| オディール | 嗚呼、なんて物悲しいエレジー。 | ||
|---|---|---|---|
| オディールが宙高く飛び上がる。足元にひしめくエントロピーの群れと、 突撃してきた浄化者たちが熾烈な戦いを繰り広げている。 | |||
| フェイス | 陣列を整えろ!奴らに隙を与えるな! | ||
| オディール | さすがは主に忠誠を誓った騎士様ね。その強靭さと決断力、結末を彩るのにふさわしいわ。 | ||
| オディール | あなたの配下は、そこまで優秀ではなさそうだけれど。 | ||
| ディフェンダー | 【激しい損傷を……検知……】 | ||
| プロテクター | 【警告……稼働エラーです】 | ||
| フェイス | リファクター小隊、続け!後列、定点射撃用意! | ||
| リファクター | 【命令を受理、行動開始します】 | ||
| 盾を掲げたフェイスが高所から浄化者を指揮し、エントロピーの攻勢を瓦解させてゆく。 | |||
| オディール | なるほど……卓越した指揮者だこと。 | ||
| オディール | 図体が大きすぎるのが玉に瑕ね……まるで標的にしろと言わんばかり! | ||
| スプラッシャー | !! | ||
| オディールの合図に合わせて、後列のスプラッシャーがフェイスに狙いを定め、 一斉射撃を開始する。 | |||
| フェイス | 「サンクチュアリ」! | ||
| フェイスはすかさず盾を高く掲げ、頭上に白い障壁を展開することで、 黒紫色の砲弾を真正面から受け止めた。 | |||
| 強烈な爆発音の続く中、次第に砕けてゆく障壁は、 それでも砲撃を完全に防ぎきった。ところが―― | |||
| オディール | 隙あり! | ||
| 紫色の煙霧が晴れてゆくと同時に、オディールが最後のヴェールを切り裂き、 フェイスの頭上めがけて瞬時に急降下してくる。 | |||
| フェイス | …… | ||
| フェイスは避けようとはしなかった。 それどころか体をわずかにそらし、手にした盾をどけた。 盾に隠されていた人影を見て、オディールは両目を大きく見開いた。 | |||
| フェイスと盾の間から現れたのは、アントニーナだった。 小柄な少女は頭部をほんの少し上げて、帽子の下からオディールをせせら笑った。 | |||
| アントニーナ | どーも。 | ||
| オディール | ……お前……!? | ||
| とっさの急ブレーキも虚しく、凄まじい速度で急降下し続けるオディールは、 完全にアントニーナの攻撃範囲へと収まった。 | |||
| アントニーナのまとう薄緑色のオペランドが瞬時に凝縮し、 オディールが回避する直前に、彼女に命中した。 | |||
| オディール | ぐガぁああアッ!!!! | ||
| オディール | これが……DDoS、攻撃…… | ||
| オディール | 私たちのオペランドをもってすれば、この程度…… | ||
| アントニーナ | オデットのオペランドを回収する気なら、もう遅いよ? | ||
| オディール | !? | ||
| オディール | そんな馬鹿な……オデット……オデット? | ||
| オディールはオデットを呼んだ。返答はない。 | |||
| オディール | オデット……嘘、嘘よ……お前たち、何をした!? | ||
| 旗色が悪いと知るや、オディールは即座に全エントロピーを呼び寄せ、 自身の周囲に障壁を作った。 だがアントニーナの狙いは、すでに彼女に定められている。 | |||
| アントニーナ | そろそろターシャリレベルで休んだら?安心してよ、骨は拾ってあげるから。 | ||
| ピッ―― | |||
| エンターキーが押されるとともに、オディールの目が閉じられる。 翼を折られたブラックスワンが、無限に広がるエントロピーの湖へと墜ちていった。 |
