【超常存在】/“鋼の極竜”ベルバート

Last-modified: 2024-03-26 (火) 02:25:32

アルファベット表記:Belbart“Cruel Tyrant Dragon”
読み:“はがねのごくりゅう”べるばーと
分類:第四世代理造神
現存・発見地方・国家:なし
発案者:tocoma110
Tag: 超常存在 理造神 第四世代理造神 超古代文明期 真竜類 七竜 発案:tocoma110


概要

超古代文明研究に語られる、“世界を傾けた災厄”の一つたる第四世代理造神
当代伝説の竜王とされる“黒鉄の竜王”ベルバートを捕獲・改造した個体という、他に例のない生体改造型理造神であり、特殊型を除けば文句なしに最強であったとされる。事実、これが出撃した戦場では当時の宿敵である第四世代型巨人機の群れを打ち砕き、かつての同胞にして帝国の大敵である真竜類たちを滅ぼしたという。

  • 現代においてこの時代の真竜類がほとんどいないのは、大半の強者がこれに滅ぼされたから、という説があるほど。

同時に、暴走した理造神の代表格でもある。
大戦末期に制御を失った際は100を超える理造神を滅ぼし、帝国勢力にも多大な被害をもたらしたとされる。

  • そして、その災厄を止めたものこそ、かの“黒き焔”であるとされる。

王でありながら同胞を守れず、愛したものさえ滅ぼすものと成り果てた、非業の「狂える“零なる竜”(ルナバハムート)」。

 

データ

世代第四世代特殊型理造神
区分軍事用理造神 
真竜型理属獣統括神及び対弩級戦力殲滅用兵器
種別生体改造型
全長182m
直立身長76m(角を抜いた頭頂部まで)
翼長片翼180m前後
体重6万t
最大飛行速度計測不能
『理造展界』“破滅の崩洪” 
崩壊波動(物質以外に現象や力体、概念的事象にまで及ぶ)

 

外見・形状

有腕二足歩行型の、武装と装飾を施された竜。
全身を竜鱗を剥ぎ加工した鋼鉄色の特殊合金装甲が覆い、鎧を着こんだように映る。
翼は真竜翼骨格の名残を残しつつ、異形の巨大な黄金五爪から構成される。爪の間に飛行補助のため三層の光の幕が形成され、更にその隙間から炎が噴き出す
大まかなシルエットは次代竜王の最も著名な姿に酷似している。


最大の特徴はその頭部に食い込んだ、巨大な赤と金の輪角状の機関『焔月輪』。
最強の理造神を制御するために作られた装置なのだが、その姿から「血塗られた王冠」と恐れられた。


真竜類を改造した個体だが、竜玉石は失われている。

 

能力・特性

あらゆる能力において、高水準を叩き出す。
超音速で飛翔し、山と呼んで差し支えない生物を担いで投げ、神鉄の巨人機を爪牙で容易く引きちぎった。
尋常ならざる再生力とタフネスを誇るボディは、剥がされた竜紋鱗を熔かし混ぜた異形合金が覆い、国一つ更地にする攻撃を受けてなお、休眠・修繕を必要としないほどに堅い。
そのフィジカルだけで、同世代の主力理造神・巨人機・真竜類の大半を圧倒した。


加えて、本神は非常に稀有な形式の自律稼働型でもある。
伝説的名将*1を契約者に据えながらも、それはほとんど監視用だったに等しかったという。支配制御こそ受けているが、かつての竜王の経験・知識・知力を駆使して最適の動きを常に弾き出した。
それにより、優れた能力をフルに活かした恐るべき戦闘・戦術・戦略を実現する。
主人要らずの理造神の中でも特別な存在であり、これの導入で帝国勢力の勝利が決まったかに見えたほどだった。

  • 自律型にもかかわらず洗脳・調整された個我を持たないのは、元の竜の強さが規格外だったからとされる。

その他、多彩な精術武装が施されている。
翼は飛翔能力のほか、その巨大な爪と装甲、翼膜で近接戦闘も可能とするが、実態は圧縮された兵装である。
強力な中~遠距離精術攻撃*2、気流操作、波音放射・反響、精素吸収、高強度光壁高速展開などを備える。さらに、簡易的な独立波音詠唱機構も持つため、啼き声とは別の詠唱を起こすことも可能。

  • 主に追尾爆裂光弾やその大型版である火球、重力波動、放電などを好んで使ったが、それ以外にも多数の能力をさらりと使っている。
  • また、光弾・火球の類はいずれも精素フレアーによる爆発を起こす。
    当然のように精素フレアーを行使する理造神は決して多くないため、精素技術の面だけで見ても、十二分に異常な性能を誇ることがわかる。

だが、何より強力なのはその『理造展界』。
“破滅の崩洪”(カタストロフィー・ノヴァ)は、万物万象を崩壊させる真の破壊の力である。
これは物質的な崩壊・成立の阻害は勿論、物理的な現象や力体についてもその作用を適応させ、あまつさえ形而上的あるいは概念的事象にまで効果を及ぼす。これにより彼の間合いの中では様々な事物が成立・発生を阻害され、滅びずとも大きく力を削がれる。
理造神は理造展界を使えず、巨人機の物理兵装・装甲は意味をなさず、“竜の息吹”ですら力を減じてしまうほどに。
あまりに強力な能力故か、展開に際する消耗も激しかったという。

  • だが、この理造神はそれを最小範囲に留めることで、解決した。
    即ち、「自身の表層に纏わせる」という極めて高度な使い方をすることで、攻防一体の鎧と化したのである。
    結果、これを傷つけられるほどの存在は真竜類は勿論、巨人機・理造神ですら限られた。
    その驚異的能力に抗しうる個体強度を持つ存在は、それこそ各区分の最上位個体のみだったという。

そして、ベルバートの切り札とされるものが、“星淵帝火”*3である。
本来は周囲へ広げて使う理造展界を体内で圧縮・反響させ、通常の何倍もの出力に高めたものを、口内より放射する本神の奥の手。
それはかつて切り札とした“竜の息吹”の名残とも言えるが、物としては全く変わってしまった。滅びの烈光は触れるもの一切を完全に滅ぼしてしまい、質量・存在自体をこの世界から消してしまう呪いの炎と化した。
暗黒の紫電を纏う昏い光は、まるで世界を飲み込む虚空のようだったという。


しかし、同時に細やかな制圧・支配には向かないという難点もある。
あくまで、抹殺・壊滅といった大規模破壊・殺戮に特化した、軍用理造神である。


その他、後述の理属獣を率いた通り、自己傘下の従属個体を従える統率能力も備える。

 

専属理属獣・ヴィルムス

ベルバート捕縛時、同時に大帝国に確保された真竜類の末路。
真竜類をベースとしながら画一化された外見と特性を持ち、理属獣でありながら理造神に匹敵する力を持った、悲しくも恐るべき怪物たち。


詳細は『【超常存在】/ヴィルムス』を参照。

 

来歴

大戦後期、長らく帝国を苦しめた同盟軍真竜類統領“黒鉄の竜王”ベルバートを捕獲し、改造される。


真っ先に同盟軍の真竜類拠点部壊滅作戦に導入され、単体で当時の真竜類に大打撃を与える。
数多の竜を葬った後、一度帰投後は各地を転々としながら、巨人機・巨大生物・拠点壊滅を繰り返す。その成果はすさまじく、拮抗から混迷に至りかけていた戦況を帝国優勢にまで引き戻したほど。
“聖審帝”・“無明”・“輝光子”といった先行ロールアウトされた後期型の活躍すらもかすむほど、その力は圧倒的だった。
これの手により、帝国の勝利は確実とまで思われていたほどである。


だが、その活躍は長く続かなかった。
連合軍の英雄機・エイジフ Mrk.2?の決死の攻撃により焔月輪が破損、それにより最強の理造神はその制御を失い、暴走してしまう。
敵味方の区別なくその力を振るい、帝国・連合・抵抗軍・野生生物のすべてに多大な被害をもたらした。枷なき竜王の怒りは何者も抑えられず、それに呼応し隸極竜たちもまた世界に牙を剥いた。
その結果、100を優に超える主力理造神・巨人機が葬られ、これに対抗出来得る力は次々と消えていった。
竜王の亡骸が世界を滅ぼすまで、いくつの夜があるかもしれなかった。


しかし、その無念に応えるものが現れた。
彼が殺した若き竜、それが彼もかつて経験した神秘の世界を経て、甦ったのだ。
その名をアルダート。
後に、“黒き焔”の二つ名で語られることになる、次代の竜王である。
“零なる竜”に至った若き竜と七日七晩にわたる戦いを繰り広げ、その末、若竜の“竜の息吹”に己の秘奥を打ち破られ、旧き王は機能を停止した。
その機能停止を契機に、大戦は末期に突入、勝者のいない終焉へと走り始める。

“黒鉄の竜王”ベルバート

“くろがねのりゅうおう”べるばーと。Belbart the War Flame Lord。
かつて「竜王」の名を戴いてた、最強の竜。
ベルバートの生前の姿。
享年・30万歳以上の神代竜。当時の七竜の筆頭であり、「竜王」の名を持つ唯一の竜だった。
竜の使命に自覚的でありながら、極めて義に厚い性格をしており、他種族とも平和的な関係を築くことが多かった、稀有な存在。
加えて、当人の武勇も華々しいことから竜種内外問わず、その頂点と認める声が多数を占めていたという。実際、超古代文明の大帝国・連合に対抗する同盟の立ち上がりにも、少なからず寄与したという。


大戦の際には同盟の先鋒を駆け抜けたとされるが、戦争が激化する中、遂に“十三の剣”に敗れ帝国に捕らわれてしまう。
それから1年姿を見せなかったが、第四世代理造神“鋼の極竜”として連合・同盟の前に姿を見せる。


秩序にして中庸。
誰よりも竜たることを誇り、またそのために私心を殺した、誇り高き竜である。
死の間際に意識を取り戻し、己を打倒した勇気ある若者に竜王の心得を託し、眠りについたという。

 

関連するもの

 


相談コメント欄


*1 通称・“鋼鉄の鴉”。
*2 主に射術型。
*3 読み方は「せいえんたいか」。