【ロト】

Last-modified: 2024-04-12 (金) 22:29:06

概要

【アレフガルド】の地に古くから伝わる「まことの勇者」の証となる【称号】
DQ1~3が【ロトシリーズ】と呼ばれるように、これらの作品を結びつけるキーワードになっている。
とくに「勇者ロト」と言った場合には、基本的にはこの称号を授けられたDQ3の主人公のことを指す。
ロトシリーズにはまた、【ロトの勇者】という言葉も登場する。
 
ちなみに旧約聖書にはロトという人物が登場するが、公式発表によればこれが出典というわけではないらしく、【堀井雄二】自身はドラゴンクエストⅢマスターズクラブ45ページにて、

ロトが聖書の登場人物であることは認識しているが特にそれを意識したわけじゃなく語感がカッコイイんじゃないかと思ってつけた

と語っている。
英語版では【Erdrick】(GBシリーズのみLoto)。このErdrickは聖書とまったく関係ないゲルマン語の名称であるため、宗教に配慮したものと言われている。

紋章について

ロトシリーズでは、鳥を模った左右対称の紋章が使われている。
ただしDQ1では登場せず、DQ2の主人公たち3人の公式イラストで衣装に描かれたのが初出。DQ3ではゲーム内の【エンディング】においてこの紋章が浮かび上がり、この時にはすでに「ロト」の紋章と位置づけられていたようである。
【公式ガイドブック】では3作共通で背表紙に用いられたほか、ロトに関連した各種アイテムのデザインにも使用された。
リメイク版DQ1では【ロトの洞窟】の石碑にも描かれている。
しかしゲーム内で紋章の意味について語られることはなく、関連書籍や派生書籍等で補足された要素が多い。したがって、紋章に気を留めなかったり、存在自体に気づかなかったプレイヤーもいたと思われる。
 
雑誌『ファミリーコンピュータMagazine』(現在は休刊)に「D.Q.II Q&A」というコーナーがあり、ある時、

勇者3人の衣装などについていた、鳥のような印と、ハーゴンの衣装の印は一体何なのですか?

という質問が寄せられた。
これに対して【中村光一】は、次のように語っている。

3人の身につけているものについている印は、控えい、控えい、頭が高いゾ! の勇者ロトの家紋なのです。
どうやら鳥をモチーフにしてあるようなので、キャラクターデザインの鳥山明先生の “トリ” ではないか、という説もあります。

ドラマCDでは「不死鳥の紋章」と呼ばれている。
DQ2のゲームブック(エニックス版)では「ラーミアの意匠」となっている。

DQ1

かつて世界を救った伝説の勇者の称号。
【ロトの洞窟】やロト装備などにその名が残っている。
 
ちなみに【主人公(DQ1)】に「ろと」と名付けた場合、
成長タイプは【ちから】【すばやさ】が伸びやすいDタイプとなり、
【HP】【MP】にも3ポイントずつボーナスが付く。
ボーナス面に関しては一番当たりなので、実際に付けるには無難な名前だろうか。

サテラビュー版

第4話のラジオドラマに勇者ロトが登場。声のみの登場でゲーム上ではその姿を見ることはできない。担当声優は不明。
初老男性のような声質でセリフにはエコーが掛かっており、ゆっくりと落ち着いた口調から神々しい印象を与えている。一人称はわたし。主人公への二人称はそなた。 
主人公を「わたしの血を引く者」と呼び、【ロトのつるぎ】を見つけ出せるようにと、しばらくの間会心の一撃を連発できるよう加護を与える。プレイヤーへの説明も兼ねているセリフとはいえ、自身の名のついた剣を「この世界で最強の剣」と言い切っている。
 
彼がいつの時代の勇者ロトなのか、ラジオドラマやゲーム上で言及されることはない。原典に沿うならDQ3の主人公なのだが、その声は明らかに男性のため、女性主人公でないことは確かなようだ。

ゲームブック(双葉社)

「ロト伝 第一章」なる書物(?)が紹介されている。
それによると勇者ロトは大魔王を倒した後、聖なる城ラダトームを築き、その下に【ひかりのたま】を埋めたことになっていた。
DQ3の主人公がアレフガルドに来る前からラダトーム城はあったので、若干矛盾しているように思えるが、そもそも本ゲームブックが世に出たのはFC版DQ2すら出ていなかった時期なので、作者を責めることはできまい。

DQ2

【主人公(DQ3)】のことを指す。
が、リメイク版では【ローラの門】の老人が

「ここは ローラの門。
はるか昔 伝説の勇者ロトが 妻の ローラ姫をつれて わたったことから
そう 名づけられたのじゃよ。」

【主人公(DQ1)】のことを勇者ロトと表現している。
単純にスタッフのミスや、DQ7の【ルーメン】のように言い伝えが間違っている可能性もあるが、前作でDQ1の主人公も「まことの勇者」に認定されているので、ちょっと違和感はあるもののあながち間違いとまではいえない。
DQ3の勇者もロトの名を受け継いだ者なので襲名したという扱いでもおかしくないし、まして(数)百年たつうちに少しズレてしまったとしても不思議ない。
なお、ルプガナやラダトームでは【ロトの勇者】と呼ばれ勇者ロトとは区別されている。
 
ちなみに今作で「ろと」の名前だと、仲間の名前は【カイン】と【サマンサ】になる。

DQ3

アレフガルドに古くから伝わる、「まことの勇者」にのみ与えられる称号。
【主人公(DQ3)】は、エンディングにおいて【ラルス王】よりこの称号を授かることになる。
【上の世界】には伝わっていないが、【ルイーダの酒場】でこの名前の仲間を登録しようとすると
ロトとは「神に近し(き)者」という意味であまりにも畏れ多いとして登録させてくれない。
ちなみに【冒険の書】作成時に主人公の名前にしようとすると「じぶん(あなた)のなまえをいれてください」とされて、やはり拒否される。
世界観の都合でこうなっているとはいえ、もし「本名がロト」の人は、「じぶんのなまえをいれることができない」わけである。
 
主人公の装備していた【おうじゃのけん】【ひかりのよろい】【ゆうしゃのたて】
一般的にはこれらが後の【ロトのつるぎ】【ロトのよろい】【ロトのたて】であるとされている。
また同作のエンディングでは、【せいなるまもり】【ロトのしるし】として後の世に伝えられたと語られている。
 
一度クリアしてロトの称号を得た後のデータでは、主人公の職業が「ゆうしゃ」から「ゆうしゃロト」に変わっている。
また、クリア後のデータであれば勇者を【ルイーダの酒場】に預けることができるようになり、勇者抜きのパーティも組めるようになる。
しかし勇者を消そうとしても「勇者を消すことはできません」と言われ消すことはできない。消せたら取り返しがつかないから当然とも言えるが。
FC版では【キャラクター増殖】でキャラのコピーを繰り返して名簿の順番を変えると、名簿の先頭の主人公の位置に置かれたキャラはどんな職業であっても同じことを言われて消せない。
逆を言えば名簿の先頭でない位置に勇者(ロト)がいた場合、普通に消すことはできたりする。
冒険の書に表示される名前は名簿の先頭キャラなので、主人公を消したり作り直したりできたら冒険の書の名前が変わってしまうので、それを防ぐためにも本来は勇者を消せないようになっているものと思われる。
 
なお、少しだけ勘違いされやすいが、本作の主人公が「初代ロト」というわけではない、と考えられる。
DQ3は【ロトシリーズ】における最古の時代を扱った作品で、DQ3発売当時はプレイヤーの知りうる限り最初のロトである。
そうしたいきさつから、メディアや外部作品等を含め、基本的に「ロトといえばDQ3主人公のこと」という了解が成り立ってしまっているが、彼/彼女はあくまでも【ゾーマ】を倒し、アレフガルドを救ったことで真の勇者と認められ「ロトの称号を得た」、そして伝承に則り「ロトを名乗ることが許された」わけである。
そうであれば、大元をたどれば「まことの勇者はロトと名乗る」という伝承のそもそもの発端となった最初の出来事が過去のどこかであったと考えるべきだろう。
この「ロトの起源」については、古くは【ドラゴンクエスト 精霊ルビス伝説】が、最近ではDQ11が公式作品としてそれぞれに語っている。
詳細はそれらの項を参照してほしい。
 
ちなみにシステムの参考になったWizardryにも同じような称号システムがあり、エンディングを迎えたメンバーにはそれぞれのステータス画面に特定の文字(マーク)が追加される。この称号はラスボスが出現しなくなるフラグでもあり、続編にキャラクターを転送すれば複数作品の称号を集めることもできるやり込み要素でもある。
同作にはDQ3の勇者のようなパーティメンバーの制限があるわけではないのだが、結果的に、称号を得たキャラクターは(ラスボスと再戦するために)任意でパーティから外されたり、あるいは(転送されて)異なる世界に旅立っていなくなったり、などというシチュエーションがある点で、DQ3の勇者ロトと似ている。

リメイク版

【冒険の書】を選ぶ際の名前に「.ロト」が付くという、中々ニクい演出が追加された。
一方、クリア後のデータで勇者をパーティから外すためには「バラモス討伐後」のフラグも必要になった。
また勇者を酒場で外すことができるようになると、敵の【バシルーラ】も効くようになり、ロトの称号が付くことで弱体化する一面も出るようになった。
(FC版では称号付きでも敵のバシルーラは効かない)
  
なお「ロト」以外にも、【オルテガ】【カンダタ】といった、ゲーム中に登場する個人名が登録できない名前として追加された。
これらの名前を主人公に付けようとした場合や、【命名神マリナン】【神官】の元で付けようとした際は、共通のメッセージが表示されて拒否されるが、ルイーダの酒場で登録しようとした際に出るメッセージは「ロト」のみFC版同様で、それ以外は共通となっている。
やはり「ロト」という名前は別格中の別格ということなのだろう。

小説版

元々はアレフガルドの創世記に、世界を救った者の称号だという。

CDシアター版

【ガライ】曰く「神に近しき者」という意味の言葉。

DQ11

【ロトゼタシア】という世界が物語の舞台となっていることから発売前からロトの系譜との関連性が示唆されていた。
 
真エンディングにて、【主人公(DQ11)】が大樹の化身である【聖竜】から、「ロトゼタシアを救った真の勇者」即ち「ロトの勇者」として語りつがれていくようになる。彼がロトの名の由来(物語の始点)となったとも考えられる(ただしロトゼタシアとDQ3の上の世界及びアレフガルドとの関連性は不明)。
上述のように捉えるならば現状ではDQ11がロトシリーズの最古となる。
 
なおDQ3がそうだったように、主人公の名前に「ロト」と名付けることはできない(ひらがなの「ろと」は可)。
今作でもロトの紋章は一部登場しているが、主人公の持つ勇者の痣とは形状が異なる。
【勇者のつるぎ】などに似た意匠が見られるが、関連性は不明。

キャラバンハート

廃墟となった【ムーンブルクの城】にて、

*「ロトの ちすじは とだえたわけではない。
  今は ねむっているだけ…。
*「しかし ちすじだけが ロトの
  あかしではない。それをわすれるな…。

という話が聞ける。
元々は「まことの勇者」を表す称号だったことを言っているのだろう。
 
また、【竜王の城】で眠りについていた【りゅうおう】

*「ふははは ならば えんりょはせんっ。
  死ぬがよい ロト!!

と言ってくることからすると、りゅうおうは【主人公(DQ1)】のことを「ロト」と呼んでいたようだ。
このように、「ロト」が【主人公(DQ3)】の専売特許ではないことを示すセリフが、本作ではときおり見受けられる。
 
決定的なのが【エンディング】目前における幻魔【マガルギ】のセリフ。

ロトは ひとりの人間を さししめす 言葉では ありません。
そして 勇者とは 勇気ある者のこと。
それは 自分で 名乗るものではなく 
ゆうきを もって こうどうする者が 
いずれ ロト と呼ばれるようになるのです。
それこそが ロトのゆうしゃ なのです。

精霊ルビス伝説

主人公【ルビス】の恋人(後の夫)である「ディアルト・ケントロピーゲ」の本名が「ロト」であり、
後の世に誕生した「ロト」の称号を冠する勇者たちは全て彼の生まれ変わりであるとされている。

ロトの紋章

【主人公(DQ3)】を参照。

ドラゴンクエスト四コマ漫画劇場

【石田和明】による初期の作品では、DQ3の勇者の実名として使われていた。
「お前は町外れン家のロト!」など。