【あらくれ】

Last-modified: 2024-03-25 (月) 13:11:22

概要

「荒くれ者」の略称。
左右に角の生えた覆面もしくは兜をつけた筋肉質の【NPC】の男性キャラクター。
顔を覆面や仮面で隠し、半裸にハーネスベルトを巻きつけた筋肉もりもりの男、という個性的なファッションは1981年の映画「マッドマックス2」の悪役「ヒューマンガス」を彷彿とさせる。
DQMJ以降のモンスターズシリーズには「あらくれ」という【スキル】もある。
 
「あらくれ」という語で広く呼ばれるようになったのはDQ7の【移民の町】の管理画面でキャラ種別名として表示されたことがきっかけであり、それ以前は「囚人」などと呼ばれていたり、徳間書店のDQ2【完全攻略本】では「大男」だったりした。
だが開発チーム内では以前から使われており、DQ5のモブキャラのラフ画に「あらくれ」という単語が見られる。ただしこれは現在知られている「あらくれ」とは異なり、頬ヒゲを伸ばした大男である。
 
ちなみにこのシリーズにおいて明確にあらくれと言い切れる姿のNPCはFC版DQ2が初出。この時点で半裸・角兜・ベルトという特徴が完成されている。
実はDQ1にも角のある兜をした茶色い服の男がいるのだが、これは勇者の色違いで剣を装備・盾は非装備という格好の戦士であらくれではない。実際にリメイク版では戦士のグラフィックになっている。
 
DQ3では色が青系に変更されて続投したが、DQ4では従来型の「あらくれ」は一旦姿を消し、その代わりに覆面なしの大男の姿のNPCが登場した。これは元【チュンソフト】のスタッフ【麻野一哉】によると、同作のデザイナーが従来デザインのあらくれを嫌いであったことによる。
DQ5では先述のとおり覆面なしの大男がスタッフ内部で「あらくれ」と呼ばれていた。
リメイク版DQ1・2では全ての茶戦士とあらくれがスキンヘッドの大男のグラフィックになっている。制作側の認識としてはこれらの大男グラフィックも「あらくれ」なのだろう。
 
DQ6で久々に再登場の際は茶色に近いオレンジ色に変わり、DQ7では再び茶色に戻った。DQ4・DQ5のリメイク作品でもおなじみの「あらくれ」がDQ7と同じ姿で復活。
 
キャラクターの頭身が上がったDQ8では【鳥山明】の手によるリファインの末、口の部分に空気穴のある黒い角つき黄色マスクを被った現在主流のデザインが確立。以後の作品では基本的にそれが採用されているが、3DS版DQ7ではオリジナル作に合わせてか茶色で口の部分に何もないものになっている。
DQ8におけるリアル等身のあらくれは上記の異様な風貌を無駄に忠実に再現しており、感覚の麻痺していたプレイヤーに改めて現実を突き付けた。なお、覆面は眼の部分がメッシュになっており、全身に傷跡がある。
 
見た目のインパクトの強さと汎用性の高さを併せ持ったシリーズに欠かせない名モブキャラであり、今後のシリーズでも間違いなくお目にかかる存在だろう。
 

登場作品ごとのあらくれ

見た目通りの体力派であることが多いが、【武器屋】の店主など商売を生業にしている者も少なくはない。商人あらくれは初出がDQ2の【ベラヌール】の武器と防具の店と【ペルポイ】での怪しげな道具屋なのでかなり古くから存在している。
 
町の中などに登場するNPCのあらくれはその名の通り性格は脳筋バカや粗暴な者が多い(特に【カンダタ】のように敵として戦うもの)が、DQ3の【レーベ】怪しげな場所には何かあるというヒントを教えてくれる奴や、【ポルトガの灯台】で主人公に進路を教えてくれる物知りや、【サマンオサ】で墓地を守っている心優しい奴、DQ6のクリアベールに住む【ジョン】の父親の【ハリス】のように外見に反して温厚な人などもいる。
 
DQ6のカジノのスロットリールの絵柄にも何故か登場するが、倍率は10倍とそんなにいい役ではない。DQ6のコミカライズ「幻の大地」でも、精霊の鎧の持ち主であるライフコッドの武器屋など、ゲーム内のあらくれマスクの姿そのままで描かれている人物達が登場。テリー外伝で【ビビアン】を運んでいた数名の男達も、全員あらくれ風のマスクをかぶっている。
DQ7とDQ4(PS版)では【移民】としても登場しており、【グランドスラム】を目指すなら彼らを一定数以上集結させなければならない。この内、PS版DQ4の移民として登場する【コロゴロ】というあらくれはその後PS版DQM2にも出演している。
またDQ8で初登場した技【おっさん呼び】で呼び出される一員でもある(グラフィック不足のためか2人来る)。
 
DQ9では装備品として【あらくれマスク】【あらくれベルト】【あらくれズボン】【あらくれブーツ】が登場。装備することにより、ついに主人公もあらくれの姿になることができるようになった。
しかしあらくれベルトの露出度のせいでこの装備を全て装備できるのは男性キャラのみ。ベルト以外なら女性キャラでも装備可能で、あらくれズボンは全職業で装備できる無地の黒いズボンがゲーム中に少ないのでおしゃれ用として女性キャラでも需要が高いかもしれない。
 
DQ10、いたストDSのあらくれ衣装セットは、少々マイルドな見た目になっているので女性主人公でも問題なく装備できる。
DQ10からはあらくれのコスプレをしたような、うさぎのモンスター【あらくれチャッピー】も登場した。

有名なあらくれ

有名どころのあらくれとしては、DQ2の【リリザ】の立ちションあらくれ、DQ3のぱふぱふ嬢のちち、そしてカンダタと【オルテガ】(FC版)、DQ6の商人兄弟の【ドガ】【ボガ】、それに漁師【ロブ】、DQ7では現代の【フォロッド城】で開発中のメカあらくれ、【メモリアリーフ】のメイド追い掛け経営者、DQ8の【パルミドの塀の下のあらくれ】などだろうか。
また、DQ6には【欲望の町】【ミチル】という名前のオカマさんも登場。
【ロンガデセオ】【おしゃれなかじや】はあらくれが経営している。
DQ7では物語の展開上必ず戦う戦闘相手としても登場する(【あらくれ(モンスター)】)。また、【さんぞく】【ドンホセ】もフィールド上ではあらくれグラフィックである。
DQ10では旅芸人一座の座長としてピンク色のあらくれ【ギザント】が、天使に【アラクレス】が登場。後者は同作の天使全般がギリシアっぽいネーミングになっていることから、絶妙な名前になっている。
DQ11では【シルビア号】船員の【アリス】【仮面武闘会】の参加者である【ガレムソン】が登場。マスクの色も通常の黄色ではなく、アリスはピンク、ガレムソンは黒のマスクを被っている。また仮面武闘会の控え室には、神父をしているあらくれがいる。
ガレムソンは「覆面レスラー」とされており、今までで一番この異様な風体が納得できる設定かもしれない。

外伝作品でのあらくれ

ソードでは【キャサリン】というピンク色のマスクを着けたオカマのあらくれが登場する。
バトルロードビクトリーでの【宿王誕生】では歴代シリーズの主要キャラに混じって、汎用NPCとしては唯一出演を果たしている。
ビルダーズ1では3章で【ガロン】【ベイパー】【ギエラ】が登場し、主人公と共に戦ってくれる。また、シリーズ初の女性あらくれ、【アメルダ】が登場した。
ヒーローズ2では武器屋がピンク色のマスクをつけたあらくれな他、【あらくれ呼び】で呼び出される。
トルネコの大冒険3では、【ダグラス】が、あらくれとよく似たグラフィックで登場している。
 
モンスターズシリーズでも武器屋のあらくれは健在だが、システム上ジョーカー2とジョーカー3にはいない。PS版DQM1・2ではマスクの色がエメラルドグリーンになっている。
ちなみにテリワン3D・イルルカの主人公各自の背丈はあらくれの腰~太ももくらいなので、あらくれに向かって正面からダッシュし続けると…あろうことか股間に顔がジャストフィットでめり込む。
そしてイルはジャンプするとあらくれの背丈と大体同じ高さ。

ビルダーズ1でのあらくれ

【3章 マイラ・ガライヤ編】でのNPCのメインを務め、女性でリーダー格の【アメルダ】を始め大勢のあらくれが登場する。
全体的に脳筋だが気さくで仲間思いな連中で、筋肉には強い拘りを持っている。
食料事情も厳しい中、一人残らず屈強な肉体を誇っているため、どうやってその肉体を維持しているのかが地味に気になるところである。

ビルダーズ2でのあらくれ

【オッカムル島】の住人たちは大半があらくれだが、実態としては鉱山で働く(元)肉体労働者である。英語版ではMinor(鉱夫)という名称になっている。
【マッシモ】【ミルズ】という固有名を持つ2人を筆頭に、島のアイドルである【ペロ】が大好きな者が大半だが、一部前作のギエラのようにオネエ言葉で喋る中々にキャラの濃いあらくれも存在している。
マスクの色はマッシモとミルズが黄色で、それ以外が薄い茶色。
最終的にはマッシモとミルズを含めて20人ものあらくれがひしめくことになる。
 
彼らもこの世界の住民の例に漏れず【ハーゴン教団】の信者ではあるのだが、筋肉を作ることすら禁止された彼らは欲求不満状態で、ペロの誘いを前にすんなりとこっそり鉱石掘りすることを約束してくれる等、脳筋故にか大変物分りがいい。
生活サイクルとしては昼の間は鉱山で働き、夜になると【バー(部屋)】【プール】でやる気を蓄え、翌日の労働に備えるというもの。
オッカムル島のストーリーでは地上にバーやプールといった娯楽施設を整えれば整えるほどあらくれたちのやる気が上がり、鉱山から採掘される鉱石の量も上昇するというシステムになっている。これを利用して【ゴルドン】【ゴールドマン】に戻るために必要な膨大な数の鉱石を集める事になるが、よくよく考えるともの凄く真面目に働いている。一方でバーで飲み、筋トレに励み、時にはあらくれ仲間と腕試しにケンカして盛り上がったりと漢らしいあらくれライフをエンジョイする…と思いきや、【ミュージックホール】では【ピアノ】を嗜む意外な姿も見せてくれる。オッカムル島の騒動の一段落後はペロの存在と鉱石ノルマが無くなりタガが外れたのか、一斉にキリギリス化した羨ましい日々を送っている。
戦闘に参加してくれるのは約半数。いくら体を鍛えても魔物は怖いらしい。また、戦闘に参加してくれるあらくれの中には武器を装備出来ない者もいる。
この「装備できるあらくれ」はアルファベットのAB…と名付けられてはいるのだが、モブあらくれ達をパッと見で判別は難しく、武器を渡せるか否か近寄ってみるしかない。
全員寝付いた夜間に巡回して渡すか、人口爆発以前に何かしら渡しておけば、常時装備状態になるので少しは判別しやすくなるだろう。
 
【そざい島】でスカウト可能なNPCの職業としてもあらくれが存在しており、【からっぽ島】に連れ帰る事が可能。
鉱山が存在しないからっぽ島に職業:あらくれの住人を連れてきても意味がないと思われがちだが、実際には【ビルダールーム】や鍛冶屋を設置して箱に材料を入れておくと自動的に建材や武器を生産してくれる他、設計図によるオートビルドを利用して建築作業をする際には非常に積極的に作業に参加するなど、居住地に力仕事さえ用意していればきちんと働いてくれる。
また、戦闘を行ってくれる貴重な汎用NPCでもある。
ただし、【兵士】と違い拠点を1日中巡回警備してくれるわけではなく夕方~夜はバーやプールで遊び、夜が更けると就寝するという傾向が非常に強いためモンスターと出くわすかどうかはやや運が絡み、その働きぶりは兵士と比べるとムラがある。
 
【ムーンブルク島】では、名無しの拠点の住人としてあらくれが登場。最初こそ戦うことはできないが、シナリオ中に彼の提案で他の一般人NPC達と共に【アネッサ】のしごきを受けて兵士へと転職、以後は戦闘に参加するようになる。転職してもマスクは外さないのでかなり目立つ。
ただし、シナリオ中同じく兵士へと転職する【商人】ともども、ムーンブルク島クリア後は何故か直接武器を持たせることが不可能になってしまうので注意。
この状態でも戦闘能力を失ったわけではなく、【勇者のはた】などを利用して敵と遭遇させれば戦闘を行ってくれる。
彼に関しては商人と違って【武器庫】を用いれば武器を新調することが可能なので、より強い武器を持たせてあげたいなら武器庫の収納箱に強力な装備を放り込んであげよう。
 
前作から一部無くなった部屋レシピもあるものの、「あらくれ」の名を冠する部屋レシピは今作でも非常に多い。

ライバルズ

初期から実装されていたトークンカード。「あらくれ呼び」「ちからのそろばん」の効果で出てくる。

3/3/1
速攻

喧嘩っ早さを示すのか、あらくれ呼びでの猛突進のイメージか、速攻を持っており出て即座に殴りにいける。一方で屈強な見た目に反してHPは1と最低なので、基本的には飛び道具感覚での使いきりかリーサル狙いになるだろう。
 
身元のわからない人材なためか冒険者ではないため、残念ながら冒険者シナジーは受けられない。

グッズ化

2020年5月31日にはフル可動フィギュアシリーズ『ドラゴンクエスト BRING ARTS』から、未だフィギュア化されていない並み居るメジャーキャラを差し置いて全身フル可動あらくれフィギュアが発売されるという快挙を成し遂げた。
通常版と「武器屋ver.」の2種類が発売され、後者は【はがねのつるぎ】などの様々な武器が付属する豪華版。あらくれ本人を武装させるも良し、武器屋らしく他のフィギュアに渡すも良し、とプレイバリューはとても高い逸品。
いずれもオフィシャルショップで購入するとメッセージウィンドウが4種ついてくる。

関連項目

【Barあらくれ】
【あらくれの宿屋】
【あらくれの寝屋】
【あらくれ温泉】
【まじんSpaあらくれ】
【ホテルあらくれ】
【ポルタ】
【……おめえら男がフロに入ってるの見て楽しいか?】