラウドファンディングによって訴訟費用を募った。その結果111万1000円が集まり、2020年11月24日に改めて提訴。
スクエニ・東宝などに対して200万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めている。
 
訴訟を起こした目的に関して久美は「創作物をリスペクトしてほしい。時が経ち『リュカ=映画版の主人公』と認識され、小説の方がルール違反だと誤解されることは避けたい」という想いを語っている。