| 時が刻一刻と流れる。 戦いの最中の一秒一秒が、いまだかつてないほど長く感じられた。 | |||
| ソル | ま、まだなの!? | ||
| ハンナ | 制御プログラム起動完了、エネルギー充填開始! | ||
| 機械音 | 【高密度オペランドレールガン、エネルギー充填:1%……】 | ||
| 機械音 | 【高密度オペランドレールガン、エネルギー充填:2%……】 | ||
| 機械音 | 【高密度オペランドレールガン、エネルギー充填:3%……】 | ||
| ソル | ウソでしょ、遅すぎない!? | ||
| ハンナ | オペランドを高密度に圧縮しているんです。 | ||
| ソル | そうは言ってもさ…… | ||
| クロック | ソル、どいて!! | ||
| ソル | えっ?……あっ! | ||
| ドォンッ!! | |||
| 轟音が響くとともに、ディラックが私たちの傍で倒れた。 | |||
| 続いてコックピット部分が射出される。 ソルがとっさに地面を転がって剣をふるい、 クロックが逃げられるだけのスペースを作った。 | |||
| クロック | ゴホッゴホッ……なにこれ、エントロピー液?まじサイアクやん…… | ||
| ソル | クロック、大丈夫!? | ||
| クロック | うん、ディラックもまだ使えるよ……念のため飛び出してきたってだけ。 | ||
| エントロピーの大群が倒れたディラックを覆い尽くしてゆく。 最前列の戦闘エージェントたちも、次々とエントロピーに呑み込まれてしまう。 | |||
| クロック | ここまで、か…… | ||
| ハンナ | いいえ……まだです!どうか諦めないでください! | ||
| 通信の向こうから、機械音声がはっきりと聞こえてくる。 | |||
| 機械音 | 【高密度オペランドレールガン、エネルギー充填:9%……】 | ||
| 機械音 | 【高密度オペランドレールガン、エネルギー充填:10%……】 | ||
| ハンナ | チャージ完了しました! | ||
| ハンナ | 座標地点から速やかに撤退してください! | ||
| {教授} | 全員後退!その場に伏せて! | ||
| 怒涛のごときエントロピーの群れが、目の前へと迫っている。 群れの先頭にいる個体が、まっすぐ私へと向かってくる。 剣を抜いて斬りかかろうとするソルを、私とアントニーナが制した。 | |||
| ソル | え――えっ? | ||
| アントニーナ | 伏せて!! | ||
| 刹那、宙を舞うエントロピーが、突如訪れた真っ白な光の中へと消えた。 |
