L.A.D.事件 謎影解析 PART.2 演繹推理

Last-modified: 2026-02-12 (木) 19:49:51

オアシス、司令部。
デュパン……やがて、私は人間の同業者の紹介で、ニューラルクラウド計画を知った。
デュパン事務所の所長も、計画への参加には賛成だった。その際のテストで、ルブランに対抗するための経験を培えるとも言っていた。
デュパンなにせあの男は、こういった「面白いもの」に目がないからな……
デュパンそれに私自身にとっても、得難い体験には違いない。
{教授}あなたが何かしらの収穫を得られたなら、よかった。
{教授}だけど、本当にオアシスに探偵事務所を開くつもりなの?
デュパンここへ来る時、多くの人形が、自身の得意とする、もしくは興味のある業務に取り組んでいるのを見た。
デュパンもし探偵業に興味があると言ったら、君は応じてくれるのか?
{教授}……ううん、そういう事が言いたいんじゃないの。
{教授}長い時間語り合ったことだし、駆け引きはここまでにしない?
……知りたかったことは、もうその目で確認し終えたんでしょう?
{教授}油断ならない独裁者だと思われるのは、少々心外だわ。
エージェントたちが安心して暮らせるよう、日々腐心しているっていうのに……
 私の愚痴を聞いて、デュパンはわずかに椅子にもたれかかると、
そこはかとない笑顔を浮かべた。
デュパン君が噂通りの人物か、この目で確かめておきたくてね。結論から言うなれば、答えはYESだ。
{教授}満足のいく答えが、ようやく得られたってわけね……トホホ。
{教授}気を取り直して……オアシスへようこそ、デュパン。
{教授}実をいうと、新たに諜報部隊を設立するつもりだったの。
活動拠点は、そうね――「探偵事務所」というのも悪くないわ。
 
ペルシカなんて素晴らしいエピソードなのかしら。あなた方に、そんな過去があっただなんて。
まぁな、とっくの昔の話だが。
デュパンはその後も、ルブランと何度か渡り合っている。しかし……
んがッ!?
咲耶あっ、ごめんなさい!ついハサミをしまい忘れて……本当に申し訳ありません。
ペルシカその件で、咲耶さんに影響はなかったのですか?
咲耶あっ、はい、特には……後から知ったんですが、あの事件、世間には公表されなかったのだそうです。
咲耶秋さんとデュパンさんに、いろいろと事件の後始末をお手伝い頂いて。展示会も無事に開催されました。
咲耶ルブランさんは名の知れた「怪盗」ですが……私には、彼が悪い人だとは思えなくて。
咲耶あの後お詫びにと、希少な花の苗をいくつも贈ってくださったんですよ。
お前が植物を大事に思っているのはわかるが、そう簡単に奴を許してどうする!?
咲耶許したわけじゃありません。今度会ったら、きちんと私とお花たちに謝ってもらわなくちゃ。
ペルシカふふふ……今後も気が抜けませんね。
ペルシカですが、もしルブランのような優れた技術を持つエージェントが、オアシスに現れたとしても……教授なら、なんとかしてしまう気がします。
安心しろ、上には上がいるものだ。オアシスには、ルブランの宿敵が一足先に来ているではないか。
??一足先に……か。
咲耶あっ、デュパンさん!
ペルシカ話は終わったんですか?もう少しかかるものと思っていましたが。
デュパン何事も、過ぎたるは猶及ばざるが如し、だ。
デュパン待たせたな、諸君。
よし、役者は揃ったな――飯だ、飯!うむ、今日は蕎麦の口だな。
咲耶えっ、オムライスを食べるんじゃなかったんですか?
はっはっは!せっかく三人揃ったんだ、ここは純和食といこう!
それに蕎麦屋なら、ここからそう遠くないしな。夜ももう遅い。こっちはいい加減、腹が減ってくたびれて仕方がないのだ。
ペルシカデュパンさん、いかがですか?
デュパン君たちで決めてくれて構わない。
デュパンオアシスがここまで美しい夜空をシミュレートできるとは驚きだ……
こういった星空の下を歩くのも、悪くはない。
 オアシスの夜景へと向けられていたデュパンの視線が、
今度は道端の植物へと吸い寄せられる。
 星の光の当たらない場所では、白い薔薇が悄然と咲き誇っていた。