Z002104

Last-modified: 2009-10-08 (木) 21:54:25

     どらごにっく★あわー!
  ~竜を退治するだけの簡単なお仕事です~

初期情報
No.Z002104     担当:竹本みかん
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 きっかけは誰の身にも起こりうることでした。
 私の場合もよくあること。
 幼い頃からニュース映像などで街を襲うドラゴンと戦う勇敢な人たちを見て憧れたのです。
 幸いなことに私にはドラゴンと戦う力を持つ者であるベオウルフになる素質がありました。
 その素質を鍛えて正式なベオウルフになるためには、いくつか存在するユニオンの中から、ひとつ選ぶ必要がありました。
 私が選んだユニオン、それは――
『タイタニア・テンポラリー・サービス』でした。
 他のユニオンへの支援を第一に考える集団であるため、ドラゴンと直接戦う機会が少なそうなのは残念ですが、より多くの人のために活動できそうですし、何より制服であるメイド服が可愛らしくて……

     ◇     ◇     ◇

「って、ちょっと待って下さい! なんで割烹着なんですかぁ!」
 私が不満を漏らすと、まだどんな人なのかも判らない眼鏡を掛けた直属の上司であるメイド長さんが答えてくれた。
「こちらの不手際です。申し訳ないのですが、あとで手配し直しますので我慢してください」
「は、はい……お願いします……せっかく、この日のためにメイドの嗜みを身につけてきたのに……」
「君なんてまだいいよ……」と、背後から声がする。
 どうやら本当に不手際なようで、私と一緒に配属された男の子も希望していた執事服ではなく、黒子が着るような黒装束だった。
「声を聞かなきゃ誰だかわかんないね……」
「ああ、顔が隠れているからね……」と、黒子くん。
 私たち2人が判りやすい声のトーンで落ち込んでいると、上司のメイドさんが申し訳なさそうに声を掛けてくる。
「今回の任務は戦線にいる他団体のユニオンへのお届け物を配達するのが目的でした。ですが、新たにお客様がいらっしゃるようです。
 ……執事・メイドの嗜みを身につけたあなた方ならば、充分なおもてなしはできますよね?」
 私たちは間を置かずに即返事をする。
「はいっ! もちろんです!」
「お任せを!」
「いい返事です。それでは私たちのモットーを再確認しつつ、お客様(ミスター・ドラゴン)のお相手をするといたしましょうか」

     ◇     ◇     ◇

 幸いなことに私たちが担当するお客様はソルジャードラゴンという欲望に率直すぎるくみしやすそうな方々でした。
 岩陰に潜み、お客様をお待ちしている間、メイド長さんは私たちに言いました。
「折角の機会です。タイタニア・テンポラリー・サービスのモットーを再確認しておきましょう」
 微かに感じるお客様の気配にも構わず、メイド長さんは人差し指を立てながら言いました。
「――困った方々をお助けしましょう。
 今さら説明するまでもありませんが、私たちは基本的にドラゴンと戦う方々への支援を第一に考えるユニオンです。今回のように私たちが直接おもてなしするケースは本意ではありませんが、他のユニオンの方々が不在であれば躊躇することなく戦います。
 なぜなら、私たちはタイタニアの一員である以前にドラゴンへの対抗が可能な力を有するベオウルフだからです」
 私と黒子くんはうなずきました。
 自分にベオウルフの素質があると伝えられたときから、ドラゴンと戦えない人たちに代わって戦おうと誓っているからです。それはきっと、他のユニオンに属しているベオウルフの皆さんも同じ気持ちであったに違いありません。
 メイド長さんは2つめのモットーを口にします。
「――団の名を、引いてはお嬢様と今は亡き旦那様の名を汚すことのなきよう、常に誇り高くありましょう」
 お嬢様というのは、私たちのユニオンの代表を務められているアデレイド・アークライト・エアシャーお嬢様のこと。そして、旦那様というのは前エアシャー伯エイブラハム“偉大なる”アークライト様のことで、私たちが属するタイタニアの創始者。ドラゴンに苦しめられていた人々の助けになるよう私財を投げ打ち、更には自ら槍を取って戦ったと言われています。 お嬢様とはまだ直接お会いしてはいませんが、旦那様と同様に若くしてとてもご立派な方だと伺っています。
「私たちの一挙手一投足がお嬢様の名誉に繋がっていることを一時も忘れてはなりません。これは3つめのモットーであるところの――団の外の方にご迷惑やお手間をおかけすることのなきように、常に全力を尽くしましょう――もまたお嬢様への名誉のことを思えば、決して破ってはならないものだというのがわかるはずです」
「はい!」と返事をして頷く私たち。
「――お掃除はちり1つ残さぬように、きっちりと。
 ――いらっしゃいませ、お客様。そして、永遠にごきげんよう」
 メイド長さんが4つめと5つめのモットーを続けて述べてゆきます。
「これら2つのモットーは、一般的な執事・メイドが行う仕事に関することではありません。執事・メイドであると同時にベオウルフである私たちが行うドラゴン駆除に際してのものであるということは、説明するまでもありませんよね?」
 もちろん私たちは「はい」と返事をしました。
「それでは最後のモットーをあなた方2人の口から言ってごらんなさい」
 最後のモットーって? ユニオンとしてのモットーはこれで全部でしたはずです。私が首を傾げようとしていると、黒子くんが肘で私をつついて言いました。
「ほら、アレだよ。僕ら団員のみの間で誓われている秘密のモットー」
「あっ、そうだった。絶対に破られることのあってはならない、あのモットーのことよね」
 私たちは声を揃えて最後のモットーを口にする。
「「――お嬢様を危険な目に遭わせることのないよう、お守りいたしましょう」」
 先代のアデレイド伯がドラゴンとの戦いで死去された際、旦那様に使えていた執事・メイドたちの間で誓われたのです。タイタニアをお継ぎになるお嬢様のことは例え何があろうとも絶対にお守りすると。
「よろしい。それでは今この瞬間からあなた方をタイタニア・テンポラリー・サービスに属する一人前の執事・メイドとして扱います。
 まずは先ほど説明した通り、ソルジャー種であるお客様方をおもてなししてさしあげましょう」
 メイド長さんはそう言って微笑んだ。
「「はい、がんばります!」」
 私と黒子くんは、これから一人前として扱われるのだという喜びと緊張感でドキドキしていました。
 そして、どうせなら最初はちゃんとした格好がよかったのに……と、お互いに少しだけ残念な気持ちになっていたのでした。
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■関連行動選択肢
X018806 タイタニア・テンポラリー・サービスのベオウルフとして行動する
(担当:???/地域:???)
備考:主に、ユニオンの構成員に対してアクションをかけたい場合に選択する行動選択肢です。地域名はアクションに応じて記入ください。
 既存のシナリオや、すでにある行動選択肢などの枠にとらわれないアクションに挑戦したい、上級者向けの行動選択肢です。
 すでに存在する行動選択肢で事足りる内容と判断されるアクションだった場合は、不採用になる場合がありますので、ご注意ください。
 アクションが不採用となった場合は、不採用アクション用のリアクションが送付されます。

X019900 その他の自由行動
(担当:???/地域:???)
備考:既存のシナリオや行動選択肢などの枠にとらわれないアクションに挑戦したい、超上級者向けの行動選択肢です。自分の意志で世界を、物語を作っていきたいというコアでディープなプレイヤーにお薦めです。
 ただしアクションが採用されなかった場合は一切描写されず、不採用アクション用のリアクションが送付されます。
 すでに存在する行動選択肢で事足りる内容と判断されるアクションをこの行動選択肢に送った場合は、それだけで不採用になります。
 また必ず行動する地域番号を記入ください。行動する地域によって、採用率は変わります。

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