Z000503

Last-modified: 2009-10-19 (月) 21:22:45

     どらごにっく★あわー!
  ~竜を退治するだけの簡単なお仕事です~

初期情報
No.Z000503    担当:伊豆平成2号
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 日本の都会の近くのどこか濁った海水浴場とはまるで違う、どこまでも青いきれいな海。
 白い砂浜に立ち並ぶヤシの木。
 降り注ぐ、まぶしい健康的な日差し。
 色とりどりの花で身を飾った褐色の肌の娘たちが、素朴なリズムに合わせて腰蓑をゆらしてポリネシアンダンスを踊る。
 あなたも、南洋の楽園で優美なひとときを過ごしてみませんか?
 オーストリッチ空輸で行く、ロンガロンガ王国の旅。

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 ロンガロンガ王国。
 大小20ほどの島々からなる、南太平洋上の独立国。
 中心となる島は、モルトケ島。そこに首都モロがある。
 島々を合計すると、陸地面積は日本の長野県ぐらいに相当する。
 その狭い範囲に、火山あり、熱帯雨林ありで、さまざまな地形が混在している。

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 ヨーロッパ人が来る以前の島の歴史はよくわかっていない。
 18世紀末頃まで、ラッタ氏という王朝が栄えて島々を支配していたが、動乱があってその体制が崩れ、小領主たちが割拠する。
 さらに時代がくだって19世紀後期、太平洋にドイツが進出し、ロンガロンガもその植民地となる。島々の名は、現地名からドイツ語系の名前に変更された。ロンガロンガ本島には、モルトケ島の名が与えられている。これはプロイセンの陸軍参謀総長大モルトケの名に由来する。
 20世紀初頭には、ハンス・メッケルという人物が行政官としてドイツからモロに赴任し、開発と科学調査を指揮したが、あいにく植民地として十分な開発が行われるより前に第一次世界大戦が勃発。
 メッケルのもとで行われた科学調査の記録が残っていれば、島々の貴重な資料となったろうが、残念なことにその後の動乱で資料は散逸してしまった。メッケル自身も、後に消息を絶っている。
 一方で、メッケルは現地人を使い、怪しげな人体実験を行っていたという伝説もまことしやかにささやかれているが、都市伝説のたぐいであろう。
 一方、ロンガロンガの島々は、連合国側で参戦した日本により占領される。その際、この島では、ドラゴンと日本海軍の実戦があったとも言われる。
 その後、大戦間期には太平洋の他の島々と同様に委任統治領として日本がその統治を引き継ぐ。
 ちょうどアメリカが日系移民を閉め出していた時期でもあり、日本からこの島々に入植した者も少なくない。
 このため、現在でも島には日系人や、日本語を話せる現地人は多い。
 海軍はここに基地や飛行場を建造した。
 そして太平洋戦争。
 アメリカ軍の艦砲射撃と空母からの空爆で基地はほぼ破壊され、海兵隊が上陸すると島のわずかばかりの日本軍はほぼ全滅。ロンガロンガの島々には星条旗が翻った。
 戦後、1956年に、ロンガロンガ王国として独立。
 立憲王制を取り、かつてのラッタ王朝の末裔ムセキが初代国王となる。
 ムセキは独立当初から、島の観光資源を活かした観光立国を目指し、観光産業に力を入れた。
 王宮さえも、観光客に開放されていて、気軽に入ることができる。というより、そもそも観光用に造られた王宮という観がある。
 なにはともあれ、観光産業によって日本や欧米の資本が流入し、ホテルやレストランなどの施設は充実。治安もよく、リゾート地として申し分ない。
 ただ、逆にそれがものたりない、南洋のリゾート地としてはありふれていて、ここが特にいいというウリがない、という厳しい指摘もある。
 現在の国王はスーダ。
 ただし病気療養を口実として事実上隠居しているため、国務は太子で摂政のトゥイが代行している。事実上の現国王と言っていいだろう。現在33歳で小太りの男性だ。
 このトゥイ王子が曲者で、大の兵器好き。
 趣味が高じて、中古品とはいえ欧米から戦闘機や戦車や砲艦を購入して悦に入っているという、ちょっとアブナイ王子様だ。
 とにかく、彼の趣味で、陸海空の三軍に小国には分不相応な装備が配備されている。
 王族では他に、エリザベス、通称リズという王女がいる。スーダの弟の娘で、その王弟の死後、スーダの養女となった。つまり、トゥイ王子のいとこであり、義理の妹でもある。現在16歳。生粋の島民にしては色白の美少女だ。
 なお、王子を補佐する現在の総理大臣は、なんと日本国籍を持つれっきとした日本人である。曽根安広中[そねやす・ひろなか]というこの人物は、現地ではソネ大臣の名で知られている。

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 近年、このロンガロンガ王国は2つの点で注目されつつある。
 1つは、将来有望なレアメタル鉱床の発見。
 すでに日本やアメリカの企業がその採掘権を取得して開発にかかっている。
 そのために流入している金が、王子様の高価なオモチャの購入資金の出所である。
 もう1つは、太平洋のこの位置にしては、珍しい文化。べースにはポリネシア系の文化があるが、その中に古代中国や日本、東南アジア、さらには遠くインドにもつながると思われる文化が混在しており、かと思えば南米文化の影響を指摘する学者もいる。水中考古学上の新発見も相次ぎ、この辺りの海底をさらに詳しく調査すれば太平洋文化交流史の従来の学説は覆えされるのではないかとまで言われており、考古学や文化人類学などの学者たちから注目を集めている。

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「とまあ、こんな感じの国です」
 旅行会社の人が一通り、その国の説明を終えてから、付け加える。
「そうそう、今なら格安で行けるツアーもありますよ。あまりお奨めはできませんが」
 どういうことかと視線で問うあなたに対し、旅行会社の人はさらに説明した。
「傭兵ツアーです。例のトゥイ王子が、最近、陸海空軍の傭兵を募集してまして。噂では、せっかく兵器があっても現地にはそれを有効に活用できる兵士がいないのだとか。それで陸軍、海軍、空軍の兵士を募集してるんですよ。え? そのツアーに参加したらちゃんと帰れるのかって? さあ、これは片道のツアーですので。傭兵契約後の身の安全、その他に関しましては、当社では関知いたしません。お客様の自己責任でお願いいたします。で、いかがですか? 傭兵ツアーはともかく、一般のツアーは。ご予算に合わせて、さまざまなコースもご用意いたしておりますが」
「考えておくよ」
 あなたは適当な返事をし、パンフレットだけ受け取って、旅行代理店を出た。
 暇つぶしのひやかしのつもりで入ったのだが、なんとなくその国の名は、あなたの耳に残った。
 ロンガロンガ王国。
 ちょっと羽を伸ばして行ってみるのも、悪くはないかもしれない……。
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「マスターより」
 初めまして、もしくはまたお会いしました、伊豆平成2号です。よろしくお願いします。

■行動選択肢
A010500 ロンガロンガの傭兵募集に応じる
(担当:伊豆平成2号/地域:131)
備考:陸海空のどの軍に所属するか明記してください。

A010501 傭兵にはならないが王国に行ってみる
(担当:伊豆平成2号/地域:131)

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