【住民】/スドゥ・レウォール

Last-modified: 2024-03-21 (木) 20:05:56

アルファベット表記:Sdu Le-Wol
人種:開拓の民
性別:男
年齢:22歳(大陸歴1600年時点/大陸歴1578年生まれ)
属性:秩序にして善
職業・立場:秘境開拓者 7位階
活動時期:大陸歴1596年~
発案者:tocoma110
Tag: 住民 開拓の民 秘境開拓者 護傍導士 発案:tocoma110


「……何か、僕に回ってくる気はしてました、はい」
「それ以上やるというなら、骨の二三本は覚悟してもらいます」

概要

若手ながら秘境開拓組合から厚い信頼を置かれる、組合契約開拓者の一人。
探索・戦闘の両面で高い水準の技能を誇り、精素についてもそれなりの造詣を持つなど、若さに反して優れた実力を持っている。
また支部も選ばないことから各地を転々としており、彼の足跡は非常に広域にわたる。
そのため、1600年代に知る人ぞ知る人物として、「赤い便利屋」と噂されていた。

 

詳細

開拓者とは思えないほど穏やかで常識的な人物。
同業者のアウトロー気質を苦手とし、基本的に単独で案件に当たる傾向にある。人づきあいが特別不得手というわけではないが、最初期に2年間属した組欄を脱退して以降、特定の組欄には所属しないまま7位階に到達する変わり種。彼が他の開拓者と行動を共にする場合は、『穴埋め』や共同受託がほとんどである。
加えて組合の規律にも概ね忠実など、開拓者らしからぬ生真面目な性分の持ち主。

  • その生真面目さゆえ、仕事は常に一定の水準を保ってもいる。

秘境については複雑な印象を持っている。
故郷が秘境にまつわる災害で壊滅していることから、秘境という存在をドライに「人類の生活に対する脅威」と認識しており、秘境への警戒心はかなり強い。どちらかといえば一般社会の外れにいる秘境開拓者にしては、秘境が持つ世の中への脅威度を強く意識している。
そのため、他の秘境開拓者とは話が噛み合わないこともあり、「何故開拓者をしているのか?」と首を傾げられることも。


一方で、開拓者らしい秘境が持つ美しさに惹かれる感性も備えている。
元々秘境を「人が踏破(打倒)すべき未世界」と捉えていたが、実際に秘境開拓を行ない秘境を知る中で、その多面的な姿を目にし、秘境=脅威という認識が大きく揺さぶられてしまう。
しかし、それだけで素直にその美しさ・素晴らしさを認めるには、子供の頃の経験が強すぎた。
自分の中にある二つの感情に戸惑いながら、彼は今日も秘境へ赴く。

  • ちなみに、秘境についての知識はきわめて豊富。
    実直に仕事をこなすため・こなした結果であり、彼の気質がわかりやすく表れている。同時に、隠しきれない興味・好奇心の一端でもある。

開拓者らしからぬ人物だが、トラブルとの縁は不思議と多い。
それは常識的だが良識的な性格でもあるため。
困っている人間を見過ごせず、つい首を突っ込んでしまう程度には人がいい。それも、幾度か自分と敵対したこともある人間相手でも、である。本人も損な性分であると頭では理解しているが、それでもやめる気配がない辺り筋金入りである。
逆に、人様に迷惑をかける手合いには、冷ややかな評価を下しがち。

  • 荒事は嫌いながら行わないわけではなく、やる時はむしろ無情に叩きのめす。
    なるべく相手を殺さず怪我させずと心がけるも、常に加減が成功するとは限らない。

若くから活動する通り、開拓者としても優秀。
調査力や探索力はもちろん、ある程度の戦闘もこなせ、精術士としての能力も持ち合わせたマルチプレイヤー。いずれの分野も7級平均以上。立ち回りで1~2級上の開拓者に比肩する活躍を見せることも。
誰かと組む場合、相手の不得手を補う形で立ち回ることが多い。
その代わり、完全に特化した分野というものがない。


そんな彼だが、世人に語らぬ秘密を持っている。

実は秘境開拓組合が抱えるエージェント、『夜の羽?』の一員。
表向きは組合指定の依頼を受けている形だが、実際はその裏で指定先の調査・報告、時に何らかの制裁や痕跡の抹消などを任されている。

  • 彼の場合は主に超古代文明にまつわる遺産の封印や状況の確認、違法侵入者や指定危険生物の監視や排除が主体。
    その中で対応の必要があれば、現場判断で行なうことを許されている。

かつて秘境や超古代文明の遺産による悲劇で家族と故郷を失っており、その悲劇を繰り返さぬために活動している。
そのため、開拓活動の中で出会うものについては一定以上の価値を見出しつつ、どうしても脅威という面を抜いて考えられない。
このことは彼の中で大きな葛藤を生んでおり、それを乗り越え、秘境と向き合うことを目指している。


真の意味での暗部寄りではない、遊撃班に近い立ち位置。
どちらかと言えば各地を巡り、情報の伝達や秘境関連の問題対処が優先的に回される。彼自身は秘境の種類を問わず、問題調査が本領であると思っている。

  • だが、実際は秘境開拓協定違反者の対処など多彩な任務を請け負っており、段々と自分でも専門分野がわからなくなりつつある。

更に、その身に眠るある秘密もあって、組合側の人間ながら組合にも気を配らなくてはならないなど、複雑な立場にいる。

 

外見

長い黒髪を束ねた青年。
肌の色から東方の血を引いていると目されるが、本人は実態を知らない。
背丈こそ成人男性平均程度だが、顔立ちは童顔で表情も相まってやや幼い印象を与える。整った容姿は中性的、ともすれば女性的とも言えるほどで、時折間違えられることもある。
その一方で締まった身体の方は、鍛錬の激しさが伺える。


また赤い外套を纏っていることから赤套魔装士に間違われやすいが、帽子は被っていない。
赤色を好む傾向はある。

 

来歴

1578年に爬州と交易のある綴州の港町ハゥンスで生を受ける。
実家は開拓者や冒険者相手に商売をする精具取扱店で、その長男として家の手伝いをしながら育っていった。
だが、12の時にハゥンスで起きた『黒三日月事件?』により家族を失い、取引先であった秘境開拓組合支部員に引き取られる。
以降、4年ほどを支部員の下で生活し、その中で開拓者として生きることを決める。


16歳で老舗組欄『月鱗竜』に所属、そこで開拓者としてのイロハを学ぶ。
この期間は必ず実隊単位で活動しているが実隊の人員は常に固定ではなく、現在に通じる多彩な相手と組む経験を積んできたという。
2年ほど『月鱗竜』で経験を重ね、数級を5にまで上げた年に独立。19歳を目前に単独の組契として活動を開始する。

脱退について

実は彼を引き取った職員は『夜の羽』の一員であった。
『黒三日月事件』で多くの人を救えなかった中、数少ない顔馴染みの生き残り出会った彼を見つけ、引き取ったという。
 
その後、ひょんなことから養父の素性を知り、『夜の羽』への入隊を希望する。
家族を奪った古代文明の遺産という脅威や、事件を起こしたと思われる何者かの悪意を知ってしまい、次なる悲劇を起こさぬためにという決意からのものだった。


初めは反対した養父を説き伏せ、その養育機関としての顔を持つ『月鱗竜』に入隊。
不断の努力を重ねた結果、わずか18歳で正規採用を果たす。
その後は別の組欄(を隠れ蓑としたチーム)への所属を予定されていたが、後に発覚した“体質”から単独活動班としての活動を希望する。


が、その発言とは真逆に独立後の彼は極めて多忙である。
長年活動していた綴州を出発点として、わずか2年で俄州応州亜州爬州を巡っている。加えて挑む秘境は彼の数級としてはあまりに高い開拓難易度が多く、そういった点でも異質な経歴を歩んでいった。
その多忙な生活の中で功績を地道に上げ、若干22歳にして7位階にまで到達している。

  • こうした背景には、彼を重用するとある秘境開拓組合上層部の意向が関連している。
    関係性の都合上断ることも難しいため、彼女の子飼いと揶揄されることも間々ある。

そして、22歳を迎えた年に『ピアサ災厄?』に遭遇し、ある組織の影を追い掛けることとなる……

 

装備・保有する特殊な技術

前述の通り、7位階としては破格の高水準技能者。
探索・調査・戦闘のいずれも優秀であり、開拓難易度B程度の秘境ですらなかなかの働きを見せる。
中でも状態把握能力は図抜けており、土壌や気候、精素の変化も敏感に感じ取れる。その精度は精素感覚能力に特化した他人種に追従するほどで、開拓の民としては極めて鋭い。


精術士としては専門家程ではないが、開拓者としては相応程度の腕を備える。
どちらかと言えば基礎形式の術を使い分ける方が得意で、調律など正統派な専門技能は苦手意識がある。


分類するのであれば、そのスタイルは護傍導士
運動能力も高く、それを生かしての戦闘技術も高水準。特定の流派に属しているわけではないが、普及する護棒士式の技はいずれも洗練されている。
珍しいことに伸縮機能を備えた棒を武器とし、棒術と格闘術を組み合わせて戦う。習得した精術と組み合わせれば、遠近人獣のいずれも自在に相手取って見せる。投げ、払い、手刀、掌底などを中心に組み合わせ、剛よりも柔の戦技を好む。
その他にも投擲武器や刀剣・弓なども実用程度には使えるため、必要に応じて切り替えることもある。


だが、何よりも特徴的なのはその立ち回りの多彩さ。
斥候、予報士、戦闘員、精術士、治療者……いずれの役割も一定の要求を満たせる器用さが、他の人員にはない強み。

  • 一方、専門分野を持たないため、特化分野を持つ者たちほど派手には活躍出来ないことが多い。

また、最大の武器はある事件で得た“体質”なのだが、これについて公言することはない。

体質について

実は心臓の代わりにヘヴナイツ・オーダー特定個体のコアが埋まっており、一時的にその力を引き出すことが可能。
何と『黒三日月事件』の折、瀕死の彼と偶然出くわしていたヘヴナイツのコアが適合、生きながらえていたのだ。
長らくその事実に気づいていなかったのだが、異形悪性の理造神?に関連した事件をきっかけにコアが覚醒。その結果、世にも珍しい「現代に生まれた理造神」とでも言うべき状況になってしまった。
このことは信頼出来るごくわずかな人間にしか明かしておらず、人前で使うことも避けている。
また、意図的ではないにしてもスドゥの現状は超古代文明遺産の違法所持に相当するため、組合にバレると非常に厄介な事態になってしまう。
そのため、仮に行使する必要がある場合は、何らかのカモフラージュを施してから使用するようにしている。


身体能力の強化や純粋な精素掌握領域展開、光輝粒子活用*1など多彩な能力を行使出来るが、その全容については未知数。
特に機能を発揮しようとしなくとも、精素への耐性が極めて高くなり、一部精素を補充出来れば食事をせずとも活動出来るようになっている。また基礎的な治癒能力も向上するなど、超人的な能力を備えるようになっている。

  • 光輝粒子は特に両刃剣形成が得意。
    羽のような形のそれらは極めて強力な武器で、物質はもちろんエネルギーや現象まで斬り裂く。大小複数形成が可能で、なおかつ宙を自在に舞い手持ち武器としても使える。
    また、これらには微弱ながらあらゆる干渉・障壁・断絶を『斬り開く』効果が発現することがある。
  • 最大限に力を発揮すると全身が銀一色の人型異形へと変化する。
    全身に赤いライン状の光の装甲を纏い、背面に光輝粒子の剣を羽の連なりのように形成、それを使うことでより広い範囲で能力を行使出来る。
    この形態では通常時の何倍もの能力を行使出来るが、持続時間は最大3分程度、変身後は極度の疲労に見舞われることとなる。
    加えて前述の違法所持問題もあることから、決して人前でこの能力を披露しようとはしない。

強大な力ではあるが、彼自身能力の詳細を把握しておらず、手探りでこの異能と向き合っている。
また知らずコアが何らかの機能を発揮することがあるため、それに驚かされることも。時には本来の持ち主の記憶や想いを夢などの形で受け取ることもあり、それがまた混乱のもととなっている。
そのため、どうにか実態をつまびらかにしたいと考えているが、未だ叶ってはいない。


秘境やそれにまつわるものへの警戒心の強い彼にとって、この力は本当に複雑なものである。
力を使うことへは素直な戸惑い・疑問があり、果たして頼ってしまってよいものかという気持ちは大きい。
しかし、同時にこの力なくしてなしえなかったことも多く、時に彼の悩みに答えるように、本来の持ち主の過去や言葉を伝えることもある。
そうした葛藤を抱えながら、彼はこの力との付き合い方を模索し続けている。


【主だった武装】

  • 龍鳴杖 灼花
    主武装である両端に特殊な打突部位を持つ、長い特殊金属製響撃棍の一種。
    朱色に金の装飾を施したものとなっており、共鳴のさせ方次第で対象の生体精素の暴走・沈静化を促す。さらに精術と組み合わせることで、炎を纏わせる戦い方も可能。
    また、独自の機構で伸縮機能と頑強性を両立させている。
    元は養父がいずこで譲り受けた逸品とのこと。
    全長は最大2m。
    • 護棒術としては逸らし・波紋打ちと、櫂持ちでの早打ちを得意とする。
      大技は跳躍から波紋打を叩き込む『龍星貫』と、櫂持ち回転打撃『焔龍尾』。
  • マルトゥース45番防護杖
    小手と一体化した小盾型の特殊な打撃専用波音杖。
    防御機能を重視しかつ比較的高精度を実現した代物を購入している。10年ローン。
    主に防御術、探査術、簡易的な精場安定、付与術などを用いるために使うほか、普通に盾としても重用している。
  • 空歩靴
    空中での跳躍・簡易歩行を可能とする精具。
    それほど利便性の高いものではないが、何やかんやで彼は愛用している。
  • 革金合成鎧
    革鎧に部分的に金属板を活用した鎧。
    完全金属製のものより軽い開拓者愛用の品物。黒革・黒染防刃繊維。ロング工房品ではない。
  • 赤い外套
    世にも珍しい、竜の鱗革を使った外套。
    極めて頑丈で丈夫な逸品。前述の鎧より高い防御力を誇り、相手に挙動を悟らせなくする撹乱装備でもある。
    本人曰くドラグリウスのそれを使っているというが真偽は不明。耐火性はある。
  • 術式内包精素結晶精素化合薬品
    特定の術式や効能を即座に発揮する、投擲武器。
    狩猟用の小弓なども持っているが、戦闘時の中距離戦ではもっぱらこれらを投げている。
    また、拾った石やら何やらもよく投げる。とにかく投げる。水切りは5連チャンまで出来るとか。

 

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相談コメント欄


*1 ビーム攻撃やバリア展開など。