GalnetNews3307年1月

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3307年1月29日- Halsey氏、暗殺の動機を説明

 Vincent元帥の裁判について続報です。Jasmina Halsey前大統領から3301年に起こったStarship One破壊工作の有力な動機が明かされました。

 連邦高等裁判所よりEthan Takahashi犯罪特派員がお伝えします。

 「Jasmina Halsey氏からは3301年4月下旬に実施された、ある最高閣議の詳細が述べられました。これは未だ機密解除されていないもので、高いレベルにあった連邦市民の政権への不満に対処するものでありました。」

 「様々な平和活動家の考えを受けたHalsey前大統領は、この閣議で市民の幸福を再重視する方針を示したとの事です。この方針では減税・社会インフラへの投資・連邦海軍の支出削減が計画されていました。この方針は当時準備段階にあり、同年後半に実施される予定となっていたようです。」

 「法廷での説明によれば、閣議にはVincent元帥を含む数十名の当局者が出席していたようです。この間近に迫る政策転換は機密事項ではあるものの、数か月以内の大規模な予算変更を見込むよう全員に告げられました。」

 「検察はVincent被告人が海軍の予算減を知り、自身の影響力低下を認識したと述べています。この事が被告人と違法な関係を持っていた有力者にも波及する恐れがあったとしており、その証拠は後日提出されるとの事です。」

3307年1月28日- 救難信号発信源に関する匿名情報

 *パイロット連合より速報*

 暗号化メッセージを受信。‘Serene Harbour’から発された、謎の信号に関連する惑星座標を示している模様。

 パイロット連合(Pilots Federation)が受信した暗号メッセージは次の通りです。

 『Serene Harbourへようこそ。緯度56.4-経度8.3。Theta Seven』

 これはある惑星上の極めて正確な地理情報であると考えられますが、惑星自体の天文的位置関係は謎に包まれています。‘Theta Seven’という言葉が何らかの位置情報を示しているのか、あるいは未知の受信者に宛てた符号なのかどうかもわかっていません。

 また最初に受信された救難信号についても、受信されたわずかなメッセージ以上の情報は不明なままです。

 『Serene Harbourより全周波数で緊急送信。我々はー』

3307年1月28日- パイロットらに救難信号追跡要請

 *パイロット連合より速報*

 独立系船舶が未探査宙域より謎のメッセージを断片的に受信。

 Elsa Solomon艦長がSwoilz XX-D c1-30星系を航行していたところ、艦の通信アレイがわずかな通信を受信したとの事です。メッセージを以下に記します。

 「Serene Harbourより全周波数で緊急送信。我々はー」

 信号は突如途絶え、再受信もしませんでした。信号には識別データや出所を示すものは含まれていなかったようです。

 Vox Galacticaに対し、Solomon艦長は詳細を伝えています。

 「通信パネルにテキストと電子生成音声でメッセージが表示されたんだ。送信元は特定できなかったけど80光年以内で発信されてる事はわかった。スケジュールが詰まっててあまり追跡に時間が取れなかったんだけどね。」

 「Serene Harbourがスターポートなのか居住地なのかはたまたメガシップなのかはわからないけど、でもこれは明らかに救難信号だ。誰かがどこかで深刻な問題を抱えてるんだよ。パイロット連合(Pilots Federation)にも情報共有をお願いした。艦長仲間たちが助けてくれるかもしれないからね。」

 三角測量を通じて情報を探るため、当時その地域におり同様の放送を受信した可能性のある他船舶にも呼びかけが行われています。しかし今のところ返答はないようです。

3307年1月28日- Sirius Corporation、銀河サミット主催の座を確立

 *パイロット連合より速報*

 保安データ集積量でSirius CorporationがUtopiaを上回り、同社が銀河サミットを主催する事が決定。

 両勢力は同盟・帝国・連邦に外交会談の主催を申し出ていました。そして安全保障活動の材料となる各種データを銀河各コミュニティに募ったため、多くのパイロットがデータ配送に奔走する事となりました。

 Sirius Corporationによる有効な警備システムの準備成功は三列強も認めており、同社を外交会談の中立領域とする事に同意しています。

 Li Yong-RuiCEOからはこのような発表がなされました。

 「私どもを支えて下さった全ての独立系パイロットの皆さんに感謝いたします。弊社は全銀河のさらなる平和と繁栄を願い、第一回銀河サミットの準備に邁進するものであります。」

 Sirius Corporationに配送を行ったパイロットに対し、Lembava星系Goldstein Portにて報酬の支払いが行われています。

 UtopiaのSimguru Pranav Antal氏からは失望が表明されましたが、Utopiaの計画に貢献したパイロットらに対しPolevnic星系Tanner Settlementでの報酬の支払いを実施するとしています。

 Sirius Corporationによると、開催日時には2月下旬から3月上旬の三週間を暫定的に予定しているとの事です。

3307年1月27日- Jasmina Halsey氏、スターシップ・ワンについて証言

 連邦高等裁判所で行われているLucas Vincent元帥の裁判で、Jasmina Halsey前大統領による証言が行われました。

 Federal TimesのEthan Takahashi犯罪特派員がお伝えします。

 「Halsey前大統領によると、Azaleach星系への予定外の寄港命令はVincent元帥から直接送られてきたとの事です。大統領の旅程は様々かつありふれた理由で変更される事が多く、その時もいつもの出来事に思えたと付け加えられました。」

 「船の破壊についても説明がなされています。ハイパースペースのミスジャンプによって急速に船体崩壊が起こり、船内は混乱とパニックに陥ったようです。そして警備要員がHalsey氏を極低温冬眠装置に入れ、宇宙へと射出した瞬間Starship Oneは爆発に至りました。Halsey氏はこの警備兵に賛辞の言葉を送っています。」

 「反対尋問では、彼女が救助されたのちに語った『銀河の世話人』に出会い『無限の宇宙』を経験したとする内容を弁護人が引用し、このような明らかな妄想を患う人物の証言は無視すべきとの提案がなされました。」

 「対するHalsey氏はもはやそのような発言をした記憶はなく、さらに心的外傷後ショックに苛まれていた可能性を認めています。さらに同盟最高の医師による心理学報告書及び神経スキャンの結果を法廷に提出し、自身が医学的にも健全な精神状態である点を裏付けました。」

3307年1月25日- Vincent元帥の裁判始まる

 殺人及び反逆の共同謀議で起訴されているLucas Vincent元帥の裁判が、火星・連邦高等裁判所で始まりました。

 Vincent被告人は3301年Starship Oneへの破壊工作を計画したとして、数百名の死への責任を問われています。

 Federal TimesのEthan Takahashi犯罪特派員がお伝えします。

 「えー、裁判は検察が事件の概要を説明するところから始まりました。そして陪審の前にRory Webster主任技術者から得られた重要な証拠が提示されています。ご存じの通り、同氏の証言はVincent氏の逮捕にも繋がりました。」

 「3301年5月24日、Vincent氏のオフィスとStarship Oneの間で交わされた秘匿通信について被告人に質問が行われました。この通信では定期メンテナンスを理由にAzaleach星系へ予定外の転進が命じられたとの事です。AzaleachではWebster氏のエンジニアチームが被告人の命令に従い、破壊工作用に改造されたハイパードライブ部品の取り付けを実施、これがドライブのミスジャンプを誘発しました。」

 「Vincent氏はこの質問をはぐらかし、この裁判全体が『自由党の隠蔽工作』でありStarship Oneの轟沈はWinters氏の指示によるものと主張しました。」

 「これは自由党がHalsey大統領とNaylor副大統領を失ったことで、Felicia Winters氏が大統領代理と党首の座を得たというものです。しかし弁護人はこの主張を重用せず、Vincent氏の命令に関するWebster氏の録音に改ざんの可能性があると主張しています。」

3307年1月22日- Kaine議員、同盟選挙に向け選挙活動

 Nakato Kaine議員が次期同盟首相選出に向け、同盟主要星系を訪問しているとの事です。

 現職のEdmund Mahonに対抗し出馬する人物の中で、Kaine氏は他議員からの支持が最も厚い人物です。彼女はTionisla星系代表を10年近く務めており、同盟総会でも力強い演説を行う事で知られています。

 同氏が示した、近年の拡大主義政策に対する不支持表明は多くの星系の人々の胸を打ったようです。同盟の歴史的中心地とみなされている‘Old Worlds’でも彼女は高い評価を受けています。

 Leesti星系での決起会の中、Kaine議員は名指しでMahon首相批判を行いました。

 「帝国の傲慢さ。連邦の企業的貪欲さ。同盟はこれに倣わなければならないとMahon首相が考えているのは明らかです。彼は私達を何度もサーゴイド種との戦いに導いてきました。何百万もの命を危険に晒し、夜盗のようなやり方で彼らの領域を襲撃したのです。」

 「かつてOld Worldsを繁栄させた相互扶助の精神を呼び覚ますべきだと、私はそう信じています。うわべで『同盟』という一枚岩の超大国を気取るのではなく、同盟の一員たる星系達を利するような交易と安全保障を。そのための投資を行わなければなりません。」

3307年1月21日- Marlinist入植地に緊急支援食到着

 *パイロット連合より速報*

 Marlinist入植地に多数の食糧品が到着。

 Stillman Hubに食肉、魚肉、青果類、穀物といった食料が輸送され、Marlinistの全勢力から感謝のメッセージが伝えられています。これら物資は8つの入植地に分配されたとの事です。

 物資保護のため、Free Marlinists of Carinaeからも指名手配船の懸賞金証票が発行されました。貢献パイロットに対し、HIP 22550星系Stillman Hubで報酬の支払いが行われています。

 関連ニュースをお伝えします。初のMarlinist議会が民主的に選出された模様です。コミュニティリーダーとして尊敬を集めているJenna Fairfax博士は国民投票で過半数の支持を得ており、主席大臣に当選しました。氏は公開演説の中、このように述べています。

 「この道は私達自身が選んだものではありませんが、それでも私達はMarlin Duvalの思い描いたような役割を果たせる共和社会に転換しつつあります。銀河コミュニティの中で完全に独立した勢力となった今、私達は商品の割引や定期的な交易の確立を通し、救いの手を差し伸べて下さった方々への恩返しができるようになったのです。」

3307年1月21日- SiriusとUtopia、銀河サミット主催を巡る競合

 *パイロット連合より速報*

 列強外交会談の主催を巡り、Sirius CorporationとUtopia communeが競合戦略を始動。

 同盟総会、連邦議会、帝国元老院はそれぞれ、2月下旬に開催される初の三大国銀河サミットに代表団を派遣する事で暫定的に合意しました。この政治会談には独立星系の代表団も参加する予定です。

 参加にあたり、どの勢力も本会合の中立領域での実施、十分な受け入れリソースと安全の確保を明確に指定しています。

 これを受けたSirius CorporationとUtopia communeでは開催に向けて物資確保を開始したようです。両勢力とも安全保障には欠かせない、幅広いデータ類を各コミュニティに募っています。このデータを多く集積できた勢力が主催者として認められることでしょう。

 両勢力が関心を持っているのは次のデータです。Anomalous bulk scan data、Atypical disrupted wake echoes、Exceptional scrambled emission data、Unusual encrypted files。

 Simguru Pranav Antal氏はUtopiaを支持するパイロットに対し、これらのデータをPolevnic星系Tanner Settlementに配送するよう求めています。

 一方Sirius社CEO・Li Yong-Rui氏もSirius Corporationこそふさわしいとするパイロットらに、Lembava星系Goldstein Portにデータを届けるよう呼びかけを行っているとの事です。

3307年1月20日- Jasmina Halsey氏、連邦に帰還

 Lucas Vincent元帥の裁判における証人として、Jasmina Halsey前連邦大統領が火星へと到着しました。

 Halsey前大統領は陪審前での証言のため、連邦高等裁判所(Federal High Court)からの召喚を受けています。彼女は現在連邦法の管轄外に居住しているため、この召喚に法的強制力はないものの要請に応えたようです。

 Vincent元帥が仕組んだとして同氏告発に至った、3301年のStarship One事件。大統領専用船の爆沈というこの事件が起きたとき、Jasmina Halsey氏は連邦大統領の任にありました。彼女は生還しましたがその後政治家としてのキャリアを捨て、同盟に移住。平和活動家として行動する傍ら、Edmund Mahon同盟首相の顧問も務めていました。

 火星のOlympus Village宇宙港で大勢の支援者と会釈を交わした後、Federal Times紙に声明を発表しています。

 「いまこの瞬間は、私にとっては嬉しくもあり悲しくもあります。連邦に戻ってきたことで人生のあの時に戻ってきたような気がするのです。けれど恐らく、私達なら御霊を安らかにすることができるしょうから。」

 彼女はHalsey政権では国務長官を務めていた、Felicia Winters野党大統領(Shadow President)に迎えられました。しかし前任者の復帰や来るVincent元帥の裁判について、Zachary Hudson現大統領からのコメントはありません。

3307年1月19日- Mahon首相、再選に向け選挙運動へ

 同盟首相選挙での二期当選を目指し、Edmund Mahon首相が選挙運動を開始しました。

 首相は支持率増のため同盟宙域を巡る地方遊説を実施しています。今回の選挙で投票できるのは同盟総会の議員だけではありますが、その議員も母星系世論の影響を大きく受けるためです。

 Mahon首相の選挙運動は彼の6年の任期中に同盟が大きく発展した事に焦点を当てており、同盟文化祭典(Alliance Festival of Culture)のような大きな成功を想起させるものでした。またKincaid大統領によるクーデター未遂、テロ組織League of Reparationの撲滅など、その危機対処能力も強調されています。

 最近の彼のリーダーシップの例としては、帝国からのMarlinist難民の受け入れやコールサック星雲(Coalsack Nebula)開拓による経済促進が挙げられるでしょう。しかしこれらの政策に関しては過激派であるNeo-Marlinistのテロ攻撃や、サーゴイド(Thargoid)襲撃のリスクを高めているとの批判もあります。

 首相の母星系Diso、惑星Birminghamの会議場には聴衆が押しかけ満員となった中、Mahon首相はこのような宣言を行いました。

 「我々が住むこの銀河はますます激動の地となりつつあります。ですから同盟という車輪を保つ、優れた統率を維持する事こそが肝要なのです。私は同盟の多種多様な人々の名代であり続けられることを光栄に思います。」

3307年1月18日- Sirius Corporation、銀河サミット主催を申し出

 Utopiaに三列強外交会談を開催する実力があるのかどうか、Sirius Corporationから疑いの声があがっているようです。

 同社CEO、Li Yong-Rui氏から対案が発表されています。

 「Simguru Antal氏には全幅の敬意を払いますが、彼のコミューンでは私どものリソース水準に太刀打ちできないのも事実でしょう。物流・警備体制の観点からみても弊社が遥かに有利と考えられますし、弊社海軍なら使節の方々すべてに安全な移動手段をご提供できますのでね。」

 「加えて言うならば私どもは既に同盟・帝国・連邦と良好な取引関係を築いており、それゆえの中立性も保証できるのです。昨今のMarlinist入植地設立に向けた慈善事業が、まさしく弊社が全銀河を公平かつ安定化させる力である事を証明しております。」

 本サミットに関する議論は列強・独立星系それぞれで進行中です。これが無意味な試みだと非難する指導者がいる一方、これは政治的結束の貴重な機会とするトップもみられます。

 Sirius CorporationとUtopiaそれぞれの提案は、現状では参加候補らによる比較段階にあると言えましょう。Zachary Rackham氏からもあの宇宙の天蓋基地”Rackham’s Peak”で『本物の頂上会談(※)』をとの提案がなされていますが、こちらについてはまともな検討はされていないようです。

 

※訳者注:銀河サミット(Galactic Summit)と銀河の頂上(galactic summit)の掛詞

3307年1月15日- Lakon買収を取り巻く疑念

 Core Dynamicsによる造船会社Lakon Spaceways買収劇には不正な商取引があったとの申立てがあり、事態は不明瞭さを増しています。

 Alliance Tribune紙のIrfan Karimビジネスレポーターが近況をお伝えします。

 「独立市場平等委員会(Independent Commission for Market Equality)によると、何名かのLakon株主が株式を売却した先はCore Dynamics内部部署によって密かに設立されたペーパーカンパニーであったとの事です。加えて脅迫に対する重大な告発が2件、これは同盟国際警察(Alliance Interpol)が言及したものですね。」

 「Lakon取締役会のTrent Delaney新会長はこうした主張を否定しているようです。ですが提督評議会(the Council of Admirals)が軍事供給元の喪失に相当な不満を抱いている事も相まって、この敵対的買収はいささか先行きの明瞭さに欠けるといったところでしょう。」

 連邦ではニュースフィードであるSol Todayがこのような社説を掲載しています。

 「製造界の巨人Core Dynamicsにとって、Lakon買収は力強さ溢れる新たな偉業であろう。そのような偉業が狭量な同盟官僚によって水を差されるとは嘆かわしい事である。この経済の命綱を喜んで掴み取るべきはまさしく彼らだというのに。」

 「Jupiter RochesterCEOは産業における巨人の一人と言える。そんな彼が時代に乗り遅れた同僚達に妬まれ、裏切りを受けている点も実に馬鹿馬鹿しい。恐らく彼の'Jupiter Division'は今の会社に収まる器ではなく、最終的に独自の道を歩むべきなのだろう。」

3307年1月14日- マーリン主義者新入植地より緊急食糧要請

 *パイロット連合より速報*

 Marlinist新入植地より食料品の緊急配送要請あり。

 Sirius Corporationの働きにより何百万ものMarlinistたちは8つの入植星系に移住を果たし、結果として帝国・連邦間の緊張は緩和しつつあります。Universal Cartographicsに対し各星系の人口統計を遅らせてほしいとの要請が提出された一方、この難民たちは新たな社会のインフラ構築に乗り出しているようです。

 Marlinist各派閥は指導者選出に向け、民主選挙を行っています。ですが食糧不足のため、暫定議会からは緊急事態宣言が出される事となりました。

 コミュニティスポークスマンである、Jenna Fairfax博士からは次のように発表されています。

 「帰るべき家を提供してくださった各銀河コミュニティとSirius社の方々にはみな感謝しています。しかし自給自足ができるようになるまでは、短い間ではありますがさらなる支援が必要なのです。」

 「物資備蓄が多ければ多いほど経済発展を加速させられるはずです。そうすれば大幅な商品の値引き提供が可能となり、定期貿易ルート確立を促進させられるとみています。」

 依頼内容はHIP 22550星系Stillman HubへのAnimal meat、Fish、Fruit and vegetable、Grainの輸送となります。

 また、Free Marlinists of Carinaeから全指名手配船に懸賞金がかけられています。同星系の防衛軍はまだ設立段階にあるため、入植地への初期交易ルートを確保する狙いがあるとの事です。

3307年1月14日- コロニアに宇宙生物サンプル届く

 *パイロット連合より速報*

 宇宙生物の生体試料を配送したパイロットに対し、Holloway Bioscience Instituteが報酬支払を開始。

 Seed Podから採取された組織サンプルが大量にJaques Stationに到着、Colonia 7 G惑星上のHolloway Biology Centreに輸送されたとの事です。これらは同研究所の実験プログラムで用いられるサンプルの備蓄となります。

 主任研究員であるRoy Casimir博士からも感謝の意が伝えられました。

 「おかげ様で宇宙空間を浮遊する驚異の生命体の研究を続行できます。ここHollowayでは宇宙生物学分野で多くの画期的成果を収めており、中には魅力的かつ商業的可能性を秘めたものもあるのです。」

 Holloway Bioscience Instituteは現在、以下の星系で真空環境生物が生きられる実験生息領域の設置を計画しています。

Eol Prou PC-K c9-221

Eol Prou LW-L c8-99

Eol Prou KW-L c8-301

Eol Prou PC-K c9-154

 現在、Colonia星系Jaques Stationで報酬の支払いが行われています。

3307年1月13日- Core Dynamics内部関係者、Lakon買収に言及

 造船企業Core Dynamics内部の匿名情報源より、Lakon Spacewaysの敵対的買収に関する詳細が明らかになりました。

 この人物は以前にも、Lakon買収がCore DynamicsCEOであるJupiter Rochester氏の独自プロジェクトである旨を述べています。今回のさらなる発言はVox Galactica紙面を通じて流布されました。

 「ここ数年の話だ。Rochesterは連邦外に基盤を置く多くの企業を買収してきた。Vodelとかな。つまりLakon Spacewaysは新たな犠牲者って訳だ。コイツは合法のようだが、ヤツはこの子会社達に子飼いの連中を配置する事で直接管理してる。事業拡大よりはむしろ、Rochester一家が持ってる会社の多角化が目的って話だ。」

 「これは有名だがいくつかの部署はRochesterの指示にしか従わず、Core Dynamicsの意図とは関係も連携もない活動をしてる。スタッフは'Jupiter Division'なんて呼んでるよ。会社の中に別の会社がある、とかそういう意味合いの通り名さ。」

 「俺が聞いたところじゃ、役員にもRochesterに不満を抱えてる奴がいるらしいな。だが追い出すにしてもヤツはコネがあり過ぎる。実際、これだけの軍事契約を取り付けられたのはヤツのお陰だ。金持ちってのは相変わらず何でもかんでもやりたい放題だよ。」

 これについてCore Dynamics社はコメントを拒否しています。一方Lakon Spaceways取締役会の前会長、Naomi Landseer氏は独立市場平等委員会(Independent Commission for Market Equality)に対しさらなる調査を依頼しているとの事です。

3307年1月11日- Vincent元帥の公判の日時が決まる

 Federal Navy(連邦海軍)のLucas Vincent元帥は殺人と反逆罪の共謀罪で起訴され、1月25日に公判を受ける事となりました。

 連邦検事局は大陪審による訴状を受け取り、Vincent元帥は3301年に大統領専用船Starship Oneへの破壊工作、またJasmina Halsey元大統領の暗殺の罪で問われる事になります。Halsey元大統領は後に生存が確認されましたが、数百人の命が船と共に沈みました。

 これらの告発は、Starship Oneのハイパードライブシステムの故障に関与したRory Webster海技士の裁判を受けて行われました。Webster氏は事件への関与を認めましたが、Vincent元帥の密命を帯びていたという証拠と引き換えに司法取引を持ちかけました。

 これによる元帥の逮捕は政界、また軍に波紋を呼びました。Vincent元帥との長年の関係はZachary Hudson現連邦大統領の共和党議員からの信頼を揺るがし、また自由党の支持率を高めました。

 Vincent元帥は、今まで裁判にかけられた連邦軍人の中でも最高位であり、メディアの関心は依然として高く、連邦の最高幹部の汚職について多くの憶測が飛び交っています。

 裁判は火星のOlympus Villageにある連邦高等裁判所で行われ、数週間に渡る見通しです。

3307年1月8日- イージス、銀河サミットを支持

 三列強合同銀河サミットの開催をUtopiaが申し出ている件について、Aegisがこれを支持すると表明しました。

 Aegisは同盟・帝国・連邦が共同設立した組織であり、サーゴイド(thargoid)の研究や監視手段の模索、そして実際の戦闘もその任務に含まれています。

 Aegisの首席科学顧問であるAlba Tesreau教授からこのような声明が発表されました。

 「人類同士の些細な争いに注視し過ぎたあまり、我々はそこにあるサーゴイドの脅威が見えなくなっているのです。最近の攻撃は実に恐るべきものでした。資金提供の停止が人類を守るAegisの力を損なっている、この事実を警告として受け止めるべきでしょう。」

 「私達は列強が一丸となり、Aegisにリソースを割く事を強く求めます。特に研究については最優先といっていいほどです。かの異星種族の理解を深めない限り、彼らとの共在はかなわないのですから。」

 Utopiaの提案に対し、現在のところ各列強から公式な回答は行われていません。ですがEdmund Mahon首相、Aisling Duval皇姫、Felicia Winters野党大統領といった著名人らからは広い賛同を得ているようです。連邦議員、同盟議員、帝国元老院議員の多くが各々の指導者に対し、本サミットに出席するよう圧力をかけているとの報告もあります。

 UtopiaのリーダーであるSimguru Pranav Antal氏は、本銀河サミットは独立星系政府代表の参加も自由であるとしています。ですがUtopiaの優先目標は同盟・帝国・連邦が政策を議論する上で中立領域を提供する点にあると言ってよいでしょう。

3307年1月7日- コロニアの科学者団体、宇宙生物学サンプルを要求

 *パイロット連合より緊急速報*

 ColoniaのHolloway Bioscience Instituteが宇宙に棲まう生命体サンプルの高価買取を実施しているとの事です。

 Colonia 7 G惑星上に位置するHolloway Biology Centreは同団体の主要研究施設であり、宇宙生物学研究を専門としています。同Colonia星系にあるJaques Stationもこの取組みに同意、物資配送地点として活動するようです。

 主任研究員であるRoy Casimir博士からこの要請の概説がなされています。

 「宇宙の真空状態で育つ構造体は魅力的なもので、まだまだ学ぶべきものは多いと言えます。ですが手元の標本在庫が減ってきているため、我々の実験プログラムを継続するためにも生体から抽出された新鮮な組織サンプルが必要なのです。」

 「我々の施設が主要人類圏からはかなりの距離がある点は十分理解しているつもりです。ですがお越しいただける方々には十分な補償を行いたいとも考えております。」

 参加を希望するパイロットはPod Mesogleaを含む様々な種類のSeed Podからあらゆる組織サンプルを採取、これをColonia星系Jaques Stationに輸送してください。

3307年1月7日- サーゴイド侵攻、惨事の星雲

 サーゴイドの本格的な侵攻を受け、コールサック星雲(Coalsack Nebula)・魔女の頭星雲(Witch Head Nebula)のスターポートが被害を受けています。

 Aegisの発した対エイリアン支援要請は銀河各コミュニティの協調対応に繋がりました。ですがサーゴイド軍はその圧倒性を証明、星雲内のいくつもの星系が襲撃され何千もの命が失われる結果となったのです。

 Aegisの軍事調整主任、Aden Tanner大将からこのようなメッセージが発せられています。

 「多くのパイロットの英雄的な尽力にも関わらず、エイリアン船舶は魔女の頭星雲から追い出されまいと抵抗を続けております。」

 「Aegisの軍事能力及び人員は帝国・連邦両者からの予算削減の結果、著しい制限を受けているのが現状です。サーゴイドの脅威に対する防衛の第一線として、我々は独立系パイロットや対エイリアン(Anti-Xeno)部隊の方々を頼るほかないのです。」

3307年1月5日- Core Dynamics、Lakon Spacewaysを買収

 連邦企業Core Dynamicsによる所有権入札の提案に対し、造船会社Lakon Spacewaysが正式にこれを受け入れた模様です。

 Lakon取締役会役員の多くが株主の要求により退任させられたのち、後任が就任した件は記憶に新しいところでしょう。その後、取締役会は多数決によりCore DynamicsCEO、Jupiter Rochester氏の提案を受け入れる形となりました。

 Lakon取締役会のTrent Delaney新会長は公開声明を通し、合併を発表しています。

 「Lakon SpacewaysがCore Dynamicsファミリーの一員となれたことを大変嬉しく思います。前経営陣の過ちを払拭し、明るい未来への道を歩めるようになったのです。」

 「所有権移転が正式に行われるまでもう2か月を要しますが、この期間も弊社船舶の製造・販売といった事業は通常通り行われる予定です。」

 連邦商務省(Federal Commerce Authority)はこの企業買収を承認していますが、市場平等独立委員会(Independent Commission for Market Equality)では未だ不正行為の調査が実施されています。

 提督評議会(Council of Admirals)では、同盟国防軍(Alliance Defence Force)の軍事供給メーカーが連邦の防衛産業請負先に所有される件に懸念を表明しています。Rachel Ziegler提督は同盟総会に次のように通達しました。

 「連邦とは比較的友好関係にあるものの、Alliance Chieftainやその姉妹艦が外的勢力によって建造されるとなれば安全保障上の問題は必至である。ADFは既に重篤な資金難に陥っているが、この一件のために同盟は国益保護の面でさらなる負担を強いられることになるだろう。」

 

:提督評議会(Council of Admirals)について

3307年1月4日- 同盟選挙まで秒読み開始

 新首相選出投票を控え、同盟が選挙運動のシーズンに入りました。

 行政元首である首相の任命は6年毎に行われており、来たる投票は3307年2月25日に予定されています。

 連邦とは異なり、同盟には政党が存在しません。同盟総会には各加盟星系の支配勢力から代表が参加し、これを議員とすることで成り立っています。選挙投票は市民ではなく議員個人が行う制度となっていますが、代表である議員もまた支持基盤の多数派に従う傾向があると言えるでしょう。

 3301年以来現職を務めるEdmund Mahon首相は再選を目指しているようです。もしこれが成功すれば、1期以上任期を務める最初の同盟首相となります。

 Mahon首相に挑戦するライバルは何名かいますが、中でも最も支持厚いのはTionislaのNakato Kaine議員でしょう。彼女は総会に渦巻く不満をまとめ上げ、企業や他列強への依存が強まる今の同盟に反対する姿勢を見せているのです。

 現在のサーゴイド侵攻を受けて実施された緊急討論でもこのような発言がみられました。

 「サーゴイド種が私達に新たに攻撃を始める時、それは人類が厚かましくも彼らの領域を侵した時です。これは驚くようなことでしょうか。メタアロイ(Meta-alloys)への執着がために、私達はまさしく侵略者に変じてしまったのですよ!私が忠誠を誓った同盟はそんなものではなかったはず。今こそ新たな方向性を示す時がきたのです。」

3307年1月1日- Utopia、列強に銀河サミットを提案

 Utopia communeのリーダーであるSimguru Pranav Antalが三列強各政府に対し、外交会議の主催を申し出ています。

 これにはサーゴイドの来襲、Marlinist難民危機や帝国・連邦間の戦争など、重要な議題を協議するための中立領域を提供する狙いがあるとの事です。

 詳細は同盟総会、連邦議会、帝国元老院に送付されており、またPranav Antal氏は全メディアチャンネルを通してこの招待を放送しています。

 「われわれUtopiaの教義では政治とのかかわりは本懐ではありません。ですが昨今の出来事は人類全てに深く関わるものです。星間戦争、テロ、エイリアンの侵略、経済崩壊。これらは人類の未来を脅す新たな闇の四騎士(※the new four dark horsemen)なのです。」

 「したがってわれらはここに銀河サミットの主催を提案いたします。同盟・帝国・連邦がこれらの問題を平和的に議論する場を提供したい。各国首脳がこの機会を利用して互いのわだかまりを解き、問題の解法を見出す事でおのおのの市民らに利益を還元する、それこそがわたしの真なる願いです。」

 Utopiaは高度先進技術を用いたQOLの向上に重きをおく独立結社です。この銀河サミットが開催されれば、三列強政府による初の外交会議が実現することになります。

 

※おそらく黙示録の四騎士(Four Horsemen of the Apocalypse)を意識した言い回し。