臨界爆震 STAGE 21 岐路-13

Last-modified: 2025-02-05 (水) 02:01:14

 オディールとオデットが、エントロピー液の中へと倒れ込んだ。
どちらも真っ白な顔を仰向けにして、綻んだ天井を瞳に映している。
オデットお姉さ、ま……
オディールあぁ……また……終わってしまった……
オディールこの演目も……いよいよフィナーレね……
 ハンナが無表情でそれを見下ろしている。
 横たわったままのオディールが、視線をハンナに向けて、淡く微笑んだ。
オディールたかがエージェントが……ターシャリレベルの幻に抗えるだなんて……
オディール最期に……観客のコメントを頂戴しても……?
オディール読み取ったはずの、チューリングの記憶の欠片……なぜ急に変異を遂げたの?なぜ、私たちは負けたの……?
ハンナ……何が起きたのかは、私にもわからない。
ハンナでも、教授の……人間の言葉を借りるなら、これが「」の力なんだって。
ハンナ理由なんて必要ない。私はチューリングにたくさんの「愛」をもらった。それさえあれば、私はなんだって乗り越えられる。
ハンナ今度は私がその「愛」を、チューリングに分け与える番。幻覚や勝ち負けなんかに囚われてたまるか。私はここを出て、チューリングに会うんだ。
オディール愛……今、あなたの帰りを待つ彼女は、本当にあなたの言う彼女なのかしら?
オディール昔のように、あなたを愛せると思う?
ハンナどちらかが相手を覚えている限り、新しい絆は紡げるよ。「愛」は受け継いでゆける。
ハンナ彼女を信じる私を、私は信じる。
 そう言って、ハンナは姉妹に背中を向けると、
ふりむきもせずに明るい場所へと歩いていった。
オディール自分の……選択、ね……そうか、そういうこと……あはは……
オディール空を自由にかけめぐる、小さな小鳥……あなたが、真の「主役」だったの?
オディールこれだけの逸材を、演者に加えなかったのは……私の落ち度ね……
オディール新たな時代の幕が開く……この物語を……終わらせる時が来た。
オディール最期に……この手で終止符を……