臨界爆震 PART.6 哨戒タワー

Last-modified: 2025-02-05 (水) 01:13:00

時を同じくして、ロッサムセクターの外、Nullエリアの荒野。
 アントニーナがカタカタとキーボードを叩き、プログラムを構築して背後の追手を阻む。
戦闘エージェントたちが立ち止まっては敵を倒し、再び前進するのを繰り返す。
{教授}背後のエントロピーは?
アントニーナ減っていませんね。ロッサムにいたエントロピーの大半を、おびき出せたんじゃないですか。
アントニーナこうなるとわかってて、私を同行させましたね?
(選択)1.ありがとう、本当に助かるわ。A
2.あなたが頼りになるからよ、能者多労って言うじゃない。B
Aアントニーナフン……わかればよろしい。C
Bアントニーナ上司としては最低ですね。C
C{教授}それはそうと、オペランドの消費は大丈夫なの?
アントニーナええ、演算効率は最適化しておきましたから。
アントニーナ……それを訊ねたということは、今度は何を企んでいるんです?
{教授}あなたの分析によれば、オディールが今回の黒幕、
もしくは黒幕の一人だということになる。
{教授}戦いは避けられないでしょう、体力は温存しておかないと。
アントニーナ私個人がいかに温存しようと、たったこれだけの人数で、どうなるものでもないでしょう。
{教授}もし増援を呼べたら?
 私は前方を指さした。
 
{教授}今、エントロピーのほとんどが11時の方向に集まってる。
ロッサムのある位置よ。
{教授}まずは2時方向にむかうわよ、そこなら比較的安全でしょう。
アントニーナ何をしにいくんです?
{教授}ついてくればわかるよ。
 
{教授}ロッサムだけじゃない。キュクロプス、ヘリオス……
数多くのセクターがエントロピーの襲撃を受けてる。
{教授}それなのに、2時方向だけにエントロピーの痕跡がないのは、なぜだと思う?
アントニーナおそらく、何者かによって殲滅されたんでしょう。
アントニーナ私たちの他に、エントロピーと互角に戦える存在……浄化者、あるいは「アルカディア」?
{教授}さっき数名を偵察に向かわせた、答えはすぐにわかるわ。
 アントニーナは軽く唇を噛みしめたまま、
やや恨めしげに私から視線をそらし、端末の操作に戻った。
戦闘エージェント教授、戻りました!前方に浄化者の哨戒タワーが見えます!
アントニーナ……間違いありませんね、こちらでも確認できました。ロッサムがサンドボックス障壁を起動した後、しばらくして建てられたようです。
(選択)1.ほらね、言ったでしょ?D
2.……その、私もついさっき思いついたところなのよ。E
Dアントニーナチッ、いつもこうだ……F
Eアントニーナその態度、余計腹が立つんで、やめてもらえます?F
F{教授}とにかく、この距離なら信号を飛ばせるわね。
試してみましょう。
アントニーナなら、さっさとしてください。追手は増え続けてるんですよ。
 救難要請を発信すると、すぐに返事が来た。
??【不明な救難信号を検知しました、応答願います】
アントニーナ早い……数分はかかると思ったのに……
??【ID情報を提示し、そちらの状況をご説明ください】
{教授}こちらエージェント。
エントロピーウイルスに追われている、浄化者の援助を求む!
??【……通信チャンネルを切り替えています……】
下位浄化者【こちら浄化者No.05哨戒タワー、救難信号を検知しました。そちらの状況をご説明ください】
アントニーナまたですか!?まるで役に立たないな、下位浄化者は!
{教授}繰り返す!敵に追われてる、緊急事態よ!
身分ならイオスフォロスが保証するわ!
{教授}救援を要請する、今すぐに!
下位浄化者【上位の命令なしに、哨戒タワーを離れることはできません】
アントニーナなるほど。一般エージェントがウイルスに侵されるのを、ただ眺めていたいと?
下位浄化者【上位の命令なしに、哨戒タワーを離れることはできません】
下位浄化者【当哨戒タワーによるスキャンは完了しています、管轄範囲内にウィルスは存在しません】
アントニーナつまり、管轄内にエントロピーを連れてこいと……?
{教授}アントニーナ、哨戒タワーまでの距離は?
アントニーナ今のスピードだと、約10分ほどですね。
{教授}こちらは約10分後に、大量のウイルスを連れて到着する見込みよ。
戦闘準備を。
下位浄化者【?】
 返答を待たずに、私は通信を切った。
{教授}あっちが茫然としてる間に、浄化者の管轄内に向かうわよ。
アントニーナ借刀殺人(しゃくとうさつじん)とは、よく考えたものです。
{教授}ウイルスの駆除が浄化者たちの生業でしょう。
それに、その表情。あなたもまんざらじゃないくせに。
アントニーナなにせ、借りるのは浄化者の「刀」ですから。これでしばらくは安全ですね。
{教授}その前に、生きて哨戒タワーにたどり着けたらね。