臨界爆震 STAGE 7 未明

Last-modified: 2025-02-05 (水) 01:00:37

 時が刻一刻と流れる。
戦いの最中の一秒一秒が、いまだかつてないほど長く感じられた。
ソルま、まだなの!?
ハンナ制御プログラム起動完了、エネルギー充填開始!
機械音【高密度オペランドレールガン、エネルギー充填:1%……】
機械音【高密度オペランドレールガン、エネルギー充填:2%……】
機械音【高密度オペランドレールガン、エネルギー充填:3%……】
ソルウソでしょ、遅すぎない!?
ハンナオペランドを高密度に圧縮しているんです。
ソルそうは言ってもさ……
クロックソル、どいて!!
ソルえっ?……あっ!
 ドォンッ!!
 轟音が響くとともに、ディラックが私たちの傍で倒れた。
 続いてコックピット部分が射出される。
ソルがとっさに地面を転がって剣をふるい、
クロックが逃げられるだけのスペースを作った。
クロックゴホッゴホッ……なにこれ、エントロピー液?まじサイアクやん……
ソルクロック、大丈夫!?
クロックうん、ディラックもまだ使えるよ……念のため飛び出してきたってだけ。
 エントロピーの大群が倒れたディラックを覆い尽くしてゆく。
最前列の戦闘エージェントたちも、次々とエントロピーに呑み込まれてしまう。
クロックここまで、か……
ハンナいいえ……まだです!どうか諦めないでください!
 通信の向こうから、機械音声がはっきりと聞こえてくる。
機械音【高密度オペランドレールガン、エネルギー充填:9%……】
機械音【高密度オペランドレールガン、エネルギー充填:10%……】
ハンナチャージ完了しました!
ハンナ座標地点から速やかに撤退してください!
{教授}全員後退!その場に伏せて!
 怒涛のごときエントロピーの群れが、目の前へと迫っている。
群れの先頭にいる個体が、まっすぐ私へと向かってくる。
剣を抜いて斬りかかろうとするソルを、私とアントニーナが制した。
ソルえ――えっ?
アントニーナ伏せて!!
 刹那、宙を舞うエントロピーが、突如訪れた真っ白な光の中へと消えた。