| 慌ただしい足音が街中にこだまする。 二人は道を急ぎつつ、情報交換を行った。 | |||
| 秋 | ……なるほどな、ようやく理解できたぞ。 | ||
| 秋 | 恩に着るぞ、デュパン!あやうく妙な場所で眠りこけていたところだ。 | ||
| デュパン | 礼を言う必要はない。私を足止めするのが目的とはいえ、ルブランは初めから踏んでいたはずだ。私ならば、この難題を解決できると。 | ||
| デュパン | あの怪盗は救いようもなく愚劣だが、極悪非道というわけでもない。 | ||
| デュパン | 結果として、私は君をルブランとの勝負に巻き込んでしまった。謝るべきは私の方だ。 | ||
| 秋 | わかったわかった、うじうじするのはそこまでだ。着いたぞ! | ||
| 秋 | お前の話を聞くと、この会場の警備がすこぶる厳重に思えてくるな。 | ||
| 秋 | ルブランの奴は、一体どうやって数珠丸恒次を盗むつもりなのだ?よもや、白昼堂々と奪う気か? | ||
| デュパン | 正直に言えば、私にもわからない。 | ||
| 秋 | ほう、なかなか骨がありそうだ!俺も捜査に加わることができたら、あるいは…… | ||
| 秋 | うむ……とにかく中に入るぞ! | ||
| 会場内では、展示会の準備が着々と行われている。 垂れ幕と照明に囲まれた展示台は、すべて正常であるかのように思われた。 | |||
| 数珠丸恒次は、会場内に静かに陳列されている。 セキュリティ装置の庇護のもと、なんら異常は見られない。 | |||
| 秋 | 妙だな……奴はまだ来てないのか? | ||
| デュパン | あれだけの準備を整えて、ルブランがただで済ませるはずがない。 | ||
| デュパン | まずはセキュリティ設備、それと出入り口の確認を…… | ||
| ロボットB | 【(o゚▽゚)o ケンサ!ケンサ!ハジメルドー!】 | ||
| ロボットC | 【(o゚▽゚)o コッチハ、モンダイアリマヘン!】 | ||
| ロボットA | 【(〝▼皿▼) コッチモ、モンダイナシヤ!】 | ||
| ロボットB | 【(o゚▽゚)o オイラモ、モンダイナ――】 | ||
| ところが、ロボットたちの報告に伴い、安定していたはずのセキュリティ装置から、 耳をつんざくようなノイズが鳴った。 | |||
| ロボットB | 【( 」゚Д゚)」< ンゴゴゴゴーー!?コ、コワレタ!コワレタンゴ!?】 | ||
| ロボットC | 【( 」゚Д゚)」< ギャアアアアア!!ヒ、ヒッカッカッタ!オ、オチテキマッセーー!!】 | ||
| 目の前の出来事が、緻密な計算に基づいた人為的なものであるのは明らかだった。 無数の鎖とキャスターが絡まりあい、垂れ幕の制御装置に繋がれた縄もろとも、 それぞれ異なる方向へと引っ張られてゆく―― | |||
| 垂れ幕が次々と落下するにつれ、展示台のフレームを支える鎖が重みに耐えきれず、 引きちぎられそうになる。 | |||
| デュパン | 危ない! | ||
| 秋 | 俺がやる! | ||
| すると、秋のたくましい素体が、真っ先にその本領を発揮した。 彼は瞬時に鎖へと飛びかかると、切れた鎖の両端をむんずとつかんだ。 | |||
| 秋 | こいつは俺の専門だ……ここはまかせろ! | ||
| 秋 | このたぐいの装置の詳細なら、俺のデータベースにある!デュパン、お前はお前にできることをしろ! | ||
| ルブラン | まさにベストタッグだな、正義の使者どもよ。 | ||
| デュパン | ルブラン! | ||
| ほんの一瞬、怪盗の姿が垂れ幕の合間を掠めていった。 庭を散歩するかのような佇まいが、瞬く間に消失する。 | |||
| 一歩、二歩……人影が、展示されている宝刀へと近づいてゆく。 | |||
| デュパン | させるか!! | ||
| ロボットA | 【(〃>皿<) オタカラ、マモラナ!オタカラ、マモルデー!】 | ||
| ロボットC | 【( 」゚Д゚)」< アクトウ、ツカマエマッセ!アシノズボン、ヒッパリオシ!】 | ||
| ロボットB | 【( 」゚Д゚)」< アクトウ、クルマエニ!オタカラ、コッチニハコベ!】 | ||
| ルブラン | チッ……こしゃくなチビどもが。 | ||
| デュパン | (待て、なにかおかしい……これは、一体なんだ?) | ||
| ルブラン | ほう。余所見か?面白い、何が君をそうさせる? | ||
| ルブラン | 相手に無礼だとは思わんか、名探偵? | ||
| 秋 | あと少しだ……すぐにこいつを直してみせる! |
