【バーン】

Last-modified: 2024-04-14 (日) 03:26:47

 魔王軍:ダイの大冒険

【バーン】

【ハドラー】【キルバーン】【ピロロ】【マキシマム】

【クロコダイン】【ザボエラ】【ヒュンケル】【フレイザード】【ミストバーン】【バラン】

概要

漫画【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】のラスボス。DQ3の地名については【ノルドの洞窟】を参照。
【魔界】出身の魔族。なおオフィシャルファンブックでは「種族:不明」と書かれているので実際には魔族かどうかは不明。
大魔王バーンという呼称は新アニメ85話のサブタイトルでもある。
 
かつて世界を脅かした魔王【ハドラー】を超える「大魔王」であり、自らを魔界の神と名乗る。
英語表記はVearn。ネーミングの由来はburningで、地上を焼き尽くすというイメージから。
かなり序盤から名前は出ており、シルエットとして登場していた。姿を見せたのはようやく中盤あたりになってから。
旧アニメ版での声優は内海賢二。こちらでは原作で正体が判明するところまで行かず終了になった都合で最後までシルエットのままだった。
新アニメのCVは土師孝也。DQ11Sで【魔竜ネドラ】、DQライバルズシリーズでは魔王【バラモス】を演じており、彼はドラゴンクエストの魔王・大魔王両方を演じた声優ということになる。
 
出自等は一切不明だが、「(闘いの血が流れる)戦神の末裔」と自ら名乗った。魔界最強とされる実力者であり、【神】をも凌駕する圧倒的な力を持つ。
脆弱という理由だけで太陽の恵みを人間に与え、自分達魔族や竜族を暗い魔界に押しこめた神々を憎んでおり「力こそが正義」という信念を掲げて、太陽を独占する地上世界に現れた。
太陽の件についての真相は不明で、バーン以外の魔界の住人がどう考えているのかも不明だが、少なくともバーンと冥竜王【ヴェルザー】はそう考え、地上進出を狙った。
 
物語の開始以前から当時の勇者に討ち取られたハドラーを蘇生して魔王軍を結成し、軍事拠点【鬼岩城】【バーンパレス】を建造。地上の人間社会へ侵略の手を伸ばさんとしている。
 
しかし、真の目的は地上の支配などではなく地上自体を消滅させ、魔界に太陽の光を差し込ませることであり、ハドラーの蘇生や魔王軍結成なども本懐の片手間の余興に過ぎない。
魔界でのライバルだったヴェルザーは領土としての地上征服を狙っていて、標的や敵こそ共通するものの、最終目的の両立は不可能であったため「互いに邪魔はせず、先に目的を達成した方に従う」という協定を結んでいた。
 
バーン自身が「太陽を手に入れる」と述べたように、魔界の住人からすれば不毛の大地に太陽をもたらす救世主と見られてもおかしくなく、彼の行動は「自分の故郷のための戦い」と言えるかもしれないが、この真の目的は腹心中の腹心といえるミストバーンやキルバーンなどごく一部の側近にしか伝えられていない。
同じ魔族のハドラーにすら目的は地上を手に入れることだと偽り、征服のあかつきには領地として地上を与えようと騙していた。地上征服を目的としていた彼に真の目的を話せば反発すると思っていたのだろうか。 
 
魔界の神を自称し王として君臨せんとするだけに、威厳や余裕にも拘りを持つ人物で、衣装や宮殿、日常の品にも荘厳な造りを好む。
キャラクターとしても、【…今のはメラゾーマでは無い…メラだ…】や、【……知らなかったのか…?大魔王からは逃げられない…!!!】など数々の名言を残し、感情的失態をあまり見せないなど、ドラクエのカリスマ敵役として【大魔王ゾーマ】らと並び名前の挙がる悪の大物。
 
一方で、その威厳や寛大さや余裕は、圧倒的な実力からほぼ全ての他者を下に見ている傲慢さからくるものでもある。
組織の不和を制御しなかったり、敵対者を侮って軍事的に手ぬるい選択を採ったのが巡り巡って来るなど、結果論を抜きにしても、英雄譚の悪役らしい致命的なミスもいくつか犯している。

老バーン

当初は薄布を隔てたシルエットのみの登場で、その姿は頭部に多数の突起を持つ、かなりの釣り目をした悪魔のような姿が描かれていた。その後、ハドラーの前に正体を現す形でその容姿が判明する。
頭部の左右から大きな角を生やし、白いマントを羽織った白衣を身にまとう魔族の老人。角以外は人間とあまり変わらない。
結果的に老バーンはそれほど極端な釣り目ではなかったものの、よく見ると額の飾り部分には釣り目の悪魔のようにも見える模様が描かれており、シルエットで目のように見えていたのはその模様だった可能性がある。
本人曰く「魔力と叡智のみを残した」姿。新アニメではマントの色が違う。
連載終了後も圧倒的な知名度を誇る名言はほとんどがこの姿でのもの。
圧倒的な魔力を持ち、人間その他の存在には必要な"タメ"を行わずとも呪文を放てるため、一呼吸で二回の行動が可能になっている。ゲームで言う1ターン2回行動の表現であり、純粋な呪文の威力も人間とは比較にならないほど強力。
 
外見の通り肉体的には老いていて、全盛期に比べれば身体能力や頑強さは低下しているものの、ヒュンケルの【ブラッディースクライド】指でたやすく止める、双竜紋の力に目覚めたダイとも対等に斬り結ぶ等、老いてなお地上最強クラスの領域にある。
さらに、多大な魔力と【ロン・ベルク】から献上された「リミッター解除版【理力の杖】」とでも言うべき【光魔の杖】が組み合わさることで、オリハルコン製の剣をへし折ったり、魔力炉を消し飛ばした【ドルオーラ】の直撃を耐えるなど、正面切っての肉弾戦で引けを取るようなことはまずない。
 
常に威厳と風格を保ち、敵味方に関わらず実力者にはひとかどの敬意を払うなど余裕を漂わせている。
その一方で老獪さと慎重さも併せ持ち、「自分の知らないタイプの強さ」「最も厄介」とアバンに警戒感を見せたり、力では自身に劣ると評価している【バラン】も「どのような戦い方をしてくるか分からない」と、脅威になる前にその境遇を利用して配下に加え、戦力として利用している。
 
また、失敗も三度までは許すと公言している通り、部下の失態にも基本的には寛大で、優秀な部下を些細な失敗で処刑して組織を弱体化させるという悪の親玉のテンプレ的な行動を取っていない。

  • 落ち度の続いたハドラーを処罰で脅したことはあったが、追い込めば一化けするかもしれないという期待も込めてのことで、後に超魔生物となったハドラーが不敬な態度を見せても「覇気がある所が見られて安心」と不問にしている。現実に処刑しようとしたのは明確に反旗を翻されたときだけで、その後も最終決戦に乗り込み【ダイ】との決闘を望むハドラーには水を差さず、決着を遂げさせた。
  • ミストバーンが【鬼岩城】を撃破されてしまったが、その後もミストバーンが処罰された様子はない。キルバーンは「謝れば許してくれる」とミストバーンをなだめてさえいる。
  • 【ロン・ベルク】が自身の顔に泥を塗る形で自身の部下になる誘いを蹴った際も、特に咎めていない。
  • バーンパレスの魔力炉が暴走した際も、ダイにこれ以上経験を積ませないという目的を優先して管理者の【ゴロア】による反撃を制止している上、魔力炉を失ってもなんら咎めないと伝えている。

ちなみに「三度まで許す」と直に発言したのはバラン編後にハドラーを脅したとき。
指を三本立てて、三つの失態「有能な軍団長2人の敗北と裏切り」「【バルジ島】の総力戦で敗北」「ダイの正体を隠蔽した結果バランが離脱」を指折り数え上げていき、いよいよ三本目が折られて震え上がるハドラーに「だが、アバンを討ち取った功績を忘れておらぬ」と一本指を立てなおしチャンスを与えた上で「次に顔を見せたとき、ダイ達を全滅させていなければ余はこの指を折る」という恐怖の演出で最後通告を突きつけていた。
指の折り方とハドラーのこの世の終わりのような反応を見ると「許すのは二度目までで三度目で処罰する」ように見えてしまうが…。
この通告に焦ったハドラーはプライドを捨てて夜襲をかけてなお勇者パーティー全滅に失敗し、今のままでは絶対に勝てないと覚悟を決めて【超魔生物】への自己強化という答えを出した。
超魔への改造後にダイと戦い、大ダメージを与えて消息不明にさせた状態で再びの謁見に望むことになった訳だが、倒した確信は無く粛清もやむ無しと潔い心意気で臨んだハドラーに対し、バーンはかつて地上を席巻した魔王の覇気を取り戻したと評価して「これまで隠していた素顔を見せ、ハドラーの望みに合わせた新たな地位を与え、手駒を生む禁呪法の材料にオリハルコンを下賜する」という褒美を与えた。先の処罰のカウントダウンもすべて撤回する、と自ら手のひら返しを認める発言もしている。
もっとも、失態に数えられた「ヒュンケルの裏切り」は攻撃をかけるつもりでいたハドラーの頭越しでヒュンケルから直訴を受けたバーンが直々に単独行動を認めたのが大きな原因であり、口出しできる立場になかったハドラーに責があるとは言えない。
「総力戦の失敗」についても総力戦の中でハドラーを破って作戦失敗に大きな影響を与えたのはそのヒュンケルであり、これらのトラブルはむしろバーンが陣頭指揮に介入し過ぎた結果と言える。
バランの離脱は保身目当てで情報を隠したハドラーが明らかな原因で、故意性が高く不忠や不敬という意味を含めれば単なる作戦ミスなどよりも責任は重い。
そうでなくとも、竜の騎士であるバランは本来バーンにとって最大級の障害となり得る人物、奇跡的に懐柔できたバランを手放す結果となったのは手痛い損失でこの一件だけで厳罰を持ち出すに十分すぎるほどでありキルバーンからは今消してもよくないかとの提案も出ているが、もともと侵略作戦自体が余興に過ぎないこともあり「保身を捨ててもう一度手下として奮起できるか試す大魔王流のお遊び」という面もあったのだろう。
 
実際に「万が一のため」と言いつつハドラーの体内へ密かに【黒の核晶】を埋め込んでおいて、竜魔人バランという手に負えない敵とぶつかった際には躊躇いなく起爆して相討ちの道具にしようとするなど、魔王らしい非情な面も持ち合わせる。
バーンの目的は前述の通り「地上の支配」ではなく「地上の消滅」であり、それを一手に終わらせる手段を最初から準備しつつ、実行に直接関係のない【大魔王六軍団】結成と侵攻作戦から手をつけたのも、半ば余興のようなものだった。
道中の余興が上手く行かずとも本題に差し障りがない以上、いちいち目くじらを立てることもないのだろう。
 
強者への敬意についても、偽りではないが「格下の存在が、面白みを感じる程度には強い」という、自分の絶対的優位を前提とした余裕の表れでしかない。
ダイ達との初戦でも、マァムの【閃華裂光拳】で破壊された腕の再生を敢えて遅らせ、ポップとマァムに『自分が片手を失っている今が絶好の好機』と挑発、突撃したところで瞬時に腕を再生して戯れのように騙し討ちを仕掛けているが、間一髪ポップに救われたマァムに『そんな生殺しみたいな真似をして面白いのっ!?』と非難されても、

…面白いね おまえたち人間は面白くはないのか?鍛えあげて身につけた強大な力で弱者をあしらう時…気持ちよくはないのか?優越感を感じないのか?

"力"ほど純粋で単純(シンプル)で美しい法律は無い 生物はすべからく弱肉強食 魔族も竜も皆そうだ 人間だけが気取った理由をつけてそこに目を背けておる ……力こそがすべてを司る真理だ!

と悪びれもせず言ってのけ、強者の側から語る「力こそ正義」を見せつけた。
この台詞は、レベルアップを重ねて強くなり、過去に手強かったモンスターも楽に倒せるようになったRPGプレイヤーの達成感と重なるものでもある。ゲームシステムを交えたという点では「大魔王からは逃げられない……!!!」と同じメタフィクション的な台詞でもある。
このときには、神々によって魔族と竜族が不毛の魔界に押し込められ脆弱な人間だけが太陽の恵みの下に生きている今の世界こそ、神の「力」によって作られたものだろうとも指摘している。そんな地上の人間界を守ろうとするのが正義なら、自分が同じ「力」で世界を覆そうとすることもまた正義だという持論を述べて、ポップ達を黙らせてみせた。
これが本心であるなら、力こそ正義というバーンの価値観は神々が作った世界の形そのものが生み出したとも言えるだろう。
 
後のダイとの再戦では大きく実力を上げたダイに圧されるのだが、あまりに露骨に善戦できている状況に違和感を抱く彼に対し

…これが本当にあいつかと思ってしまい、にわかには自分の成長度がつかめんだろう?だが…すぐだ すぐにいい気分になってくる… 己の強さに酔う…!どんな美酒を飲んでも味わえない極上の気分だぞ…

と薄ら笑んで力を得ることへの悦楽を語っている。また、ダイの実力を認めてなお「配下に加われ」と言い出すなど、基本的に他者は力に劣った存在という前提で「自分に従うか、敵対するか、無価値な虫ケラか」ぐらいの尺度でしか見ておらず、対等の立場で他者と接することがない。
 
実力だけでなく、種族観においても人間を一方的に弱者と蔑んでいる。
人が持つ醜い一面を「苦しい時は泣いて縋り、平和になるや否や掌を返し不平不満ばかりを漏らす最低な連中」と切り捨て、他者の思考や情にひどく疎いような面を見せることもある。
最終決戦を前にしてダイを自分の配下に勧誘した際には、かつて彼の目の前で実父バランの死体を悠々と焼き払ったにも拘わらず「今でもバランには敬意を払っている」などと宣ったし、捨て駒にできるよう黒の核晶を仕込んでおきながら「ハドラーに対する敬意は忘れていない」と言ったりと、勧誘している最中にも拘わらず相手の感情を逆撫でし信用を損なうようなことも平然と口にした。
バーンの側から見れば「ただの戦略」だったのかもしれないが、ダイはバーンがハドラーの体内に黒の核晶を仕込んで捨て駒にしたこと、そのせいで余命幾ばくもない状態になったことを知っているし、バランの亡骸を焼き払った際に激昂して飛び掛かって来たのだから、父親の遺体を傷つけた行為が怒らせたのだと判りそうなものであるにも関わらず、である。
 
「力こそ正義」の権化であるバーンは、力以外の言動で他人に与える印象の良し悪しなどには頓着していないし、自分の圧倒的な力を示せば相手が折れるのは当然で、力を見せつけられてなお心情や他の信念を優先するような考え方など理解不能なのかもしれない。
ダイが勧誘を断ったときにも「所詮は子ども、勇者の幻想にしがみ付いていたいか」などと的外れな推測をしていた。
どうやら「その時点での相手の(種族の)実力」にしか興味が無いようで、人間の可能性を軽視しているという点はキルバーンやヴェルザーからも指摘されたことがある。
人間と精神構造が違う種族である以上、弱い面や悪い面を理解できているだけでもかなり凄いことではあるのだが、こうした価値観の相違はやはり一種の油断や慢心と言え、彼の隙の一つとなった。
 
また、バーンには「自己犠牲」や「自分より強い相手に挑むため作戦を立てる」という概念が欠落していることも見てとれる。
バーンも利他的な行動を示すことは多々あるが、それは戯れか、自身や魔王軍へ貢献したことへの褒美としてであり、恵まれた力とそれによって手に入る無数の財物の中から「手放してもさして痛くないもの」を下げ渡してやったに過ぎない。ゆえにそうした余裕を持たない者が命などの重要な物を他者に託したり、不利を承知で無謀な行動に出ることは理解できないようである。
また、バーンは力こそ正義であると信じ、実際にあらゆる敵を圧倒的な力でねじ伏せてきたため、おそらく戦いにおいて「自分より強い相手」を「力以外の手法」で翻弄し撃破した経験を持たない。
それらを特に表していたのがポップに対する対応で、バーンはバラン、アバン、ダイといった、自分が要注意人物と定めた相手には警戒を怠ることのなかった一方で、なんの経歴も能力もない「ただの人間」であるポップに対しては「魔法使いとしての実力は見たが、自分には到底及ばないし、ダイやバラン、アバンのような脅威になり得ることもない雑魚」と言う段階で評価を打ち切り、彼の行動を分析して「簡単な計算もできんのか?」と指摘した上でなお自分の必殺技に立ち向かおうとする行為を侮り続けた。
しかし、パワーに劣るのを自覚しているポップは、能力に恵まれていたバーンが経験したことのない創意工夫と企てで数々の激戦を乗り越えてきており、バーンの考える「力」とは全く異なる強さを持っていた。
ポップは自分を一撃で消滅させうる呪文を習得しており、反射という対策こそあれど決定打を持っているし、腹心であるキルバーンが早くからマークし「甘く見てはいけない」「ダイ以上に厄介」と何度も直に忠告され、自ら「もっとも厄介な男」と認めていたアバンが「私以上の切れ者」と評するなど、バーンもポップの危険性に気づく余地はいくらでもあった。
なにより「強さの源が全く理解できない相手」は本来バーンがこれまでもっとも警戒してきたはずの「未知の敵」そのものである。
ポップのことを「分かっている"つもり"」で軽んじ続けたことは、真バーン形態時の最強の奥義である【天地魔闘の構え】を「捨て身の特攻」に隠された計略に破られ腕を切り落とされ、そして鬼眼王形態時の最期の瞬間に至るまで、自身に対して災いを呼ぶこととなる。
 
こうした思考は同じ魔族が相手でも変わらず、地上を消し飛ばす計画を練りながらハドラーにはそれを明かさず、侵略成功の暁には地上を領地にさせてやるという報酬を示していた。
地上消滅はバーンが数千年前から燃やし続けていた野望であり、地上侵略が成功したら魔界の住人の地上移住に切り替えるといった計画を持っていたわけでもないので、この報酬は端から偽りである。
地上で奮起していた魔王として目をかけていたことや、蘇生して力を与えたのは事実ではあるが、魔軍司令の座を与えたこと自体が魔王軍結成という余興の柱にするためであり、報酬についての嘘が露見した場合も含め、ハドラーのプライドや欲求、心情など眼中にない言動をしている。
ハドラーはバーンの強大な力に服従する形で忠実に働き続けたが、最終的に黒の核晶で捨て駒にした結果、力に従う以外の信念に目覚めていたハドラーに離反されたのは前述の通り。
一度は配下になったロン・ベルクに対しても、彼の武器に対する思い入れを知っていながら、それを蔑ろにするような発言や待遇を行った結果、失望した彼は魔王軍を去った。
その後、最高クラスの刀匠にして魔界指折りの剣士であるロンはダイたちに味方し、自らに刃を向ける結果となった。
彼の考えを汲んで手元に残す、あるいは去る決意をした時点で離反者として処刑でもしておけば、ダイが最高の専用武器を手に入れられなかった可能性が高いことを考えれば、その代償は余りにも大きかったといえる。
バーンの態度に不快感を露にして去ろうとするロンに、不満とは全くズレた報酬や地位を与えることで考えを改めるよう促していたり、「魔族の人生は長いから気が変わるかもしれん」と、一見寛大に見えるが、要は相手の判断が間違っているのだという発言もしていて、やはり相手の価値観などを汲み取ることはなく、力に勝る自分に従うことが当たり前という考えを見せている。
他にも、光魔の杖に命を救われたことを認識しておきながら、全盛期の肉体に戻るや否や用済みと言わんばかりに踏み砕いたり、彼の恩義に報いようと何千年にも渡って自らの片腕として常に忠実に働き続けてきたミストバーンの死に関してすら惜しむ素振りさえ見せなかったりと、謝意の感覚も欠落している所がある。
あらゆる意味で強すぎる力を持ち、謝意や誠意など表さなくても実力だけでついてくる相手が山ほどいるがゆえの驕りの表れとも言えようか。
この「強過ぎるがゆえの盲点」は、後の形態においても端々に現れている。一度はダイに倒されたとき、まだバーンが生きていることに気づかなかったダイは「強過ぎるのもそんなにいいことじゃない」と語り、この盲点はバーンにとって大きな仇をなすこととなった。
 
バーンは肉体を「叡智と魔力」「若さと力」の2つに分けていて、この項の最初にある通り老バーンは叡智と魔力の方の肉体である。
若さと力の肉体は保存を目的に封印しているため、普段は老バーンこそが意思や魂を持つ「本体」であり、致命傷を受けたり撃破されたりすればバーン自身の滅びに直結する。
万が一「叡智と魔力」の肉体では勝てない相手と対峙した場合は、【ミスト】に預けていた「若さと力」を残した肉体と融合して、全盛期のパワーを取り戻す「真・大魔王バーン」へと変貌する。
 
なお、この「肉体を分ける」方法については、魂や肉体に関与する何らかの魔法なのか、【分裂】のような特殊能力の類いなのか劇中でまったく触れられず、詳細は不明。下手をすると時間を止めて若い肉体を封印するより凄い術のような気もするが…。

真・大魔王バーン

【凍れる時間の秘法】で封印していた「若さと力」の体を取り戻した本来の姿。
ミストの預かっていた肉体の声が難波圭一なので、旧アニメで登場していたらポップとのダブルロールだっただろう。新アニメでは子安武人が演じる。
 
外見はミストに預けていたときと同じく、端正な顔立ちに銀(灰色)の長髪をたなびかせる壮年の男性魔族。
ミストに預けていた際の肉体には無かった額の鬼眼と側頭部の角が復活し、代わりにミストの憑依を現す額の黒い飾りがなくなっている。衣装もローブ調から、両腕を大きく露出した格闘家風の動きやすいものとなった。
額の鬼眼には魔力が集約されており、ここから放つ光線は力量の足りない、あるいは消耗した者を【瞳】と称する小さな玉に封じ、戦いの場から排除してしまう。
 
武器は使用しないが、若返った肉体そのものが伝説の武器に匹敵し得る圧倒的パワーと強度を誇る。
掌が燃えるほどの速度によってあらゆる物理攻撃や呪文をはじき返す【フェニックスウィング】、伝説の武器並みの威力の手刀【カラミティエンド】を使えるようになり、段違いの火力を発するメラゾーマ【カイザーフェニックス】を扱う魔力と知力も健在。
この三つの防御・攻撃・魔法を同時に使用する絶対のカウンター技【天地魔闘の構え】はダイ一行を圧倒し、1回2動作で魔法を連射できた老バーンから、1回3動作が可能な真バーンという、非常にわかりやすい形での「強化」を読者に印象付けた。
 
肉体とともに精神面も変化していて、老バーンと比べると威厳よりも自信が全面に出ており、かつ饒舌になっている。
慢心して相手を見下したり嘲笑を表に出す言動も増え、ポップに対する軽んじた扱いは、この形態でのものが多い。直前には奥義の隙を突いたメドローアで命の危機を感じたはずなのだが…。
老バーン形態は「魔力と叡智」のみを残したと称していたが、真バーン形態では若い肉体に伴って圧倒的な力が戻ったぶん、「力こそ正義」の傲慢さはさらに強まり、齢を重ねての落ち着きや、肉体の衰えを前提にした用心深さなどは消えているのかもしれない。
あるいは以前から危険だとマークしていたアバンが早々に瞳に封じられたことによって自身の力への絶対的な慢心がもたげてしまったのかもしれない。
 
それでも戦略と奮闘の末に自身の奥義を撃ち破って左腕を切り落とし、再生まで阻止したダイとポップの絶望の涙に対し「泣くな、お前達は本当によく戦った…」と健闘を讃え、ロン・ベルクに対しても最後通告も兼ねつつ「もう一回部下になれば助けてやる」と持ちかけるなど、寛大な所もしっかり残っている。
 
また、この形態になれば他の生物と同じように「その身に与えられた寿命を消耗する」ことになる。
次に凍れる時間の秘法を使える500年後の皆既日食まで、この肉体で歳をとらなければならないのだ。
いつ頃から肉体の保管を始めたのかやバーン本来の寿命がどの程度なのかは明らかになっていないが、500年は普通の魔族にとっても半生に相当するほどの長さであるため、一般的な魔族よりかなり長寿なのは明らかである。
それでも全盛期の肉体でいられる時間が減って500年分寿命を削られることが確定するので、肉体を保存して永遠に近い生命を得るという理想が邪魔されることを重く見ているようだ。
 
魔力と全盛期の肉体が結び付いた力はまさに圧倒的だったが、『最後の手段』で竜魔人となったダイには逆に押され、「力こそ正義というなら、より強い力でブチのめされれば、お前は満足なのか!」と、自らの謳った理念を力によって投げ返されてしまう。
バーンが心底から「力こそ正義」と信じ、その力において敗北したのなら、たとえ相手がどんなに忌むべき怨敵であろうと、相容れない考えの持ち主であろうと、自分の正義を取り下げ服従しなくてはならないのだ。
さもなくば、自分が相手より力で優っているのをよいことに「自分こそ正義」を都合よく美化していただけということになってしまう。
これまで力で勝る者と対峙する機会そのものが極端に少なく、なまじ強すぎる力を持つがゆえのバーンの盲点が、竜魔人ダイという強者の存在によって暴かれたとも言えよう。
 
満身創痍にまで追い込まれたバーンは相手の力量を測り、冷静に考えていた。
仮に両方の腕が無事で、万全の天地魔闘の構えができる状態であっても、恐らく勝てないだろう、と。
「力こそ正義」を掲げたバーンにとって、敗北は命や正義、果ては全てを失うことを意味する。だが、それでもダイに対して「力こそ正義」の信念を撤回することは無かった。
その信念に従ってバーンの出した答えは、強い者としての驕りを捨て、勝つために全てを捨ててなお力でダイを上回ること。
人であることを捨てたダイに勝つために、例えるなら魔王を捨てるとでも言うべき大きな決断を下し、下記の形態へと変貌する。

鬼眼王

竜魔人と化したダイに追い詰められたバーンが、自らの魔力の源である鬼眼の力を解放し、肉体に上乗せして魔獣化した最強の姿。
荒々しい岩山のような頭部と肩装甲をもち、胸に巨大な鬼眼が開く巨人で、額部分には元のバーンの上半身が埋まっている。
バーン自身も最強の姿だと自認しているが、他者に干渉する場合と違って魔力の源である自身の肉体を変質させるため、二度と元の姿には戻れない最後の手段でもあった。
 
元の姿に戻れないのに加え、バーンはもともと老人形態、真バーン形態からして圧倒的な強さであるため、そもそもこの変身が必要なほど追い詰められることはなかったし、今後もそんな強敵など現れるはずもないと考えていた。
試すこともできなければ、なることを迫られる事態が訪れることもないであろう鬼眼王となった自身の最強の姿をせめて想像の中の形だけでも実現しようと作らせたのが、岩の魔神のごとき外見を持つ城、【鬼岩城】であった。本人曰く恐らくこういう姿になるであろうことは分かっていたとのこと。
 
ダイの強さの本質が「勝利のために全てを捨てている」ことだと悟ったバーンは、自分も全てを捨てねば勝てないと覚悟を決め、戦いの最中にこの姿を開放する。
強大な呪文を操り体術の奥義をも極めた魔王の肉体を捨てて二度と戻れない破壊魔獣の姿と化すのを選ぶのは、バーンにとって追い詰められたことを認める屈辱ではあったが、なにより「敗北よりは良い!」と鬼眼の解放を決意、竜魔人ダイとの最後の戦いに臨んだ。
 
強力無比な呪文や体術を駆使したこれまでとは異なり、この形態に技らしい技は無い。攻撃は原始的な殴る蹴るの打撃が中心となるが、巨体の質量を高速で振り回す威力は単純にして圧倒的で、鬼眼から魔力の波動、【鬼眼砲】を出すことも可能。
新アニメ版の99話では鬼眼王バーンが両肩から相手を追尾する大量のビームを発射する技も披露している。
ドルオーラの直撃に耐えてダイを殴り返したり、弱点のはずの胸の鬼眼も硬質の瞼で覆い、【竜の騎士】に代々受け継がれてきたオリハルコン武器【真魔剛竜剣】を押し合いの末にへし折るなど、守備力も折り紙つき。
 
その力は間違いなく作中最強なのだが、登場期間が短く「今のはメラゾーマではない」や「天地魔闘の構え」のような印象的な描写も象徴となる技も無いせいか、インパクトや絶望感はこれまでのバーン戦より小さいという感想もあったようだ。
実力と威厳や印象が一致しなかった例ではあるが、純粋にダイに勝つことだけを考え、叡智や魔法、編み出した技も威厳も姿も全て捨てたという意味では、バーンの覚悟と執念ゆえのシンプルさであり、常に他者を見下ろす存在だったバーンが、初めて他者と同じ目線でぶつかり合うことを選んだ姿だとも言える。
戦いの一部始終を見守っていたヴェルザーも、かつての競争相手バーンに最終手段を選ばせた竜魔人ダイの力に「それほどの相手か…」と驚嘆しており、鬼眼開放がそれだけ重大な決断であることを裏付けている。
 
実際にその絶大な力でダイを追い詰めるが、頭部に埋まるバーン本体の胸に刺さったままだった【ダイの剣】をそのまま斬り下ろされ、魔力の源である鬼眼ごと、かつての鬼岩城よろしく真っ二つに切り裂かれ遂に敗北。
鬼眼王の体は崩れ去って本体の上半身のみが石化して残り、自らが渇望した太陽を背にして宇宙空間へと吸い込まれていった…
 
DQシリーズに登場する「形態変化を行うラスボス」はほとんどの場合最終形態が異形の巨体という共通点があり、バーンもそれを踏襲した形になっている。

魔力

格闘でも高い能力を発揮しつつ、作中最強の魔力の持ち主でもある。
小指の先ほどしかない【メラ】の火の粉を放ってポップの【メラゾーマ】を何発も突き破り、【…今のはメラゾーマでは無い…メラだ…】と言い放つワンシーンを筆頭に、それを印象づける描写は数多い。
特に力を溜めるでもなく撃った【メラゾーマ】ですら、そのケタ違いの火勢から【カイザーフェニックス】と呼ばれる必殺技扱い。
あえて中級呪文の【イオラ】にレベルを落とせば凄まじい連射が可能で、動画で表現された新アニメでは大量の火球を次々と発生させ、マシンガンのように撃ち続けてみせた。しかも、この状態でさえ上位呪文の【イオナズン】級とまで言われる爆発力を発揮している。
魔法反射の【マホカンタ】を使いこなし、完全回復の【ベホマ】は全身の大火傷を瞬く間に治癒している。
作中で使ったのはこの5種類とシンプルだが、特に攻撃呪文は他者の同じ呪文を大きく上回る効果を見せた。
 
また、通常形態で所持している【光魔の杖】は「無制限に魔力を吸い、吸っただけ攻撃力が上がる」という機能を持つが、バーンの莫大な魔力を吸わせた際にはオリハルコン製の武器を叩き折り、地形を変えるほどの威力を持つドルオーラに拮抗する防壁を発するなど、魔力の高さに物を言わせて段違いの性能を発揮させている。
 
戦闘以外でも【ゴーレム】型の城【鬼岩城】や浮遊城【バーンパレス】への魔力伝達、【黒の核晶】の操作など、魔力そのものを外部に放出、供給する能力も持っていて、これは頭部にある角がアンテナの役割を果たしているという。

魔力は額にある第三の目「鬼眼」に集約されていて、生物に直接干渉することもできる。
鬼眼から放つ光線は、レベルが低かったり消耗している者を【瞳】と呼ばれる宝玉状の物体に封印してしまう。大魔王と対峙するに相応しくない弱者を戦うまでもなく排除する能力であり、物量作戦で疲弊させるといった手段を無意味なものにする。
パーティー編成人数が数人レベルに限られ、大部隊を率いることができないゲーム本編に倣った能力とも言えるだろう。
 
また、【進化の秘法】のような効力も発揮していて、太鼓型のモンスターゴロアを大柄な鬼のような姿に変化させていた。
最終決戦で巨大な魔獣と化した鬼眼王バーン形態も、鬼眼の魔力を開放したことによる肉体強化である。

勇者アバンと獄炎の魔王

16話で声のみ登場。本編の15年前であるこの当時から【死の大地】に潜んでおり、ハドラーのことを気にかけて見守っていたという。
 
ハドラーが【サババ】でアバンと戦い、アバンストラッシュの直撃で死の大地まで吹き飛ばされてきた機会に初めて声をかけ、ストラッシュで切断されかかった両腕を完治させている。
そのうえでハドラーの不安を見透かして見せると、鬼岩城の頭部を模した像を授けて彼を影響下に置く。
 
この時点ですでに目をつけていたなら、アバンの【無刀陣】を併用した【アバンストラッシュ】の一撃を受け倒された直後に【黒の核晶】を埋め込んで蘇生できたのも納得である。
 
24話ではアバンの【ウロド荒野】での決戦を観戦していたことが明かされており、この観戦がアバンを「戦闘力はさておきおまえの頭脳だけは油断がならん」「何をしでかすかわからない地上一の切れ者」と警戒する理由となっている。

余談

魔界の王である彼は趣味として酒とチェスを嗜み、所持していた【オリハルコン】製のチェスの駒から【ハドラー親衛騎団】が生み出されることになる。
この駒をハドラーに譲り渡す際「どうせ指す相手もいなくなって久しい」と発言していることから、彼には魔界に碁敵ならぬ “チェス敵” がいたのかもしれない。
あるいはこのチェスセットの正体と本来の役割から、指す相手=自分の城への侵入者のことで長らく出番がなかった、という意味か。
 
自身の強大な力の象徴として不死鳥フェニックスを好んでおり、技名に「フェニックス」とつけたり、技の形やバーンパレスの設計に翼を広げた不死鳥の姿を取り入れたりしている。狙ってのことではないだろうが、ダイが放ったアバンストラッシュで黒焦げになった際には、灰から蘇る不死鳥のごとく【ベホマ】で全快復活してみせた。作中ではヒュンケルがこれらの要素から、ミストバーンの正体について確信を得る場面もある。
 
人間と同じ肌色(コミックスの背表紙ではやや色黒の肌に銀髪の姿に描かれている)と血の色をしており、心臓を三つと鬼眼、それに自らの魔力の発信塔となる2つの角を持つという、寒色系の肌、蒼い血が一般的な魔族にしては珍しい体質をしている。心臓が三つというのは心臓が二つだった魔王ハドラーよりも格上であることや、魔王には何度も致命打を与えないと倒せないというドラクエの仕様の体現にもなっている。
角は自らの居城であるバーンパレスを浮遊、維持させるのに重要な役割を果たすが、片方でも折られるとその機能を失ってしまう。また傷付いたダイの仲間たちを『瞳』に封じる能力も解除された。
この立派な角は彼のトレードマークにもなっており、その存在は物語序盤からカーテンに透けて見えるシルエットからもうかがえる。
大きな二本角の意匠は鬼岩城の顔、玉座の間の壁飾り、【暴魔のメダル】に描かれた絵などにも使われている
 
序盤は顔を隠し声だけで命令を下すという「悪の組織のボス」「高貴な存在」によくある演出をしており、超魔生物となってパワーアップを遂げたハドラーに対する評価の証として拝謁を許す、という流れで素顔が明らかになった。その際「キルバーンとミストバーンにしか見せたことのない素顔」とも言っていた…のだが、ロン・ベルクの90年前の回想ではロンどころか給仕役の女性魔族達にも普通に見せていたりする(地上に出てから結成した魔王軍では、という意味かもしれないが)。
また、ハドラーに見せた際に同時に天井に居合わせた【あくまのめだま】やそれを介して見ていた【ザボエラ】にも素顔を公開しているが、特に気にした様子はなかった。ふらりと眼前に現れた正体不明のキルバーンにも何一つ追求していない。明確な描写はないが、パレス内のごく身近で活動する【マキシマム】やゴロアにも見せているはずで、ストーリーの延長・変更による事情とはいえ、魔軍司令どのの扱いが妙に軽く見えてしまう。
とは言え、最古参の部下やライバルが送りつけてきた賓客扱いの暗殺者といった特殊な連中や宮殿で普段から身の回りにいる下僕と、比較的最近スカウトしてきた新参幹部のハドラーでは「素顔を見せる」ことの意味合いや価値も変わってくる。バーン本人からすれば「外様から身内に格上げしてやる」ような意味があったのだろう。
 
威厳溢れる魔族の王に相応しく、一人称は「余」。真・大魔王バーンでは一度だけ「私」と称したこともあるが、同じく魔王たらんとしたハドラーが「オレ」だったのと並べると、両者の支配者や戦士としての性格の違いが見て取れる。ちなみにミストバーンやバランは「私」、キルバーンは「ボク」と、魔王軍幹部は一人称にも個性が出ている。
 
原作者の三条陸がダイ大を手がける前にシナリオを執筆したRPG「邪聖剣ネクロマンサー」に「バーンの杖」という重要アイテムが登場しているが、続編の2(nightmare reborn)で「海神の力が宿る杖」となっており、単なる同名でダイ大との関係はないとされている。
なお初代ネクロマンサーのわずか19日後に発売されたDQ3には【バーンのぬけみち】が登場しているが、関係があるかは不明。ただDQ3をプレー済みの読者であればゲームで見覚えのある固有名詞ではあったと思われる。ちなみに同時期に展開された【ドラゴンクエスト~勇者アベル伝説~】でも、同じくDQ3の地名である【バハラタ】人名に使われている。
 
鬼眼王のデザインは戸橋ことみに発注されており、何点か案を送った後に三条陸から「もう少し特撮の怪獣的なニュアンスが欲しい」というコメントとラフ画をもらったという。

ゲーム作品への出演

外伝の漫画作品のキャラクターということもあってか長らくゲーム本編には参戦しなかったが、2016年10月頃からDQのゲーム作品とダイ大コラボにより、
後述のDQMJ3Pの他、星のドラゴンクエストやスーパーライト、モンパレのダイ大コラボイベントにモンスターとして登場。
老バーンはすべての作品で登場しているが、その後の形態である真・大魔王バーンは星ドラとスーパーライトに、
鬼眼王バーンはDQMJ3Pと星ドラと分担して登場。彼が使用する装備品や特技も一緒に登場している。
 
その他、天地魔闘の構えが【天地のかまえ】としてDQ9で輸入されている。

ジョーカー3プロ

コラボイベントにおいて、老人の姿の「大魔王バーン」と最終形態である「鬼眼王バーン」が参戦した。
ここでは「大魔王バーン」についてのみ解説している。「鬼眼王バーン」についてはこちらを参照。
 
イベントバトルに勝利すると【アロマ2号】から報酬としてもらえる【コラボバトルチケット】を使用すると3回目の対戦相手として登場。
初登場時のセリフでは、「ここでは自分の方が来訪者なのでそちらが負けても命までは取らない」と寛大さが垣間見えるものの、「全力でかかってこなければこの世界をいただく」とも言い、【ブレイクワールド】を奪う気満々だったりもする。
原作の行動目的から見るに、やはり魔界の魔物が太陽の光が差す中、平気で地上をウロウロしているのが気に入っているのだろうか。
2周目以降の前口上では「こうも何度も来るとは簡単に勝てる相手だと思っているのか」「お前は余の恐ろしさを知らぬ」と少々の憤り(?)を見せるが、勝利後には「余の世界であれば部下にしたいくらいだ」と改めてこちらの実力を評価してくれる。
部下のスカウトには余念がないようだ。
 
ここでの戦闘では【メラガイアー】【イオマータ】【アビスハンド】【神の裁き】【カラミティウォール】を使用してくる。
部下2人と異なり全ての状態異常が効かないので正攻法で攻めるしかない。一方、カラミティウォール以外は全て属性攻撃なので、属性耐性を埋めていれば部下2人よりあっさり突破しやすかったりする。
因みに【キルバーン】はハック耐性が軽減なのに対し、こちらは普通である。しかし、今作では表記上の耐性に関わらずボスにはハック系が効かない仕様になっているのであまり意味はない。
 
勝利すると【大魔王マデュラージャ】よろしく「自らの分身」が仲間に加わる。 
闘技場での戦闘ではあるが、命令は出せるので積極的に活用していきたい。
また、この次の日以降のコラボバトルは【キルバーン】にもどり、3日後には再び仲間にすることができる。
 
なお、コインでは交換することはできないので、仲間にするには3日に一度の彼とのイベントバトルに勝利し分身を貰う方法のみとなる。
これは鬼眼王形態やミストバーン、キルバーンにも言えることである。
 
???系のSSランクで固定特性は【ときどきインテ】。他は【メガボディ】【火ブレイク】【AI2回行動】
+25で【いてつくはどう(特性)】、+50で【聖賢】、+100で【秘めたるチカラ】、ギガボディ化で【つねにマホカンタ】、超ギガ化で【やみのはどう(特性)】が解放される。
メラブレイクを持ってるのは作中でメラ系の魔法を主に使っていたという点から、素でAI2回行動なのは上記の設定の再現からであろう。マホカンタは恐らくポップのメドローアを反射した点の再現か?
合体特技は【雷雲招来】、合体特性は【超いてつくはどう】
所持スキルは固有の【大魔王バーン(スキル)】
 
原作で【カイザーフェニックス】「メラゾーマクラスの威力のメラ」を放ったためかステータスはMPと賢さが最高値に設定されている。自力習得特性もときどきインテに聖賢に秘めたるチカラと、呪文アタッカー向けの特性が揃っている。
また、状態異常耐性にも優れており、ノーマルボディに縮めた場合でも【全ガード+】1つつけただけで異常耐性はすべて無効まで持って行けてしまう。
一方で属性攻撃耐性は弱点こそ無いが全部普通で軽減すらないとからっきし。炎耐性すらない。
 
なお、同じくMPと賢さが最高値に設定されており、同じく大魔王と名乗っている【ゾーマ】と比較すると守備力・素早さで劣る代わりにHP・攻撃力に優れる。
 
ライド攻撃や全体物理技および雷雲招来をする際は、光魔の杖を用いる。

モンパレ

期間限定の【たんけんスカウト】でスカウトできた。
重さは77で、固有特性に「大魔王」。固有特技にカイザーフェニックスを持ち、パレードスキルは味方全体のメラ&イオ系で与えるダメージが10%アップ。

星ドラ

ダイ大コラボイベントのラスボス。
老バーンと真バーンはストーリーイベントで、鬼眼王は最終決戦!鬼眼王バーンで登場した。

ドラけし!

イベント「さらば!!大魔王バーン」でようやく登場。
老人姿はバトケシ!の通常ボスとして登場し、物理攻撃が弱点。
ドラけしはバトケシ!の初回報酬で入手できる星4赤属性で、スキルは十字の範囲を呪文攻撃する「カイザーP(フェニックス)」。
バトケシ!にてダメージアップ中の特性を持つ。

真の姿はバトケシ!のレアボスとして登場。
ドラけしはレベル70を倒すことで入手できる星5赤属性で、スキルは正方形範囲を物理攻撃する「カラミティエンド」。
バトケシ!にて獲得ポイントアップ大を持ち、スキル発動時にボイスが流れるが、バトケシ!の仕様が仕様ゆえに聴ける者はごく僅かだろう。
その後インフィニティストラッシュ発売記念キャンペーンにて獲得できるダイの大冒険ISポイントと引換に交換できるようになった。

ストーリー上では後半の天魔の塔に老バーンと真バーンが登場。
最終的に原作通り鬼眼王になるのだが、そのときの会話シーンでは真・大魔王バーンのものを流用。
そして最後のボス面をクリアすると原作通りの流れで倒され、ダイを仲間達が受け止める所で物語は終わる。
原作の最終話のシーンは無いが、アニメ最終話のネタバレになってしまっている。

クロスブレイド

真2弾で【ギガレア】【シークレット】でカード化。魔力は2000の大台に達したが、攻撃範囲は水滴型で狭い。
前者の必殺技は【カイザーフェニックス】で、後者は【メラ】
超1弾では真・大魔王バーンがシークレットでカード化。
超4弾でも真がコレクション1でシークレット化したが、フォントが金色で後は全てモノトーンという今までに無いカラーリング。

漫画版

11話で初登場。【時空の武術大会】黒幕に会いに行く途中で【ユウキ】一行と出会い、配下が邪魔な家を壊したことで戦いを挑まれる。
攻撃ですらない呼吸や指一本でユウキと【ダイ】を吹き飛ばし、本作でも主人公達を圧倒。それでも二人が折れない理由が気になり、あえて【結界】を利用して二人を再生させた。
結局二人の勇者としての生き方を理解できず攻撃一発で退け、大会で優勝すれば本気で戦うと言い残し、去っていく。

23話では約束通りロムドラドに連れられ、ユウキ達の前に再び立ち塞がる。
竜魔人と化したダイ&バラン親子のドルオーラを耐えると、この世界での戦いは満足したので別世界で戦おうと言い残し、姿を消した。

インフィニティストラッシュ

鬼岩城編までがストーリーの範囲内なため、本編ではアドベンチャークエストでのみ登場。
だが【記憶の神殿】では老バーンの記憶を再現したものが最後のボスを務める。
 
まるで弾幕シューティングのような弾の嵐(イオラの嵐の再現か)+バーンの周囲を回転するレーザーを放つが、カイザーフェニックスはジャスト回避しやすい。
必殺技カラミティウォールは自身の前方のほぼ全てが範囲なため、真横より後ろに避難するかジャスト回避orガードしないとまず被弾してしまう。
HPも10万以上あり、ポップのメドローアLv.3を1回耐え抜くほどなのでここまでに全員の必殺技ゲージを満タンにして一気に押し切るのが得策か。
なおメドローアでとどめを刺すとトロフィーを入手できる。
 
勝利すると最後の【絆の記憶】「今のはメラゾーマではない…メラだ」を入手できるほか、絆の記憶を3つ買える交換所に行くことができ、地上に戻れる。

魂の絆

原作通りに【ボス級モンスター】として登場。

大魔王バーン 

光魔の杖を使用する老バーンの姿。言語切り替え時の英語表記は「Vearn, the Dark King」。弱点は雷(-50)と光(-20)。
 
原作再現ストーリー【竜の軌跡】でボスとして実装されるより先に、一周年イベント「勇者の神殿」で登場している。
原作のラスボスだけに同イベントの大トリを飾る相手となっており、ストーリー上では時空共鳴を起こして【ミラドシア】に来訪したバーン本人として登場。
なおクエスト名は「大魔王バーンの戯れ」でシナリオテキストでも本気でなかったことが示唆されており、高難度版が「強襲!! 大魔王バーン」。
 
ダイへのカウンターに使った暗黒闘気弾や、攻撃範囲の広い余のメラ、一秒ごとに攻撃範囲を入れ替える連続攻撃などを繰り出してくる。
カラミティウォールとカイザーフェニックスは、カウントダウン後に使用する大技となっている。

真・大魔王バーン 

全盛期の肉体と合体したバーンの姿。言語切り替え時の英語表記は「Vearn, the True Dark King」。弱点は無く、雷が等倍でそれ以外に耐性を持つ。
 
竜の軌跡27章では、アバンストラッシュXで左腕を切断された状態は再現されていない。
26章の該当部分や27章の鬼眼王になる決意をする件などで腕の切断に関する言及がないため、表現規制のため描写しなかったのではないかと考えられるが公式なコメントはなく不明。

鬼眼王バーン 

鬼眼王となったバーンの姿。言語切り替え時の英語表記は「Sovereigh Supreme Vearn」。
 
竜の軌跡27章10話において戦うのだが、原作の最終決戦だけに特殊演出の入る専用バトルクエストとなっている。
パーティ編成はダイ(竜魔人)一人だけに固定され、プレイヤーの分身の【絆の勇者】すらも参加不可。
スキル構成も、特技は【ドラゴニックラッシュ】?【竜闘連斬】?、奥義は【ドルオーラ】に固定された状態となる。
また、このクエスト挑戦には【スタミナ】を消費しない。
 
ある程度戦うとイベントムービーが入った後、ダイと鬼眼王バーンの会話イベントがあり、ダイが【真魔剛竜剣】を手にして後半戦の開始となる。
ダイのHPが尽きたり制限時間5分をオーバーすると通常通りに敗北となり、後半戦で敗北した場合も再戦は前半からとなる。
後半戦で勝利すると最後の激突を再現したイベントムービーが入り、その後は原作ラストシーンまでが(尺の都合でやや駆け足だが)会話イベントで再現されてクエストクリアとなる。
 
なお原作通りの巨体を再現するため、下半身がバトルステージの地面判定部分より下になっている。
本家ドラクエでいえばDQ10の【冥獣王ネルゲル】やDQ11の【邪神ニズゼルファ】の巨体描写に近いが、こちらは原作で飛び回って戦闘していただけに足場は不要で、地面に当たるグラフィックは描写されていない。