暮染まる君が頬 舞殿の祝演 STAGE 1 御子
Last-modified: 2026-02-26 (木) 02:48:35
- 科学技術の発展により、数百年数千年ものあいだ受け継がれてきた、古来の信仰の多くが後継者を失い、衰退の危機に面していた。世襲制で代々継承されてきた伝統的な信仰すらも、新たな世代で放棄される事態がまま起きている。さらに戦争の勃発がそれに拍車をかけた。労働力がひどく枯渇した時代に、適した人選を神職に携わらせることはあまりにも困難であった。
- 神職人形を開発して、伝統を守ろう
(特殊支援人形を部隊に加える)
- 暮之夢神社は、そんな時代の流れに抗い続けていた。高齢な神社の主・楓は、神道の伝統が失われるのを防ぐべく、UASにS55-HMKの製作を依頼した。オーダーメイド人形である彼女には、神職者としての基本的な素養が備わっているだけでなく、介護業務も完璧に成し遂げることが可能だ。
- 君惠を暮之夢神社へと連れ帰ると、楓はすぐに神社の日常業務を彼女へと引き継いだ。楓はけして、君惠を人形のように扱おうとはしなかった。妙な噂が立つのを見越して、楓は彼女の身分を意図的に隠した。やがて暮之夢神社を訪れる参拝者たちは、境内に慎ましやかに微笑む美しき巫女が現れたことに気づく。
- 「きっと、楓様が遠くから呼び寄せた継承者でしょう」
- 君惠は巫女として働き始めてからしばらく経たずして、正式に神職者の資格を授けられている。暮之夢神社の大黒柱たる君惠は、神事か日常業務かに関わらず、いずれも整然と切り盛りしている。特に人々の目を引くのは、神儀における彼女の神楽の舞いだろう。
- 「君惠様の神楽の舞は、人間界と神をつなぐかのようだ」
- 「大和撫子」という評価に違わず、料理は彼女の十八番である。楓からの直伝はほんのわずかで、残りのレシピのほとんどは参拝者の口述、または近隣の住民からのおすそ分けを参考にしている。実例があろうとなかろうと、君惠は強大な理解能力でたちまちその見た目や味、口当たりを極限まで近づけてしまうのだ。
- ありがとうございます、君惠様
(特殊支援人形を部隊に加える)
- 神社に長居する巫女は、けして万能ではない。君惠の現代の科学技術やメディア、娯楽方面に関する知識はあまりにも乏しい。三年にも及ぶ楓との旅で、信仰の残る古い村ばかりを訪れていた彼女にとって、前衛的な見聞を広める機会は限られていた。そのため新しい物事への理解は依然として「神の恩賜と懲罰」に留まってはいるが、だからこそ彼女は浮かれることなく、穏やかな心構えでいられた。
- その職業の特殊性から、君惠はしばしば祟除の儀式へと招かれる。その役割は陰陽師に近い。以来、君惠は怪談物語に触れる機会が増え、民間に伝わる様々な伝承に詳しくなった。豊富な「怪異データベース」に引き寄せられる形で、彼女は蔵音、野良の二人と親しくなる。時にはうだるような暑さの日に、新しい怪談話を持ち寄り、オアシスの皆と納涼会に興じることも。蔵音の雰囲気満点な演出とクロのリアクションも相まって、夏の暑さをしのぐ格好の場となっている。
- 「世間の注目の的」――こういった単語は、君惠とはなんの関係もないはずだった。だが「神隠し」を探す野良の配信画面に、図らずも彼女が映り込んでしまう。オアシス匿名BBSに君惠推しのスレッドが立つのに、たいした時間はかからなかった。そういった経緯で、君惠はクロの霊能番組にレギュラーゲストとして招かれる。
メディアへの露出がきっかけとなり、オアシスに設立された暮之夢神社の人気は急上昇。祝祭日になれば参拝者でごった返し、賑やかなことこの上ない。かつての寂れた心霊スポットの面影は、もはや跡形もなくなっていた。
- 「製品コード:S55-HMK」
「素体コード:■■■■■■■■■■」
「製品シリアル番号:■■■■■■■■■■」
「アクティベート時刻:2054.03.05」
「製品名:Kimie」
「メンタル活性度:??(メンタルプログラムは暗号処理が施されているため、検測不可)」
「S55-HMK、CALL NAME:君惠」
「…システム認証完了」
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