| オアシス、司令部。 | |||
| デュパン | ……やがて、私は人間の同業者の紹介で、ニューラルクラウド計画を知った。 | ||
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| デュパン | 事務所の所長も、計画への参加には賛成だった。その際のテストで、ルブランに対抗するための経験を培えるとも言っていた。 | ||
| デュパン | なにせあの男は、こういった「面白いもの」に目がないからな…… | ||
| デュパン | それに私自身にとっても、得難い体験には違いない。 | ||
| {教授} | あなたが何かしらの収穫を得られたなら、よかった。 | ||
| {教授} | だけど、本当にオアシスに探偵事務所を開くつもりなの? | ||
| デュパン | ここへ来る時、多くの人形が、自身の得意とする、もしくは興味のある業務に取り組んでいるのを見た。 | ||
| デュパン | もし探偵業に興味があると言ったら、君は応じてくれるのか? | ||
| {教授} | ……ううん、そういう事が言いたいんじゃないの。 | ||
| {教授} | 長い時間語り合ったことだし、駆け引きはここまでにしない? ……知りたかったことは、もうその目で確認し終えたんでしょう? | ||
| {教授} | 油断ならない独裁者だと思われるのは、少々心外だわ。 エージェントたちが安心して暮らせるよう、日々腐心しているっていうのに…… | ||
| 私の愚痴を聞いて、デュパンはわずかに椅子にもたれかかると、 そこはかとない笑顔を浮かべた。 | |||
| デュパン | 君が噂通りの人物か、この目で確かめておきたくてね。結論から言うなれば、答えはYESだ。 | ||
| {教授} | 満足のいく答えが、ようやく得られたってわけね……トホホ。 | ||
| {教授} | 気を取り直して……オアシスへようこそ、デュパン。 | ||
| {教授} | 実をいうと、新たに諜報部隊を設立するつもりだったの。 活動拠点は、そうね――「探偵事務所」というのも悪くないわ。 | ||
| ペルシカ | なんて素晴らしいエピソードなのかしら。あなた方に、そんな過去があっただなんて。 | ||
| 秋 | まぁな、とっくの昔の話だが。 | ||
| 秋 | デュパンはその後も、ルブランと何度か渡り合っている。しかし…… | ||
| 秋 | んがッ!? | ||
| 咲耶 | あっ、ごめんなさい!ついハサミをしまい忘れて……本当に申し訳ありません。 | ||
| ペルシカ | その件で、咲耶さんに影響はなかったのですか? | ||
| 咲耶 | あっ、はい、特には……後から知ったんですが、あの事件、世間には公表されなかったのだそうです。 | ||
| 咲耶 | 秋さんとデュパンさんに、いろいろと事件の後始末をお手伝い頂いて。展示会も無事に開催されました。 | ||
| 咲耶 | ルブランさんは名の知れた「怪盗」ですが……私には、彼が悪い人だとは思えなくて。 | ||
| 咲耶 | あの後お詫びにと、希少な花の苗をいくつも贈ってくださったんですよ。 | ||
| 秋 | お前が植物を大事に思っているのはわかるが、そう簡単に奴を許してどうする!? | ||
| 咲耶 | 許したわけじゃありません。今度会ったら、きちんと私とお花たちに謝ってもらわなくちゃ。 | ||
| ペルシカ | ふふふ……今後も気が抜けませんね。 | ||
| ペルシカ | ですが、もしルブランのような優れた技術を持つエージェントが、オアシスに現れたとしても……教授なら、なんとかしてしまう気がします。 | ||
| 秋 | 安心しろ、上には上がいるものだ。オアシスには、ルブランの宿敵が一足先に来ているではないか。 | ||
| ?? | 一足先に……か。 | ||
| 咲耶 | あっ、デュパンさん! | ||
| ペルシカ | 話は終わったんですか?もう少しかかるものと思っていましたが。 | ||
| デュパン | 何事も、過ぎたるは猶及ばざるが如し、だ。 | ||
| デュパン | 待たせたな、諸君。 | ||
| 秋 | よし、役者は揃ったな――飯だ、飯!うむ、今日は蕎麦の口だな。 | ||
| 咲耶 | えっ、オムライスを食べるんじゃなかったんですか? | ||
| 秋 | はっはっは!せっかく三人揃ったんだ、ここは純和食といこう! | ||
| 秋 | それに蕎麦屋なら、ここからそう遠くないしな。夜ももう遅い。こっちはいい加減、腹が減ってくたびれて仕方がないのだ。 | ||
| ペルシカ | デュパンさん、いかがですか? | ||
| デュパン | 君たちで決めてくれて構わない。 | ||
| デュパン | オアシスがここまで美しい夜空をシミュレートできるとは驚きだ…… こういった星空の下を歩くのも、悪くはない。 | ||
| オアシスの夜景へと向けられていたデュパンの視線が、 今度は道端の植物へと吸い寄せられる。 | |||
| 星の光の当たらない場所では、白い薔薇が悄然と咲き誇っていた。 |
