【テンション】

Last-modified: 2024-03-05 (火) 06:36:47

概要

DQ8・DQ9・DQ10オンライン、DQMJシリーズ、少年ヤンガスなどに導入された、【戦闘】におけるシステム。
各キャラやモンスターに設けられたパラメータで、その段階によって次の行動の威力(ダメージ・回復量・ステータスの変化量など)が増減する。
「増減」と書いたものの、マイナスまで減少するのは今のところDQMJ2P以降のモンスターズのみ。
なおDQ10オフラインにも「テンション」というシステムが登場したが、上記各種作品とは性質の異なるものであるのでDQ10オフラインの節で詳述する。
 
本来「tension」とは「精神的な緊張・不安感」や「張り・張力」を意味する英単語であり、「テンションが上がる」とは「緊張でピリピリした状態」「張り詰めた状態」を指す言葉である。
だが現在の日本語では「精神的な昂揚」というような意味の言葉として使われている。
本来シーンとした感じのはずがヒャッハーな状況を表すようになるという、まったく逆の意味になってしまっているのである。
なお英語版でも「tension increase」と訳されている。

基本事項

ここではDQ8・DQ9・DQ10オンラインやジョーカーなどにおけるテンションの共通点について述べる。
 
戦闘中に特定の行動、【道具】【特技】特性など(後述)の効果によりテンションが変化する。
そしてその状態でテンションの適用対象となる行動をするとテンションは初期状態の「ふつう」に戻る。
適用対象は物理攻撃・呪文・特技のほとんどの行動だが、アイテムの使用や、数値に関係なく完全(厳密には固定値)回復させる【ベホマ】【ベホマズン】などはテンションを消費しない。また一部例外を除き、次の戦闘にテンションを持ち越すことはできない。
 
コマンドや特技の【ためる】を使用する、道具の【はりきりチーズ】【ふしぎなタンバリン】を使う、【テンションブースト】などの【必殺技】を使う、【いきなりテンション】などの特性による効果を受けると上がる。
反対に【ロストアタック】などの特技を受ける、特性の【ぼやき】の効果を受ける、【グレートアックス】などで攻撃すると下がる。
また眠りやマヒなどの行動できない【状態異常】にかかる、【いてつくはどう】を受ける、などで「ふつう」(初期状態)に戻る。
 
【ボス級モンスター】をも一撃で葬り去るほどダメージが大きくなることもあるためバランスブレイカーだと思われがちだが、実際には消費したターンとの釣り合いや上限ダメージなどを考え、有効な場面を見極めないと損をすることが多い。
例えば、1段階目で攻撃するなら倍率の都合上、同じ攻撃を2回繰り返したほうがダメージは大きくなるし、元が取れる2段階以上まで溜めるにしても、相手が【ラリホー】などを使ったためにパーになってしまうこともある。
そのほか少年ヤンガスではターンに加えて【満腹度】も消費するため【餓死】の原因となることもある。
だからといって2段階目まで溜めなければ意味が無いのかといえばそうでもない。
【HP】が減ると回復してしまったり、【メガンテ】などのヤバい特技を使うため隙を与えず一気に倒したい時や、DQ8ではダメージを与えにくい【ゾンビ系】【エレメント系】の敵に対して攻撃する場合などであれば、1段階目でも意味がある。
その他道具や特性などをうまく利用すれば行動せずにテンションを溜めることが出来る。
敵や自分の状態と相談して効率のいい方法を考えて使うことが大切なのだ。
 
それでも、今までのシリーズと比較すると大幅なダメージインフレが起きたのは確かで、ファイナルファンタジー並とはいかなくとも4桁ダメージ(場合によっては5桁も)を見る機会が従来よりも格段に多くなった。

テンションの段階

5つの段階(DQMJ2P以降のモンスターズシリーズでは9つ)があり、段階が高いほどダメージや回復量などに対する補正倍率が高くなる。
 
メッセージでは「テンションが20あがった」などと表示されるが、この数値は単なる文章上の演出である。
表示される数値は5・20・50・100というように、なった段階ごとに必ず決まった固定値であり、【一気にハイテンション】などでテンションが数段階一気に上がったとしても5+20+50で75あがったとはならない。
この数字は【堀井雄二】の直感によるものらしく、数字そのものに根拠は無いのだが、加速度的に上がっていくイメージにしたという。
なおDQ8の開発中の画面には「テンションが30あがった」という表記もあった。
 
攻撃のダメージ計算の際にはテンションの倍率に加え、テンションボーナスとして+αがあり、
DQ8とDQMJ2では

  • {(Lv×0.2)+1}×テンション段階

DQ9では

  • {(Lv×0.1)+1}×テンション段階

が、それぞれのテンションによる倍率計算後のダメージに上乗せされる。
ただし、DQ8では【ぬすっと刈り】【大どろぼうのかま】を使った時と、DQMJ2では相手が【メタルボディ】の特性を持っているとボーナスは上乗せされない。プロ版のみの【ハードメタルボディ】も同様。【ライトメタルボディ】は上乗せされる。
 
ジョーカーシリーズでは対戦時のテンションによるプラス補正が低くなる。
低テンションではそれほど差がないが、3段階目以降では半減以下まで下がる。
 
段階における倍率やその他効果については以下の通り。

-4段階テンションが100下がった状態。与えるダメージや回復量が0.1倍になる。
-3段階テンションが50下がった状態。与えるダメージや回復量が0.4倍になる。
-2段階テンションが25下がった状態。与えるダメージや回復量が0.6倍になる。
-1段階テンションが5下がった状態。与えるダメージや回復量が0.8倍になる。
0段階通常の状態。普段はコレ。もちろん倍率補正などは無い。
1段階テンションが5上がった状態。DQ8の敵とDQ9では与えるダメージや回復量が1.5倍、DQ9の敵は1.33倍、それ以外では1.7倍になる。
2段階テンションが20(モンスターズシリーズでは25)上がった状態。DQ8の敵とDQ9では与えるダメージや回復量が2.5倍、DQ9の敵は2.0倍、それ以外では3.0倍になる。モンスターズではDQ8と違ってこちらがハイテンションになっており、3段階目には特に呼び名がない。
3段階テンションが50上がった状態。DQ8の敵とDQ9では与えるダメージや回復量が4.0倍、DQ9の敵は3.0倍、それ以外では5.0倍になる。
DQ8ではテンションを上げた回数が90回以上になるまではこの状態になった時に「ハイテンションになった!」と表示され、ここまでしかテンションを上げられない。
4段階テンションが100上がった状態。この状態のみダメージ軽減の特性もつくが、詳しくは【スーパーハイテンション】を参照。

DQ8

初登場。
全キャラの戦闘コマンドに【ためる】が標準搭載されており、最初の戦闘から使うことができる。【作戦】にも本作独特のものとして【テンションためろ】が登場した。
ただし最初は最高段階の【スーパーハイテンション】にまで上げることはできず、テンションを上げることをパーティ全員で一定回数経験しなくてはならない。
本作では【ぼうぎょ】にもテンションが適用され、テンションが上がっている状態であればダメージの減少率が大きくなる。PS2・スマホ版では防御した【ターン】が終わるとテンションが解けてしまう。
また、本作には【ゾンビ系】【エレメント系】などあらゆるダメージを減らしてしまうモンスターが登場し、これらは一段階でもテンションが上がった状態で攻撃すれば楽に倒すことができる。
 
ストーリー終盤から【錬金釜】で作成でき何度でも使える【ふしぎなタンバリン】、または消耗品の【はりきりチーズ】を使えば、全員のテンションを一段階ずつ上げることができる。
「ためる」コマンドだと自分にしか使えないうえに必ず1ターン消費してしまうのに対し、これらのアイテムを使えば即座にテンションの効力を発揮できパーティ全体の火力が大きくアップするため、タンバリンを入手する前と後とではテンションの使い勝手、ひいては戦い方そのものが大きく変わってくる作品と言えるだろう。
 
本作ではテンション3段階目(50あがった)以上で敵にダメージを与えると会心の一撃の効果音が鳴る。スマホ版のみ、この場合に「かいしんの いちげき!」と表示され、【戦歴】の「会心の一撃回数」にも加算される。
 
なお開発段階では、テンションを上げてモンスターを倒すとそのキャラだけ経験値が多く貰えるという仕様があったが、ボツにされている。

3DS版

DQ9などと同じく、防御してもテンションは維持されるようになった。
【モリーエール】【ハイテンション】の特技を使える【モリー】がパーティに新規参入したことでテンションを使った戦略の幅も広がった。

DQ9

【ためる】が特技に変わり、最序盤からテンションを使うことはできなくなった。【ルイーダの酒場】が利用可能になると、仲間1人のテンションを上げる【おうえん】を主人公がイベント習得する。
一方、スーパーハイテンションに関する制限が撤廃され、上記特技が使えるようになった直後からSHTになることもできる。一部の【クエスト】ではSHTになることを要求されるものもある。
またダメージを受ける度にテンションが上がる【テンションバーン】も登場した。
 
ぼうぎょはテンションに関係しなくなり、ぼうぎょ後もテンションは維持される。またゾンビ系などのダメージ軽減能力も廃止された。それ以外は前作の仕様を引き継いでいる。
 
今作では前作のふしぎなタンバリンのような道具や特技は味方側は使えないため、前作ほどのテンションシステムのインパクトは無い(むしろよく使われるのは【◯◯フォース】【たたかいのうた】の方)。
だが複数人の主人公が集まれる【マルチプレイ】では「おうえん」も複数人が使えるので、シングルプレイ時には無いテンションの使い方ができる。

DQ10オフライン

他作品(DQ10オンライン含む)とは異なる新しいシステムとして登場した。
大きく違うのは、従来のテンションは「攻撃や回復などの威力を高める」ものであるのに対し、本作のテンションは「【必殺技】を発動させる」のが主な用途であること。
行動しただけでテンションが0に戻ってしまうことはなく、そのうえ戦闘終了後も持続される。むしろ過去作のテンションよりはDQ11の【ゾーン】に近く、それを数値化したものと言える。
 
今作のテンションは0から100までの5刻みのパラメータになっており、現在値はステータス表示欄の顔アイコンに付いたゲージ(公式サイトでは「ひっさつゲージ」)で表される。
自軍側のキャラは一定条件によって上がっていく。主な条件は「バトルメンバーに出ている状態でバトルに突入する」「ダメージを受ける」「敵に止めを刺す」。
また【ためる】【ためる弐】【とうこん討ち】などで能動的に上げることができる。
逆に、キャラが【死亡】するか、【いてつくはどう】などを受けることにより0に戻る。【眠り】【1ターン休み】などでは戻ることは無い。
バトル以外のところでは【転職】をした際にも0に戻ってしまう。
 
テンションが25以上になるとこれを消費して【ひっさつ】コマンドで必殺技を使用することができる。消費テンションは25・50・75・100と25刻みになっており、ゲージの目盛りも25単位で付けられている。
テンションが最大値の100になるとスーパーハイテンションになり、能力が強化。数手行動するとテンション0に戻るが、それまでの間は消費テンション100以外の必殺技が無消費で使用できる。詳しくはこちらも参照。
なおスーパーハイテンション状態以外では能力が強化されることは無い。
 
敵側にもテンションを上げてスーバーハイテンションになるものがいるが、テンションの上がるモンスターは限られており、すべてのモンスターが被ダメージなどでテンションアップするわけではない。
【ロストアタック】【ロストスナイプ】で相手のテンションを下げることができる。
 
なお、【エテーネの村のおはなし】ではテンションシステムは適用外であり、ゲージの表示も無い。

DQ10オンライン

DQ8・DQ9のシステムを継承しているが、第2段階から(武闘家、バトルマスターは第3段階から)はテンションが必ずしも上がらなくなっている。
詳しくはこちらを参照。

ヒーローズシリーズ

【テンションゲージ】という形で導入されている。詳細は当該項目参照。

バトルスキャナー

バトルロードシリーズの【ゆうき】に代わるシステムで、自分のモンスターの技を強化するのに使用される。
バトルロードの時と違い、【コンボ】【連携】を発動させたり、敵の攻撃を受けてもテンションが上がる。
現在はSサイズチケットが一番テンションが貯まりやすい。
 
三章からは【ウルトラスーパーハイテンション】というシステムが登場。

星ドラ

現状、テンションを上げるスキルは存在せずみんなで大決戦!等の限定イベントの援護で上がる。

ライバルズ

独自の要素として初期より存在。
1ターンに1度、味方リーダーは1MPを支払ってテンションを1上げることができ(おうえん持ちカードなどを使えばその限りでは無い)、最大値の3になるとそのテンションを全て消費する代わりに0コストでテンションスキルが使用可能。
テンションスキルの内容は戦士ならリーダー攻撃、占い師ならドロー&コストダウンと、職業ごとに固有。
これらのテンションスキルは【フォズ大神官】【ニマ大師】などの一部カードの効果で変更できる他、テンションを全て消費する特技「必殺技」(ex.【メドローア】)、テンションスキルの使用回数に比例して強化される「スキルブースト」(ex.【魔女グレイツェル】)、テンションがMAXの時のみ追加発動する効果「れんけい」(ex.【マヤ】)など、多くの関連効果がある。
ちなみに後攻になると、テンションが2溜まった状態でのスタートになる。このため、後攻不利を是正する要素としても機能している。