臨界爆震 PART.3 一発

Last-modified: 2025-02-05 (水) 01:04:29

 激しい爆発、眩い光、そして強烈な耳鳴り。頭の中がガンガンする。
どれだけ経っただろうか、あたりがようやく静かになった。
ソルゲホゲホ……ゲホッ、ゲホゲホッ……
ソルみ、みんな……大丈夫?……視覚モジュールがダメになったみたい……
クロックあ、あたしも……
ハンナみなさん、落ちついてください!数秒で回復しますから!
{教授}ハンナの言う通りにしよう。
 とっさに目を閉じた私ですら、腫れた眼球が燃えるように痛む。
 数秒後、光は徐々に消え、私たちの視界に再び大地が映った。
ソル……な……
 数秒前はエントロピーで埋め尽くされていたはずの地面が、
いまやNullエリア本来の空虚な地貌に戻っていた。
エントロピー液すら見当たらない。
 目の届く範囲内のエントロピーが、綺麗さっぱり消失していた。
やや遠くで弱々しく蠢いていた個体も、ゆっくりとエントロピー液に融けてゆく。
ソルこ、これが……「一撃」?
ハンナええ、それも威力はたったの10%。
クロックかっこいい……
 ソルは大興奮した様子で私の手を握った。
クロックは恍惚とした表情で遠くを眺めている。
ハンナキュクロプスセクターの軍需技術を導入し、それを基礎に、私独自の方法でオペランドを圧縮したんです。いくつもの改良を重ねて、私たちはマグラシアに唯一無二の武器を造り上げました。
ハンナどうです?ご期待には添えられましたか?
(選択)1.さすがはハンナ、天才だ。A
2.この戦闘力、キュクロプスと比べても遜色ないよ。B
Aハンナふふ……ありがとうございます、教授。C
Bハンナ……ええ、まぁ。主に私のアイディアによるものですけど。C
C{教授}あはは。ロッサムにこれだけの軍事設備があると、盟友としても心強いよ。
アントニーナ気取っちゃって、まぁ……
 負傷者の状況を確認しているアントニーナが、一言漏らした。
{教授}理由のない信頼は信頼と呼べないからな。
このほうが対等な協力関係を築けると思っただけだよ……
どちらかが気兼ねを感じるような関係じゃなく。
{教授}だけど、ここまで威力が絶大だとは、正直思ってなかった。
ハンナ私はただ、アドミニストレーターとしての責務を果たしたまでです。
アントニーナどこぞの人間と似て世渡り上手なのはかまいませんが、退路を断つのは真似せずとも結構。
ハンナ教授のおっしゃるように、他に選択肢はなかったんです。先ほどの一撃で「高密度オペランドレールガン」のエネルギーは尽きてしまいました。
ハンナ即ち、ロッサムは戦闘能力のほとんどを失ったことになります。アドミンセンターの障壁が突破されるのも時間の問題です。
ハンナ速やかな支援を要請します、教授。
{教授}了解した。その砲台があれば、ロッサムは安泰だな。
ソルそうそう!オアシスのオペランドさえ渡せれば、そのなんちゃらガンで敵を一掃できるわけだしね!
クロックぐふ、ぐふふふ……高密度オペランドレールガン、はやく見てみたいなぁ……
 ソルとクロックはレールガンの威力に興奮して、居ても立ってもいられない様子だ。
戦闘エージェントたちの士気もずいぶんと回復してきている。
アントニーナ……隊員の応急処置はしておきました。中には戦闘能力を失った者もいますが、移動するぶんには問題なさそうです。
アントニーナ今回も、長い旅になりそうですね……
クロックいこう、きょうじゅ。ロッサムはすぐそこだよ。
{教授}出発しよう。
 傷ついたエージェントが互いに支え合い、
無傷のエージェントは周囲で部隊の安全を守る。
 私たちは隊列を整え、大砲によって切り開かれた道を進んだ。
 ロッサムセクターの外壁は、すでに目の前へと近づいていた。
 >> Critical Cascade // TO BE CONTINUED . . .