【ミンクのコート】

Last-modified: 2024-03-21 (木) 05:08:53

概要

上質なミンクの毛皮を選りすぐって作られたコート。
説明によると守りを強化する呪文によって単なる毛皮以上の防御力を誇るらしいが、その割に耐性などは無い。
防寒能力は高そうだが、初出のDQ2ではヒャド系も吹雪のブレスも無かったので、雰囲気以上の効果はない。
 
DQ5には【ガスミンクというモンスターもいるが、この防具とは共演していない。
ミンクは実在する動物で、寒い地方に棲む小型のイタチの仲間。ふさふさの毛皮が採れるため防寒着の素材として利用される。
現実世界にもミンクのコートというのは存在するが、1着作るのに何十頭分ものミンクの毛皮が必要な高級品であり、成金趣味の代名詞とも言える代物。
かなりモサモサな造りになるのもあって、およそ戦闘向けとは言いがたい。

DQ2

初登場。
【ペルポイ】でのみ販売されている。
価格は本作最高のなんと65000G。FC版の所持可能金額上限(65535G)とほぼ同額である。
 
しかし、守備力はたったの30。
FC版の【公式ガイドブック】には「その値段に見合った守備力がある。」と記載されているが、完全に嘘である。
一応店売りの中では最も守備力上昇値が大きく、これ以上の守備力を持つ防具は宝箱・ドロップ・イベントでしか入手できないので、単にそういう程度のニュアンスであろう。
一応前作の【ロトのよろい】(守備力28)よりは守備力が高いので、ネタバレを避ける観点から、そう書かざるをえなかったのかもしれないが…。
耐性も何もないので【みずのはごろも】が当たらなかった方には守備力に大差がなく呪文耐性付きの【まほうのよろい】があれば基本的にいらない完全なる趣味の装備。
当時はまだ吹雪のような冷気系攻撃の概念が無かったので、保温がブレス耐性になるという発想に結び付かなかったとしても無理は無い。
寒冷な【ロンダルキア】での着用がピッタリに思えるが、同地での攻略が有利になるということもない。逆に【海底の洞窟】で不利になることもない。
これを買うお金があるなら【ちからのたて】を3人分買い集めるほうがよほど有効。
全員が装備可能だが、タダで手に入る【ガイアのよろい】以下の守備力とあっては(見つけられない限り)【ローレシアの王子】が装備する機会は無いだろう。
システム上王女が装備できる物は全て王子2人も装備できる仕様なのだが、(中でもFC版のデザインは)特にローレが装備すると珍妙な姿になってしまいそうなのは否めない。
 
もっともまだ防具の耐性や特殊効果が充分に評価・認知されていない当時のプレイヤーの中には、ゴールドを貯めて単純に守備力だけを見てこちらを最終装備にしたという人もいたかもしれない。
一応【ラスボス】【シドー】は呪文による攻撃を一切してこないので、この戦いに限れば無意味な呪文耐性もちの魔法の鎧よりわずか5でも守備力の高いこちらを装備した方がいい。
と言っても被ダメージで1程度の差でアイテム欄を圧迫する価値があるかどうかは人それぞれだろうが…。
そもそも物理攻撃の対策であれば【みかわしのふく】のほうが有効かもしれない。運ではなく安定したダメージ減を望みたい人にはアリという程度。
 
【完全攻略本】では「とても高価な防具だけど、是非とも王女に買ってあげたい」とあるが、上述の通り回避率が高まる身かわしの服の方がダメージ減少期待値が高く、もちろん値段的にもはるかにマシ。実用ではなくローレシアの王子の立場から人間の恋愛感情的観点でのことならまあ納得できなくもない。
 
裏技を厭わないなら【はかぶさの剣】の要領で特殊効果を持つ防具の守備力を補強するという利用法も一応ある。
終盤の打撃ダメージ量を考えればその効果は微々たるものではあるが、MSX・MSX2版で【あぶないみずぎ】を活用するなら一考の余地はあるだろう。
ただしそれも【あくまのよろい】を持っているならば話は別。
はかぶさの剣の要領で幻解除前にサマルが悪魔の鎧に着替え、このとき脱いだ水の羽衣を王女の守備力に利用すればよい。
むろん既に【水の羽衣重複技】を行っているならば悪魔の鎧が無くともミンクのコートに出番は無い。
重複技を急に行うのは面倒であるとか、悪魔の鎧をローレが利用したい場合などに、金が余っているならコレを買っておくのも悪くないという程度か。
 
水の羽衣は冒険を中断しなければ入手できないので、中断禁止プレイであればこちらにも出番があるかもしれない。
しかし中断禁止ということは【いかづちの杖で金稼ぎ】もできないことになる。
DQ2の【タイムアタック】は水の羽衣作成の仕様もあるので中断は禁止されないことが多いようだが、中断禁止だったとしてもその高値がネックとなるので、結局は利用しにくいだろう。
 
非常に高価な装備ではあるが終盤【はかいのつるぎ】を律儀に売却などしていると割とあっさり所持金がカンストするので、その気になれば買うこと自体はそれほど難しくない。
ただ上述の通り使い道はほとんどない。
緊急時の換金用と捉えても、そもそもこれを買える時点で6万G以上所持していることとなり、たとえ【全滅】したとしても蘇生代の捻出は容易である等そっち方面でも用途がない。
ついでに言えば【預かり所】の存在しないFC版では道具の所持欄も相当切迫するので、こんなものをわざわざ持ち歩く余裕はほぼない。
 
なお、【オールナイトニッポンスペシャル・徹底追及ドラゴンクエスト2】における【堀井雄二】の弁によれば、本来は【あぶないみずぎ】がこの防具のポジションに収まるはずだったという。
防具としては弱いが、装備すると【ムーンブルクの王女】のグラフィックがビキニ姿に変わる予定があったが、容量の都合で没となり、「装備してグラフィックが変わらなくても気にならない」このコートが登場したとのこと。
なぜ変更先として「ミンクのコート」が選ばれたかについては、堀井はFC版当時の学習誌の取材に対し、「嫁さんからミンクのコートをせがまれたけど高くて手が出ず、プレイヤーにもこの気持ちを知ってもらおうと思ってこれを出した。」と回答している。
「高いだけでいざ買っても実用性が低い」というのは堀井なりの奥さんへの暗なるメッセージだったのだろうか?

リメイク版

守備力がなんと60と倍に急上昇し実用レベルになっている。
オリジナル版よりは遥かに使いやすくなったものの、これでもまだ期待値ではみかわしのふくとほぼ同程度。
65000Gという大金を払ってまで買う価値があるかはやはり微妙なところ…。
 
ただ、終盤は金余り状態になるため資金に余裕ができやすく、預かり所の設置などもあってアイテム欄の圧迫もだいぶ緩和された。
安定した守備力を重視するなら選択肢には入るだろう。
公式ガイドブックにも書かれているように強化された【スクルト】との相性も良く、また2回攻撃は1回目の攻撃に対して身をかわすことが不可能という仕様も相まって(身かわしの服にとって逆風)【アトラス】あたりと戦う際にピンポイントで着ていくといった使い方もありか。

ゲームブック(双葉社)

下巻で購入できる。ムーン専用。
パーティのレベルを3にする上で必要となる。

DQ7(リメイク版)

守備力+65、かっこよさ+65。
幸いにも2のオリジナル版ではなくリメイク版に近い性能。
2とは異なり女性限定で【マリベル】【アイラ】が装備可能。
【装備レベル】が設定されており、レベル20以上で装備できるようになる。お子ちゃまには装備できないといったイメージか。
公式配信石版【力じまんたちの山】にて、【ギガンテス】を倒すと入手することができる。
 
上質なコートなだけあって、登場する鎧の中では5番目にかっこよさが高い。
守備力もかなり高いのだが、残念ながら耐性が一切無いため、実戦では【マジカルスカート】などの方が優先されてしまうだろう。

トレジャーズ

【お宝】の一つとして登場。

お宝No.35
レアリティトレジャー
カテゴリーレジェンド
コレクション伝説の防具
標準価格16,500,000G

タクト

2021年2月18日開催の「ドラゴンクエストIIイベント」にてイベント限定Aランク防具として登場。「DQIIの世界をめぐる冒険」の【ラダトーム】でドロップする。現在は追憶で入手可能。
基本値 : しゅび力+8・かしこさ+5
特殊効果 : マヒ耐性+8%
装備可能タイプ : まほうタイプ・ほじょタイプ・ぼうがいタイプ
錬金候補 : マヒ耐性+4%・ヒャド属性呪文耐性+4%・ヒャド属性耐性+2%・すばやさ+4・しゅび力+6・かしこさ+6 他

ドラゴンクエストモンスターズ+

【ロラン】たちが【シドー】に挑む姿を描いた場面で、【サトリ】が装備していることが確認できる。
デザインは少しアレンジされており、マントのように羽織る形になっている。