ロッサム 標準 PART.11 帰還

Last-modified: 2024-11-26 (火) 21:00:36

 ロッサムセクター、アドミンセンター。
クロックソルが到着した、それとオペランドも。オアシスのサンドボックス障壁は最大出力で安定してる、問題はなさそう。
クロックそっちはどう?アンナを見つけたんだって?
{教授}彼女ならペルシカと一緒に、
ロッサムの新任アドミニストレーターをサポートしてるよ。
クロック新任アドミニストレーター?とにかく、無事で良かった。早く戻ってきてよ、ソルがそっちに行きたいって聞かなくて。あたしじゃ止められない。
{教授}わかった、なるべく早く戻るね。
 >通信終了。
 通信を終えると同時に、アドミンセンターから出てくる彼女たちの姿が目に入った。
ハンナ皆さん、助けて頂き本当にありがとうございました。ロッサムはこのご恩をけして忘れません。
{教授}あなたは一緒に行かないの?
ハンナ新しいチューリングは何も知らないんです。彼女を放ってはおけませんから。
ハンナペルシカさんから伺いました。教授はセクター全体を覆う障壁を張れるんですよね?それでしたら、ロッサムも……
{教授}セクターの最高権限があれば、理論上は可能ね。
ハンナロッサムの最高権限なら、チューリングより譲り受けています。教授、お願いできますか?
{教授}OK。でも、サンドボックス障壁を起動してしまうと、
ロッサムはオアシスと同様に、浄化者と敵対することになるけど、それでもいいの?
ハンナフェイスが死んだ時から、ロッサムにはもう選択肢なんてありません。
 セクター権限を譲り受け、私はロッサムセクターにサンドボックス障壁を起動した。
 >サンドボックス障壁構築中、進行度27%
 >サンドボックス障壁構築中、進行度64%
 >サンドボックス障壁構築中、進行度100%
 >サンドボックス障壁構築完了。
ハンナありがとうございます、お疲れ様でした。
ハンナまだ山ほど仕事が残っていますので、私はこれで。ロッサムはいつでもあなた方を歓迎します。
 ハンナの背中を見送って、ペルシカが大きく溜息をついた。
ペルシカこれで一件落着ですね、私たちも戻りましょう。
アントニーナその前に、一つ質問があります。
ペルシカなんですか?
アントニーナこの教授とかいうのは、一体何者なんですか?
ペルシカアントニーナさん、何を言ってるんですか?どう見たってこの方は……
アントニーナこいつは教授なんかじゃありません。ペルシカさんこそ、正気に戻ったらどうです?
ペルシカもしかして、容姿が似ていないからそんな事を……
アントニーナクラウド上の外見はメンタル映写に依存します。人間のイメージが現実と異なることくらい、私にだってわかります!
アントニーナそれに、こいつのシグネチャコードと権限が教授と完全に一致してることも!でもそういう問題じゃない!
アントニーナお前は私の前で作戦を指揮するべきじゃなかった。本物の教授にあれだけ細やかな指揮などできるはずがない。
ペルシカいい加減にしなさい!アントニーナ!
アントニーナ……ペルシカさん?
ペルシカもう……結構です、アントニーナさん。
ペルシカあなたはご存知ないんです……教授が、彼女がどれだけのことを成し遂げてきたのか。
ペルシカ私、ソルさん、クロックさん……オアシスの人形たちは、皆教授に救われた者ばかりです。
ペルシカオアシスを建てたのも、私たちの安全を確保してくださったのも、すべて教授なのですよ!
アントニーナ……ペルシカ、さん……
ペルシカ……教授は、私たち追放者に、帰るべき家を与えてくれました……
ペルシカ私たちは教授を信じています。教授だからではありません。彼女が、信頼に値する人物だからです。
アントニーナだからって……
ペルシカ教授でなければ、オアシスはとっくに滅んでいたでしょう。
アントニーナ……つまり、疑うなと言うわけですね?
ペルシカ……そんなつもりは……ただ、私たちに害を成すつもりなら、今日まで待つ意味はどこにあるのです?
ペルシカ疑わしい点があるからと、教授のすべてを否定するのは間違っています。
 アントニーナは眉をひそめ、不満げに口を尖らせた。
ペルシカと言い争う気はないようだ。
アントニーナ……けして目を離しませんから。
 彼女は私に矛先を向け、最後にそう捨て台詞を吐くと、
踵を返してロッサムの出入り口へと歩き出した。
ペルシカ……教授、どうか気になさらないでください。アントニーナさんは……
{教授}わかってる、アントニーナはあなたたちが心配なのね。
{教授}それに、彼女は誰もが感じていたことを言葉にしてくれた。
悪くないことだと思うけどな。
ペルシカ……そんなことはありません、教授。
ペルシカ絶望していた私を救ってくださったあの時から、私はあなたについてゆくと決めました。
ペルシカたとえ、この先何が待ち受けていようとも。