【アラクラトロ】

Last-modified: 2024-03-17 (日) 22:20:11

DQ11

【グロッタ地下遺構】に生息する【ボス級モンスター】で、【怪蟲アラグネ】の色違い。英語版での名前はArachtagon。
16年前に【グロッタの町】を襲った魔物の群れの生き残りで、その際【グレイグ】と戦って付けられた大きな片目のキズ跡が特徴。【ザバン】のようなポジションともいえる。
名前の由来は蜘蛛を意味する接頭辞"arach-"とラトロデクタス(毒グモ)の組合せと思われる。
この系統はDQ10が初登場だが、今作にはこいつのみである。
 
グレイグとの戦いで激しく消耗したアラクラトロは、資金不足等々の理由で孤児院の運営に頭を悩ます【ハンフリー】に目を付ける。
回復手段となる【強者のエキス】を手に入れるべく、彼をエキスの原料となる闘士たちの調達役として働けば、強者のエキスを分け前に与えて武闘会に容易に勝ち抜けるようにしてやるという、恐ろしい悪魔の取引を持ち掛けたのである。
ハンフリーはこれに応じてしまい、従順に仕事を進めていくが、実際には強者のエキスは人間が飲むと体が耐えきれずボロボロになるという恐ろしい副作用があった。つまりアラクラトロは、端からハンフリーを捨て駒程度としか考えていなかったのである。格闘大会に出場した人間から力を奪うのは【アントリア】を彷彿させる。
 
主人公一行は偶然にもハンフリーの悪行を目撃し、これを追っていくとこいつと対峙、戦闘となる。

戦闘能力

HP1300、完全2回行動。行動パターンはPS4版では完全ローテーションになっており、詳細は以下の通り。

【死グモのトゲ】【呪縛糸】→通常攻撃→死グモのトゲ→【メダパニーマ】→通常攻撃→(以下繰り返し)

3DS版ではランダム行動だが、通常攻撃以外の特技は全て【制限行動】に設定されており、同一ターン内に2連続で同じ技を使ってくることはない。
恐らく縛りなしでは全体的に難易度が低い今作には珍しくかつての【山賊四人衆】を思い出させるような、序盤屈指の鬼門と言われるボスであろう。
適正レベル帯なら後衛陣の最大HPが100に届くかどうかという時期に、通常攻撃でさえ30~50前後のダメージを与えてくる図抜けた攻撃力を誇る。特に最大の脅威である死グモのトゲは全体に通常攻撃とほぼ同等のダメージに加えて守備力低下の追加効果と、かの本気【ムドー】を彷彿とさせるダメージ値を平然と叩き出してくる。また行動がランダムである3DS版では死グモのトゲを序盤に連射された場合、一瞬でパーティが壊滅しかねない。
さらに、通常攻撃はかなりの高確率で【猛毒攻撃】になる。
呪縛糸やメダパニーマといった妨害特技のせいで回復もままならず、この時点ではグロッタで拾える【りせいのネックレス】、耐性値はそこそこだが【よろいのきし】のレアドロップのため多少粘らないといけない【理性のリング】ぐらいしか混乱耐性の装備がないため、苦戦は必至。
一応、【ソルティコの町】に先回りすれば【きふじんのてぶくろ】を購入できるが、こちらは女性陣しか装備できない。
3DS版では、貴婦人の手袋の上位品で混乱耐性が45%上がる【女王のてぶくろ】【スウィートバッグ】のレアドロップで入手できるが、スウィートバッグの出現率や上述した女性陣しか装備できない点、何よりスウィートバッグ自体がアラクラトロのメダパニーマが可愛く思えるレベルの異常な命中率を誇る【メダパニダンス】を連発する点を考えると現実的な対策とは言い難い。
1300ものHPも破格であり、この次に戦う【クラーゴン】も輪をかけて高いHPを持つ。一方でもう少し後に戦う【メルトア】はHP1200、(主人公+NPC1人で戦う中ボスとは言え)アラクラトロ戦の時期よりレベルが2倍近く上がった段階で戦う【ゾンビ師団長】はHP690である。
前者は攻め手がこいつより激しいうえ触手での回復があり、後者は恐らく主人公とグレイグの2人で戦う都合上あえてHPを低めに設定したのだと思われる。
 
全く付け入る隙がないわけではなく、【マホトーン】に対して中耐性しか持たず、呪文封じ状態でもメダパニーマをスキップせず無駄撃ちしてくるため、一定の対抗手段になりうる。
混乱は【シルビア】【ツッコミ】【パーティアタック】、NPCとして戦闘に参加してくれる【ロウ】【キアラル】で解除可能。
しかし、マホトーンは2回行動のため切れやすいうえに、呪縛糸の行動停止の方はこの時点では確実に防ぐ手段はない。
混乱についても、シルビア自身が混乱してしまうと自発的な解除手段がパーティアタックしかなくなり、キアラルも今作で賢いとは言えNPCであるロウが必ず使ってくれる保証はないため、結果として不安要素が残ることに変わりはない。これについては完全に運任せになる。
 
攻撃時は炎・土属性が1.25倍の弱点で、もちろん物理系の特技も有効なので正攻法でいい。むしろ最大の問題は、回復に追われ状態異常もある中で、バフデバフまで入れて攻勢に移れる機会がどれだけあるかという点。
【ジバリア系】を仕掛ければ防戦一方でもダメージを稼ぐことができる。【火炎陣】を決めることができれば効果的なダメージソースになるだろう。
更に欲張ってあらかじめ主人公とベロニカもゾーンに入れておき開幕【氷雷陣】を仕掛ければ、こちらは3人連携と手間はかかるもののその分3回発動で軽く500以上はダメージが入る。
推奨レベルは20程度だが、17~18程度でも上記連携や【上やくそう】を上手く駆使することで勝利が見えてくる。
 
どうしても勝てないようであれば、素直にレベルを上げるのが吉。【セーニャ】がレベル23で覚える【スクルト】【スティック】スキルで覚える【キラキラポーン】、シルビアが【おとめ】スキルで覚える【ハッスルダンス】(どちらも最速でレベル22で習得可能)を覚えれば相当運が悪くない限りほぼ勝てる。
このすぐ後ぐらいに加入するマルティナとロウの初期レベルが23であることからも、制作側の想定している本来の推奨レベルがこれに近いあたりであると推定できる。
コイツの居座るダンジョンには【メタルスライム】も出るし、そもそもメタル狩りをしなくてもこの時期はLv20前後の必要経験値からすると敵からもらえる経験値が過剰気味なので、適当に戦っているだけでも軽々とレベルが上がっていく。
恐らく、これ以降の地域から雑魚敵の全体攻撃が一気に激しくなるので、DQ7の【山賊四人衆】同様「こいつに勝てないようではこの先つらい」と認識させてレベルを上げさせる意図での調整と思われる。
この直後の目的地である【ユグノア城跡】では完全2回行動で【かえんのいき】を連発する【ドラゴン】が出現し、その次の地域の外海では死グモのトゲと同等の威力の【ヒャダルコ】を連発する上にアラクラトロを上回る攻撃力を持つ【マーマンダイン】、ヒャダルコに加えて明らかに場違いな威力の【れんけい技】【クロスヒャダルコ】まで使う【うずしおキング】といった面々が集団で出現する。
これらの敵は火力だけなら明らかにアラクラトロ戦よりキツく、特に外海以降は複数人が1ターンで100以上のダメージを受ける恐れも出てくる。
シンボルを回避すれば良いユグノア城跡はともかく、ランダムエンカウントの外海にアラクラトロにギリギリ勝てた程度の戦力で突入しようものなら間違いなくボコボコにされるだろう。
ただ前述にもあるが山賊四人衆と同じようにこいつとの戦闘を格段に楽にする方法がある。主要なのは3つで、それぞれを解説していく。
まずカミュの【ヴァイパーファング】、やはり序盤での猛毒ダメージは下手な攻撃に匹敵するレベルに高く、弱耐性なので38パーセントほどで入る上にかなり長く持続するので有効。覚えるのも最も簡単。ただし3つの中では効果は一番低い。
次にシルビアの【ハッスルダンス】、1番のおすすめはこれ。こいつのきつい点は状態異常と高火力な全体攻撃によって回復が追いつかないことであるので、全員まとめて70も回復するこの特技は後者に極めて有効。また習得レベルも最短でシルビアがレベル22で習得と、簡単ではないがそこまで難しくもない。11Sならスキルリセットでこれ以上早く覚えることも可能。
最後はセーニャの【キラキラポーン】。前述の前者の状態異常をシャットアウトできるので言うまでもなく強い。ただし1人しかかけられないのと、最短習得がレベルの上がりにくいセーニャのレベル22なのが弱点。ちなみにレベル23で習得するスクルトも守備力低下を全員まとめて相殺できるので強力。

邪ver

【邪神ニズゼルファ】の力によって復活し、今度は以前自らが養分とした闘士たちを操り、襲い掛かってくる。ハンフリーも操る予定だったのだが、完全に改心して欲もなくなっていたために操れなかったようだ。
そのため、ハンフリーがNPCとして加勢してくれる。
 
邪悪と化した闘士たちを鎮めてから戦うため、こちらは疲弊した状態で戦闘開始となる。
行動内容・パターン共に変わっておらず、何の混ざり気もない純粋な強化バージョンとなっている。
通常攻撃、死グモのトゲ共に200前後のダメージに引き上げられているので、挑んだレベルによっては普通に苦戦する。
メダパニーマの命中率が上がっているようだが、こちらは混乱・休み耐性を積むことが出来るようになっており、【マホカンタ】も使える為、状態異常に関しては通常版ほど理不尽ではなくなっている。また、ハンフリーも攻撃面は期待できないが、【超万能ぐすり】で支援してくれる。
その一方で、素早さが非常に高いという新たな脅威を身に付けている。
こいつの素早さは何と365。これは、あの【ギガ・パンドラボックス】ニマ大師をも若干上回る値であり、レベル99の【カミュ】ですら補強無しでは稀に抜かれることがある。
これにより、1ターン目でスクルトを掛けたり直前の戦闘で負傷しているキャラを回復する前に行動されてしまいそこから一気に突き崩される危険性が高くなっている。半端なレベルでは、セーニャに【ほしふるうでわ】+3を装備させても高確率で抜かれてしまう。更に3DS版では回復しようと思ったら先に動かれて殺られることもある。
【スーパーリング】があれば、猛毒、混乱、休み系を全て防いでくれるので、余裕があれば人数分揃えておきたい。
ただし、死グモのトゲによる守備力低下はこれで防げないので、スクルトを使えるグレイグとセーニャのどちらかは入れておきたい。
なお守備力低下はキラキラポーンの対象にもなっているため、【ファンタスティック】+3を装備させたセーニャを入れておくとしばらく有利になる。
もしくは、ほしふるうでわ+3を付けたシルビアに【レディファースト】してもらう手もある。
どちらもコイツ同様に過ぎ去りし時を求めた後の任意クエストで手に入るものなので、つまりはコイツに手こずるようなら後回しにしてしまえばいいのだ。

コイツに負けてしまう場合は、こちらの体制を整える前に突き崩されているパターンが大半である。
多少のプレイングがどうこうでどうにかなる相手でもないため、上記の手段を用いても苦戦するようなら黙ってレベルと装備を見直すべし。
というか過ぎ去りし時を求めた後のボスの中では【魔竜ネドラ・邪】【アメジストワーム】【ムンババ・邪】同様上から数えた方が早いほどの強さなので大人しく他のクエストを消化してからの方が良い。

意外にも眠りが超耐性止まりで【ユグノアの子守歌】が3/4の確率で効くので、ロウが【ゾーン】に入ったら使ってみよう。3DS版では、主人公とセーニャがゾーンに入った状態で前座の戦闘を終えるように調整し、【聖なる祈り】で確実に先制して守備力を2段階上げるのも有効。

DQ11S

CV:丸山壮史(サーカス団の団長との兼役)。過去作では3DS版DQ8の【キャプテン・クロウ】などを担当。
3D・2Dモード共に行動パターンがランダムになっている。

すべての敵が強い

【デスコピオン】に続く第2の壁。
何よりも、これまで頼りにしてきたマヌーサが効かないのが辛い。眠りもほぼ無効。
こうなるともう防戦しながらジワジワとダメージを蓄積していくしかない。
攻撃方法は、いつもの通り【ヴァイパーファング】【ジバリア】で。土属性弱点なのでジバ系はよく効くが、そろそろジバリアは火力不足になってくる頃。もし【ジバリカ】を覚えているなら積極的に使おう。
炎属性も弱点なので、【火炎陣】が使えるなら是非。同じくベロニカの【メラ】、覚えていれば【ベギラマ】も有効だが、状況によってはやはり防御した方が良いかも。
【ルカニ】も効くので、物理で攻撃できる余裕があるなら入れておこう。
一応レベル20未満でも勝てる相手ではあるが、そのくらいのレベルだともちろん効率的な戦術が求められる。そして効率を求めていくと、そろそろボスへの対応が毒+ジバ系のワンパターンになりかけているのに気付く人も多いだろう。まぁ、勝つためには仕方ないのだが…
 
もっともレベル30もあれば普通に戦って勝てるので、【楽な戦いは経験値なし】を併用していないなら素直にレベルを上げておいた方が今後の為だろう。