| オディールが出現する数分前、浄化者No.05哨戒タワー。 | |||
| 私が下位浄化者と話している間に、 私の通信機を受け取ったアントニーナは、部隊の後方へと下がった。 | |||
| アントニーナ | ……どなたです? | ||
| ? | こちらは、元浄化者No.05哨戒タワーの進駐軍だ。 約13分前にこのチャンネルから救難信号を受信した。 | ||
| ? | 信号を発したのはお前か? 状況を説明せよ。 | ||
| アントニーナ | 「元」浄化者No.05哨戒タワー?……何を言っているんです? | ||
| ? | No.05哨戒タワーは、数時間前にエントロピーウイルスによって占拠された。 我は部下を連れて撤退後、リバベルに援軍を要請し、 現在No.05哨戒タワーへと帰還中だ。 | ||
| アントニーナ | !! | ||
| 救難要請を発信すると、すぐに返事が来た。 | |||
| ?? | 【不明な救難信号を検知しました、応答願います】 | ||
| アントニーナ | 早い……数分はかかると思ったのに…… | ||
| アントニーナ | つまり、お前が本物の浄化者?なら、私たちをここへ導いたのは…… | ||
| ? | 聞こえるか? 救難を要請した者よ、そちらの状況を説明せよ。 | ||
| アントニーナ | まずい……クソッ、油断した!! | ||
| アントニーナは猛然と振り向いた――その時、空中から急降下する黒い翼が目に入る。 | |||
| 考えが追いつくより先に、彼女の体は動いていた。 | |||
| グサッ―― | |||
| アントニーナ | ……ぐっ…… | ||
| {教授} | アントニーナ!! | ||
| アントニーナ | 教授……これは、罠です…… | ||
| オディール | ようこそ、あなたのために設えた舞台へ。 | ||
| オディール | これは挨拶代わりよ、ご満足頂けた? | ||
| {教授} | オディール……お前が……! | ||
| オディール | なんてことかしら。 とっさの攻撃を勇者が受けとめるかと思えば、 傷ついたのは傍らの魔法使いだったなんて。 | ||
| オディール | 思いもよらない展開ね……驚いた? | ||
| {教授} | ……! | ||
| 私は答えずに、オディールに向けて即座にオペランド攻撃を放った。 この距離で避けられるはずがない。しかし、彼女はアントニーナの肩から 鉤爪を引き抜くと、あろうことかそれを易々と躱した。 | |||
| アントニーナ | ぐぅっ……タ、ターゲット、ロックオン……! | ||
| オディール | こんな状況ですら、私のメンタルに侵入するおつもり?その鋼の意志には感心するわ。 | ||
| オディール | でも残念、これもシナリオの想定内よ。 | ||
| オディールは自身を掴んでいたアントニーナの手を振り払い、 勢いに乗じて後方へフワリと飛び上がり、私たちから遠のいた。 | |||
| 私はすぐにアントニーナを支え、背後にいたエージェントに命令を下す。 | |||
| {教授} | 攻撃開始! | ||
| 戦闘エージェント | 了解! | ||
| 戦闘エージェントたちがオディールを攻撃し始める。 私は意識を失ったアントニーナを抱えて、その場から逃げ出した。 | |||
| オディール | 賢明な判断ね。けれど……哨戒タワーに足を踏み入れた瞬間から、バッドエンドは運命づけられているの。 | ||
| 宙に浮かぶオディールが翼を羽ばたかせると、 建物の中からエントロピーが一斉に顔を出し、私たちへと迫った。 | |||
| 戦闘エージェント | 教授、弾薬が底を尽きそうです! | ||
| {教授} | マガジンを2つ残しておいて、哨戒タワーの他のエリアに向うわよ! | ||
| 私はアントニーナの端末と、彼女の手にあった自分の通信機を手に取り、 周囲のマップを素早く開いた。エントロピーの動きとマップの位置を照らし合わせれば、 敵の行動を判断するのは、そう難しいことじゃない。 | |||
| {教授} | 一番ゲートの傍にエントロピーの群れが5、哨戒タワーの下には3、兵舎には5…… | ||
| {教授} | Cエリアの入り口が6つのエントロピーの群れに塞がれてる。 Bエリアの入り口は……1つだけだわ。 しかもBエリアには武器庫もある…… | ||
| {教授} | みんな、ついてきて!Bエリアよ! | ||
| {教授} | 補給があればそこで拾う、その後Aエリアまで迂回。 一箇所に留まらないで!できる限り時間を稼ぐのよ! | ||
| 私たちはアントニーナを背負って、どうにかこうにかBエリアへと逃げてきた。 使えそうな弾薬を拾い終えると、すぐに武器庫から撤退し、白い建物の間を逃げ回る。 | |||
| 戦闘エージェント | 小隊の死傷率が40%を越えました。 | ||
| 戦闘エージェント | 教授、次の手立てを考えておくべきかと。我々も長くは持ちません。 | ||
| 私は周囲を見渡した。 傍についてきている戦闘エージェントは残りわずかだ。 | |||
| {教授} | ……ごめんなさい、この戦いには必ず勝ってみせる。 | ||
| 戦闘エージェント | 戦いに犠牲はつきものです、我々は最期まであなたの指示に従います。 | ||
| 戦闘エージェント | どうかご自分を責めないでください。また新しい私が、あなたに会いに行きますから。 | ||
| {教授} | ……ありがとう。 | ||
| その時、待っていたと言わんばかりに、黒い影が上空へと現れた。 ニ名の戦闘エージェントによる応戦も虚しく、 急降下するオディールに蹴り倒されてしまう。 | |||
| オディール | 心を痛めているの、教授さん? | ||
| オディール | 些末な端役が退場したことに?観客すら彼らを覚えていなくても? | ||
| オディール | ええ、もちろん、もちろんよ。それがあなたの英雄たる所以ですもの……あなたの史詩は、彼らの血と犠牲の上に成り立っている。 | ||
| オディール | なんて無意味で尊いのかしら!そして私は、その史詩の立会人。 | ||
| オディール | それを我が主へと歌い継ぐためにも、この私が残酷な処刑人、そして終局への導き手となりましょう。 | ||
| (選択) | 1.あなた、まともに話もできないの? | A | |
| 2.あなたの目的は何? | B | ||
| A | オディール | 芸術は往々にして誤解を招きやすい……けれど、私は一向にかまわないわ。 | |
| オディール | なぜなら我が芸術は、我が主だけに許されしもの。 | C | |
| B | オディール | 目的など必要? | |
| オディール | 主の命令に私は従う、それだけよ。 | C | |
| C | オディール | あの御方の監督のもと、私たちは再び巡り合う……これを運命の再会と呼ばずしてなんと? | |
| (選択) | 1.なぜ私たちを狙うの? | D | |
| 2.ちょうど、あなたたちとのケリをつけたかったところよ。 | E | ||
| D | オディール | 無粋なことを訊くのね。マグラシアのすべてが私たちの敵よ、当然でしょう? | F |
| E | オディール | あら、両思いだったなんて嬉しいわ。 | F |
| F | オディール | 風の噂に聞いたわ。あなたと緑髪のお嬢さんが筆頭となって、私たちに抗う術を模索しているそうね? | |
| オディール | そこのエージェントたち……皮膚を割かれようと、神聖なる液体を傷口に注がれようと、すぐには私たちの眷属にならない…… | ||
| オディール | なんて素晴らしい。主はあなた方に興味津々よ!あなたのリーダーシップ、そして彼女の技術力…… | ||
| オディール | そういった貴重な素質を、我々のコレクションにぜひ加えたいの。 | ||
| オディールが一歩一歩近づいてくる。 彼女に続くエントロピーの数がいよいよ増してゆく。 | |||
| {教授} | それ以上は近づかないほうが身のためよ。 | ||
| オディール | そんな意気地のない台詞、あなたには相応しくないわ。もう少し強気になられたら? | ||
| {教授} | これが最後の警告よ、私たちに近づかないで。 | ||
| オディール | かくれんぼを続けたところで、緩やかに死を迎えるだけよ。 | ||
| オディールがそう言い放ったとたん、彼女の背後から軽快な銃声が響いた。 | |||
| 下位浄化者 | 【大量のエントロピーウイルスを検知!】 | ||
| 下位浄化者 | 【粛清プログラム起動!】 | ||
| オディール | どういうこと、なぜこんなに早く…… | ||
| {教授} | ようやくわかってもらえた? なぜ私たちが逃げ回っていたか。 | ||
| {教授} | 生き延びるためだけじゃない……援兵を待ってたのよ。 | ||
| オディール | …… | ||
| オディールの視線が、私の持つ端末へと向けられる。 | |||
| ? | こちらは、元浄化者No.05哨戒タワーの進駐軍だ。 約13分前にこのチャンネルから救援要請を受信した。 | ||
| ? | No.05哨戒タワーは、数時間前にエントロピーウイルスによって占拠された。 我は部下を連れて撤退後、リバベルに援軍を要請し、 現在No.05哨戒タワーへと帰還中だ。 | ||
| ? | 聞こえるか? 救難を要請した者よ、そちらの状況を説明せよ。 | ||
| オディール | なるほど、浄化者との通信を立ち上げたまま……作戦や私たちの位置を大声で口にしていたのはそのため。 | ||
| {教授} | 浄化者を騙るなら、それ相応の覚悟を持ってもらわないと。 | ||
| オディール | ……暴力的な手段は避けたかったけれど、仕方ないわね。 | ||
| オディール | 教授、私といらっしゃい。 | ||
| オディールは幽霊のように姿を消したかと思うと、瞬時に私との距離を詰めてきた。 | |||
| ゴッ!! | |||
| オディール | …… | ||
| 刹那、頭上から降ってきた真っ白な盾が、私とオディールの間に突き刺さった。 | |||
| ? | 元浄化者No.05哨戒タワー進駐軍リーダー、中位浄化者、フェイス。持ち場へと帰還した。 | ||
| フェイス | ターゲットのシグネチャコードを確認……イオスフォロス様のホワイトリストに含まれているな。 | ||
| フェイス | これより、この者とその仲間を保護対象と認定する。その他のイレギュラーどもを消し去れ! | ||
| ペイシェンス | 【命令を受理、陣形調整開始】 | ||
| オディール | 予想だにしない騎士が舞台へと上がったわね……戻ってくる勇気があっただなんて。 | ||
| オディール | 賛嘆に値するわ。けれど軽はずみな衝動は、戦場に骨を埋めるだけよ。 | ||
| エントロピーたちが建物のあらゆる隙間から滲み出て、 哨戒タワーの中をエントロピー液がのったりと流れる。 | |||
| フェイスは白い盾を呼び戻し、宣誓するかのように手前へと掲げた。 | |||
| フェイス | 吾等は暗闇で刃を鍛え、混沌より秩序を守り、長夜に光明を灯す。 | ||
| フェイス | 強大と放恣するなかれ、弱小と逃避するなかれ。 | ||
| フェイス | 吾等は神の啓示を諦聴し、神の意志を履行せん。 | ||
| フェイス | 吾等は永劫にて、ともに同一なる声を遵奉せん。 | ||
| 白い盾が目前の怪物を押し潰し、騎士の怒号とともに部隊が突進する。 | |||
| フェイス | ゆけ、マグラシアの栄誉のために!! |
