【山奥の村】

Last-modified: 2024-03-10 (日) 05:07:27

概要

深い【山地】の中にある長閑な【村】
この条件を満たす村はシリーズに文字通り山ほど登場しているが、ここではDQ4とDQ5で固有の地名がついておらず、公式名称が単なる「山奥の村」となっている場所について解説する。
ちなみに、固有名のない集落というのは現実世界にも存在し、理由としては他の集落との交流がなく、そこの住人にとってそこ以外に「村」がない(知らない)場合などに、そもそも固有名を作る必要性がないためである。後述のDQ4の村がその典型と言えるだろう。
外との交流がある場合でも、どの村かを特定できれば事足りるため、固有名のように見えて実は単に「村」や「町」という意味の現地語だったりする場合も少なくはないし、世界中の多くの町や都市の名前も元をただせば「山奥の+村」「草原の+町」みたいな意味だったりする。
 
時代的に繋がりのある2作品で登場しており、リメイク版DQ5では後付け設定ながら関連を匂わす台詞がある(後述)。
DQ4では主人公たる伝説の勇者の故郷として登場、DQ5でも主人公の結婚に必要な【みずのリング】【シルクのヴェール】の入手に関わるなど、物語の上で必ず訪れる必要のある、重要な場所となっている。
DQ4の山奥の村はDQ11シリーズの【冒険の書の世界】にも登場する。

DQ4

【ブランカ】の北の山奥にある村。
【第五章 導かれし者たち】【スタート地点】であるが、利用できる施設は無い。
ゲーム内では「名もない小さな村」と説明され、FC版でのデータ上の名前は「たびだちのむら」となっている。その後発売された【公式ガイドブック】で「山奥の村」と表記され、これが公式地名となった。
【ルーラ】では飛んでいけない村の一つ。
 
【勇者】が当初、育ての親や幼馴染の少女【シンシア】とともに住んでいる。
彼(彼女)を一人前の勇者とするため、魔王軍から隠し通し勇者としての修行をさせてきた。
村人以外は存在さえも知らないはずの村であったが、なぜかお店のカウンターのある民家があり、構造からしてあたかも【宿屋】のようなたたずまいとなっている(ただし、宿屋の看板は出ていない)。
その主人は村に迷い込んだ見知らぬ詩人を村の掟に反して助けて泊めてしまい、おそらくこれが災いして【デスピサロ】率いる魔物の軍団に発見されてしまう。このイベント発生と同時にBGMは【戦闘~生か死か~】に変わり、FC版では三章以来久しぶりに聴くことになる。
勇者は地下室のさらに奥の隠し部屋に隠れ、その間に村人と魔王軍が戦うのだが、この時に敵の攻撃や呪文、痛恨の一撃でダメージを受けるSEが流れる。これにより明らかに劣勢であることがわかる。戦闘時以外で戦闘の音楽やSEが使われるのはここがシリーズ初。
シンシアが【モシャス】の呪文で勇者の身代わりとなって討ち取られることでピサロたちは勇者を討伐したと誤認して引き上げ、隠れていた勇者は助かるが、勇者1人を残して村は滅ぼされてしまう。
なお、FC版では迷い込んだ詩人が何者だったのか、襲撃に巻き込まれて死んでしまったのかはっきりしない。少なくとも襲撃されて勇者が地下室に避難する際にはまだ例の民家の寝室に滞在している姿が確認できる。
 
滅ぼされた後、BGMは【エレジー】に変わる。
シンシアのいた場所を【しらべる】と、【はねぼうし】が見つかる。このはねぼうしはノーヒントだったが、発売からしばらくした後に【週刊少年ジャンプ】の記事で明かされた。勇者は女であってもはねぼうしは装備できないのだが、このはねぼうしは売らずに最後まで大切に取っておいたプレイヤーも少なくないだろう。
村の毒沼の中でわざとHPを0にするとブランカの教会へ【デスルーラ】でき、プレイ時間の短縮になる。
 
第一章の【バトランド】地方にて「勇者になる子供を探し出して殺そうとしている」と言う、ゲームで初めてかつ重要な伏線を目にすることになるのだが、この時【ピサロのてさき】が活動していた場所は、険しい岩山に隔たれているという点を除けば勇者がいた山奥の村のすぐ近くである。
 
この山奥の村を皮切りに、DQ4~DQ6の【天空シリーズ】には「主人公の故郷(物語のスタートになる村)が敵に襲撃される」という共通点がある。
もっとも、敵を返り討ちにしたも1つあったりする。
 
なお主人公が実の両親を失った後、どういった経緯でこの村で暮らすようになったのかは未だ語られておらず、村の住民達も元々どこで何をしていた人々なのかは明かされていない。
前々から同じ場所に住んでいたのか、それとも何らかの啓示を受けて勇者を育てるために集まってきたのか。
いずれにしても主人公が伝説の勇者であることを知っていたことから、彼らも使命を背負っていた者達だったのだろう。
 
エンディングでは、仲間たちを見送った後、主人公が1人この村に帰ってくる。
村の中央に達した時、毒沼が花畑に変わって、シンシアが再び主人公の目の前に現れる。
抱き合う2人の元に、別れたばかりの仲間たちが駆けつけ、激動の天空の勇者の物語は終わりを迎える。

リメイク版

ゲームを始めた直後にここが舞台である序章が追加された。したがってリメイク版ではゲーム全体のスタート地点でもある。
師匠との稽古の後、【カエル】に変身したシンシアや育ての親との会話イベントがあり、第五章への伏線となっている。
村から出ることはできないが、アイテムやゴールドを入手することは可能。ただしPS版は五章にゴールドを引き継げるが、DS版とスマホ版は引き継がれない(0Gで始まる)。
俯瞰型3Dマップに慣れていない場合は、視点回転などの操作にもここで慣れておこう。
 
五章開始前にセーブをすると【冒険の書】の地名に「山奥の村」と表示されるようになった。 
また、旅の詩人を泊めた民家が明確に「宿屋」になり、主人が客に飢えていたから宿泊させたという設定に変わっており、かなり過失割合が高まっている。
そもそも訪れる人間がいないはずの村になぜ宿屋があるのか謎であるが、将来的に冒険の旅に出るであろう勇者のために宿屋のシステムを教える目的だったのかもしれない。
また5章でこの宿屋に泊まっている男の姿がピサロ本人の姿になった。
小説版(このシーンの挿絵も印象深い)・ドラマCDシアターでも同じく詩人=ピサロだったので設定が反映されたとも言える。
ちなみにFC版でできたデスルーラは、徒歩でのHP減少が残り1で止まるためできなくなっている。
 
昼間にここに仲間を連れて来て話をしてもセリフはないが、夜に連れてきて話をするとセリフがある。
クリア後(6章)でピサロを連れた状態でここを訪れても、ピサロから謝罪されることはない。
勇者一行との行動はあくまでも利害の一致であり、魔族の王として人間を攻撃したことが過ちだったと認めるつもりは端からないのだろう。
とはいえ、自身の行いを過ちと認めることはできずとも勇者の「大切なものを失った気持ち」には理解を示す。
 
エンディングはFC版同様の流れとなるが、主人公が誰もいない村の中央で肩を落として立ちすくんだり、シンシアが光が舞い降りるとともに現れるなど、演出が強化されている。

DQ5

【サラボナ】の北東の山に囲まれた村。
住民が「名もない山奥の村」と自称しているため、本当に正式な名前が存在しない村らしい。
【ルーラ】では行けないが、ここの教会でセーブをすると「やまおくのむら」と表示される。
 
青年時代前半に、【みずのリング】を探すために【ルドマン】から借りた船を使い、川を遡った先にある。
 
ロッジの様な木造住宅が立ち並んでいる、自然豊かでのどかな場所である。
山奥ではあるが、村には【温泉】が湧いているため、旅人や湯治客など、訪れる人は意外に多い。
そのため宿屋も繁盛しているようで、青年時代後半には【宿屋の息子】が、かつて大きな宿屋の経営者であった【ダンカン】を師として、修行をさせられている。
温泉だけでなく、小さなものだが店舗、【教会】【酒場】などの施設も一通り揃っているため、環境の良さも含め、非常に住みよい村であるといえる。
斜面に集落が作られているため、村の中には段差があり、青年時代後半ではビアンカの家の床下を通り抜けた先に【カンダタこぶん】の守る宝箱が出現するなど、高低差があるがゆえの抜け道もある。
温泉に入っている人はグラフィックの都合上服を着たままである。しかも普段着。
 
主人公はみずのリングを取りに行く途中、【水門】を開けてもらうためにこの村に立ち寄るが、ここでダンカンの療養のために移り住んだ【ビアンカ】と再会を果たす。
奥の高台にある、村では一番の大きな家がビアンカ親子の家である。
 
ビアンカはこの村のマドンナ的存在であるらしく、特に青年時代後半にダンカンの弟子として修行している宿屋の息子は明らかに好意を寄せている。
あとは青年時代前半の夜の酒場で酒を飲んでいる老人などは「一緒に風呂に入りたい」などとぬかす。ビアンカを連れていても同じセリフを言い、直後に慌てる。
 
また、【よろず屋】の腕は評判らしく、ルドマンが結婚式用の【シルクのヴェール】を注文するので、主人公が【結婚】する際にはそれを取りに再び訪れることになる。
よろず屋のあるほら穴の壷には【あくまのツボ】が潜んでいるので気をつけよう。感動の再会の直前に主人公が棺桶入りとなったら笑えない。
 
青年時代後半になると、宿屋では美人が着替えを盗まれたと騒いでいる。
そのあとで先述したビアンカの家の裏庭にいるカンダタ子分を倒すと、【シルクのビスチェ】が手に入る。
 
何度か訪れる必要のある村なのだが、上述の通りルーラで飛んでくることはできない。
それどころか、初訪問時にダンカンと会話して以降は村の中も終始ルーラ不可になるので何かと面倒な村である。
上記のように不便な場所なのでセーブ拠点として使うことはまずないが、実はこの村の教会は青年時代前半と後半で内装が変わるというかなり珍しい場所になっている。
青年時代前半ではただの小さな民家だったのが、後半になると赤絨毯で祭壇や十字架までそろって立派な教会になる。
また、神父の青年も当初は自分が修行中の身である旨を述べるが、後半になると普通の神父の台詞に変わっている。
内装が変わっていることに関しては、ここの教会前をウロついている神父の父親がさりげなく言及する。
この父親は青年時代前半までは夜になると教会の中のベッドで寝ているのだが、後半になるとベッドがなくなるので夜はどこにいるのか不明。
酒場でイビキをかいている親父がそれかもしれないが、酒場のマスターはなぜか「武器屋の旦那が寝ちゃった」と言う。ちなみに武器屋の旦那は大男グラで、普通に起きているのだが。前半にはちゃんと武器屋の親父の方が寝ていたので、台詞のミスかも知れない。
細かいことだが、このとき寝ているはずの農夫は足踏みをしており、起きているはずの武器屋の旦那は足が止まっている。
 
ビアンカとフローラのどちらと結婚した場合でもエンディングで訪れることになる場所の1つになっている。
ビアンカがダンカンの実の娘ではないことはフローラの場合と違ってビアンカに秘密にされているのだが、エンディングで酒場のマスターがあっさりと口をすべらせるので、最終的にはビアンカも知ることになる(「あっ これ言っちゃいけなかったかな…」じゃないだろ…)。
 
なお、「フローラと結婚した場合に墓が1つ増え、『結婚前に主人公とビアンカの間で子供が出来ていたが死産してしまったため埋葬した』または『青年期後半にはダンカンがいなくなっているから墓が1つ増えたのでは』」などという都市伝説があったが、そもそも墓が増えること自体がデマである(そして、主人公がフローラと結婚した場合でも、勿論ダンカンは健在である)。
ネット上には実際に墓を増やしたコラ画像も出回っているので、騙されないよう注意。

リメイク版

DS版以降の英語版での地名はStockenbarrel。
 
リメイク版ではSFC版に加えてさらにビアンカ親子に親切にしている青年など、ビアンカに想いを寄せる男性が複数登場。夜間に寝言でビアンカの名前を呼ぶ者がいるほどに慕われている。
素朴で善良ないい人たちなのだが、ビアンカが主人公と結婚しなかったとしても、その想いは報われず、彼女に振り向いてもらえることはないという、なんだか可哀想な扱いである。
とはいえ、「エンディングの時点では」まだビアンカが結婚していないというだけのことであり、彼女本人も結婚願望があることを口にしているため、「その後」の展開に期待したいものである。
 
ビアンカとダンカンの家の軒下にいる男性は特にビアンカに惚れているという点が強調されており、彼女と特別に親しい【主人公】への態度がやたらと刺々しいが、ビアンカの方は、仲間会話での台詞を見る限りでは彼から惚れられているとは全く気付いていない模様。
主人公が【フローラ】(もしくは【デボラ】)にプロポーズした場合、【シルクのヴェール】を受け取りに行った際に彼に話しかけると、それまでとは一転してフレンドリーになり結婚祝いとして【ふしぎなきのみ】をくれる。
ライバルが減ったのがよほど嬉しかったのか。 
一方で主人公がビアンカと結婚した場合は、彼は多少悔しさを見せつつも素直に祝福の言葉を贈り、以後はかつての刺々しさも見せなくなる。
恐らくこちらが彼本来の性格なのだろう。
 
ちなみにSFC版では宿屋付近を徘徊していた【猫】が、リメイク版ではビアンカの家のバルコニーにいる。
リメイク版ではビアンカの母親が猫アレルギーのために子猫を飼えないという設定になっているのだが、すでに亡くなっているために猫がいても問題なくなったということだろうか。
ただしビアンカによるとこの猫は飼っているわけではなく、いつの間にか勝手に住み着いていたらしい。
まだ【キラーパンサー】を仲間にしていない場合、猫を見たビアンカはベビーパンサーのことを思い出す。
……どうやらまだアレが猫だと思っているようだ。
 
【名産品】【ひとうのはな】。井戸の中で【さばくのバラ】との交換でもらうことができる。
また、イベント中でなければ村の中からでもルーラが可能になっている。
 
温泉での【仲間会話】では、【フローラ】が「お背中流します」などと言っていたりするため、入浴中のキャラはあくまでグラフィック上だけの着衣であるらしい。
また入浴中の村人(女性)も露出が上がっているように見えるがCERO対策か実は【おどりこのふく】を着ているだけで全裸ではない。残念。
尤も、現実でも公衆浴場に全裸で入る日本の方がマイナーなのであり、諸外国の温泉では水着入浴の方が一般的なのだが。
 
【男の子】と一緒に訪れると「なんだか懐かしい感じがする」と言い出す。ちなみに天空の兜を手に入れる際にも「あれは僕のだよ」と口にしており、その後話しかけると「あれ?そんなこと言ってたの僕?」と語る。
どうやら無意識のうちに過去の勇者の記憶に基づいて発言しているみたいである。
ともすると、この山奥の村、男の子の祖先である前作の勇者の故郷の現在の姿なのだろうか。
【主人公(DQ6)】が彼の更に遠い祖先であるならばライフコッドの記憶という可能性もある。
 
シルクのビスチェを盗まれた女性は、美人がこんな着替えではマズイと判断されたのか、踊り子に差し替えられた。
 
エンディングでは仲間会話のおかげで、酒場のマスターがビアンカの生い立ちの秘密をばらした際のビアンカの反応が見られる。
「両親が自分に対して嘘をつきとおせるはずがない」と、真実を疑っている台詞になっている。
ということは自分が天空の勇者の血をひいているのは、ダンカン夫妻のどちらかが天空の勇者の血をひいているからとでも思っているのだろうか。

DQ11(3DS版)

導かれし者の祭壇から行ける【冒険の書の世界】で、DQ4の方の山奥の村(滅ぼされる前)が登場する。必要な【冒険の書の合言葉】【時渡りの迷宮】第9階層の宝箱にある。
 
グラフィック・キャラ・BGMともFC版DQ4を再現。
時期の設定はDQ4冒頭より前。
他所者の侵入にはナーバスになっており、村に紛れ込んだスライムを村人が大勢で追いかけ回していた。
そのスライムはモシャスで化けたものの戻れなくなったシンシアで、彼女から元に戻るためのクエスト【私はシンシア】を依頼される。
 
無事シンシアを元に戻しクエストクリア……と思いきや、今度は主人公達がシンシアに危害を加えたと誤解を受け、村人達から暴言を受けることになる。
幸いシンシアが懸命の説得を行ってくれたため誤解は解けたが、村人達の急な手の平返しもあって後味がいいとは言えない。
 
ただし、この村は勇者を隠して育てるという使命を帯びた村であり、余所者を警戒し排他的である事は必要な事である。ある意味これが本来あるべき姿とも言え、一概に責める事はできない。
DQ4本編でも、もしちゃんと今回のように余所者に対して警戒し排他的であれば、特に宿屋の主人が「余所者は泊めてはいけない」を守っていれば、悲劇は起きなかったと思うと何とも複雑な気分である。

DQ11S

冒険の書の合言葉は【始祖の森・北の高台】で手に入る。過ぎ去りし時を求めた後限定の合言葉の中では最も早く入手可能になる。
グラフィックはリニューアルされ、シンシアもリメイク版の姿になっている。BGMは3DS版と同じFC版DQ4のもの。

トレジャーズ

お宝に【山奥の村の家のカベ】が登場。

DQM3

DQ4の山奥の村が登場。
【煉獄峠の魔界】・中級クリア直後、【ムジャラー】がこの村と勇者を見つけ、ピサロに報告。
ピサロとメダリカはムジャラーのモシャスで村に迷い込んだ詩人の一行に扮して入り込む。
 
しかし潜入中に【暴将ディオロス】が「デスピサロ(主人公名を変えているとデス(名前))」の名を騙って襲撃し、村人と勇者(に変身したシンシア)を目前で殺される。
目当ての勇者を確保できず、失意のままピサロは村を後にするが、地下から抜け出して去り行くピサロの姿を見た本物の勇者は彼が村を襲ったと認識する。