このページでは生産ライン構築のための基本的なノウハウについて紹介していく。
自動化が難しい?
ダイソンスフィアの建設は順調に進んでいるだろうか?
この手のゲームは試行錯誤をしながら効率的に生産できるような配置を見つけたり、見た目の美しいラインを作ったりするのが醍醐味ではあるのだが、何のヒントもない状態で進めていくのはさすがに厳しいと感じる人もいるだろう。そこでこのページでは生産ラインのサンプルを紹介しつつ、設計時の考え方や注意点について解説していく。
基本の流れ
生産ライン作成例
最初にElectromagnetic matrix(電磁マトリックス)を生産するラインの例を紹介する。このゲームを始めたばかりで何をすれば良いか分からない人はとりあえず真似して作ってみるのもいいだろう。それぞれの箇所で何をしているのかを確かめながらラインを再現していけば、大よその雰囲気はつかめるはずだ。
目標を決めよう
まずは生産ラインを作る目標を整理しておこう。
このゲームの目的はダイソンスフィアを完成させることなのだが、実際にプレイしているときには「このアイテムを作りたい」となることが多い。今回はゲーム序盤から研究で使用するElectromagnetic matrix(電磁マトリックス)の生産を自動化していく。生産する個数はMatrix lab(マトリックスラボ)6台の同時稼働に必要な分とした。初期状態でマトリックスラボは縦に3つ積めるので、さらに横に2つ並べたら見栄えが良さそうというだけの単純な理由だ。慣れない間このあたりを難しく考える必要はない。とにかく1つでもアイテムが生産できるようなラインを作り、細かい部分を後から調整していけば大丈夫だ。
工程を考えよう
さて、Electromagnetic matrix(電磁マトリックス)のレシピを見るとCircuit-board(回路基板)とMagnetic-coil(磁気コイル)が必要だとわかる。さらにこれらの部品を作るにはIron ingot(鉄インゴット)、Copper ingot(銅インゴット)、Magnet(磁石)という材料を経由し、最終的には天然資源であるIron ore(鉄鉱石)とCopper ore(銅鉱石)に行きつく。これらの資源は惑星上に点在するIron vein(鉄鉱脈)とCopper vein(銅鉱脈)から採集できる。
まずはこの一連の流れを頭の中で思い浮かべてみよう。アイテムを生産するには対応した施設が必要になるのでそちらも忘れずにチェックだ。慣れなければ図を書いて整理してみると分かりやすい。参考として電磁マトリックスの作成過程をまとめると以下のような表になり、採集・生産施設としてはA~Iの合計9か所を設置することになる。
アイテム | 採集施設 | アイテム | 生産施設 | アイテム | 生産施設 | アイテム | 生産施設 | アイテム |
A | x2 | B | x2 | G | x2 | I | x2 | |
C | x2 | D | x1 | |||||
x1 | H | x2 | ||||||
E | x2 | F | x2 |
構築しよう
生産工程が把握できたら早速ラインを構築していこう。大前提としてIron vein(鉄鉱脈)とCopper vein(銅鉱脈)がないと話にならないので、惑星ビュー(デフォルトではMキー)を使って鉱脈が近くて十分に広さのある良さげな場所を探しておく。なるべく拠点の近くを選ぶと移動が楽で良い。場所を決めたら鉱脈の上にMining machine(採掘機)を設置して鉱石の採掘を始めよう。なお、設置する場所が限定されるのは採掘機だけなので、鉱脈から離れた場所にラインを構築することも当然可能だがConveyor belt(コンベアベルト)を大量に消費する。
続いては生産施設の設置、ライン構築における重要なポイントだ。生産工程を思い浮かべながらSmelter(製錬所)やAssembler(組立機)をどこに設置するか決定していく。生産施設同士をコンベアベルトで上手く繋いでアイテムを流していかなければならないのでパズルを解くような気分で挑もう。それぞれの施設をいくつ設置すれば良いのかわからない? こればかりは勘と経験(もしくは後述する計算)に頼るしかないのだが、迷ったらとりあえず2つほど設置するのをオススメする。複数設置することで拡張したときのイメージが湧きやすくなるからだ。
最初は工程を考えたときに整理したレシピの流れ通りに配置していくのが良いだろう。同じレシピを扱う施設同士は近くにまとめ、異なるレシピの施設とは間隔をあけておく。こうすればコンベアベルトの取り回しに困ることはないはずだ。ただしコンベアベルトの形が複雑になると状況が把握しづらくなるので交差を使いすぎないように注意すること。工程をまとめた表と生産ライン作成例とは次の図ように対応している。銅鉱脈の位置は表と一致しなかったので、銅インゴットにしてから他の材料と合流させている。
広めにスペースを確保しておく
基本的にラインは広く作り、余分にスペースを確保しておいた方が後で困らない。施設が足りなかった時に追加できるし、コンベアベルトの交差や配置変更も容易に行えるからだ。ラインの例でいえば銅インゴットを生産している部分は左方向に伸ばしていけるので拡張性が高いといえる。逆に鉄インゴットや磁石はもう製錬所を置く余裕がないので少々扱いが難しい。もし鉄インゴットや磁石が足りなくなれば、鉄鉱石を製錬している部分を壊して下方向に伸びるように組み換える必要があるだろう。
立体交差と分岐と合流
Conveyor belt(コンベアベルト)は立体交差させることができる。この事実を知らないとライン構築の難度が大きく変わってしまうので必ず覚えておこう。技術研究も特にいらないので序盤からしっかりと使っていきたい。アイテムの合流もコンベアベルトのみで可能だ。
アイテムを分岐させる場合はSplitter(スプリッタ)かSorter(ソーター)を使用する。詳しい使い方はそれぞれの解説ページを参照してほしい。簡単に違いを説明すると、スプリッタは場所を取るが様々な機能を持ちアイテムを均等に分岐させることが可能で、ソーターはアイテムの数が偏ってしまうがコンパクトに設置できる。
コンベアベルトと施設の距離
Sorter(ソーター)の速度はアイテムを運ぶ距離の影響を受ける。なので材料になるアイテムの数に差があるときは多く必要な方を生産施設の近くに配置したほうが良い。例えば回路基板の材料は鉄インゴットx2と銅インゴットx1であるため、鉄インゴットのコンベアベルトが組立機に近くなるようにするといった具合だ。
調整しよう
生産ラインが稼働を始めてしばらくしたら状況を確認し、不足しているアイテムがあれば原因を突き止めて取り除いていく。生産ラインが止まってしまう原因として良くあるものを対策と共にまとめたので困ったら参考にしてみてほしい。問題を一つ解決したら連鎖して別の問題が発生するケースも多いので根気よく対応していこう。
- 生産施設の数が足りない
施設がフル稼働していて材料も余っている時は生産施設の数が足りていない。生産施設の数を増やして対応しよう。生産施設が組立機ならより上位の施設にアップグレードするという手もある。
- ソーターの速度が足りない
コンベアベルトには材料があるのに施設画面を開くと材料が足りない場合、ソーターの搬入速度が追いついていない。ソーターをアップブレードするか複数接続しよう。
- 電力が足りない
コンベアベルトにも施設画面にも材料が十分あるのに生産が止まっているなら電力が足りていない。電力供給は施設画面の右上に表示されているので、当てはまっていれば電力網の状況を確認しに行こう。
- 材料の供給が足りない
材料が流れてきていない場合は前段施設の生産状況に問題があるので確認しに行こう。前段の施設の材料も足りない場合はさらにラインを遡る必要がある。前段の施設が順調であれば運送経路の確認をしよう。
- コンベアベルトの速度が足りない
生産施設を大量に並べた時に発生しやすい。コンベアベルトに材料がぎっしり詰まっていたのに途中でなくなっていたらコンベアベルトをアップグレードしよう。もしくはコンベアベルトの供給を2列にして途中で合流させてもよい。
- 材料を別の生産施設が消費している
生産ラインが長くなってくると起こりがちで、材料の運送経路上に別の生産施設が設置してあるというケースだ。解決するには材料の供給を増やすのが一番だが、難しければスプリッタを使ってアイテムが均等に分配されるようにしよう。
- アイテムが搬出先がない
複数の種類のアイテムを生産するレシピの場合、全てのアイテムを搬出しないと生産が止まってしまう。余っているアイテムの消費先を見つけるか、困ったらひとまず別の場所に保管しておいてもよい。
- アイテムが混ざっている
アイテムの搬入が止まっている場合、レシピに関係のない材料がコンベアベルトを流れている可能性がある。混ざってしまった原因を見つけ、ソーターのフィルター機能などを使って解決しよう。
最適化しよう
この章はやりこみたい人向けの情報なので興味がなければ読み飛ばしてもらっても構わない。
単位時間で考える
まずはレシピを単位時間あたりに生産するアイテムの個数で考えることにしよう。これは複数のレシピを組み合わたときに秒数や個数がバラバラだと計算がしづらいためだ。例えば1.5秒に1個生産できるアイテムと5秒で3個生産できるアイテムではどちらの方が多いかと聞かれてもすぐには反応できない。しかしこれが1分で40個生産できるアイテムと1分で36個生産できるアイテムだったなら答えは一目瞭然である。単位時間には自分が計算しやすい値を好きに設定してもらえばよいのだが、ここではゲーム内で生産施設の画面に表示される値と同じになるよう1分間で説明していく。
電磁マトリックスの生産に関係するアイテムのレシピを単位時間に直した結果をまとめた。注意してほしいのが組立機 MK.Iを使用した場合は生産速度に0.75の補正が掛かるということだ。うっかり忘れて計算すると実際の動作と合わなくなってしまう。なお、以降の説明で生産速度や消費速度と記載した時は1分間で生産するアイテムの個数のことだと思ってほしい。
消費速度(個/分) | 生産施設 | 生産速度(個/分) | |
60 | 60 | ||
60 | 60 | ||
60 | 40 | ||
20 | 20 | 20 |
また、単位時間の考え方は物流施設にも適用できる。生産速度と同じく、運搬速度・搬入速度・搬出速度のように記載した時は1分間に運ぶことのできるアイテムの個数を示していると考えてほしい。コンベアベルトは比較的運搬速度が高いので序盤はそこまで気にならないが、ソーターが意外とボトルネックになりやすいので注意だ。
物流施設 | 運搬速度(個/分) | 物流施設 | 運搬速度(個/分) |
360 | 90 (1グリッドの時) | ||
45 (2グリッドの時) | |||
30 (3グリッドの時) |
生産施設を計算する
当初に建てた目標はマトリックスラボ6台を同時稼働させることだった。この目標を達成できるような生産ラインを計算によって求めていく。研究モードのマトリックスラボは電磁マトリックスを3秒につき1個消費する*1ので、消費速度は1台で20個/分、6台を同時稼働させるには生産速度120個/分が必要となる。
計算方法は色々あると思うが、筆者の場合はこのような表を作って必要な値を書き込んでいっている。まずは必要なの生産速度が120なので、レシピの行の対応する部分に+120と書き込む。このレシピは2020→20であるため、必要な施設の数を120/20=6と求めて台数の欄に、材料となるアイテムの消費速度2020もそれぞれ6倍して-120と書き込んでいく。
生産 | アイテム(個/分) | |||||||||
レシピ | 施設 | 台数 | ||||||||
6 | +120 | -120 | -120 | |||||||
次はの消費速度が120、レシピは9045→90であり、必要な施設の台数は120/90=1.333...なので切り上げて2台とする。生産速度の90x2=180をプラスで、消費速度の90x2=180と45x2=90をマイナスでそれぞれ書き込んでいこう。もう片方のについても材料が違うだけで計算は同じだ。
生産 | アイテム(個/分) | |||||||||
レシピ | 施設 | 台数 | ||||||||
6 | +120 | -120 | -120 | |||||||
2 | +180 | -180 | -90 | |||||||
2 | +180 | -180 | -90 |
続いてについても同様に計算していく。このうちは2つのレシピで消費されるので-90が上下に並んでいるが、同じ列を縦に足していった値が全体での消費速度になる。ここまで計算したら列ごとに合計を出してアイテムごとの収支を確かめてみよう。天然資源のみ値がマイナスになっていれば計算完了だ。あとは表にある台数の通りに施設を設置していけばよい。
生産 | アイテム(個/分) | |||||||||
レシピ | 施設 | 台数 | ||||||||
6 | +120 | -120 | -120 | |||||||
2 | +180 | -180 | -90 | |||||||
2 | +180 | -180 | -90 | |||||||
5 | +200 | -200 | ||||||||
3 | +180 | -180 | ||||||||
3 | +180 | -180 | ||||||||
合計 | +120 | +60 | +60 | +20 | 0 | 0 | -380 | -180 |