| データセンター、ホール。 | |||
| オデット | いらっしゃい……観客のみなさん。 | ||
|---|---|---|---|
| 黒紫色に染まったホールの中心に、オデットとチューリングはいた。 | |||
| ハンナ | チューリング……! | ||
| オデットに捕らわれたままのチューリングは、 首をかしげた状態で、目を半開きにさせている。 逸るハンナの呼び声は聞こえていない。 | |||
| 目の前の景色が、記憶の中の光景と重なり合う。 情緒が乱れるのを必死に抑え、ハンナは拳を握りしめた。 | |||
| ハンナ | チューリングに何をした!? | ||
| オデット | 彼女が、生き延びるかどうかは……あなた次第……それだけ覚えておいて。 | ||
| オデット | こちらの条件は、砲台を破壊すること……でも、あなたはまだ、約束を果たしていない。 | ||
| ハンナ | わかってる、だから約束のために交渉しにきたの。チューリングを放して、代わりに私が人質になる。 | ||
| オデット | 嘘つき……わかってるのよ。 | ||
| オデット | どうせ手下をつれて……私を殺しにきたくせに。 | ||
| ハンナ | …… | ||
| 一触即発の雰囲気に、戦闘エージェントたちが装うのをやめて武器を構えた。 ソルも剣を抜いて、戦闘態勢を取る。 | |||
| オデット | あなたなら……立派なコメディアンになれそう。 | ||
| オデット | お姉さまが言ってた……どうせ、オアシスの連中に唆されて……約束を破るに違いないって。 | ||
| オデットの低い声とともに、ハンナたちの背後から、 紫色のエントロピー液がじわじわと溢れ出した。 | |||
| オデット | せっかく良い方法を思いついたのにね……そんなちっぽけな人数じゃ……逆に呑み込まれちゃうね? | ||
| オデット | ぜんぶを欲張れば、ぜんぶを失う……そうでしょう? | ||
| ハンナ | …… | ||
| オデット | その表情……期待外れだわ。 | ||
| オデット | つまんないの……少しは慌てたら? | ||
| ハンナ | なにせ、お前の行動が期待通りだったものだから。 | ||
| オデット | ……? | ||
| オデットがハンナの意図を測りかねていると、ふいにメンタルの奥がざわついた。 | |||
| オデット | どういうこと……!? | ||
| オデット | お姉さまの声が……変だわ…… | ||
| オデット | まさか、誰かが、お姉さまに侵入しようと……! | ||
| ハンナ | 今だ!総員攻撃!! |
