| オディール | ようこそ、最後の舞台へ。 | ||
|---|---|---|---|
| ハンナ | ……それが本当の姿なんだ。 | ||
| オディール | 意外? | ||
| ハンナ | べつに……妹にそっくりだと思って。 | ||
| オディール | …… | ||
| オディールは一瞬呆然とするも、すぐに笑顔に戻った。 | |||
| オディール | あなたみたいな頑固者にも、心揺さぶる言葉が紡げたのね。 | ||
| ハンナ | 事実を言ったまでだよ。それがロッサムの美徳なの。 | ||
| ハンナがオディールに向き直る。 | |||
| ハンナ | ターシャリレベルでは、意志の強さがすべてを決める。最初に姿を現さなかったのは、私の力を見計らってたからでしょ? | ||
| ハンナ | 外じゃあなたは私の何倍も強い。だけどここでは、そうとは限らない。違う? | ||
| オディール | 素晴らしい推測ね。だけど、私の目的はあなたを殺すことじゃない。 | ||
| ハンナ | だったら、この茶番はなに?単なるお膳立て? | ||
| オディール | 音響、美術、照明、そして役者。舞台を構成する要素はどれ一つとして欠かせない。ただそれだけよ。 | ||
| オディール | 残念だわ。もしチューリングがここにいたら、デュエットで競演できたのに。 | ||
| ハンナ | 一生残念がってな、チューリングを巻き込ませはしない。 | ||
| オディール | いやだわ、ほんの少し嘆いただけじゃない。 | ||
| その時、暗闇からオデットが姿を現した。 先ほどまでボンヤリとしていた表情が、今ではわずかに生気を取り戻している。 | |||
| オデット | お姉さま…… | ||
| オディール | いらっしゃい、オデット。こちらのお嬢さんと、一曲踊りましょうか。 | ||
| オディール | もしかしたら……これが「カーテンコール」になるかもしれないわ。 |
