【ムーンブルクの王女】

Last-modified: 2024-04-07 (日) 11:45:47

 パーティメンバー:DQ2【ロトの子孫たち】
【ローレシアの王子】【サマルトリアの王子】―【ムーンブルクの王女】

概要

【ドラゴンクエストII 悪霊の神々】に登場する3人目のプレイヤーキャラクター。
DQ9やDQ11(冒険の書の世界)、外伝作品にも出演している。
 
【ムーンブルク王】のひとり娘。つまり身分は【王女】。劇中でも「王女」と呼ばれることが多いが、わりと「姫」と呼ばれることも多い。
リメイク版での肩書きは【勇者の子孫】でも【姫】でもなく【魔法使い】
【ロトの子孫たち】の紅一点であるため、実質的にDQ2のヒロインである。
一人称はDQ2・いたストでは「わたし」、DQ9では「わたくし」になっている。
 
シリーズ初の女性主人公(パーティーメンバー)であり、故郷を滅ぼされた、敵によって別の姿に変えられた…などなど、初期作品のキャラクターだけに、いろいろな「ドラクエ初」を成し遂げている。
 
『ファミリーコンピュータMagazine』で行われた『第1回美少女キャラコンテスト』(’89年13号発表)では第11位にランクイン。DQのキャラとしては最上位だったが、何故かこの時の写真には【犬】の姿が使われている。
同コンテストでは他に【ローラ姫】が辛うじて26位に入ったのみなので、DQ女性陣は全体的に不振だったものの、後に行われた『第1回美少年キャラコンテスト』(’89年16号発表)では【ローレシアの王子】が6位、【サマルトリアの王子】が15位に選ばれ、パーティー全員揃ってのランクインを果たすことになる。

容姿

赤紫色の頭巾で頭をすっぽりと覆い、ゆったりした白いローブを纏った女の子。髪は豊かなロングヘアで、前髪や後ろ髪は頭巾から出している。
頭巾のデザインは丸っこいシルエットだったり、角ばっていたり、円筒形の帽子風になっていたりと出演作品によってまちまち。肩あて布と一体化しているようにも見えるため、どういう構造なのかはあまりはっきりしていない。ただ、DS版いたストなどコスプレ装備として登場する場合は、頭巾と肩当て布が別々になっているデザインが共通している。また、赤い宝玉の付いた杖が公式イラストに描かれている。
頭巾の女性キャラということで、DQ7の【マリベル】が連想されることもある。
 
FC(およびMSX/MSX2)版のDQ2では「赤い頭巾で毛先のカールした紫髪」だったが、SFC版では「紫の頭巾で全体的にカールのある金髪」に変更された。このため公式イラストで髪型が二種類ある珍しいキャラクターとなった。
ただし、FC版当時でも、ゲーム中のグラフィックの配色や、それを基にしたパッケージ裏の絵では紫頭巾に金髪になっている。
 
SFC版での変更以降は外伝作品などでも紫頭巾&金髪となっており、もはや赤頭巾&紫髪のデザインは忘れ去られたように思われた。
しかし、バトルロードのカードイラストで突如として紫髪が復活したのを皮切りに、復刻版ロト三部作のOPアニメや【いただきストリートWii】など、最近は紫髪での登場も多くなっている。
髪のカール具合も作品によって違い、ほとんどストレートヘアになっていることもある。

登場作品発売(稼働)年髪の色
DQ2(FC版等)1987年
DQ2(小説)1989年
DQ2(CDシアター)1992年
DQ2(SFC版)1993年
DQ2(GB版)1999年
DQM+不明
いたストSP2004年
DQ2(ガラケー版)2005年
いたストDS2007年
バトルロード2007年
バトルロード22008年
DQ92009年
いたストモバイル2011年
DQ2(復刻版)OPムービー2011年
いたストWii2011年
DQ2(スマホ版)2014年
シアトリズムDQ2015年
ドラけし!2022年

MSX版DQ2では、何も身につけぬまま【武器屋の隠居】に話しかけると「こんなにかわいいのに、きるものもないとはかわいそうじゃ」と言われて【あぶないみずぎ】を着せられ、スケベな王族どもを興奮させる。
【ローレシア】まで美しい王女という噂が伝わっていたり、【ルプガナ】でも「あら?かわいい女の子ね。大事にしてあげてね。」と言われたりするなど、パーティメンバーの紅一点にふさわしく可愛らしい容姿であるようだ。
しかし【ファミコン神拳 奥義大全書】では上記と全く異なる容姿で描かれている。カールしているオレンジがかった色の髪にティアラのような頭飾りをつけており、黄色のノースリーブワンピースに紫色のマントを着用している。服のデザインは後の作品であるDQ3の女賢者に近い。
体型に関しては初期は細身のデザインが多かったが、後年になるにつれて肉付きの良いデザインのものが多くなっている。

DQ2

ある日、【ムーンブルク】城の花咲く中庭にて、父王と平和な語らいの時を過ごしていた。
しかし、予期せず邪教の大神官【ハーゴン】の軍勢が攻めてきて、城内の者はほぼ全滅。
父王に言われて城の地下室に隠れるも・・・

上記の展開は、NES版およびSFC版以降のリメイク作の【オープニング】で見ることができる。
 
プレイヤーは見ることができないが、オープニングの続きの展開として、追い詰められたあげく捕まり、【呪い】をかけられて犬にされてしまう。
その後は「人と人とが出会う町」と呼ばれる【ムーンペタ】にて【ロト】の血をわけた仲間(プレイヤー)を待っている。
プレイヤーが町を訪れた際は犬の姿で湖畔に佇んでおり、話しかけると後をついてくる。
【ラーのかがみ】を入手して彼女(犬)に向かって使用することで、元の姿に戻って仲間になる。
それ以降【フィールド】のBGMが【遥かなる旅路】から【果てしなき世界】に変わる。
なお、彼女を仲間にしないと【ムーンブルク西のほこら】の先へは進むことができない。
 
【ドラゴンクエストマスターズクラブ】にて【堀井雄二】は「男の子ふたりに女の子ひとりってゆーパターンは、心のあやとかがあったりして、けっこうドラマを作りやすい状況だったんですけどね」と少々惜しむように語っている。
劇中では特にこういった展開はないが、もしかしたら何らかの没ネタがあったのかもしれない。
 
リメイク版では【ローレシア王】に初めて会った時に「これからはわしが○○の父親代わりじゃ。困ったことがあったら、いつでもわしに言うのだぞ!」と言われたり、
【エンディング】では主人公に対して「さあお父様のところに行って」と後押しする台詞が追加された。
(上記の父親代わり云々を聞いているかどうかに関係なく、くだけた口調になっている)
その境遇から最も不幸なロトの一族だが、頼れる仲間ができたことや復讐を遂げたことで前向きにムーンブルクの復興を成し遂げられたのかもしれない。

戦闘能力

打撃は苦手だが、魔法に精通しており、回復、補助に長ける典型的な賢者タイプ。
覚えるのはベホマ、イオナズンなど、サマルトリアの王子の【呪文】と比べて両極端であり、肩書きこそ魔法使いだが、後の作品でイメージされるいわゆる「魔法使い」とは異なり回復呪文も得意とする。
 
イオナズンも覚えるがFC版では習得する頃にはほとんどの敵が攻撃呪文に対する無効耐性を持ってしまっているため、後のシリーズとは異なり成功率が高くはなく、強力な攻撃呪文という訳ではない。
なぜかここでは長らく【大魔道士】と形容されていたが、これはあくまで【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】の作中においてポップやマトリフが「魔法使い」というスタンスを崩さず(賢者と名乗らずに)僧侶の呪文も習得したことで大魔道士を名乗ったことに由来する。王女は回復呪文を覚えることを除けば、ステータスも、装備も、肩書きも、典型的な魔法使いであることを指し、必ずしも攻撃呪文の強さを指したものではない。
必然的に敵の攻撃がさらに凶悪となる終盤になるほど回復を担う機会も多くなるので、プレイヤーによっては僧侶に近いと感じるかもしれない。
 
打たれ弱いが【素早さ】が非常に高く、真っ先に行動してくれる…と思いきや、FC版では素早さが行動順序に及ぼす影響が極めて小さいため敵に先攻されることも多い(それどころか行動が最後になることすらある)。
【最大レベル】は35。3人の中で最も低いが、その分レベル1つ当たりの【経験値】が多く必要なので、実際に最高レベルに達するまでの経験値は他2名と同等。
 
打撃攻撃は全く期待出来ないので、加入後暫くは【マンドリル】にラリホーを掛けるか、ベホイミくらいしか仕事がないが、バギを習得してからはアタッカーとしても活躍する。
【MP】を温存しつつ戦闘をこなすため、出来るだけ早めに【いかずちのつえ】を持たせてやりたい(ただし、MPの少ないサマルトリア王子や脳筋のローレシア王子に持たせた方が効率は良い)。
ただし、バギを習得した後はイオナズンまでかなり間が空くため、中盤は火力不足に悩まされる。とは言えFC版ではベギラマとバギを重ねがけすることで実用的な火力になるという事情もあり、基本的な役割にそれほど変化は無い。しかしリメイク版ではサマル王子の尋常ではない強化により【ベギラマ】がFC版のイオナズンに迫る威力を持つため、中盤に関しては本来は誰よりも得意であるはずの分野をも彼に奪われてしまった感が強くなってしまった。サマル王子がベギラマを覚えてから暫くは彼が撃ち漏らした敵を補助的に始末するのが主な仕事となってくる。
 
装備出来る【武器】【防具】は3人の中で最も少ない。
イメージからすると打たれ弱そうな感じだが、サマルトリアの王子の成長が晩成型であるため、普通にプレイする範囲では彼とほぼ同等のHPである。王女が加入するタイミングが早めであれば、中盤には彼よりも僅かにHPが高くなる期間がある(順路通りに行くならサマルはムーンブルク探索にも耐えるほどの経験値が先行することになるため、ぎりぎり追いつけない可能性がある)。
序盤は【ぬののふく】1枚しか装備出来る防具が無く絶望的に打たれ弱いが、素早さが高いこともあって【みかわしのふく】を買えるころになるとそれなりに守備力が高くなる。
盾以外の最強装備は彼と同等で、一品ものの【みずのはごろも】はわざわざ【ドン モハメ】が「そちらの娘さんが着るとよかろう」と勧めてくるのでこちらに廻されやすい上に、MP消費量の関係から【ふしぎなぼうし】も優先されやすく、そういったプレイでは王女のほうが死に難い。
FC版の被弾率は三等分なので、狙われ易さはサマルと変わらないのだが、上記の理由でプレイヤーによってはサマルの方が死に易くなる。
 
リメイク版ではサマル専用だったザオリクを習得する(その代わりなのかトラマナは使えなくなったため、こちらがサマル専用となった)。
そしてベホイミ・マヌーサ・ルカナンが大幅に強化され、ラリホー・バギ・イオナズンもやや威力が上げられている。
更に杖の【攻撃力】も底上げされているため、弱い敵なら打撃でも倒せるようになった。一応、育てれば攻撃力が100を超える。
おまけに【シドー】にイオナズンが効くようになったので、その気になれば単騎撃破も出来る。
また、ガラケー版以降では最大レベルが3人とも50に揃えられた。

習得呪文

 
オリジナル

戦闘中の呪文配列
ラリホーベホイミ
バギルカナン
マヌーサベホマ
イオナズンパルプンテ

 
リメイク

戦闘中の呪文配列 1/2
ベホイミラリホー
バギマヌーサ
ルカナンベホマ
戦闘中の呪文配列 2/2
イオナズンザオリク
パルプンテ

王女の名前

ローレシアの王子の名前により、【アイリン】【サマンサ】【ナナ】【マリア】【リンダ】、プリン、あきな、まいこのいずれかになる。
スマホ版では候補が一部入れ替えとなり、あきな、まいこ、ナナの3つが削除され、代わりにユーイ、レナレナ、【セティア】の3つが追加された。
あきなとまいこはまだ解るとして、なぜナナまで消えてしまったのか?そしてまさかのセティア追加である。
また、上記の候補には含まれていない【ムーン】という呼称も攻略サイトなどで定着している。
名前の変更方法については【仲間の名前を変更する】の項を参照。
 
エニックス刊行の【小説ドラゴンクエスト2】での名前は「セリア」、【CDシアター】【ゲームブック】(エニックス版)においての名前は「ナナ」、双葉社版ゲームブックでは「マリア」、【ドラゴンクエストモンスターズ+】では「ルーナ」。DQ9といたストシリーズに登場した時の名前は「プリン」。
 
また、「あきな」はFC版の開発時にDQ2自体のコードネームとして用いられていた。
【堀井雄二】が当時のアイドル中森明菜の大ファンだったことが理由らしく、そんな背景が王女の名前に名残として残っているのだ。
余談だがFC版のローレシアの王子の名前を「まさひこ」にすると、ムーンブルクの王女の名前は「あきな」になる。
当時の近藤真彦と中森明菜の関係を織り込んだのだろうか……?
名前の文字の対応数字を見ると「あ(10)」「い(11)」~「け(18)」「こ(11)」「さ(20)」「し(21)」となっており、単純に五十音と数字を順列通りに並べれば「まさひこ」の「こ」は19になるはずなのに、何故かここだけ11と規則的になっていないことから、意図的に調整された可能性が高い。
因みにその場合サマルは何の関係もない上に、ネタ的に有名かつ実はロトとも縁のある【トンヌラ】になる。
近藤真彦と中森明菜の関係の顛末も含めて、ある意味で呪われたパターンなのかもしれない。
 
DQに詳しくない家族に、DQ3のパーティメンバーに見知った男友達や兄弟の名前を付けているのを見られた後、本作でムーンブルクの王女の名前に「まいこ」や「あきな」が付いているのを見られると、変な誤解をされてしまったり……。
 
DQ10では何故かレアモンスターの【ダンシングトレジャーズ】(おどるほうせきの色違い)の名前がまいこ、アイリン、リンダとなっている。

経験値に関するバグ

FC版には彼女に限り、レベル29を超えると次の【レベル】までの経験値を正しく教えてもらえなくなるというバグがある。
これは、プログラム上でこの値を格納する領域が16ビットしか用意されておらず、0~65535の範囲の数値しか扱うことができないためである。
例えば、レベル34(910,000Ex)からレベル35(1,000,000Ex)に上がるときは、次のように教えられる。

910,000Ex のとき → 次のレベルまで 24,464 の経験値が必要
934,464Ex のとき → 【○○○○は もう じゅうぶんに つよい!】
934,465Ex のとき → 次のレベルまで 65,535 の経験値が必要

なお、残る2人の男性陣は次のレベルまでの経験値が65,535を超えることはないので、このバグは発生しない。
理由は上述のようにプログラム上の仕様なのだが、【中村光一】はこの現象について、ゲーム雑誌『ファミリーコンピュータmagazine』上の「D.Q.II Q&A」というコーナーにて「ハーゴンの悪あがきとでもいうか、一番弱そうな王女に対するイヤがらせ」と回答していた。
ハーゴンはとんだ濡れ衣を着せられたものである。

小説版

他の2人同様16歳だが、その誕生日に故国を滅ぼされた。
シドーを現世に降臨させるための【じゃしんのぞう】を入手できる唯一の人物とされ、その身を狙われる。
サマルトリア王子のコナンとは違い「セリア」というゲームに登場しない名前になっている。そもそも「セ」はFC版の頃は使えるカタカナの対象に入っていなかった。
ゲーム本編で再現するには【仲間の名前を変更する】技を使って「せりあ」と平仮名化するしかない。
彼女を犬に変身させたのはムーンブルクの宮廷魔道士で、王女の身を隠すためにやったという設定になっている。
 
主人公アレンとは元々恋仲だったが【大灯台】【ガルド】に連れ去られ、1年間監禁生活を送る。
シドー打倒後はアレンと共にムーンブルク国を再建したらしいが、結婚したかどうかは不明。

CDシアター

名前は「ナナ」で声優は横山智佐。
こちらでは父王など殆ど殺されたにも関わらずムーンブルクに侵略した魔物たち相手に孤立奮闘をしており、その指揮をとっていた【あくましんかん】サイヴァの元まで辿りつくが返り討ちに遭い、彼の彼女への葛藤により「あえて殺すまでもない」と犬の姿に変えられる流れからCDシアターがはじまる。
 
王子2人により元の姿に戻った際、自身の仲間入りを拒んだアレンにハーゴンの居場所を知っているであろう賢者サルキオの元に1人でも向かうと言い張り、アレンを根負けさせるカタチで仲間に加わる。
サルキオから教わったバギの呪文を筆頭にマヌーサなどの援護もこなすが、ゲームや小説ほど多くの呪文は使っておらず、一部の戦いには実質参加しない事が多い。
最後は破壊神シドーとの戦いでアレンに自身の力を注ぐが、力を限界まで注ぎ攻撃の流れ弾などが当たり致命傷を受けてしまう。それでも彼にシドーを倒すよう強く託し、シドーを倒したアレンの腕の中で告白して一度息絶えるが、【ルビス】の奇跡によって息を吹き返す。
 
小説版と違いアレンとは最初から恋人同士でこそ無いが彼に強い好意を持っており、犬の姿の時からアレンにばかり懐く、事あるごとにコナンを差し置いてアレンに抱きつくなどかなりアプローチをしている。しかし、これがコナンの劣等感をより強く煽る一因になってしまう。
一応コナンからの好意も自覚している節はあるが、小説版と違いうやむやに終わっている。
だがアレンの方も彼女を意識していき、彼女の死に『一番大切な人を守れなかったなんて…!』と泣き崩れ、息を吹き返した際はコナンの強引な後押しを受けながらも彼女に告白し口付けを受け、互いに結ばれる所でCDシアターは幕を閉じる。
 
祖国が滅びた中たった1人で勇敢に戦い、怨敵であるサイヴァと対峙した時真っ先に勇み寄るなど、女性ながら勇猛果敢。血気に逸りやすい王子2人と違い冷静を保てる場面も多く、諍いがちなアレンとコナンの仲裁を担う事も。
自身の故郷を滅ぼしたサイヴァに対しては当初は憎しみや敵対心を露にしていたが、ロンダルキアでの対峙で自身を殺さなかった真意を指摘した事を切欠に変化を見せ、最後には自らの過ちを認め命をかけて自身をハーゴンから救った彼の死に涙した。

ゲームブック(双葉社)

名前は「マリア」。王子2人が酔い潰れるほどの酒を飲んでも平然としており「酒豪か?」と疑われた。
ゲームとは違いベギラマを使える。また、この作品では赤い頭巾に金髪という珍しい組み合わせになっている。
装備できる武器は杖だが、3人でハーゴンを4枚に摩り下ろしていたため、仕込み杖である模様。

ゲームブック(エニックス)

名前は「ナナ」。乳母である【エルフ】の魔法によって犬の姿となりハーゴンの軍勢から身を隠した。
ラーの鏡で元に戻ったときは一糸纏わぬ姿で、なんと挿絵まで存在する。
肝心な部分は隠れているが、公式媒体では最も露出度の高いイラストではなかろうか。
 
性格はサマルトリアの王子カイン同様、口は悪いが面倒見が良く仲間想い。
承認欲求が強いのか、王子達が女の子と仲良くしていると不機嫌になる一方で、真の姿を現した【竜王のひ孫】の姿を見ても恐れずにはしゃぐ無邪気さも持っている。
また、芯も強く、身の危険も顧みずに訴えた際の真摯さと誠実さは一行と敵対していたデルコンダル王の心をも動かした。
ゲームブック版ドラクエ2の主人公達は総じて誰とでも分け隔てなく接するが、その中でも彼女は特にその傾向が強く描かれている。
髪の色は紫で髪型はミディアムヘアーのボブカット、他の媒体にみられがちな髪の毛の癖はない。
頭巾ではなく(ベレー帽に近い)帽子を被り、原作よりも活発かつ勝ち気なイメージで描かれている。
この他、パーティ結成後は早い段階から財布を預かっているようで、「ナナの財布の紐は固い」とローレシアの王子が零すなど、文字通りのお姫様育ちでムーンブルク陥落後は犬の姿であったにも拘わらず金銭感覚がしっかりしており、適応力の高さが窺える。
 
ローレシアの王子とは半ば日常的に口喧嘩や軽口を叩きあい、かつ、本編中で明確に彼に好意を告げることはないものの、明らかに他者とは異なる好意的、あるいは恋愛対象の意味合いで意識した態度をとっている。しかし、ローレシアの王子は恋愛に対して鈍感で朴念仁なところがあり、ナナのことはもちろん大切に想っているものの、あくまで「ロトの子孫という同志」としか見ていない模様。
 
それとは別にカインとは(恋愛対象としては)ナナのほうは全く意識していないこともあって、自然体での付き合いをしている。カインのほうはナナに好意を寄せているため、そんな彼女の態度を残念に思っており、何度も無口になったり、内心悔しがったりするシーンがある。
 
これらのやりとりは、本作の「青春物語」という一面を担う大きな要素となっている。
 
誕生日は3人の中でもっとも早く、ザハンの村で王子達のみならず、船の船長・乗組員や村人にも祝われている描写がある。また、(僅かながら)誕生日が早いことでからかってきたカインとじゃれあい程度の軽い口喧嘩になっている。

オールナイトニッポンスペシャル ラジオドラマ

名前は番組タイトルから取って「ニポン」。あんまりである。
声優は平野文。妙にアダルトな語り口で演じており、王子2人より大人っぽい。
このドラマでも原作ゲームとは違いベギラマを使う。また呪文を「ベギラマァー↑!!」「バギィー↑!!」というなんとも奇抜な発音で唱えており、司会者の【鴻上尚史】からも突っ込まれていた。

クリア後

【ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハート】では、三人の【ロトの勇者】のひとりとして語り継がれている。
ムーンペタの老婆によると、王女の尽力によってムーンブルクは奇跡の復興を遂げたとのこと。
しかし、王家唯一の生き残りである王女が【女王】に即位することはなく、どこかへ嫁いでいったらしい。
 
ゲーム中では遠い年月が経っているようで、王女を含むロトの子孫たちの行方を知ることはできない。
しかしロトの血筋は途絶えたわけではなく、キャラバンハートの時代では眠りについているだけだそうだ。

DQ7(漫画版)

【キーファ】の最初の転生先であるブルク編に登場。
キーファが【ムーンブルク王】になって、妻【アイラ】の間にできた子供が彼女だとされている。
幼い彼女を見ながらキーファは【マリベル】のことをおぼろげながら思い出したりもしていた。
だが、モンスターに襲撃され、【メディルの使い】と同族のモンスターの魔法により犬にされてしまい、犬の姿のまま逃げている。

DQ9

【リッカの宿屋】のWi-Fi【スペシャルゲスト】として配信された。
『ムーンブルク王家御用達の宿』としてリッカの宿屋を認定する。
 
彼女からもらえるコスプレ装備は【ムーンブルクフード】【ムーンブルクドレス】【ムーンブルクのくつ】の3つ。
これらをコンプリートすると「ムーンブルク王女」の【称号】がもらえる。
ちなみに、これらは「ムーンブルク王家伝統の装備」であるとのこと。

DQ11(3DS版)・DQ11S

【冒険の書の世界】のひとつ【ムーンペタ】に登場。
今作ではなんと「ムーンブルクから逃げ延びた先のムーンペタの人々にかけられていた呪いを一身に受け、人々は救われるものの、代わりに自分が犬に変えられてしまう」という展開が描かれており、心優しき王女の人柄が伺えるエピソードとなっている。
ひとり残らず犬に変えられていた町人たちは自らの身に起こった出来事など(まるで犬になった気分、などと薄々感じている人はいるものの)知る由もなく、どこからか迷い込んだ犬を訝しむばかりであった。

シアトリズム

プレイヤーキャラクターのひとりとして登場し、公式イラストで所持しているデザインの杖と同様のものを持っている。初期職業は魔法使い。

DQM+

名前は「ルーナ」。【エビルシドー】の攻撃を受け、死亡し命を放棄しかけたロランの元にサトリと共に駆け付けてきた。
……のだが、最早伝説と化すほどのサトリの獅子奮迅ぶりや、一部でローレの肩書きとして人気になった「破壊神を破壊した男」を持つロランと比べると影が薄く、大した活躍はない。
この記事でも、他2人と比べて長い事単独での明記はされず「その他」に追いやられチラッと書かれていた程度だったほど。
嬉しい時に犬の時の癖が出るとかいう妙な古傷こそあるが、正直かわいいことくらいしか印象に残らない。
一応、クリア後の修行でマホトーンを習得しており、ロランがバズズにトドメを刺す繋ぎとしては活躍している。
その際の詠唱は「デウズ・ユーディキゥム・ペルフェクティ・プラキドゥム・ドヌームン (神の 裁決は 完全なる 沈黙を 下す)」。
こちらでの設定はリメイク版基準らしく、ザオリクのかかったロランが彼女が発動したのではないかと勘違いするシーンがある(直後にサトリから「それは俺んだ」と否定されるが)。

いたストシリーズ

SP、DS、Wiiで登場。金髪・紫髪のいずれの場合でも頭巾は赤色。ムーンブルクの復興のために参加する。デフォルト名の一つ「プリン」の名前で登場していて、時々犬だったころの癖も出てしまうところも。
SP版では優勝とゴールド獲得への執念が強く、丁寧ながらどこか棘のある発言が目立つ。容姿も原作よりややつり目ぎみになっている。
大方のキャラクターやローレシアの王子には比較的友好的だが、クッキーの事はやや見下しているかのような態度をとる。また、魔物全般を敵と判断しているようで、【ライアン】と一緒にいる【ホイミン】を警戒している旨のセリフがある。特に【スライム】【りゅうおう】を露骨に嫌悪しており、ゲーム中だから攻撃はしない・汚い手口で資産を儲けたに違いないとまで言い切るほど。(スライムにも友好的な【ビアンカ】や魔物使いポジションの少年【テリー】との対比が特に際立っている。)
DS版ではプレイヤーに株価を下げられたり独占崩しの5倍買いをされるとプレイヤーにかみつこうとする趣旨のセリフをはく。cランクで戦法は株を買いだめしてから相乗りもあまり気にせず増資してくる。

ビルダーズ2

【モンゾーラ島】【オッカムル島】に続く3番めの島として【ムーンブルク島】が登場する。
主人公と共に漂流してきた【ルル】に「王女によってムーンブルク城は復興した」と言われるが、実際に行ってみれば城は崩壊しており、そこで出会う【ムーンブルク王】には「娘は居ない」と言われるという中々に衝撃的な扱い。
本作の世界ではなぜか、教団を滅ぼし世界を救ったはずのロトの子孫である3人の王子・王女の存在を知る者が居ないのである。
とは言うものの、魔物に滅ぼされてしまった村【ムーンペタ】の教会にある隠し部屋の中には【姫の肖像画】という壁掛け飾りが置いてあり、それに描かれている人物はどう見てもムーンブルクの王女というちょっとしたイースターエッグのような要素がある。
本作の先行予約特典として配布されたドット王子飾り、ドット王女飾りの王女はドット絵に準拠するのか頭巾の色は紫色で描かれているが、前述の肖像画は赤で描かれている。また、装備品として登場するムーンブルクのふくはアイテムアイコンは同じく紫色に近いものの、実際に着てみるとかなり明るいピンク色(フードはゲームの仕様上オミットされている)と、カラーリングが今ひとつ安定していない。

ライバルズエース

真1弾でヒーローカード化。CVは上坂すみれ。
デザインはバトルロード版(筒状の赤頭巾と紫髪でベルトをしたもの)となっている。

レベル1 コスト0 悲しげな犬
自分がコスト1以上の特技を使う度カードを1枚引く
この効果は条件を満たすと自動的に発動する

レベル2 コスト3 旅立ちの王女
選択:・全てのユニットに1ダメージ
   ・特技カードを1枚ランダムに手札に加える
このターン中使った特技カードのコストの合計分コストが減る

レベル3 コスト0 精霊ルビスの加護
自分がコスト3以上の特技を使った後、そのコストにより以下の効果が自動的に発動する
コスト3以上:MP1回復
コスト5以上:テンション+1
コスト7以上:カードを1枚引く

脳筋なローレシア王子と正反対で、特技とのシナジーに集中した効果。レベル1は1回、レベル2は2回でレベルアップする。

レベル3の各種効果が1Tに1度とはいえなかなかに凶悪なので、魔法使いのように強烈な特技で押していくデッキならなるべく早くレベル3にしつつ毎ターンコスト高めの特技を発動したいところ。
その為にも特技カード(特にコスト3以上のもの)は多く採用するべきだろう。
 
レベル2はそれだけでは効果の割にコストが重いが、そのターン使った特技のコスト分軽くなるので簡単に0~1コストで発動可能。
特技入手は他職含めた中から完全にランダムなので、「しんくうげりを繰り出すゼシカ」「セクシービームを放つトルネコ」などの怪奇的な画が生まれることも(絵面は文字通りに表示されないことがほとんどだが)。
あくまでもランダムなので「これがいいと思います!」と自信満々に使えないカードを渡されても怒らないこと。
全体1ダメージはイオを放つ。【太陽のタロット】【逆転への兆し】などの全体特技と合わせることでダメージを引き上げたり確定除去を作ることが可能。
占い師などで長期戦を仕掛ける場合はこちらの効果も重要なので、2回の機会をどこで切るかは慎重にしたいところ。
「全てのユニット」が味方を含むのに面食らったプレイヤーもいたが、それが有効に働く事もあった。
 
レベル1ではラーの鏡で犬から人に戻るシーン。ライバルズの仕様上、対戦しているフィールドで3Dモデルが演技をするので、ありとあらゆる場所で犬から人に戻るのでちょっぴりシュール。

バトルロード

【スペシャルカード】【みずのはごろも】【ラーのかがみ】【魔力かくせい】で登場。
【とどめの一撃】【ミナデイン】(DQ2版)。
髪の毛の色は紫。

クロスブレイド

真1弾で【ギガレア】として登場。
必殺技は【イオナズン】
髪の毛は紫。

トレジャーズ

お宝に【ムーンブルクの王女の像】が登場。

星ドラ

DQ2コラボイベントにて、コスプレ装備として彼女の杖とフード・ドレスが手に入る。王女本人はオープニングムービーとロトシリーズイベント「ルビスの光に導かれ」内のDQ2のストーリーに登場する。NPCとして表示される時の名前はプリン。
容姿はバトルロード版準拠で、赤頭巾&紫髪のストレートヘア。ただしコスプレ装備の頭部分はFC版に近いが、後ろ髪は纏めており、肩に少しかかる程度の長さと本作オリジナルの要素が見られる。
オープニングムービーでは前述のバトルロード版だが「ルビスの光に導かれ」内の立ち絵はSFC版準拠の紫頭巾&金髪なので、今作でも少し安定していない。

ウォーク

2021年5月27日からのDQ2コラボイベントで登場。
6月3日に追加されたクエスト2章2話をクリアすると助っ人として参戦してくれる。また、ゴールドパスメダルを交換することで彼女のコスプレ装備も入手可能。いずれもSFC版準拠の紫頭巾に金髪。
 
特定のスポットを訪れるか戦闘をすることでポイントを得てレベルアップできる。
【バギ】を修得しており、レベル4で【イオ】、7で【バギマ】、10で【イオラ】、15で【バギクロス】、20で【イオナズン】、24で【ギガデイン】を修得する。原作と違い使えるのはデイン系も含めた攻撃呪文のみで、補助や回復の呪文は一切覚えない。
レベルアップにつれ能力値も上昇していき、最大レベルの50で攻撃魔力は1200とプレイヤーのそれを大きく上回る。
また、パッシブ効果で呪文ダメージが最大60%アップし、強敵【ベリアル】戦では更に40%アップする。
全体攻撃呪文ばかりなので単体へのダメージ量は多くないが、7ターン目まで攻撃してくれるので、属性にもよるが結果的にはローレシアの王子とダメージの期待値がほぼ同等になる。

タクト

2021年2月18日開催の「ドラゴンクエストIIイベント」にて、「プリン」名義で登場。現在は自由に名前を変更できる。紫ずきんに金髪赤目。「プリンSPスカウト」でなかまにすることが可能。同スカウトのAランクは【オークキング】
英雄系・Sランク・まほうタイプ
リーダー特性は「デイン属性呪文威力+20%」基本特性「ときどき雷光の追撃」(自分以外のなかまがこうげきをした時 敵が射程3の範囲内にいる場合 ときどき雷光でこうげきする)
とくぎは「聖なる光」「爆砕イオナズン」【ギガデイン】
必殺技は「ムーンブルクの祈り」
覚醒スキル 10Pで「ルビスの加護」(10ターン目までの行動開始時、範囲内のなかま全てのMPを10回復する) 30P/50Pで「呪文威力・回復力+5%」
専用装備は「ムーンブルクの杖」
2022年7月1日に才能開花
才能開花とくぎ「ロトの極光」
才能開花特性「呪文の心得」(呪文の威力・回復力+15%)「鏡のおまじない」(自分のとくぎで自分かなかまをHP1以上回復させた時、自分またはなかまが自分を含む射程1~3の範囲内にいる場合 鏡のおまじないが発動する)を習得できる。
条件は重なるものの現時点では自発的に【マホカンタ】を付与できる唯一のキャラクターとなっている。

ドラけし!

DQ2イベント「ロトの血を引く仲間たち」で手に入る素材、ラーのかがみとワンワンプリンを錬金するとドラけしが入手できる。イベントミッションで必須。
星4の青属性で、スキルはイオナズン。
本作では紫頭巾に金髪。

後のイベント「邪教の神官ハーゴンと破壊神」のクエストではサマルトリアの王子同様台詞あり。

蒼天のソウラ

4巻に犬の方の姿で登場。
【ガイアのつるぎ】の生成を発端に、【アストルティア】に歴代のドラゴンクエストが息づいていることを感じ、ソウラユルールが気合いを入れ直すシーンのバックにDQ2、4~7のキャラクター達と共に描かれた。

その他

ムーンブルクの王女と犬ネタ

【ドラゴンクエスト4コママンガ劇場】では犬だった時の癖が出るというネタが多い。
「ドラゴンクエストモンスターズ+」でも「いたストWii」でもこのネタが使われている。
 
2017年末~2018年初頭に行われたPSストアのキャンペーンでは、条件を満たすとPS4用オリジナルテーマとスクエニからの年賀状がプレゼントされた。
その絵柄は「ローレシアの王子のゴーグルをつけた【チョコボ】」「サマルトリアの王子のゴーグルをつけた【スライム】」「ムーンブルクの王女のフードをつけた犬(戌年だけに)」というものだった。