| ルブラン | おおっ……秋のやつ、なかなかやるな……! | ||
|---|---|---|---|
| デュパン | 気をつけろ、相手は銃を持ってる! | ||
| ラチェット | 全員そこを動くなッ!! | ||
| 秋 | 誰が貴様に口を開けと言った? | ||
| デュパン | 秋――受け取れ! | ||
| それは、瞬く一筋の刀光。 | |||
| デュパンが秋の刀を投げて寄越す。秋の視線が即座にそれを捉えた。 デュパンの掛け声を耳にして、ラチェットが振り向いた時には、 刀はすでに秋の手の中にあった。 | |||
| ルブラン | そいつをぶら下げていたのは、この時のためか…… | ||
| 秋 | ラチェット!貴様だけは許さんッ!! | ||
| ラチェット | な―― | ||
| 秋 | この刃を、とくと味わえ!! | ||
| 疾風のごとく、咆哮のごとく、敵の銃口へと初めの一閃が振り下ろされる。 | |||
| 警官 | なるほど、事情はわかりました。他に補足は? | ||
| デュパン | 捜査に必要とあらば、いつでも連絡してくれたまえ。 | ||
| ルブラン | いやぁ、お見事、お見事。 | ||
| ルブラン | 人形の制限を一部外したか……ラチェットも、人形をここまで信頼する主(あるじ)がいるなどとは、思いもしなかっただろう。 | ||
| 秋 | 当然だ!まぁ、制御だのプログラムだのに関しては、俺はさっぱりだがな。 | ||
| 秋 | 爺さんが告げなかったということは、さほど重要でもないのだろう。 | ||
| ルブラン | デュパンよ、これもすべて君の計算通りというわけか?恐ろしい奴だ。 | ||
| デュパン | あらん限りの可能性を考慮したまでだ。たとえこれが成功せずとも、まだ切り札は残っている。 | ||
| デュパン | だが、今の私にとっては…… | ||
| デュパンは倉庫の窓から空を仰ぎ見た。 陽の光が、狭い裏通りに新たな朝をもたらしている。 二日目が訪れたのだ。 | |||
| デュパン | もう朝か……間に合いそうもないな。 | ||
| 秋 | 間に合わない?なにがだ? | ||
| 秋 | ……しまった!数珠丸恒次! | ||
| ルブラン | ほう、思い出せるとは意外だな。 | ||
| 秋 | 咲耶……? | ||
| デュパン | あれはルブランだ。 | ||
| 秋 | ル、ルブランだと!? | ||
| 秋 | ま、待ってくれ。なぜ咲耶がルブランなのだ?い、一体どういう……?数珠丸恒次は安全なのか!? | ||
| 秋の怒涛の質問を待たずして、咲耶の素体がぐらりと揺れた。 | |||
| ルブラン | むぅ、そろそろ目を覚ます頃合いか……いいだろう。お嬢さん、素体は君に返そう。 | ||
| ルブラン | ベスト……タイミング、だ…… | ||
| 少女が着物の裾を持ち上げて、ぎこちなくお辞儀をしたかと思うと、 今度は扉にもたれかかるようにして、ゆっくりとその場に座り込み、 「咲耶」は目を閉じた。 | |||
| 秋 | 咲耶?……ではなく、ルブランだったな。今度は一体どうしたのだ? | ||
| デュパン | 心配無用、咲耶さんなら無事だ。ルブランによる素体の制御が解かれたのだろう。 | ||
| デュパン | どうやら、ルブランが先に動いたようだな……おそらく、本人はすでに展示会場へと紛れ込んでいる。 | ||
| 秋 | まずいぞ……何がなんだかわからんが、どう考えても明らかにまずい! | ||
| デュパン | 今から駆けつけても無駄だ、用意周到なルブランに敵うはずもない。だが、それでも…… | ||
| 秋 | 善は急げだ!兎にも角にも、試さずしてどうする! | ||
| デュパン | 秋……確かにな、諦めるにはまだ早い。すぐに出発しよう! | ||
| ボディガード | 若旦那!ご無事でしたか! | ||
| 秋 | ちょうどいい所に来た!咲耶を頼む!爺さんに、大事な要件があると伝えてくれ! |
